アダムス・アップル+1/ウェイン・ショーター-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売2008/11/24 21:40

BN4232 - Adams Apple - Wayne Shorter

 ハービー・ハンコック参加、ウェイン・ショーターのワンホ-ン・アルバム。
 ジャズ・ロックの快演『Adam's Apple』、M・デイヴィス・クインテットでも名演を残した『Footprints』収録。
 このアルバム録音直前1965年12月末には、あの壮絶な『プラグド・ニッケル』でのライブ録音が行われておりますよ。


 『Adam's Apple』は、重厚なジャズ・ロックっす。
 ハービー・ハンコックの歯切れ良いバッキングにのり、ダークな音色で脱力気味のブローを展開するW・ショーター(笑)。
 まあ、しっかしハービーのテンションの高いこと・・・・・。


 しっとりとした3拍子の『502 Blues (Drinkin' And Drivin')』はピアニスト、ジミー・ロウルズ(Jimmy Rowles)の作品。
 ほんわか幻想的なムードの中でW・ショーター、空間に漂うようなフレーズを綴っていきます。


 『El Gaucho』は、歯切良いボサノ・ヴァ風リズムの1曲。
 ジョー・チェンバースの叩き出す『カッ!カッ!』と聴こえるリム・ショットが心地良いですなあ。


 『Footprints』は、6/8拍子のゆったりとしたテンポの曲です。
 茫漠としたW・ショーターのソロ、続くH・ハンコックは対照的に前のめり気味でテンション高め。

 ちなみにマイルス・デイヴィス・クインテットによる演奏は、1966年10月録音の『Miles Siles (Columbia)』に収録されてますね。


 『Teru』は、美しくも幻想的なスロー・バラッド。
 こういう耽美的な演奏は、ウェインとハービーのコンビにしか生み出せないでしょう。
 ここにマイルス・デイヴィス(Miles Davis)が加わると、もっとシニカルな演奏になるだろうし・・・・。


 ラストの『Chief Crazy Horse』 はオリジナル・ライナーによると、ややジョン・コルトレーン(John Coltrane)風味漂う曲。
 そういう視点で聴いてみると、ジョー・チェンバースのドラムが、あら、エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)風に聴こえて来る不思議(笑)。
 およっ!ソロでは、ハービー・ハンコックがマッコイ・タイナー(McCoy Tyner)風フレーズを・・・・(苦笑)。


 なお今回はボーナス・トラックとして、『The Collector』が追加収録されております。



Adam's Apple / Wayne Shorter Blue Note BN4232 [+ 1]

01. Adam's Apple (Wayne Shorter) * 6:44
02. 502 Blues (Drinkin' And Drivin') (Jimmy Rowles) 6:30
03. El Gaucho (Wayne Shorter) 6:29

04. Footprints (Wayne Shorter) 7:27
05. Teru (Wayne Shorter) 6:11
06. Chief Crazy Horse (Wayne Shorter) 7:34

07. The Collector

Wayne Shorter (ts) Herbie Hancock (p) Reggie Workman (b) Joe Chambers (ds)
Recorded on February 3(*) & 24, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7170 アダムス・アップル+1/ウェイン・ショーター
TOCJ-7170 Adam's Apple / Wayne Shorter [BN4232 + 1]


ザ・ケープ・ヴァーディーン・ブルース/ホレス・シルヴァー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売2008/11/21 22:57

BN4220 - Cape Verdean Blues - Horace Silver

 ウディ・ショウ(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)を擁するクインテットを主体に3曲だけJ.J.ジョンソン(tb)が加わる面白い編成の1枚。
 ウディの特性にピッタリな『The African Queen』というディープな1曲も収録。


 『The Cape Verdean Blues』は、3つの要素を掛け合わせて創ったリズミックな1曲。
 1つ目はカーボヴェルデ共和国に伝わるポルトガル民謡、2つ目はブラジルのサンバ、3つ目がアメリカのブルースとのこと。
 軽快なサンバ風のリズムに乗り、ややエキゾチックなテーマが演奏されます。
 いきなり『キョ!キョ!キョ!』と、擬音風フレーズで登場するホレスは絶好調ですなあ。


 スローテンポで徐々に盛り上がる『The African Queen』は、アフリカ民謡からヒントを得て創られた1曲。
 こういうディープな曲想は、ウディ・ショウのフレーズにピッタリ。ソロで陰影の濃い強烈なブローを展開します。
 ソロ最初に登場するジョー・ヘンダーソンも、抑え気味ながらフリー寸前のソロで応戦(笑)。

