プレスティッジ7000番台クロニクル【Prestige 7000 chroicle】 ― 2013/06/05 06:38
Bobby Timmons - The Soul Man! (Prestige 7465) ― 2012/03/20 05:02
ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)[1935 - 1974]が最後期の1966年、 ジャズメッセンジャーズ時代の同僚・ウェイン・ショーター(ts)を迎えたアルバム。
兎に角、絶好調のショーターを聴くため購入したアルバムです(苦笑)。
1曲目は、5拍子のファンキー・ナンバー「Cut Me Loose Charlie (Bobby Timmons)」。
2曲目は、ジャズロック風味の「Tom Thumb (Wayne Shorter)」。
ジミー・コブの小気味良いビートにのり、ショーターが快演を繰り広げてます。
LP(カセット)で聴いてた頃は、この1曲だけで十分だった記憶があります。
3曲目「One Way Street (Bobby Timmons)」は、やや躁気味(笑)な演奏。
続く4曲目「Damned If I Know (Bobby Timmons)」は、「So Tired」的な感じ。
5曲目「Tenaj (Ron Carter)」、最初は優雅なワルツ。
テーマの終わり頃にテンポチェンジが、ある何とも摩訶不思議な曲。
6曲目「Little Waltz (Ron Carter)」は、ラストらしくしっとりと。
久しぶりに聴くジミー・コブ(Jimmy Cobb)のブラシワーク、素敵です。
録音当時のウェイン・ショーター(Wayne Shorter)は、マイルス・ディビス (Miles Davis)の60'sクインテットに参加、歴史的名盤を立て続けに録音していた頃。
ちなみに、前年1965年の10月(October 15, 1965)には、「Wayne Shorter - The All Seeing Eye (Blue Note 4219)」を。
クリスマス直前(December 23, 1965)には、壮絶なる「Miles Davis At Plugged Nickel (CBS/Sony)」の録音に参加。
このアルバムの約2週間後(February 3, 1966)には名盤「Wayne Shorter - Adam's Apple (Blue Note 4232)」を録音。
約1年後(March 10, 1967)には、自身のリーダー作「Wayne Shorter - Schizophrenia (Blue Note 4297)」で、「Tom Thumb」を再演してます。
Bobby Timmons - The Soul Man! (Prestige 7465)
Wayne Shorter (ts) Bobby Timmons (p) Ron Carter (b) Jimmy Cobb (ds)
January 20, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
01. Cut Me Loose Charlie (Bobby Timmons) 5:46
02. Tom Thumb (Wayne Shorter) 7:08
03. One Way Street (Bobby Timmons) 7:23
04. Damned If I Know (Bobby Timmons) 6:33
05. Tenaj (Ron Carter) 7:08
06. Little Waltz (Ron Carter) 6:40
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●静かなるケニー - ケニー・ドーハム ― 2008/02/19 22:31
「ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤」第1回発売分は、このアルバムでひとまず終了。
マイルスの作品は資料整理に時間がかかるので後程(笑)。
「静かなるケニー(Quiet Kenny)」は、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)の代表作です。
珍しいトランペットのワンホーンで、バラッドやブルースを中心にしっとりと演奏しております。
バックは”名盤請負人”トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)のトリオ。
・・・・そして1曲目に代表作「蓮の花(Lotus Blossom)」を持ってきている所もポイントでしょうか。
ちなみに「蓮の花」、「Asiatic Raes」と改題されてブルーノートで2人の有名ジャズ・メンが取り上げておりますね。
まずマックス・ローチのバンドで共演したソニー・ロリンズが「Newk's Time / Sonny Rollins(Blue Note 4001)」で、そして同じくマックスのバンドで共演したハンク・モブレーが参加した「Goin' Up / Freddie Hubbard (Blue Note 4056)」でも。
・・・おお、丁度手元にある『ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100/小川隆夫著(河出書房新社)』の88ページにこのアルバムが紹介されておりますね。
コメントしているのは、なんとディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)とマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のお二人!
