コルトレーンの遺作「John Coltrane - Expression (1967)」2016/10/30 07:17

John Coltrane - Expression

肝臓癌由来の痛みをこらえつつ演奏を録音し、発売の手配を続けた「Expression」は、 ヨレ気味な演奏ゆえ、過激な部分がナリを潜め、聴きやすくなったのは皮肉な話ですな。

ラヴィ・シャンカールが説く「静寂」と「安らぎ」が具現化したようなアルバムです。


<突然の容態悪化、そして昇天>

1967年7月15日(土)まで、妻や親族、音楽仲間にさえ容態の悪化を覚られないまま、 具合の悪い状態でコルトレーンは活動を続けていたそうです。
自宅の地下室のスタジオを作り、最新録音機材まで揃え、 何故、何事もないように活動を継続するそぶりを見せていたのか・・・。

前兆として、1967年 5月に内臓の激痛により倒れていたそうですが・・・。

そして、コルトレーン生涯最後、日曜日の朝を迎えます。

1967年7月16日(日)、日曜日の朝。
食事が取れないほど衰弱したため、ハンティントン病院に救急患者として入院。

そして翌日7月17日(月)午前4時、肝臓癌により昇天(死去)。

音楽仲間、そして公民権運動のシンボルとして見ていたアフリカ系アメリカ人達に、 突然の喪失感と、衝撃が走ります・・・。


<遺作「Expression (impulse! A-9120)」>

今回ご紹介する「Expression」は、1967年冬から春にかけて録音された作品。
ジョン・コルトレーンのスタジオ録音・最終作(遺作)であり、 「平和と愛」を探求するかの如く、スピリチュアルな演奏であります。

タイトルの「Expression」は、日本語では 「(気持ち・性格などの)表われ、しるし」という意味だそうで。


ここ最近のブログ記事で延々書いている通り、 ジョン・コルトレーン(John Coltrane)が残した作品群のうち、 最晩年にあたる1965年から1967年の録音は、 公民権運動の高まりと呼応して、激流の如く変化していきました。

モード奏法の追求から、公民権運動と連動した激情的フリー的演奏、 そして、ラヴィ・シャンカールを師と仰ぎ「平和と愛」を探求するスピリチュアルな演奏へ。


さて、「Expression」の収録曲をざっと紹介致します。



1曲目「Ogunde」は、短い幻想的なバラッド。

2曲目「To Be」も幻想的で浮遊感溢れる曲。
コルトレーンのフルートと、ファラオ・サンダースのピッコロが絡んだ後、 ピアノソロの後ろで、誰が叩いてるかわからない鈴やボンゴが鳴り響きます。
コルトレーンはフルートの音に声を混ぜ、フルートソロを展開してますね。




3曲目「Offering」は、ややアグレッシブな演奏。
イントロは「A Love Supreme, Pt. 1: Acknowledgement」の変形パターンか。
病魔に冒されたコルトレーンが最後の気力を振り絞り、弱弱しく、 テナーを吹こうとしてる様子がありありと思い浮かべられます。




4曲目「Expression」は、自らの昇天を予感しているかのような、清々しい演奏。
延々、激烈な演奏を聴いた耳には、かなりよれよれで弱ってる感じが痛々しいですね。
コルトレーンに続くアリスとサンダースがその分、頑張ってますが・・・。


John Coltrane - Expression (1967)
impulse! A-9120

01. Ogunde (John Coltrane) 3:32
02. To Be (John Coltrane) 16:29

03. Offering (John Coltrane) 8:31
04. Expression (John Coltrane) 10:56


1, 4 -
John Coltrane (ts) Alice Coltrane (p) Jimmy Garrison (b) Rashied Ali (ds) March 7 & spring 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

2, 3 -
John Coltrane (fl,ts) Pharoah Sanders (piccolo) Alice Coltrane (p) Jimmy Garrison (b) Rashied Ali (ds)
February 15, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


このアルバムでは、珍しくフルートを吹いてますが、これ、 1964年にヨーロッパで客死した、盟友・エリック・ドルフィー(Eric Dolphy) の遺族から譲渡された遺品だそうです。


