Cannonball Adderley - Phenix (Fantasy F-79004) ― 2012/04/07 08:46
ジョージ・デューク(George Duke)のドリーミーなエレピの音と、アイアート・モレイラ(Airto Moreira)が奏でるパーカッションが心地よい、1975年録音のセルフカヴァー作品。
自分のジャズ・バンドで演奏してみようかと思い、入手したアルバムです。
バックのサウンドは時代に合わせてますが、フロント二人のソロの熱さは60年代そのまま。
バックのユルさと熱いソロの絶妙さが、クラブ、ヒップホップ系に持て囃される理由でしょうか?
時代に合わせてはいるものの、50~60年代に近いアレンジの曲の方が、キャノンボール以下のソロは冴え渡るというのは、仕方ないというか面白い処。
「High Fly」は、軽めのボッサ風。
「Work Song」は、ライトなバックと熱いソロリレーの対比が印象的。
「Sack O' Woe」、怪しげなエレピの音から始まるファンク風味。
「Jive Samba」、エレピのファンキーなソロが凄いですね(笑)。
「This Here」、うなるベースをバックに抑え気味のテンポで、じわじわ盛り上げます。
「The Sidewalks Of New York」、キャノンボールの饒舌なアルトソロが堪能いただけます。
「Hamba Nami」、ジャングルを思わせる雰囲気のオープニングから、ファンキーなソロに・・・。
「Domination」、急速調のテーマから続く、シリアスなナットのソロが凄いなあ。
「74 Miles Away」、前半7拍子で最後4拍子となる、面白い曲。キャノンボールが暴れてます(笑)。
「Country Preacher」、牧歌的というか童謡風なアレンジで・・・。
「Stars Fell On Alabama」、ピアノを従えキャノンボールがノビノビとソロを展開してます。
「Walk Tall/Mercy, Mercy, Mercy」、8ビートの「Walk Tall」から「Mercy, Mercy, Mercy」へ。
ファンク~ゴスペルへと雰囲気が展開する流れは、アルバム最後に相応しい展開だなあ。
Phenix / Cannonball Adderley Fantasy F-79004
Cannonball Adderley (as,ss) Nat Adderley (cor)
George Duke (p,syn-1/6, add syn-8,10,12) Mike Wolf (p-7/12)
Sam Jones (b -1/6) Walter Booker (b,el-b -7/12)
Louis Hayes (ds -1/6) Roy McCurdy (ds -7/12)
Airto Moreira (per)
February,March,April, 1975, Fantasy Studios, Berkeley, CA.
01. High Fly (Randy Weston)
02. Work Song (Nat Adderley)
03. Sack O' Woe (Julian "Cannonball" Adderley)
04. Jive Samba (Nat Adderley)
05. This Here (Bobby Timmons)
06. The Sidewalks Of New York (Lawlor-Blake, arr. J. Adderley)
07. Hamba Nami (Julian "Cannonball" Adderley)
08. Domination (Julian "Cannonball" Adderley)
09. 74 Miles Away (Josef Zawinul)
10. Country Preacher (Josef Zawinul)
11. Stars Fell On Alabama (Parish-Perkins)
12. Walk Tall/Mercy, Mercy, Mercy (Zawinul-Marrow-Rein/Zawinul)
「Keep It Koming - Organized Konfusion」には、「Sack O' Woe」のベースラインがサンプリングされているとの事。
※YouTube リンク切れ
「She said - The Pharcyde」は、このアルバム収録の「Mercy, Mercy, Mercy」がネタになった模様。
King Cobra / Woody Herman (Fantasy F-9499) ― 2011/09/16 17:59
ブルーノートが目ぼしい作品を再発しなくなってから久しい。
なので、新譜「大人買い」などという行為も、遠い昔の記憶の如く(笑)。
最近は、自分の演奏の参考になるCDを、ちょっとずつ買い足している感じ。
最近、ビックバンドのアルバムを、探して購入するという機会が増えました。
その中の一枚が、今回ご紹介する「King Cobra / Woody Herman (Fantasy)」です。
某所で演奏したのが、スタンダードの「Come Rain Or Come Shine」。
トランペット・ソロがメインで、ラッパ隊のハイトーンが死にそうな程、物凄い1曲。
ちなみに、「Come Rain Or Come Shine」では「Dennis Dotson」が、フリューゲルホルンで流暢なソロをとっております。
蛇足ですが、ソロをよーく聴いていると、「Art Blakey and the Jazz Messengers (Blue Note 4003)」における同曲での、リー・モーガン(Lee Morgan)のソロを参考にしたと思われるフレーズが随所に登場するので、聴き比べてみるのも一興かと。
その他の曲はこんな感じ。
オリエント風スケール(?)、3拍子、シンセで怪しく迫る「King Cobra」。
スティービー・ワンダー作曲、ややラテン風味の「Don't You Worry 'Bout A Thing」。
「Gary Anderson」編曲による、チック・コリアの名曲「Spain」。
ウディ・ハーマンの語り風ヴォーカルから始まる「Jazzman」。
「Andy Laverne」作曲の「Lake Taco」は、「Spain」に近いスパニッシュ風味な作品。
ラスト、「John LaBarbera」作曲の「Toothless Grin」は、クールなナンバー。
演奏の終わり頃に登場する、ウディ・ハーマンのクリラリネット・ソロが泣かせます。
King Cobra / Woody Herman
Fantasy F-9499 / OJCCD-1068-2
01. King Cobra (Tom Scott / arr Gary Anderson) 6:00
02. Don't You Worry 'Bout A Thing (Stevie Wonder / arr Gary Anderson) 5:39
03. Spain (Chick Corea / arr Gary Anderson) 7:02
04. Jazzman (King - Palmer / arr Gary Anderson) 4:30
05. Lake Taco (Andy Laverne / arr Gary Anderson) 4:51
06. Come Rain Or Come Shine (H.Arlen - J.Mercer / arr Bill Stapleton) 4:38
07. Toothless Grin (John LaBarbera / arr John LaBarbera) 4:26
Arrangements: Gary Anderson, Bill Stapleton, John LaBarbera
Woody Herman (cl,as,ss,vo)
Tom Porrello (lead tp-6,7) Dave Stahl (lead tp,flh-1-5)
Nelson Hatt, Buddy Powers, Dennis Dotson, Bill Byrne (tp,flh)
Jim Pugh (lead tb) Dale Kirkland (tb) Vaughn Wiester (bass-tb)
Frank Tiberi (lead ts,fl,bassoon) Gary Anderson (ts,fl)
Gregory Herbert (ts,piccolo,fl) John Oslawski (bs)
Andy Laverne (el-p) Ron Paley (el-b) Jeff Brillinger (ds)
Kenneth Nash (per)
January 7-9,1975 at Fantasy Studios, Berkeley, CA.
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