超有名人お二人のコメント、ケニーの人柄や演奏テクニックについて、ツボを押さえているので引用させていただきます。
まずディジー・ガレスピーから。
「派手なプレイが苦手で、バラードが得意」
「音色が美しい」、「マイルスのほうが一枚上手だが、リップ・コントロールがうまい」
・・・・さすが同じ楽器を演奏するお方だけあって、的確なコメントです。
お次は、チャーリー・パーカーのバンドに後釜として彼を推薦したマイルス。
「おれは、やつの才能の素晴らしさを知っている」
「引っ込み思案なところがあって、結局、最後までこれっていうバンドを作ることができなかった」
「おれはやつのアルバムが好きだ。おれが所属していたプレステッジにも紹介してやったしな。」
・・・つまり、マイルスが紹介してくれたからこの作品がある訳ですね。
四畳半ジャズとか言って「静かなるケニー」を愛聴する日本人全て、マイルスに感謝しないと(笑)。
「蓮の花」からラストの追加曲「Mack The Knife」まで、初春の陽だまりにまどろみながらお聴きください。
Quiet Kenny / Kenny Dorham New Jazz NJLP 8225
01. Lotus Blossom (Kenny Dorham) 4:35
02. My Ideal (Robin-Chase-Whiting) 5:02
03. Blue Friday (Kenny Dorham) 8:41
04. Alone Together (Schwartz-Dietz) 3:08
05. Blue Spring Shuffle (Kenny Dorham) 7:33
06. I Had The Craziest Dream (Warren-Gordon) 4:35
07. Old Folks (Hill-Robinson) 5:10
08. Mack The Knife (Weill-Brecht) * 3:01
Kenny Dorham (tp) Tommy Flanagan (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on November 13, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
*reissue as New Jazz NJLP 8225 [Quiet Kenny + 1 (Mack The Knife)]
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)
静かなるケニー / ケニー・ドーハム
1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】
UCCO-9025 静かなるケニー / ケニー・ドーハム[現在、定価販売なし]
1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>
UCCO-5054 静かなるケニー / ケニー・ドーハム
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤★ソウルトレーン - ジョン・コルトレーン ― 2008/02/17 06:51
『(J・コルトレーン、)プレステッジ時代の最高傑作!』と、今参考にしているCDの帯に書かれております。
・・・確かに。アトランテック時代、インパルス時代の諸作に対抗出来るアルバムです。
マイルス・デイビスも作曲者のT・ダメロンとの共演で演奏を残している「Good Bait」。
コルトレーンのソロを聴いていると、超有名ブルース「Blue Train」が思い浮かんでしまいますが、演奏しているキーが同じなのかな?
ソロ・フレーズはかなり似通ってます。
お次もマイルスと関係が深い、ビリー・エクスタインのバラッド「I Want To Talk About You」。
トレーンの演奏も良いですが、R・ガーランドのブロック・コードを多用した物憂げなソロも聴きもの。
軽快なテンポで演奏される「You Say You Care」。
「Theme For Ernie」は、D・ガレスピー楽団のアルト奏者で、1957年2月に若くして急死したアーニー・ヘンリー(Ernie Henry)に捧げられた美しいバラッド。
最後は一番の聴き所、「Russian Lullaby」。
トレーンのソロはまさに『シーツ・オブ・サウンド』。音の洪水。
この曲のスピードに流石のガーランドもマイッタか、つっかかり気味のソロを展開してます。
ラストに登場するトレーンのカデンツァで曲は終了します。
Soultrane / John Coltrane Prestige PRLP 7142
01. Good Bait (T.Dameron-C.Basie) 12:01
02. I Want To Talk About You (Billy Eckstine) 10:48
03. You Say You Care (Styne-Robin) 6:11
04. Theme For Ernie (Fred Lacey) 4:52
05. Russian Lullaby (Irving Berlin) 5:31
John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on February 7, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)
ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン
1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】
UCCO-9024 ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン
1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>