<「Expression」に至る過程(抜粋)>

◎1964年12月9日(38歳)「A Love Supreme」1回目のセッション。

◎1965年5月26日、「Transition」1回目のセッション。
◎1965年6月10日、「Transition」2回目、「Kulu Se Mama」1回目のセッション。
◎1965年6月16日、「Kulu Se Mama」2回目のセッション。
◎1965年6月28日(38歳)、「Ascension」レコーディング。
◎1965年10月01日(39歳)「Om」レコーディング。
◎1965年10月14日、「Kulu Se Mama」2回目のセッション。
◎1965年11月23日、「Meditations」レコーディング。


◎1966年7月8∼25日(39歳)日本ツアー

☆1967年2月15日(没年、40歳)遺作「Expression」録音。

◎1967年7月17日(没年、40歳)肝臓癌で昇天(死去)。



コルトレーン日本滞在記「Live In Japan(1966)」2016/10/29 23:39


1966年7月。
衝撃的なビートルズ初来日直後、コルトレーン御一行が日本の地に降り立ちます。


過密スケジュール中、長崎平和公園を訪れていることからも推測出来ますが、 新曲「Peace On Earth(地球の平和)」を、広島と長崎に捧げるために、 遠路はるばる日本を訪れたのかもしれません。


「コルトレーン――ジャズの殉教者 (岩波新書) : 藤岡 靖洋」 などを参考にしつつ、来日時の足取りを辿ってみましょう。





今予定を眺めると、強行スケジュールどころか「狂気の沙汰」でありますな・・・。
ふつーの人間なら、途中で確実にぶっ倒れてますよ・・・これは。


コルトレーン日本滞在:1966年7月08日(金)-7月25日(月)

<8都市15公演、日本のジャズメン達との共演セッション2回>

1966年7月08日(金)、羽田国際空港着~東京プリンスホテル宿泊。
1966年7月09日(土)、記者会見(東京プリンスホテル)、学生達による質疑応答、TBSインタビュー

1966年7月10日(日)、サンケイホール(東京都)
1966年7月11日(月)、サンケイホール(東京都)☆
1966年7月12日(火)、フェスティバルホール(大阪府)
1966年7月13日(水)、広島公会堂(広島県)
1966年7月14日(木)、長崎公会堂(長崎県)
1966年7月15日(金)、長崎平和公園で合掌、福岡市民会館(福岡県)
1966年7月16日(土)、京都会館第二ホール(京都府)、松竹座(大阪府)

1966年7月17日(日)、神戸国際会館ホール(兵庫県)△
1966年7月18日(月)、新宿厚生年金会館(東京都)
1966年7月19日(火)、新宿厚生年金会館(東京都)
1966年7月20日(水)、フェスティバルホール(大阪府)
1966年7月21日(木)、静岡市公会堂(静岡県)
1966年7月22日(金)、新宿厚生年金会館(東京都)☆、東京ビデオホール[交流ジャムセッション]
1966年7月23日(土)、愛知文化講堂(愛知県名古屋市)

1966年7月24日(日)、東京ビデオホール[交流ジャムセッション]
1966年7月25日(月)、羽田国際空港より帰国。

☆「Live In Japan」に収録されたコンサート
△プライベートテープが存在


2日に渡る日本人ジャズミュージシャンとの「交流ジャムセッション」には、ジョージ川口さん、松本英彦さんらが参加。

22日(金)は「バードランドの子守唄(Lullaby Of Birdland)」、「Softly, As In A Morning Sunrise」など4曲。
24日(日)は「Now's The Time」、「There Will Never Be Another You」など3曲を演奏したそうな。

日野皓正さんも会場に居たようですが、セッションに参加してたかは不明。

ディスコグラフィー上では「rejected」と記載された「プライベート録音」が、 現存してたら凄い事になる訳ですが・・・さて。


さて、強行スケジュールで日本全国を駆け回ったうち、東京での公演を収録した「Live In Japan」。

「Afro Blue」、「My Favorite Things」、「Crescent」というお馴染みな曲に加え、 2つ新曲の「Leo」、「Peace On Earth(地球の平和)」の、長尺演奏を聴く事が出来ます。