 『Pretty Eyes』は、ブルージーな3拍子のワルツで、テーマ後半におけるリズム隊の盛り上げ方が素敵な1曲。
 こんな盛り上げ方されたら、フロント陣はおもっきりブローする他、手が無いだろうなあ(笑)。ホレス、流石です。


 ☆後半3曲(LP時代はB面)では、超絶技巧のトロンボーン奏者J.J.ジョンソン(tb)が加わります。

 アンサンブル重視のアップテンポ・ナンバー『Nutville』は、ソロ一番手にJ.J.ジョンソン登場。
 ソロ部では、ホレスのバッキングで盛り上げ、後半でフロントのアンサンブルが登場する豪華さ。
 あとテーマ部は、フロント3管+ホレスのピアノで「4管風ハーモニー」に聴こえます。


 『Bonita』は、重厚なハーモニーが魅力的なミディアム・テンポの曲。
 ズンズンと突き上げるようなりズムにのり、ホレス・シルヴァーがレイドバック気味の渋いソロを展開します。


 ラストの『Mo' Joe』は、ジョー・ヘンダーソンの手による1曲。
 ただ事前の情報がないとホレスの曲だと勘違いしそうな程、演奏はホレス色に染まっております(笑)。
 ややトリッキーなテーマではありますが、ソロは結構吹きやすい感じがするなあ。
   3管に拡大したホレスですが、次作『The Jody Grind / Horace silver [BN4250]』からまた2管編成に戻してしまいます。  収録曲の半分だけ3管というのは、ホレスの想像以上の効果が無かったという事か・・・。
 ハーモニー重視で新機軸を創った3管編成ジャズ・メッセンジャーズと違い、リズムに工夫を凝らす方がホレスらしい気がします。

 なお米国ベスト盤CDのみに収録される『BNLA』時代の『Silver 'N' シリーズ』は、ヴァラエティに富んだお勧めな作品です。
 BOXセットでいいから、CD再発してくれないかなあ。


The Cape Verdean Blues / Horace Silver Blue Note BN4220

01. The Cape Verdean Blues (Horace Silver) 4:57
02. The African Queen (Horace Silver) 9:34
03. Pretty Eyes (Horace Silver) 7:28

04. Nutville (Horace Silver) * 7:12
05. Bonita (Horace Silver) * 8:35
06. Mo' Joe (Joe Henderson) * 5:45

Woody Shaw (tp) J.J. Johnson (tb-*) Joe Henderson (ts) Horace Silver (p) Bob Cranshaw (b) Roger Humphries (ds)
Recorded on October 1 & 22(*), 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7169 ザ・ケープ・ヴァーディーン・ブルース/ホレス・シルヴァー
TOCJ-7169 The Cape Verdean Blues / Horace Silver [BN4220]




<付記>
 カーボヴェルデ共和国は、アフリカ西端ヴェルデ岬沖、約600㎞に位置する島国。

ザ・ジゴロ+1/リー・モーガン-ブルーノートRVGコレクション第2期第4回発売2008/10/29 22:56

BN4212 - The Gigolo - Lee Morgan

 日記の更新が、実際の日付けとどんどんずれていっております。今更新している実際の日付けは12月ですよ、旦那(笑)。
 こういう状態の時に限ってばかすか出すからなあ・・・EMIジャパンさん。


 名曲『Speed Ball』を含む、後期リー・モーガンの人気盤。
 これまた人気盤の『Delightfulee / Lee Morgan (BN4243)』と共に愛聴しているアルバム。
 ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)をはじめとした有能な共演者に恵まれ、リー・モーガンの作品には珍しくムラの無い構成と安定感のある演奏が魅力の1枚。


 『Yes I Can, No You Can't』はお得意のジャズ・ロック調な演奏。
 ビリー・ヒギンズ(Billy Higgins)独特のリズムに乗り、ショーター~モーガン~メイバーンと鮮やかにソロをリレーして行きます。

 2曲目の『Trapped』は、テンポの良いかなり熱い演奏。モーガン&ショーター・コンビによる4小節交換あり(笑)。

 昔(90年代)、ニューヨークの街角を取材したTV映像のバックにこの曲が使われていたのを見たことがありますが、あのハマリ具合は今でも鮮烈な記憶として残っておりますなあ。
 そういえばTV局は、マウントフジを放送していた「日本テレビ」だった記憶が・・・・(笑)。