UCCO-5013 ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●メイティング・コール - タッド・ダメロン・ウィズ・ジョン・コルトレーン ― 2008/02/14 21:28
ファッツ・ナバロとの共演、クリフォード・ブラウンへの作編曲の提供などトランペット好きには外せないピアニスト兼作編家、タッド・ダメロン(Tadd Dameron)。
そんなダメロンが、ジョン・コルトレーンと共演したのが本アルバムです。
いつもは共演者関係無しに吹きまくるコルトレーンも、主役のダメロンに合わせ、メロディアスな演奏に終始します。
コルトレーンの抑え気味な演奏も、良いものですね。
モンク、ダメロンと、作編曲の出来るピアニストと共演する時のコルトレーンは、いつも以上にリラックスして演奏しているように思えます。
「Mating Call」は、曲の展開が如何にもダメロンらしい1曲。
ビバップ調の軽快な「Gnid」では、コルトレーンがやや抑え目ながら快調に吹き切っております。
美しいピアノのイントロから始まるバラッドの「Soultrane」、これはコルトレーンと演奏するために書き下ろされた曲でしょうね。
この曲はコルトレーンのインパルス時代の超名盤「Ballads」に収録されても、違和感無いです。
後半はミディアム・テンポの「On A Misty Night」、ファンキーなブルースの「Romas」と続き、 アップテンポの「Super-Jet」では、フィリー・ジョー・ジョーンズに煽られて、コルトレーンらしい豪快な演奏を聴かせてくれます。
Tadd Dameron/John Coltrane - Mating Call Prestige PRLP 7070 (reissue as PRLP 7247, PR 7745)
01. Mating Call (Tadd Dameron) 5:34
02. Gnid (Tadd Dameron) 5:07
03. Soultrane (Tadd Dameron) 5:22
04. On A Misty Night (Tadd Dameron) 6:20
05. Romas (Tadd Dameron) 6:51
06. Super-Jet (Tadd Dameron) 5:53
John Coltrane (ts) Tadd Dameron (p) John Simmons (b) Philly Joe Jones (ds)
Recorded on November 30, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)
メイティング・コール / タッド・ダメロン・ウィズ・ジョン・コルトレーン
1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】
※このアルバムは未発売。
1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>
※このアルバムは未発売。
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ ― 2008/02/13 13:50
本日は、ジャズ・ジャイアンツ揃い踏みのアルバム「セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ」です。
またトリオによる演奏には、モンクと相性が良いと言われている、アート・ブレイキー(Art Blakey)がドラムで参加します。
・・・いやー、聴き直すと結構良いですね、このアルバム。
最初の2曲は、フロントにS・ロリンズを据えた、カルテットによる演奏です。
しかしロリンスの豪快なテナーと、モンクの個性的なピアノが良くマッチしてますね。
「今宵の君は(The Way You Look Tonight)」、ソロの最初に登場するロリンズの豪快なテナーに刺激されてか、モンクが『弾き過ぎ』ているのが面白いです。
「I Want To Be Happy」では、モンクがいつも通り?、マイ・ペースな演奏に戻ってます。
ロリンズのユーモア溢れるソロのせいか、モンクらしからぬ、軽快な演奏となっております。
お次の2曲は、ブレイキー入りトリオによる演奏。
「Work」、モンクのピアノの隙間を上手く埋めるように、ブレイキーのおかずフレーズが的確に挿入されます。
軽快な「Nutty」、モンク独特の装飾フレーズをお楽しみ下さい。
ラストは、S・ロリンズを含むクインテットによる演奏です。
よく見ると、フレンチ・ホルンでジュリアス・ワトキンス(Julius Watkins)が参加しているんですね。
この人、ブルー・ノートに残した10インチ2枚以外に聴いたことありませんが(笑)。
しかし、「13日の金曜日(Friday The Thirteenth)」、何て摩訶不思議な雰囲気をもった曲なんでしょうね。
こんな曲がBGMなら、あのおっかないジェイソンでさえ、酔っ払って千鳥足で登場しそうです。
Thelonious Monk And Sonny Rollins Prestige PRLP 7075
01. The Way You Look Tonight (Fields-Kern) *3
02. I Want To Be Happy (Caesar-Youmans) *3
03. Work (Thelonious Monk) *2
04. Nutty (Thelonious Monk) *2
05. Friday The Thirteenth (Thelonious Monk) *1
*1
Julius Watkins (frh) Sonny Rollins (ts) Thelonious Monk (p) Percy Heath (b) Willie Jones (ds)
Recorded on November 13, 1953 in NYC.