静(コルトレーン)と動(サンダース)の対比が、より荒々しく感じられますが、 この殺人的な演奏スケジュールでは、仕方ない事かな・・・と。


ジャズ評論家・岩波洋三氏の感想によると、 コルトレーンは演奏のクライマックスで、よだれを垂らしながら演奏していたそうで・・・。

岩波氏は続けて「それは、性行為のクライマックスを思わせる」とも書き記しています。
自己完全燃焼するその姿を評して、「爽やかの無くなった演奏」とも。


ディスコグラフィーを眺めると、東京での正規録音の他、 7月17日(日)「神戸国際会館ホール」の演奏がプライベートテープで存在する模様。




John Coltrane - Live In Japan
Impulse!/GRP 41022

John Coltrane (ss, as, ts, per) Pharoah Sanders (as, ts, bass-cl, per) Alice Coltrane (p)
Jimmy Garrison (b) Rashied Ali (ds) Hisato Aikura (announce)

Disc 1 & 2: July 11, 1966 at "Sankei Hall", Tokyo, Japan.
Disc 3 & 4: July 22, 1966 at "Shinjuku Koseinenkin Kaikan", Tokyo, Japan.


<July 11, 1966 at "Sankei Hall", Tokyo, Japan. >

Live In Japan [Disc 1] July 11, 1966

 01. Afro Blue (Mongo Santamaria) 38:48
 02. Peace On Earth (John Coltrane) 26:24

Live In Japan [Disc 2] July 11, 1966

 01. Crescent (John Coltrane) 54:34


<July 22, 1966 at "Shinjuku Koseinenkin Kaikan", Tokyo, Japan. >

Live In Japan [Disc 3] July 22, 1966

 01. Peace On Earth (John Coltrane) 25:06
 02. Leo (John Coltrane) 44:50

Live In Japan [Disc 4] July 22, 1966

 01. My Favorite Things (Richard Rodgers & Oscar Hammerstein II) 57:19



あ、有名な「私は聖者になりたい(笑)」発言について、書くの忘れてた(笑)。

新妻アリスに対し、過去の不逞を「公式謝罪」する意味合い含む発言だったそうです。

パワフルな演奏から推測出来るように、何人かの女性と深い関係があった模様。


「Coltrane Live At The Village Vanguard Again! (1966)」の社会的背景2016/10/29 13:46


今回は1966年6月、壮絶なる日本ツアー直前に録音された、 「Coltrane Live At The Village Vanguard Again!」です。


タイトル的には、1961年11月に録音された、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)入りの 「Coltrane "Live" At The Village Vanguard (Impulse! A-10)」再び!という感じですか。



1961年版はドルフィー効果か、あっけらからんとしたアヴァンギャルドな演奏が多いですが、 1966年版は「Live In Japan」同様、絶叫というか振り切れた演奏です。


以下、長くなりますが、「Coltrane Live At The Village Vanguard Again!」 に至るコルトレーンの音楽的変質の謎が、自分なりに納得出来たので、当時の時代背景含め書いていきます。


まずコルトレーンの作品群を眺めていると、1965年2月付近で変質していく事に気がつきます。

「至上の愛(A Love Supreme)」で、神を賛美してたコルトレーンが突然、「Kulu Se Mama」、「Ascension」など、フリーフォームに転進した作品を発表。



アフリカ回帰、インド思想への傾倒を顕著にした、激情的雄叫びを上げ始めるようになります。

アメリカの歴史に詳しい方ならピンとくるかもしれませんが、そうです、 黒人公民権運動活動家・「マルコムX (Malcolm X)暗殺」を境に、激変していく訳ですね。



ムスリムの「マルコムX」が暗殺された事により、自ら信じるキリスト教への疑問を感じ始めた?
キリスト教を一旦横に置いて、「愛と平和」を求め、他宗教に目を向け始めたとも言えますか。