 『Speed Ball』は、ミディアムテンポのかなり「いなせ(鯔背)」な演奏です。
 ラスト近くで展開されるL・モーガンとB・ヒギンズのソロ交換は壮絶ですなあ・・・。
 こんな風にさり気なく、カッコ良い演奏が出来たらなあ・・・と嘆息させられることしかり。

 なお、1996年に発売された3枚組『Live at the Lighthouse / Lee Morgan (Blue Note)』にもライブ・バージョンが収録されておりますから機会があれば聴き比べてみて下さい。


 長尺のタイトル曲『The Gigolo』は、ハロルド・メイバーン(Harold Mabern)のきらびやかな演奏が最大の聴き所。
 各パート毎に分かれたしっかりした構成の中、L・モーガンをはじめ各人の奔放な演奏が展開されます。
 ・・・な、何と言うか、ここまで圧倒的な演奏を聴かされた後には、気の利いた言葉なんか出てこないっす(笑)。


 『You Go To My Head』はアルバムの締めに相応しい、叙情感溢れる演奏。
 この曲、L・モーガンが愛人との痴情のもつれで射殺された後発売された追悼盤『Lee Morgan Memorial Album (BNLA-224-G)』にも収録されております。
 追悼盤でこの曲を聴くと、叙情感が一層増して来るのは何故だか・・・・とっても良いバラッドです、はい。


 なお今回は『The Gigolo -alternate take-』がアルバム最後に収録されております。
 蛇足ですが初回CD化(米国)の際は長尺の『The Gigolo』が連続して収録されており、アルバム構成が・・・。



The Gigolo / Lee Morgan Blue Note [BN4212 + 1]

01. Yes I Can, No You Can't (Lee Morgan) *2 7:20
02. Trapped (Lee Morgan) *1 5:57
03. Speed Ball (Lee Morgan) *2 05:28

04. The Gigolo (Lee Morgan) *2 10:58
05. You Go To My Head (Coots-Gillespie) *2 07:20

06. The Gigolo (Lee Morgan) *2 -alternate take-

Lee Morgan (tp) Wayne Shorter (ts) Harold Mabern (p) Bob Cranshaw (b) Billy Higgins (ds)
Recorded on June 25(*1) & July 1(*2), 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7148 ザ・ジゴロ+1/リー・モーガン
TOCJ-7148 The Gigolo / Lee Morgan [BN4212 + 1]




<おまけ>
 最初、1985年に復活した新生ブルーノートから発売されたアナログ盤を渋谷のタワーレコードで買った記憶があるから、本国でも売れ筋商品として認識されていたと思います。

 買ったのは確か、台風で最終日公演中止になった『マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル1989』を見に行った時だったよなあ。


バスラ/ピート・ラロカ-ブルーノートRVGコレクション第2期第4回発売2008/10/17 21:42

BN4205 - Basra - Pete La Roca

 オリジナリティ溢れるドラマー、ピート・ラロカ(Pete La Roca)の珍しいリーダー作品。
 1曲目『マラゲーニャ(Malaguena)』から、参加メンバーのパワー全開(笑)。特にフロントのジョー・ヘンダーソンの破天荒な演奏が素晴らしい。



 オープニングはラテン・ナンバー『Malaguena』。  エキゾチックなテーマの後、ジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)が予測不能、破天荒なソロを展開(笑)。
 ・・・・いやあ、好きだなあこの崩し方。このジョー・ヘン(勝手に略す)のソロを聴くためにアルバム購入しました、私(笑)。
 続くスティーブ・キューンの、やや切れ気味に聴こえるピアノ・ソロも凄い・・・・・。
 『Candu』は、ブルース・コードの作品。
 1曲目の無茶を聴いた後の箸休め的な作品と思いきや・・・・ジョー・ヘン、やってくれます(笑)。
 ソロの途中から、お得意の空間にパルス波を放射するかのようなフレーズを連発。心休まる隙を与えてくれません。


 疾走する感じが素敵な『Tears Come From Heaven』は、ちょっとハード・ボイルドな1曲。
 前2曲とがらりと変え、ピート・ラロカがステディなシンバルでリズムを刻む中、各人がまっとうなソロを展開します。


