ホーム・クッキン+5/ジミー・スミス-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第3回発売2008/09/19 23:49

BN4050 - Home Cookin - Jimmy Smith

 ギターにケニー・バレルを迎え、曲によりパーシー・フランス(ts)を加えたカルテットによる演奏集。
 パーシー・フランス(Percy France)が参加した1959年6月のカルテット・セッションを中心に、1958~1959年に渡る3つのセッションより構成されたアルバムです。
 レイ・チャールズの「I Got A Woman」や、マ・レイニーの「See See Rider」など、有名曲も取り上げております。

 カラー・ジャケットに写る店は、アポロ・シアター近くにある『Kate's Home Cooking』
 で、このアルバムはその店のオーナー・シェフ『Kate O. Bishop』に捧げられたアルバムとのこと。


 程好くソウルフルな「See See Rider」、お次のK・バレルのオリジナル「Sugar Hill」はバレルのシングル・トーンが冴える曲です。
 テーマ部でのバレルとスミスの丁々発止のやり取りが楽しい「I Got A Woman」、シンプルなテーマのブルース「Messin' Around」はカルテットによる演奏。

 マイナー・キーのブルース「Gracie」、R&Bテイストのドラムが雰囲気を盛り上げる「Come On Baby」
 オリジナル・アルバムのラスト「Motorin' Along」は、コール&レスポンス風の軽快なテーマを持つ作品です。


 なお今回はボーナス・トラックとして別テイクを含む5曲が追加されております。

 「Since I Fell For You」は、バディー・ジョンソン(Buddy Johnson)の作品。
 ちなみにこの曲、山下達郎さんがアコーステック・ライブで演奏していた曲でもあります。

 ややバップ風の「Apostrophe」は、パーシー・フランスのオリジナル。

 「Groanin'」は単純なテーマのブルース。「Cool Struttin'」に近い感じかなあ。



Home Cookin' / Jimmy Smith Blue Note BN4050

01. See See Rider (Ma Rainey) *3 6:33
02. Sugar Hill (Kenny Burrell) *3 + 5:17
03. I Got A Woman (Ray Charles) *2 3:54
04. Messin' Around (Jimmy Smith) *3 5:54

05. Gracie (Jimmy Smith) *3 5:51
06. Come On Baby (Kenny Burrell) *3 6:48
07. Motorin' Along (Jimmy McGriff) *1 5:07

-bonus tracks-
08. Since I Fell For You (Buddy Johnson) *1 4:16
09. Apostrophe (Percy France) *3 6:32
10. Groanin' (Jimmy Smith) *2 8:07
11. Motorin' Along (Jimmy McGriff) -alternate take- *1 5:00
12. Since I Fell For You (Buddy Johnson) -alternate take- *1 6:25

*1
Jimmy Smith (org) Kenny Burrell (g) Donald Bailey (ds)
Recorded on July 15, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

*2
Jimmy Smith (org) Kenny Burrell (g) Donald Bailey (ds)
Recorded on May 24, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

*3
Percy France (ts -omit +) Jimmy Smith (org) Kenny Burrell (g) Donald Bailey (ds)
Recorded on June 16, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7133 ホーム・クッキン+5 / ジミー・スミス
TOCJ-7133 Home Cookin' / Jimmy Smith (RVG) [BN4050 +5]




新・ブルーノートRVGコレクション第9回より-フェイス・トゥ・フェイス+2 - ベイビー・フェイス・ウィレット2008/03/10 23:06

FACE TO FACE - BABY FACE WILLETTE  Blue Note BST-84068

 『FACE TO FACE / BABY FACE WILLETTE』は、乗りの良いオルガンにソウフルフルなギター、そこにR&Bテイストのドラムとサックスが絡みあう聴きやすい一枚。
 再発LPから始まり、CDは何種類買ったことか・・・・1997年発売の「connoisseur cd series」では、録音当時のサングラスをかけたリーダーの写真なんかが掲載されております。


 つい最近まで、J-Wave などのFM曲で「Whatever Lola Wants (Sarah Vaughan) / Gotan Project Remix」が、パワー・プレイされておりました。
 この曲、1955年のミュージカル(数年後に映画化)「くたばれヤンキース」の中の1曲だったそうですね。知らなかったー。

 でも私が「Whatever Lola Wants」を聴いて思い出すのは、このアルバムです。

 ちなみにRVG紙ジャケ版のライナーには、シカゴジャズ資料館のテリー・マーティン氏が『オルガン=サックス・ジャンルにおける究極の古典ではないだろうか』と賞賛しています。
 私もこのR&Bテイスト満載、ソウルフルなアルバムがなければ、オルガン・ジャズにのめり込むことが無かったような気がします。