*2
Thelonious Monk (p) Percy Heath (b) Art Blakey (ds)
Recorded on September 22, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
*3
Sonny Rollins (ts) Thelonious Monk (p) Tommy Potter (b) Art Taylor (ds)
Recorded on October 25, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)
セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ
1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】
UCCO-9074 セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ
1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>
UCCO-5074 セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●ウィ・スリー - ロイ・へインズ ― 2008/02/12 12:57
今回は、個性的なリズムを叩き出す、ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)の「ウィ・スリー」 です。
ロイ名義ではありますが、あえて「We Three」タイトルをつけているので3人対等のバンドなのでしょう。
ロイ・ヘインズ、フィニアス・ニューボーン(Phineas Newborn Jr.)、ポール・チェンバース(Paul Chambers)という超技巧(!)派達が繰り広げる、刺激的な演奏をお楽しみ下さい。
全編でパーカッションの様にドラムの音が聴こえてますが、意外な程、五月蝿く感じないです。
って言うか、私は大好き(笑)・・・・この作品で、ロイ・ヘインズのファンになりました。
・・・フィニアス・ニューボーンのピアノも、このアルバムの演奏が一番好きです。
オープニングはT.モンクでは無く(笑)、レイ・ブライアント作曲の「Reflection」です。
ロイのワン&オンリーなドラム・ソロから始まり、フィニアスの良く鳴るピアノが存分に楽しめる1曲。
2曲目はレイ・ロビンソン(Ray Robinson)に捧げたフィニアス・ニューボーンのオリジナル「Sugar Ray」。
3曲目は、可愛らしい曲調の「Solitaire」。これは50年代初期のポップ・チューンだそうです。
ラスト、フィニアスの全部の鍵盤を使っているかのような壮大なピアノによる無伴奏ソロがいいですね。
4曲目(LP時代はB面1曲目)はブルージーな、「After Hours」。
テーマ部からフィニアスの超絶早引きが炸裂!します。
5曲目は、再びレイ・ブライアント作曲の「Sneakin' Around」。
ミディアム・テンポの、ちょっとクールな演奏です。
ラスト6曲目は、私の敬愛するタッド・ダメロンの「Our Delight」です。
アップテンポにもかかわらず3人とも悠然(笑)と、ナイスなフレーズや、複雑なリズム・パターンを繰り出してきます。
最後にこのアルバム、間違いなく体育会系ノリ(私は文科系)な作品なので、体力のある時に聴きましょう。
むしゃくしゃした気分も、これを聴けば爽快!になるのでは?
We Three / Roy Haynes New Jazz NJLP 8210
01. Reflection (Ray Bryant) 4:20
02. Sugar Ray (Phineas Newborn Jr.) 6:22
03. Solitaire (Guin-Borek-Nutter-Wigham) 8:46
04. After Hours (Parrish-Feyner-Bruce) 11:13
05. Sneakin' Around (Ray Bryant) 4:21
06. Our Delight (Tadd Dameron) 3:59
Phineas Newborn Jr. (p) Paul Chambers (b) Roy Haynes (ds)
Recoreded on November 14, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)
UCCO-9166 ウィ・スリー / ロイ・へインズ
1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】
UCCO-9046 ウィ・スリー / ロイ・へインズ
1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>
UCCO-5071 ウィ・スリー / ロイ・へインズ
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●サキソフォン・コロッサス - ソニー・ロリンズ ― 2008/02/11 22:10
通称『サキ・コロ』。ジャズ・ファン暦が長くなる程、存在が大きくなるアルバム。
以前にご紹介した記憶があるので、詳しく内容を説明しません。
(うちのブログは検索機能が弱いので。自分で以前の記事を探すのも面倒)。
今、ふと手にした手持ちのCDの帯にはこう記載されています。
『50年代のジャズが到達した最高峰!モダン・ジャズのあらゆるエッセンスが聴ける史上不滅の名盤』
捨て曲無し。その日の気分に合わせて、各曲をチョイスして下さい。