 タイトル曲『Basra』は、インド・中近東の雰囲気漂うベースによる長めのイントロから始まります。
 しかしまあ、ジョー・ヘンダーソンのうねるテナーが異国情緒漂う曲調にぴったりなのがなんとも・・・・。


 『Lazy Afternoon』は、スロー・バラッド。
 テーマをサブ・トーン気味に美しく歌い上げるジョー・ヘンダーソンのテナー、不覚にも(笑)心に染みます。


 ラストの『Eiderdown』は、ベースのスティーブ・スワロウ作曲によるミディアム・テンポの作品。
 綺麗な曲ですなあ・・・・破天荒な演奏をさんざん聴いた後にはなおさら(笑)。



Basra / Pete La Roca Blue Note BN4205

01. Malaguena (E.Lecuona) 8:57
02. Candu (Pete La Roca) 6:41
03. Tears Come From Heaven (Pete La Roca) 4:57

04. Basra (Pete La Roca) 9:53
05. Lazy Afternoon (Latouche-Moross) 5:29
06. Eiderdown (Steve Swallow) 4:26

Joe Henderson (ts) Steve Kuhn (p) Steve Swallow (b) Pete La Roca (ds)
Recorded on May 19,1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs,NJ.


TOCJ-7147 バスラ/ピート・ラロカ
TOCJ-7147 Basra / Pete LaRoca [BN4205]



スイート・ハニー・ビー/デューク・ピアソン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第2回発売2008/09/10 23:44

BN4252 - Sweet Honey Bee - Duke Pearson

 『スイート・ハニー・ビー』は、3管によるスモール・アンサンブル主体のピアノ・アルバムです。
 また面白いのは、本来アクの強いフロント陣がデューク・ピアソンのフィーリングの合わせ、明るく可憐な演奏に終始しているところです(笑)。
 フリーキーな感情剥き出しの演奏も、そろそろ飽きた頃だったのかしらん(笑)。


 蛇足ですが、1966年と言えば前年にはあのフリーの元祖、オーネット・コールマン(Ornette Coleman)がブルーノートに登場してます。
 あと新主流派と呼ばれるモード奏法を主体とした演奏、R&Bやソウル風などの大衆向け演奏など、まさに混沌とした状態が続いていた時期でもあります。

 このテイストは、まさに『Speak Like A Child / Herbie Hancock (BN4279)』そのもの。
 ・・・・よーく調べると、デューク・ピアソンがプロデュースしてましたね、BN4279・・・・納得だ(笑)。


 まあ、『スイート・ハニー・ビー』は路地に咲く一輪の花のように・・・・明るく可憐なアルバムです。
 70年代あたりにCTIレーベルから発売されても、あんまり違和感無い作品だなあ。



 可憐なフルートがテーマを主導するややジャズ・ロック調の「Sweet Honey Bee」
 テーマに続くデューク・ピアソンの、これまた甘く可憐なソロがたまらないですね。

 「Sudel」は、ドナルド・バード=ペッパー・アダムスによる双頭クインテット在籍時代を彷彿とさせる作品。
 そう考えると、フレディ・ハバードの抑え気味なソロが、ドナルド・バードっぽく聴こえるのはご愛嬌(笑)。
 たまにフリーキーなトーンをかますジョー・ヘンダーソンすら可愛く聴こえるし(笑)。

 美しいバラッドの「After The Rain」は、ジェームス・スポールディングのフルートを全面押し出した1曲。
 このアルバムの可憐さ・美しさは、ピアソンのピアノと、スポールディングのフルートが造り出しているものなんだなあ。

 ミディアム・テンポの「Gaslight」は、リラックス出来る曲です。  ジョー・ヘンダーソンの吼えず(笑)に、中音域主体に組み立てられる個性的ソロはなかなか。  ソロは、抑え目のハバード、シングル・ノート中心で美しいフレーズを奏でるピアソンと続きます。  ソロのラストからさりげなくセカンド・リフに突入するあたりは、スモール・コンボならではの味わいでしょう。

 ややカウント・ベイシー調のリズム隊の刻み(バッキング)から始まる「Big Bertha」
 一番手のフレディ・ハバードは、ビック・バンドの花形トランペッターみたいに、ややはったりをかましたソロを展開(笑)。
 ジョー・ヘンダーソンの豪快なテナー、ジェームス・スポールディングのアルトと続き、ラストはピアソンに引継ぎます。
 しっかしデューク・ピアソンのシンプルなソロは、なんだかカウント・ベイシーみたいですね。