 オープニングのチャッチーな「SWINGIN' AT SUGAR RAY'S」、ダウン・トゥ・アースな「GOIN' DOWN」、そして日本人が好みそうなメロディーの「WHATEVER LOLA WANTS」

 後半(LP時代はB面)は、縦乗り気味の楽しい「FACE TO FACE」、哀愁漂う「SOMETHING STRANGE」、最後はR&Bテイストの「HIGH 'N LOW」で締めくくります。


 また追加された2曲は、本テイクとあんまり遜色ない出来で、一部演奏構成が異なったりして楽しめます。


FACE TO FACE / BABY FACE WILLETTE Blue Note BST-84068

01. SWINGIN' AT SUGAR RAY'S (Willette) 6:33
02. GOIN' DOWN (Willette) 7:26
03. WHATEVER LOLA WANTS (Adler-Ross) 7:18

04. FACE TO FACE (Willette) 6:14
05. SOMETHING STRANGE (Willette) 6:40
06. HIGH 'N LOW (Willette) 7:07

07. FACE TO FACE (Willette) -alternate take-
08. SOMETHING STRANGE (Willette) -alternate take-

Fred Jackson (ts) "Baby Face" Willette (org) Grant Green (g) Ben Dixon (ds)
Recorded on January 30, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7087 フェイス・トゥ・フェイス+2 / ベイビー・フェイス・ウィレット




Verve Remixed, Vol. 2 [Compilation 2003]
3. Whatever Lola Wants (Sarah Vaughan) / Gotan Project Remix


新・ブルーノートRVGコレクション第5回より-ミッドナイト・スペシャル - ジミー・スミス2007/10/29 22:20

BN4078-MidnightSpecial-JimmySmith

 「ブルーノートがオルガン・ジャズの代表的なレーベルとなるのに、時間はそれほどかからなかった。六○年夏に発売したスミスの『ミッドナイト・スペシャル』(4078)が一年半がかりで『ビルボード』誌の二五位(シングル・チャートでは六九位)にまでのぼりつめるや、あとは次々と彼のレコードがチャートに入り始める」
 小川隆夫著『ブルーノートの真実(東京キララ社発行)』より


 いきなり引用でスイマセン。ブルーノートはこの作品で、初めてポップ・チャートにランク・イン!
 その後もJ・スミスの作品は3枚ほどポップ・チャートにランク・インすることとなります。

 ・・・・しかし、人気者となった彼は、63年にヴァーブに移籍してしまいます。初めて専属契約を結ぶまで入れ込んだライオンでしたが、スミスを引き止めることなく、喜んで送り出したと言われています。商売の前に、ミュージシャンの立場を考えてくれる人なんですね。

 オルガン・ジャズという新分野を開拓したブルーノートは、その後もベイビー・フェイス・ウィレット、ビック・ジョン・パットン、ラリー・ヤングなどのオルガン奏者の作品を発表していきます。


 ビック・ヒットを記録したこの作品、二人の名ブレイヤーの参加魅力です。
 まずはおなじみ、ギターのケニー・バレル(Kenny Burrell)。洗練されたプレイが魅力的ですねー。
 もう一人は、これがブルーノート初録音となるスタンレー・タレンタイン(Stanley Turrentine)。J・スミスの紹介で、ブルーノートの録音に参加した彼は、A・ライオンのお気に入りとなり2ヶ月後にはリーダーアルバム「Look Out ! (BST-84039)」を録音します。
 そういえば、「Look Out !」は以前に紹介したことがありましたね。
 ブルーノートを離れた後に、スター・プレイヤーとなった彼、人気者になった時は「ジャズ界でもっとも高いギャラをもらう男」だったそうです(私の記憶では)。


 さ、て、と、アルバムの内容を簡単に書いていきましょう。

 アルバムは、S・タレンタインのソウルフルなブローに刺激されたか、J・スミスはいつも以上に、ソウルフルな演奏を聴かせます。
 前半2曲はタレンタインを含むトリオ!によるソウルフルな演奏。後半の3曲には、ケニー・バレルが加わり、ハード・バップ的な演奏を聴くことが出来ます。

 後半、K・バレルが加わった演奏は、前の2曲と比べて洗練された演奏に感じられます。主役のJ・スミスも、切れの良いフレーズを出してきますし。


 どの曲も、聴き応え十分なのですが、面白いのは最後、カウント・ベイシー(Cout Basie)楽団のヒット曲、「ONE O'CLOCK JUMP」です。
 何回聴いても、テーマ部分におなじみのフレーズが出てこないので、これ「ONE O'CLOCK JUMP」?と悩んでしまいますが。