さて、1966年5月28日のヴィレッジ・ヴァンガードでのライブを収録した 「Coltrane Live At The Village Vanguard Again!」の収録曲は、 たった2曲(笑)、「Naima」と「My Favorite Things」だけ。

1965年末の録音(Meditations)で、宗教臭い演奏に嫌気が差したピアノのマッコイ・タイナーが退団したため、 1966年初頭からバンドに参加した、アリス・コルトレーンがピアノを弾いております。

ドラムも、前衛派でサン・ラ(Sun Ra)との共演経験があるラシッド・アリ(Rashied Ali)に代わってますね。



1曲目は、お馴染み「Naima」。

ライブでラヴィ・シャンカール(Ravi Shankar)の教え、 「(静寂(シャンティ)」と「安らぎ」が感じられる演奏です。

途中ソロで登場するファラオ・サンダースの咆哮が、全てをぶち壊しますが(笑)。

思索的な静(コルトレーン)と、激情なる動(サンダース)のコントラストが、 最晩年でのコルトレーンバンドの、大きな特徴なのかもしれません。

「Live In Japan」の如く静と動のバランスが崩壊すると、聴くにたえない状態になりますが、 ここでの演奏は、ぎりぎり均等を保ってる感じかと。

レコード時代にはA面最後になりますが「My Favorite Things」の前に、 「Introduction To My Favorite Things」と題されたジミー・ギャリソンのベースソロが、 6分ほど収録されてます。

2曲目は、スピリチュアルな演奏に変貌した「My Favorite Things」。 ベースソロに続いたコルトレーンがテーマを吹き始める前、ソプラノサックスで、 幻想的というか、摩訶不思議なフレーズを紡いでいきます。

悲痛な叫びを上げるサンダースのバックで、コルトレーンが吹く、 フルートの音が聴こえます。

このアルバムでコルトレーンは、バスクラリネットも吹いてるみたいですが、 どの部分がバスクラリネットなのか未だ判断出来てません(泣)。

ただ、いずれの楽器も1961年版に参加してたエリック・ドルフィーの遺品らしいです。


John Coltrane - Coltrane Live At The Village Vanguard Again! (1966) Impulse! A-9124

John Coltrane (ss, ts, bass-cl, fl) Pharoah Sanders (ts, fl)
Alice Coltrane (p) Jimmy Garrison (b) Rashied Ali (ds) Emanuel Rahim (per)

May 28, 1966 at "Village Vanguard", NYC.


01. Naima (John Coltrane) 15:12
02. Introduction To My Favorite Things (Jimmy Garrison) 6:11

03. My Favorite Things (O. Hammerstein II, R. Rodgers) 20:23



瞑想と混沌の先に「John Coltrane - Meditations (1965)」2016/10/28 03:02


60年代後半、黒人公民権運動活動家・マルコムX (Malcolm X)暗殺を境に、 アフリカ系アメリカ人の暴発寸前の熱い思いと共鳴し、絶叫し続けたコルトレーン。

かつてのボス、マイルス・デイヴィスの言葉から端折って引用すると、
「特に若い知識層や革命論者の間では、トレーンが音楽で彼らの気持ちを代弁し、シンボル的存在だった」
そうです。

今回ご紹介する「瞑想(Meditations)」は、そんなコルトレーンが奏でる 混沌と瞑想の狭間にある、神秘的というか「静寂と安らぎ」入り混じる、摩訶不思議なセッション。

アフリカ回帰を前面に打ち出した「Kulu Se Mama」から約1ヶ月後の録音ですね。



黄金のカルテットに加え、テナーサックスのファラオ・サンダース(Pharoah Sanders)、 ドラムのラシッド・アリ(Rashied Ali)を加えた編成で演奏されます。


さて。ずらっと並ぶ曲には、宗教色、精神性を前面に打ち出した題名が並んでおります。

1曲目は、「父なる神・御子キリスト・聖霊(The Father And The Son And The Holy Ghost)」 と題された曲。

「父」、「息子(イエス・キリスト)」、「聖霊(聖神)」は全て同じであり、 一つである、というキリスト教の基本となる教え、三位一体(至聖三者)の事らしいです。

題になぞられ、左右に分かれた2テナーが同時にソロを展開。

そこにリズム隊を加える事で、音楽による「三位一体」を表現したかったのか?