 「Empathy」は、後乗り気味の(ための効いた)ファンキーな曲。
 ジェームス・スポールディングのフルート、ハバードのミュート・トランペットがファンキーなソロを聴かせてくれます。

 アルバム・ラストの「Ready Rudy ?」は、バード=アダムス・クインテット風のファンキー・ブルース。
 録音エンジニアのルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)に捧げられた1曲だそうです。
 ファンキーからフリーまで幅広くこなすフロント陣による、肩肘張らないリラックスしたソロをお楽しみ下さい。



Sweet Honey Bee / Duke Pearson Blue Note BN4252

01. Sweet Honey Bee (Duke Pearson) 4:54
02. Sudel (Duke Pearson) 5:39
03. After The Rain (Duke Pearson) * 4:41

04. Gaslight (Duke Pearson) 5:57
05. Big Bertha (Duke Pearson) 5:54
06. Empathy (Duke Pearson) 5:58
07. Ready Rudy ? (Duke Pearson) 5:58


Freddie Hubbard (tp -omit 4) James Spaulding (as, fl) Joe Henderson (ts -omit 4)
Duke Pearson (p) Ron Carter (b) Mickey Roker (ds)
Recorded on December 7, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7130 スイート・ハニー・ビー/デューク・ピアソン [BN4252]
TOCJ-7130 Sweet Honey Bee / Duke Pearson (RVG) [BN4252]




ザ・リアル・マッコイ/マッコイ・タイナー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第1回発売2008/08/11 23:36

BN4264-TheRealMcCoy_McCoyTyner

 「The Real McCoy / McCoy Tyner (BN4264)」は、マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)のブルーノート移籍第1弾作品です。
 師匠であるジョン・コルトレーンの替わりに新進気鋭のジョー・ヘンダーソンをフロントに迎え、アトランテック時代の初期コルトレーン・カルテットを彷彿とさせる快演を聴かせてくれます。


 蛇足ですがブルーノート創始者のアルフレッド・ライオンは、マッコイと契約して直ぐ1967年の秋に引退してしまいます。
 ちなみに前年の1966年5月には、ブルーノートはリバティに買収されており、日本にも東芝EMIが直輸入盤としてブルーノートのアルバムが発売された頃でもあります。

 このアルバム、当時のジャズ喫茶では人気盤であったでしょうね。何と言うかあの時代の熱さを今に伝える名盤であります。
 エルビンが変幻自在のポリリズムで煽り、マッコイが高速(ペンタトニック)プレーズを連発。
 そんなバックに対抗し、ジョー・ヘンダーソンはパルス波のような独特のうねうねしたフレーズを撒き散らす・・・ホント、熱いアルバムです。


 いきなりエルヴィンが、激しいリズムの嵐を巻き起こす「Passion Dance」
 エルヴィンの奔放なリズムに乗ってマッコイがバレリーナの様に華麗に舞い、続くジョー・ヘンダーソンは機関銃のように高速フレーズを綴る、といった熱い演奏が繰り広げられます。
 このトラック、1曲目にしてアルバム中最大のクライマックスでしょうね。

 ちょっと落ち着いた感じの「Contemplation(瞑想)」、ヘンダーソンがハードなブローを展開します。


 急速調の「Four By Five」、ソロに入るとさらに増速(笑)、各人勢いのあるソロを聴かせてくれます。

 幻想的なバラッドの「Search For Peace」、とってもアグレッシブな演奏の後、こういう演奏を聴くと心が和みます。

 思わず笑いがこみ上げるほどコミカルなテーマの「Blues On The Corner」、ジョー・ヘンダーソンのうねうねしたフレーズでさえなんだかユーモラスに聴こえます。



The Real McCoy / McCoy Tyner Blue Note BN4264

01. Passion Dance (McCoy Tyner) 8:44
02. Contemplation (McCoy Tyner) 9:10

03. Four By Five (McCoy Tyner) 6:33
04. Search For Peace (McCoy Tyner) 6:27
05. Blues On The Corner (McCoy Tyner) 5:58

Joe Henderson (ts) McCoy Tyner (p) Ron Carter (b) Elvin Jones (ds)
Recorded on April 21, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

TOCJ-7120 ザ・リアル・マッコイ / マッコイ・タイナー [BN4264]
TOCJ-7120 The Real McCoy / McCoy Tyner (RVG) [BN4264]