 J・スミス、スタッカートを利かせて、C・ベイシー大好き!なことをアピールします。ベイシー特有のピアノ・フレーズをオルガンで演奏するというのは、とても面白い試みだと思います。
 K・バレルのギター・カッティングもこれまた、フレディ・グリーン(Freddie Green)風なのがまた、笑いを誘います。

 すると、S・タレンタインは、誰を真似ているのか・・・・こうして推測するだけでも楽しい演奏です。


●TOCJ-7046 ミッドナイト・スペシャル / ジミー・スミス
※リンク張り替えの際、該当するCDが見つからないので、2007年に発売された輸入盤と差し替えました。




MIDNIGHT SPECIAL / JIMMY SMITH Blue Note 84078

01. MIDNIGHT SPECIAL (Jimmy Smith) 9:53
02. A SUBTLE ONE (Stanley Turrentine) 7:40

03. JUMPIN' THE BLUES (McShann-Parker-Brown) * 5:25
04. WHY WAS I BORN (Kern-Hammerstein) * 6:31
05. ONE O'CLOCK JUMP (C.Basie) * 6:58

Stanley Turrentine (ts) Jimmy Smith (org) Kenny Burrell (g -*) Donald Bailey (ds)
Recorded on April 25, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


未CD化アルバムをあえて紹介してみる-Something to Listen to / Jimmy McGriff Blue Note BST-843642007/10/16 20:48


 先月あたりから、EMIジャパンさんのRVGシリーズもようやくおもしろいアイテムが出始めましたね。
 特にリマスター年が「2007年」になっているものは要注意!

 ・・・と書いておいてなんですが、今回から10月24日までは、日本でCD化されないだろう作品を紹介していきます。
 ※季節の変り目で、ちょっと体調不良の為、記事をアップする時期(日付)がずれこんでますが、ご容赦を。


 まずはソニー・レスターのプロデュースによる、ジミー・マグリフ(Jimmy McGriff)の作品、オルガン・ジャズ!

 オルガン・ジャズという分野は、アルフレッド・ライオンがジミ-・スミスと共に開拓したと言ってもいいでしょう。
 ちょっと長くなりますが、『ブルーノートの真実/小川隆夫著(東京キララ社)』から、ボブ・クーパーさんのコメントを引用させていただきます。

 『あの時代、オルガン・ジャズは確固たるマーケットを持っていた。ソウル・ミュージックがロックやポップスと同じようなビック・マーケットになってきたんだ。その一角にオルガン・ジャズが食い込んでいた。ジャズ・ファンとソウル・ミュージック・ファンは必ずしも一致しない。その両方から支持されていたのがオルガン・ジャズだ。そして、ジミー・スミスを抱えていたブルーノートが他のレーベルを圧倒していた。』

 時が流れ、ジミー・スミスがヴァーブに移籍しまい、アルフレッド・ライオンが引退してしまった後も、ブルー・ノートは積極的にオルガン奏者を積極的に迎え入れていきました。
 その内の一人が、今回のジミー・マグリフと言う訳です。


 奇妙!なジャケット、メンバーの詳細不明、ユナイテット・アーティスツ(United Artists)時代の作品と、ナイナイづくしのこの作品。
 ・・・・で中身も酷いかというと、結構!イケル!のである。マグリフは曲によりオルガンとピアノを弾きわけますし、ソウルフルなテナーの演奏もなかなか!
 無理矢理たとえると、「ジミー・スミス+C・ベイシー・オーケストラ」的な、ハッピーな演奏が多いです。


 まずは1曲目、アップテンポの「Indiana」を聴いて下さい。
 ジミー・スミス張りのダイナミックな演奏に加え、ごきげんなソロを取るテナー(名前不明)とギター(これまた名前不明)、そして煽りまくるドラム(名前不明)と言うことなし。良い。

 ピアノをオルガンを弾き分けるソウルフルな「Malcolm's Blues」、リラックス・ムード満点の「Satin Doll」でA面(LPだから)は終了。


 続いてB面は、ちょっとシリアスな「Deb Sombo」で始まります。この曲はピアノで演奏されてます。
 タイトル曲の「Something to Listen to」は、ミディアム・テンポのこれまたR&B調のリズムに乗ったソウルフルな演奏です。
 演奏の途中でテナー(名前不明)の方が突如鳴らすホイッスルが、これまたいい感じ。

 ラストの楽しい「Shiny Stockings」、C・ベイシー・オーケストラ風に、ドラム(名前不明)さんが盛り上げます。
 テナー1本のカルテット編成で、これだけ盛り上げることが出来るとは・・・オルガン侮り難し。