ライブの定番、カリプソ調の「St. Thomas」、じっくり聴かせる「恋とは何でしょう(You Don't Know What Love Is)」
そして、ハードにブローする「Strode Rode」。
後半は愉快な「Moritat」、〆はブルースの「Blue Seven」。
クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)存命中の録音であるので、全員が『影の無い』痛快な演奏を繰り広げていることも、ポイントでしょう。
ちなみに『新ライナー』の翻訳は、いつもお世話になっている小川隆夫さんらしいです。
Saxophone Colossus / Sonny Rollins Prestige PRLP 7079(Reissue as 7326)
01. St. Thomas (Sonny Rollins) 6:42
02. You Don't Know What Love Is (Raye-DePaul) 6:25
03. Strode Rode (Sonny Rollins) 5:10
04. Moritat (Brecht-Weill) 9:56
05. Blue Seven (Sonny Rollins) 11:12
Sonny Rollins (ts) Tommy Flanagan (p) Doug Watkins (b) Max Roach (ds)
Recorded on June 22, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
以下、発売中のCDを可能な限り集めてみました。
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)
サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ
1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>
UCCO-5002 サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ
ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤 第1弾(1/23発売) ― 2008/02/10 21:18
今回からようやく『ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤 第1弾(1/23発売)』がらみのご紹介を開始出来ます。
このあたりの再発CD、いろんな形で次々と発売されるので、まず頭の中を整理するのが大変(笑)。
●1回目-去年の4月から150タイトル発売された、1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】
●2回目-去年の9月から150タイトル発売された、1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>
●3回目-今年の1月から始まる、2,800円のルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤
こんな風に日本盤だけでも、去年から3回目。怒涛の再発ラッシュですからね。もう訳がわかりません、はい。
蛇足になりますが、シリーズによってラインナップが微妙に違うのも混乱に拍車をかける原因。
これでようやく本題に。
『RVG REMASTERS』シリーズは、先行して本国のコンコード・グループ(OJCシリーズの発売元、ファンタジー社が吸収された)で40タイトル発売。
しかし日本盤では、話題の高音質素材CD
●SHM-CDとは何でしょう?
恋ではなく(笑)、『SHM-CD』の解説をユニバーサルさんのHPにて確認。
『SHM-CD(Super High Material CD)』は、日本ビクターの新素材による音質向上技術を採用したものだそうです。
CD発売元のユニバーサルミュージックさんと、ビクターさんの共同開発によるCDが、『SHM-CD』。
このCD、通常のCD素材とは別種の、『ポリカーボネート樹脂系』を使用しており、音の透明性を向上させているとのこと。
●第1弾 1/23発売 10タイトル
UCCO-9161 サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ
UCCO-9162 クッキン / マイルス・デイヴィス
UCCO-9163 ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン
UCCO-9164 静かなるケニー / ケニー・ドーハム
UCCO-9165 ウォーキン / マイルス・デイヴィス
UCCO-9166 ウィ・スリー / ロイ・へインズ
UCCO-9167 セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ
UCCO-9168 レッド・ガーランズ・ピアノ / レッド・ガーランド
UCCO-9169 メイティング・コール / タッド・ダメロン・ウィズ・ジョン・コルトレーン
UCCO-9170 ボス・テナー / ジーン・アモンズ
ピック・アップした個々のアルバム紹介は次回から。
「マイルスを聴こう」 マイルス・デイヴィス アンド・ミルト・ジャクソン ― 2007/12/04 22:38
9月と10月に『ユニバーサル JAZZ THE BEST Legendary 150』として、リバーサイド、プレステッジなどの名門レーベルの名盤150枚が一挙に発売されました。
今日はその中からマイルスの隠れた名演奏を。実は本アルバム、真実の「喧嘩セッション(笑)」でもあります。