アマゾン携帯サイトでオーネット・コールマンが売れているらしい(笑)。2008/05/09 22:36


At the "Golden Circle" in Stockholm, Vol. 1 / Ornette Coleman Trio Blue Note BST-8224



At the "Golden Circle" in Stockholm, Vol. 2 / Ornette Coleman Trio Blue Note BST-8225



 最初に紹介したCDは、アマゾンの携帯サイト『ジャズ・フュージョン』ブルーノートの項目で販売数トップだったオーネット・コールマンの大名盤。
 フリーをあんまり良く知らない私も、追加曲につられて購入したもの。
 ランキング1位なのは多分、瞬間的なものだろうと思いますが、これが1位とは・・・・ナニが起こっているんだか(笑)

 フリーフォームでありながら、オーネット・コールマンのアルトが良く唄っているんだな、これが。


 ついでに近況報告を。

 色々準備に入っている関係で、最近まとまった記事が書けずにおります。

 まずは以前ご紹介した東芝EMIで過去に発売されたCDのリストをまとめて、どこかのHPスペースで公開するため準備を始めてます(笑)。

 私が使いこなしていない為、ここのブログ(アサヒネット)では過去記事の検索が面倒なこともあり、インデックス機能の役目を果たすHPスペースを整理したいという欲求もありますので。

 ついでに検索機能が良さそうなブログを探して、ミラーサイトとして立ち上げようか検討中。

 ブログは可能な限り、ほとんどの無料ブログを試そうかと思ってます。
 お試しサイトは作ってもすぐ消える可能性大なので、定着しそうならお知らせします。


 アフィリエイトが可能でCSSの変更が可能で良さそうなサイトがあればご紹介下さいませ。


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-スピーク・ライク・ア・チャイルド+3 - ハービー・ハンコック2008/04/13 02:31

SPEAK LIKE A CHILD - HERBIE HANCOCK  Blue Note BST-4279

 『SPEAK LIKE A CHILD』は、普通とはちょっと違った構成のアルバム。
 ・・・・つまり、ピアノトリオが主でホーン奏者がバックに廻るという主従逆転的な構成なんです。

 参加するホーン奏者がバックに徹することにより、ピアノソロやアンサンブル(曲自体も!)の美しさが引き立つ効果をもたらしてます。

 また収録曲の内2曲はマイルス・デヴィス(Miles Davis)のアルバムにも収録。一度、聴き比べるのも面白いと思われます。


 「RIOT」は、マイルス・デイヴィスのアルバム『Nefertiti(*1)』でも演奏された曲。
 小気味良いテンポにのって疾走するハービーのソロがとても美しく思えるトラックです。

 2曲目はアルト・フルートの音色が特に心地よいボサ・ノヴァ調の「SPEAK LIKE A CHILD」、 3曲目はトリオで演奏されるロン・カーター作曲のちょっとファンキーな「FIRST TRIP」


 「TOYS」は、ハービーがギル・エヴァンス(Gil Evans)の『Blues For Pablo(*2)』をイメージして作曲したものだそうです。
 こちらはテーマ部でベース・トロンボーンの重低音が効いてます。

 ちょっとセンチメンタルな気分になる「GOODBYE TO CHILDHOOD」、 ラストの「THE SORCERER」は、マイルスのアルバム『Sorcerer(*3)』のタイトルトラックとしても演奏された曲。
 ややアップテンポ気味、トリオだけによる演奏です。

 なお今回は追加曲として「RIOT」の2テイク、「GOODBYE TO CHILDHOOD」の別テイクも収録されております。


 ・・・・ひたすら美しいメロディとアンサンブルを堪能出来る一枚です。


●Speak Like A Child memo

*1 Riot - Recorded on July 19, 1967 [Nefertiti / Miles Davis Columbia CS-9594]
*2 Blues For Pablo - Recorded on May 23, 1957 [Miles Ahead / Miles Davis Columbia CL-1041]
*3 The Sorcerer - Recorded on May 17, 1967 [Sorcerer / Miles Davis Columbia CL-2732]


SPEAK LIKE A CHILD / HERBIE HANCOCK Blue Note BST-4279

01. RIOT (Herbie Hancock) *1 4:36
02. SPEAK LIKE A CHILD (Herbie Hancock) *1 7:46
03. FIRST TRIP (Herbie Hancock) *2 5:57