 どこかでこのLPを見かけたら、お手に取ってみて下さい。
 私の手持ちは、どこかのDJ氏が放出したと思われる、コンディションの良くないカット盤。それを多少音調整して、CDに焼いて聴いてます。


●Something to Listen to / Jimmy McGriff Blue Note BST-84364

side one
01. Indiana (B.MacDonald-J.F.Hanley) 6:38
02. Malcolm's Blues (J.McGriff) 6:14
03. Satin Doll (B.Strayhorn-D.Ellington-J.Mercer) 5:59

side two
04. Deb Sombo (J.McGriff) 6:38
05. Something to Listen to (J.McGriff) 4:46
06. Shiny Stockings (E.Fitzgerald-F.B.Foster) 5:35

unknown(ts) Jimmy McGriff(org, p) unknown(g) unknown(ds)
Recorded in NYC, circa autumn 1970


新・ブルーノートRVGコレクション第3回より-ハウス・パーティ+1/ジミー・スミス2007/09/02 22:05

JimmySmith - house Party

●TOCJ-7026 ハウス・パーティ+1/ジミー・スミス



 ジミー・スミスを主役としたブルー・ノート・オール・スターズによる豪華なジャム・セッションです。
 主役のスミス、ブレイキー、モーガンの3人がセッションをリードします。

 ボーナス・トラックは最後の「Confirmation」のみ。
 初期CD化の際に収録された残りの未発表曲はどうしたのでしょうかねえ?


 まあ肩肘張らず、お好きなアルコールでも飲みながら名演奏を堪能して下さい。

●House Party / Jimmy Smith Blue Note 84002

01. Au Privave (Charlie Parker) **
02. Lover Man (Ramirez-Davis-Sherman) ***

03. Just Friends (S.Lewis-j.Klenner) *
04. Blues After All (Kenny Burrell) *

05. Confirmation (Charlie Parker) **

*
Lee Morgan (tp) Curtis Fuller (tb) George Coleman (as) Eddie McFadden (g)
Jimmy Smith (org) Donald Bailey (ds)

Recorded on August 25, 1957 in NYC

**
Lee Morgan (tp) Lou Donaldson (as) Tina Brooks (ts) Kenny Burrell (g)
Jimmy Smith (org) Art Blakey (ds)

Recorded on Feburay 25, 1958 in NYC

***
Lou Donaldson (as) Eddie McFadden (g) Jimmy Smith (org) Donald Bailey (ds)

Recorded on Feburay 25, 1958 in NYC

ジミーさん!-The Incredible Jimmy Smith At Club Baby Grand, Vol. 1 [Blue Note BLP 1528]2007/03/23 07:18

The Incredible Jimmy Smith At Club Baby Grand, Vol. 1

 そういえば、地元の小学校の駐車場、親御さんの車でいっぱいでしたけど、今日が卒業式なのでしょうねー。

 で今日はオルガンのジミーさん。ジミー大西ではありません(~~)。


 このアルバムはオルガン・ジャズの革新者、ジミー・スミス(org)の4枚目にして初のライブ録音。

 いずれの演奏も10分前後と長尺なんですが、聴いていると時間があっというまに過ぎていきます。


 オープニング・アナウンスのあと、会計用レジスターの「チン!」の音を合図に、それっ!とばかりにジミーさんのオルガンが飛び出してくるという洒落た演出も、心憎い限りです。


 演奏曲では、ホレス・シルバー作曲のゴスペル・ファンク・ナンバー「The Preacher」 が特にいい!

 テンポは、ホレス自身のオリジナル録音より遅めなんですが、これがオルガンのうねるようなサウンドに合うんですねー。


●The Incredible Jimmy Smith At Club Baby Grand, Vol. 1 [Blue Note BLP 1528]

01. Introduction By Mitch Thomas
02. Sweet Georgia Brown (Pinkard)
03. Where Or When (Rodgers/Hart)

04. The Preacher (Horace Silver)
05. Rosetta (Hines/Woods)

Jimmy Smith (org) Thornel Schwartz (g) Donald Bailey (ds)
Recorded on August 4, 1956 at "Club Baby Grand", Wilmington, DE


☆アマゾンでは新品がないのですね・・・。



 80年代?、東芝EMIさんがブルー・ノートをまとめて再発した時、「1500番台は全部買う。ただし、ジミー・スミスはいらん!」という方がいたそうなんですが(笑)、そこを何とか・・・・。

 ジミーさんのライブ・アルバムは結構聴き易いので、一度お聴き下さいませ。


●おまけ●
 「Baby Grand」のある、デラウェア州ウィルミントンは、クリフォード・ブラウン(tp)の出身地でしたね。

 手持ちCDの解説(岩波洋三さんです)読んでて、思い出しましたよ。