Charles Mingus - Pithecanthropus Erectus (Atlantic LP 1237)2012/03/21 07:27

『The Charles Mingus Jazz Workshop』の直立猿人(Pithecanthropus Erectus)。

この作品は学生時代から大好きで、LPからカセットにダビングして愛聴してたものです。

モダンジャズというより、劇中BGMとして捉えた方が分かり易い作品。


表題曲「直立猿人(Pithecanthropus Erectus)」は、ある日、二足歩行を始めた猿人と、他の猿人達との物語を描いた、組曲風の作品。

確かチャールス・ミンガス(Charles Mingus)が見た、こんな夢の中の物語に沿った作品(4部構成)だったと記憶してます。


かつて猿人が、四つ足で這い歩きはじめた。-進化(Evolution)
やがてその中の一人だけが、二本の足で歩くようになった。-優越感(Superiority-Complex)
優越感を持った彼は、四つ足で歩く仲間を見下した。-衰微(Decline)
やがて四つ足族が決起し、横柄な直立猿人を倒してしまった。-滅亡(Destruction)


力強いウォーキングベースにのって登場する、おとろおどろしいテーマ。
悲鳴の如く咆哮するアルトサックス、ゴツゴツした感じのテナーサックスとピアノ、次々と発展していくストーリー性のある展開は、一聴しただけで強烈な印象を残します。

「A Foggy Day (Gershwin, Gershwin)」は、霧深い都会(ロンドン?)における、路上の喧騒を、ホイッスルなど交えて表現しております。

「Profile of Jackie」は、ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)を主役に据えた、優雅なバラッド。

「Love Chant」は「愛の賛歌」とでも訳せばいいのかな?
ゆったりとしたテーマから、普通(笑)のモダンジャズ形式によるソロが展開されます。





Charles Mingus - Pithecanthropus Erectus (Atlantic LP 1237)

Jackie McLean (as) J.R. Monterose (ts) Mal Waldron (p)
Charles Mingus (b) Willie Jones (ds)
January 30, 1956 at Audio-Video Studios, NYC.


01. Pithecanthropus Erectus (Mingus) 10:36
[Evolution / Superiority-Complex / Decline / Destruction]

02. A Foggy Day (Gershwin, Gershwin) 7:50
03. Profile of Jackie (Mingus) 3:11
04. Love Chant (Mingus) 14:59



新・ブルーノートRVGコレクション第5回より-ウィムス・オブ・チェンバース - ポール・チェンバース2007/10/27 21:08


 売れっ子ベーシスト、P・チェンバースのリーダー・アルバムです。
 メンバーが豪華なこのアルバム、輸入盤でもちょくちょく見かけるので、需要があるのでしょう。


 ・・・・・とか書いてお茶を濁しているのは、手放したLPで聴いたきりしばらく聴いていないから(笑)。

 ホント何回聴いても、ピンと来なかったアルバムでした。なんでだろう?
 「Paul Chambers Quintet(BN1564)」とか、「Bass On Top(BN1569)」なんかは、今でもとっても楽しめるのに。


 詳しい内容を知りたい方は、「WHIMS OF CHAMBERS」でネット検索してみて下さい(ネットに丸投げかよ)。
 コルトレーン参加のため、マニアの方が詳細なコメントを書いているようですから(それを見て書く気が無くなった・・・)。
 恐るべし、コルトレーン信者の方々。


●TOCJ-7044 ウィムス・オブ・チェンバース / ポール・チェンバース




WHIMS OF CHAMBERS / PAUL CHAMBERS Blue Note 1534

01. OMICRON (Donald Byrd)
02. WHIMS OF CHAMBERS (Paul Chambers) *2
03. NITA (John Coltrane)
04. WE SIX (Donald Byrd)
05. DEAR ANN (Paul Chambers) *3
06. TALE OF THE FINGERS (Paul Chambers) *1
07. JUST FOR THE LOVE (John Coltrane)

Donald Byrd (tp -omit *1,*2) John Coltrane (ts -omit *1,*2,*3) Horace Silver (p)
Kenny Burrell (g -omit *1) Paul Chambers (b) Philly Joe Jones (ds)
Recorded on September 21, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, NJ.