04. TOYS (Herbie Hancock) *3 5:49
05. GOODBYE TO CHILDHOOD (Herbie Hancock) *3 7:03
06. THE SORCERER (Herbie Hancock) *4 7:03

07. RIOT (Herbie Hancock) -alternate take- 4:53
08. RIOT (Herbie Hancock) -2nd alternate take- 4:38
09. GOODBYE TO CHILDHOOD (Herbie Hancock) -alternate take- 5:49


*1 & *2
Thad Jones (flh -*1) Peter Phillips (btb -*1) Jerry Dodgion (afl -*1)
Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Mickey Roker (ds)
Recored on March 6, 1968 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

*3 & *4
Thad Jones (flh -*3) Peter Phillips (btb -*3) Jerry Dodgion (afl -*3)
Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Mickey Roker (ds)
Recored on March 9, 1968 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

Cover Photo by David Bythewood
Producer Duke Pearson


TOCJ-7100 スピーク・ライク・ア・チャイルド+3 / ハービー・ハンコック



新・ブルーノートRVGコレクション第8回より-ザ・プリズナー+2 - ハービー・ハンコック2008/02/05 22:57

THE PRISONER - HERBIE HANCOCK  Blue Note BST-84321

 第8回発売分最後にして、一番やっかいだった(笑)「ザ・プリズナー」のご紹介です。


 『Speak Like A Child / Herbie Hancock(4279)』の続編的なアルバムだから、紹介も楽勝!と思ったら大間違い(笑)。
 お蔭で何となく理解出来るまでに、数十回もCDを聴くことに・・・。

 まず『Speak Like A Child(4279)』との違いから。

 ●3管編成のアンサンブルが、いつのまにか大編成に。

  これギル・エバンス(Gil Evans)から、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)になったような感じ(笑)です。
  この例えについては『マイルスを聴け!』のモントルー・ジャズ・フェスティバル・ライブの項目を参照してください。

 ●ホーン奏者にもソロがまわってくる。

  ギル・エバンス・オーケストラで、マイルスの影武者を演じているらしいジョニー・コールズ(Johnny Coles)と、ジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)が登場。
  演奏の怪しさをさらに増すようなソロを披露してくれます。

 ●アンサンブルに、前衛的なクラッシックの匂いが漂う・・・。

  小川隆夫さんのインタビューによるとハービーはこの当時、ストランビスキーの「春の祭典」などを参考にしていたらしいです。
  (うる覚えなんで、間違っていたら御免!)

 ●低音楽器が増えた為、アンサンブルが濁った(笑)

 『Speak Like A Child(4279)』を色で例えるとパステル・カラーなんですが、本作はそこにさらに「濁った色」を加え、陰影を付けた訳ですね。
 最初、色を混ぜ過ぎて「濁った」のかと思いましたが(笑)。



 1曲目はマイルス・デイビスの『キリマンジャロの娘』か、はたまた『In A Silent Way』あたりの怪しいも雰囲気漂う「I HAVE A DREAM」
 ちなみにこの曲、マイルスのBOXセット『Miles Davis Quintet 1965-'68(sony/columbia)』には、マイルス・クインテットにより1年前に録音されたテイク(リハーサル・テイク)が収録されております。

 ハービー自身の美しいソロのあと、ジョニー・コールズのフガフガ(笑)したソロ、ジョー・ヘンダーソンのモゴモゴ(?)したソロと続きます。


 2曲目の「THE PRISONER」、リズム・テンポの変化が激しい、緊張感溢れるトラックです。

 ソロ一番手に登場するジョー・ヘンダーソンは、お得意のややフリー気味なソロを展開。
 続くハービー、珍しくテンション高めのソロで応酬、なんとかリーダーとしての面目を保とうとします。
 軽いブレイクを挟み、ジョニー・コールズが登場。『叫び』のようなソロを聴かせてくれます。


 3曲目の「FIREWATER」、アレンジがやや明るめのビックバンド風になります。
 この曲は、もろに『Speak Like A Child(4279)』の延長線上にある曲(と思う)。
 ソロはジョー・ヘンダーソン~ジョニー・コールズ、ガーネット・ブラウン(Garnett Brown)~ハービー~バスター・ウィリアムズ(Buster Williams)とメドレーされます。
 てことは作曲者は、ベース奏者のバスター・ウィリアムスなのか(笑)。