中山康樹さんが翻訳された「マイルス・デイビス自叙伝(1)」を読むと、1955年はマイルスにとって激動の年であったことが分かります。
まず3月に、マイルスは前妻の扶養義務不履行の為ぶち込まれた刑務所で、師匠であるバードことチャーリー・パーカー(Charlie Parker)の死亡を知らされます。
麻薬中毒だったバードの死は、ジャズ界に衝撃を与えたようです。おかげで、麻薬をやめようとするジャズ・ミュージシャンが増えたとか。
そして7月には、第2回のニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演し、作曲者のセロニアス・モンクを含むオールスター・バンドで「ラウンド・ミッドナイト」を演奏。
その演奏を聴いたプロデューサーのジョージ・アバキャンにより、コロンビア・レコードと契約することとなります。
また同じく7月に、有名なライブスポットのカフェ・ボヘミアでキャノンボール・アダレイの演奏をいたく気に入り、いろいろとアドバスを与えていたようです。
・・・・そんなこんなで8月、プレステッジお得意のジャム・セッション風な本アルバムの録音となる訳です。
「ビバップ的なサウンドにしたい」という事から、アルトのジャッキー・マクリーンを含むバンドで臨むマイルスですが、そのマクリーンが、スタジオで問題を起こします。
録音当日麻薬でハイになっていたマクリーン、自作2曲の録音を終えたまでは良かったが、続く「Bitty Ditty」の録音中に突然癇癪を起こして帰ってしまいます。
前述の「自叙伝(1)」によると、何度も間違えるアート・テイラーに対し、マイルスが親切に教えてやった事に嫉妬したのが原因だとか。
つまり、「俺(ジャッキー)にはいつも強く当たるのに、なんでアートにはそんなに優しいんだ!」という事。
マイルスが「繊細ですぐ気に病んでしまうタイプ」であるアートに合わせて指導してしたのに、ジャッキーは気に入らなかったらしい(笑)。
まあ、麻薬中毒の人の行動は予測がつかない事が多く、特にハイになっている時は、感情の抑制が効かないらしいです。
録音当日までの背景は、この位にしましょう。それでは、演奏内容を簡単に。
1曲目、ゆったりしたテンポで演奏されるマクリーン作曲のブルース「Dr. Jackle」で、軽くウォーミング・アップ。
ミルトのソロに続くマイルスは他のミュージシャンが使うようなお手本みたいなブルース・ソロから、だんだん熱気をはらんだマイルスらしいソロを展開していきます。
次のマクリーンの短いながらも熱いソロを経てレイ・ブライアント、ミルトとソロ・リレーは進行していきます。
飛んで3曲目、ハードなアップテンポ・ナンバー「Minor March」では、ソロ一番手のマクリーンが大熱演。彼の辛口のソロを堪能出来ます。
ミルト、そして畳み掛けるようにハードなフレーズを次々と繰り出すマイルスのソロはお見事!の一言。
最後に登場するレイ・ブライアントのピアノもかなりハード。ホレス・シルバーみたいに、低音キーをガンガン叩いて演奏を盛り上げます。
2曲目、サド・ジョーンズ作曲の「Bitty Ditty」では、途中でマクリーンが抜けたせいかマイルスの演奏には覇気がありません。
何でドラムのアート・テイラーが何度も躓いたのかと思いながら演奏を聴くと、テーマ部のドラム・パターンはちょっと面倒みたいですね。
このテーマと連動したドラム・パターン、アート・ブレイキーお得意の叩き方なんですが、A・テイラーにはまだちと難しかったか。
全員の演奏は文句ないのですが、やはりジャッキー・マクリーンが途中で抜けたのが痛い。マクリーンのざらっとした音色のアルトが抜けたせいで、演奏の輪郭がボヤケていますね。
4曲目、レイ・ブライアントの優雅なオリジナル「Changes」は、今までの曲とは雰囲気が異なり、レイ・ブライアント・トリオにマイルスとミルト・ジャクソンがソロで参加しているみたいです。
レイ・ブライアントの作り出す優雅な雰囲気に乗って、マイルスもミルトも気持ちよさそうにソロを演奏しております。
ぼーっと聴いていると、レイのソロ部分なんか完全に、彼のトリオで録音した某有名アルバムそのまんま(笑)。つい、次の曲は「ゴールデン・イヤリング」か?と、勘違いしそう。
地味なんだけど昔から「アク」の強い人なんですね、レイ・ブライアント。
マイルスがヤンキー座りをしてる最悪なジャケットのせいか、話題になったと聞いた事がありません。
ホントこのアルバム、マイルス・デイヴィスの作品だ!とか思いながら聴いてはいけません(笑)。ジャッキーの行動のおかげで、しょんぼりしているマイルスに、過剰な期待は禁物です。
「マイルス、大丈夫だよ。お前の行動は間違ってないから」と、(心の中で)声を掛けてあげながら(笑)聴く、優しさがある人だけ、こっそりと聴いてみて下さい。案外良いですよ。
●Miles Davis And Milt Jackson Quintet/Sextet Prestige PRLP 7034
01. Dr. Jackle (Jackie McLean) * 8:54
02. Bitty Ditty (Thad Jones) 6:35
03. Minor March (Jackie McLean) * 8:16
04. Changes (Ray Bryant) 7:11
Miles Davis (tp) Jackie McLean (as -*) Milt Jackson (vib) Ray Bryant (p) Percy Heath (b) Art Taylor (ds)
Recorded on August 5, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
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