【付記】 2020.05
2019年に中古屋で見つけて買い直しました処、もんの凄く良かったです。一聴し、音の違いに失笑してしまいました(笑)。

ヒッコリーハウスのユタヒップもそうでしたが、最初に購入した東芝EMIのアナログLP盤の音が、私の好みでなかったようです。

やっぱ、ブルーノートはルディ・ヴァン・ゲルダーの手によるリマスタリング盤でないと、アルバムの「旨味」が分からんですなあ。

新・ブルーノートRVGコレクション第4回より-ベース・オン・トップ+12007/09/30 05:32


 A・ライオンが全てを仕切る時代に、べーシストとしてただ一人リーダー作を残せたP・チェンバース。
 当時、ハウス・ベーシストとしても重用されていた彼の魅力を十分に堪能出来るのが本作です。

 H・ジョーンズ、K・バレル、A・テイラーという品の良いメンバーに囲まれ、弓引きによるソロからバッキングまでと、ベーシストとしてのあらゆる技を披露してくれております。
 そんな訳で、このアルバムはよく「ベーシストの教科書」と呼ばれたりします。プロを目指すベーシストなら、一度は聴いておきたいアルバムですか。

 演奏はどれも良い演奏なので全部聴いて!欲しいところです。

 まあ当時チェンバースが参加していたマイルス・デイヴィス関連で、「DEAR OLD STOCKHOLM」「THE THEME」あたりを、マイルスのクインテット・バージョンと聴き比べると面白いかと思います。


 最後に追加曲の「CHAMBER MATES」、初期CD化(1986年頃)以来、久々の登場です。


●TOCJ-7034 ベース・オン・トップ+1 / ポール・チェンバース




●BASS ON TOP / PAUL CHAMBERS Blue Note BST 1569

01. YESTERDAYS (Kern-Harbach) 5:52
02. YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO (Cole Porter) 7:15
  03. CHASIN' THE BIRD (Charlie Parker) 6:17

04. DEAR OLD STOCKHOLM (trad.) 6:42
05. THE THEME (Miles Davis) 6:12
06. CONFESSIN' (Daugherty-Neiburg) 4:12

07. CHAMBER MATES

Hank Jones (p) Kenny Burrell (g) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on July 14, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


天才ベーシストの隠れ名盤-Paul Chambers Quintet [Blue Note BLP 1564]2007/04/04 05:30

BN1564 Paul Chembers Quintet

 加持です。新潟でもいくつかの桜の木で、可憐なピンク色の花がちらほら姿を見せ始めましたね。新学期にむけて子供達の動きも活発になって来たようです。


 今日の「Paul Chambers Quintet(BLP1564)」は天才ベーシスト、ポール・チェンバースがブルーノートに残した3枚アルバム中、2枚目にあたります。
 1957年7月録音の「Bass On Top(BN1569)」と、1956年9月録音の「Whims Of Chembers(BN1534)」に挟まれて印象が薄いのですが、想像以上(失礼!)に良好のハード・バップアルバムです。

 特に、最後に録音された「朝日のようにさわやかに(Softly As ~)」、ピアノ・トリオで演奏されるこの短いトラックではチェンバースのベースがテーマを演奏、そのままリラックス気味のソロに突入します。
 受け継ぐT.フラナガンがチャーミングな短いソロを演奏し、再びチェンバースがソロを取っていきます。しかしこの時代にここまでテーマ、バッキングと自由自在に演奏出来るベーシストも少ないでしょう。  ポールの演奏が優れていたかは、演奏を聴いたマイルス・デイビス(tp)が自身の「クインテット」にすぐ加えたことでも明らかですね。

 「What's New」ドナルド・バード(tp)のフューチャー・トラックです。ここでバードのはちきれんばかりのトランペット・ソロに、うっとりしますね。ちなみに彼は、G.ウォーリントン(p)クインテット時代の同僚でもあります。

 最後の「Beauteous」は、J.R.モンテローズ(ts)の「J.R.Monterose(BN1536)」の収録バージョンよりの遅めのテンポですが、それがより寛いだ雰囲気を醸し出していきます。
 なおこの曲、CS放送「Sky PerfecTV !」の開始当初、「Music Air Network」のタイトルバックに使用されたバージョンなので、知らず知らずのうちに耳にしている方も多いかもしれません。


 このCD(LP)は一度、低音の良く出る「スピーカ」か、「ヘッドフォン」で聴くことをお勧めします。いいですよー。それでぇあ(舌がもつれた・・・)。


●Paul Chambers Quintet Blue Note BLP 1564

01. Minor Run-Down (Benny Golson)
02. The Hand Of Love (Paul Chembers)
03. Softly As In A Morning Sunrise (Ronberg/Hammerstein)

04. Four Strings (Benny Golson)
05. What's New (Haggart/Burke)
06. Beauteous (Paul Chembers)

Donald Byrd (tp) Clifford Jordan (ts) Tommy Flanagan (p) Paul Chambers (b) Elvin Jones (ds)
Recorded on May 19, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ



P.Chambes Quintet Whims Of Chambers Bass On Top