 4曲目の「HE WHO LIVES IN FEAR」ではハービー、エレキ・ピアノでちょっと彩りに変化を付けます。

 5曲目の「PROMISE OF THE SUN」も、ミディアム・テンポの曲。可もなく不可もなく(笑)。


 こうしてひとおり聴いてみると、後半の3曲を先に聴いた方がより聴き易いですね。
 LPでお持ちの方は、AB面逆の順番で聴いてみて下さい。


TOCJ-7080 ザ・プリズナー+2 / ハービー・ハンコック

●THE PRISONER / HERBIE HANCOCK Blue Note BST-84321

01. I HAVE A DREAM (Herbie Hancock) 10:59
02. THE PRISONER (Herbie Hancock) 7:57

03. FIREWATER (C.B.Williams) 7:32
04. HE WHO LIVES IN FEAR (Herbie Hancock) 6:52
05. PROMISE OF THE SUN (Herbie Hancock) 7:56

06. THE PRISONER (Herbie Hancock) -alternate take-
07. FIREWATER (Herbie Hancock) -alternate take-

#02,04,06
Johnny Coles (flh) Garnett Brown (tb) Tony Studd (b-tb) Hubert Laws (fl) Jerome Richardson (bcl) Joe Henderson (ts, afl)
Herbie Hancock (p, el-p) Buster Williams (b) Albert "Tootie" Heath (ds)
Recorded on April 18, 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

#01
same personnel
Recorded on April 21, 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

#03,05,07
Johnny Coles (flh) Garnett Brown (tb) Jack Jeffers (b-tb) Romeo Penque (bcl) Jerome Richardson (fl) Joe Henderson (ts, afl)
Herbie Hancock (p, el-p) Buster Williams (b) Albert "Tootie" Heath (ds)
Recorded on April 23, 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.





新・ブルーノートRVGコレクション第7回より-デモンズ・ダンス - ジャッキー・マクリーン2008/01/07 00:05

DEMON'S DANCE - JACKIE McLEAN  Blue Note BST-84345

 「オーネット・コールマン」や「ジョン・コルトレーン」からの影響をモロに受け、60年代を疾走してきたジャッキー・マクリーン・・・そんな時代の人気盤がこれ!です。
 私はマクリーンと言うよりも、ウディ・ショウの熱い演奏と「SWEET LOVE OF MINE」聴きたさに棚から取り出すのですが・・・(笑)。


 1曲目のオドロオドロしい「DEMON'S DANCE」、この蒸し熱さ、これが60年代後半の雰囲気なんでしょうか。

 一転して2曲目はカル・マッセイ作曲、辛口バラッドの「TOYLAND」です。

 元に戻り(笑)、時代の息吹が感じされるような熱風吹き付ける熱い「BOO ANN'S GRAND」は、ウディの作品ですね。


 ボサ・ノバ風ビートに乗せた哀愁漂う「SWEET LOVE OF MINE」はソロ後半、ウディの歯止めの利かない凄まじいブローが聴き所です。
 そういえばこの曲、『Cornbread / Lee Morgan(BST-84222)』に収録されたリー・モーガンの名曲「Ceora」にも通じるものがありますね。

 テーマ部でリズムが目まぐるしく変わる「FLOOGEH」は、比較的オーソドックスなソロをとるマクリーンに吃驚(笑)。
 続くウディも余裕たっぷり、快調に飛ばします。

 ラストは、カル・マッセイ作曲「MESSAGE FROM TRANE」です。あ、カル・マッセイの曲は、リー・モーガンがよく演奏していましたね。
 これ、真面目に聴いてみると(笑)何となく曲調、「Giant Steps」に似ていますね。


 ・・・こんな時代の熱気を孕んだ熱い作品、体調万全な時にしか聴けないなあ(笑)。


TOCJ-7070 デモンズ・ダンス / ジャッキー・マクリーン

●DEMON'S DANCE / JACKIE McLEAN Blue Note BST-84345

01. DEMON'S DANCE (Jackie McLean) 7:06
02. TOYLAND (C.Massey) 5:21
03. BOO ANN'S GRAND (Woody Shaw) 6:55

04. SWEET LOVE OF MINE (Woody Shaw) 6:01
05. FLOOGEH (Jackie McLean) 5:18
06. MESSAGE FROM TRANE (C.Massey) 5:29

Woody Shaw (tp, flh) Jackie McLean (as) Lamont Johnson (p) Scott Holt (b) Jack DeJohnette (ds)
Recorded on December 22, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.