約13分に渡り、聖邪入り混じるかのような、混沌とした音の洪水が続きます。

「Om(阿吽)」を聴いたラヴィ・シャンカール(Ravi Shankar)に、 解釈の間違いをたしなめられたコルトレーンですが、 師の諭しを忘却したが如く、「Om(阿吽)」路線の過激な演奏を繰り広げます。



2曲目「慈悲(Compassion)」は、サイケデリックな瞑想といった雰囲気の曲。
定型ビートで時々、鈴のような音鳴り響く中、マッコイ~コルトレーンとソロが引き継がれます。

3曲目「愛(Love)」は、ベースソロから始まる、穏やかな雰囲気の曲。

4曲目「威厳(Consequences)」は、前曲の静寂をぶち壊すかのように、 左右に分かれた2テナーによる絶叫が続きます。

続くマッコイも、穏やかながらも、せわしないピアノソロを展開。
5曲目アルバム最後を飾る「静寂(Serenity)」は、前のピアノソロを引き継いで、 コルトレーンの瞑想的ソロが展開されます。


コルトレーンが考えてた「瞑想(Meditations)」とは、どのようなものだったのか。
多分、コルトレーンも他人に説明出来るほど、深く考えていなかったものと推測します(笑)。

とりあえず頭を空っぽにして、混沌と渦巻く音の洪水に、しばし浸かってみるのも一興かと。


John Coltrane - Meditations (1965)
impules! AS-9110


01. The Father And The Son And The Holy Ghost (John Coltrane) 12:49 02. Compassion (John Coltrane) 6:49

03. Love (John Coltrane) 8:08
04. Consequences (John Coltrane) 9:11
05. Serenity (John Coltrane) 3:30

John Coltrane (ts, per) Pharoah Sanders (ts, tambourine, bells) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Rashied Ali (ds) Elvin Jones (ds) November 23, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.



静寂と安らぎ-「John Coltrane - Kulu Se Mama (1966)」2016/10/27 00:33


混沌たる「Ascension(神の国)」及び「Om(阿吽)」の前後に録音されたのが、 今回ご紹介する、静寂と安らぎ溢れるアルバム「Kulu Se Mama」です。

アフリカ伝来のサム・ピアノ(親指ピアノ)をつま弾く音を導入したり、 「Om(阿吽)」を詠唱したりと、ジャズから逸脱した、 混沌極めるアルバム「Om(阿吽)」を録音したコルトレーン(生存時は未発表)。

ライブでラヴィ・シャンカール(Ravi Shankar)に「Om(阿吽)」を披露し、 「(静寂(シャンティ)」と「安らぎ」が不足している事をたしなめられたためか、 アルバム「Kulu Se Mama」には神秘性というか、「静寂と安らぎ」が加わってるように思えます。



表題曲「Kulu Se Mama」は、パーカッションとボーカルで参加するジュノ・ルイスの作品。

母に捧げた賛歌なんだそうですが、「アフリカ回帰」を目指した曲調で、 ゆるめなパーカッションの音色とアフリカの現地語の歌がブレンドされた、 「土の香り漂う」ような、穏やかなる曲です。

続く2曲目「Vigil」は、テナーサックスのコルトレーンと、ドラムスのエルヴィンによるデュオ。
9分半にも渡り、2人だけの丁々発止なやりとりが続きます。


3曲目「Welcome」は、穏やかなるバラッド風な演奏。
これこそ「静寂と安らぎ」ですね。

1975年にマイケル・カスクーナ(Michael Coscuna)が編纂した コンピレーションアルバム「The Gentle Side Of John Coltrane」にも収録されてます。



John Coltrane - Kulu Se Mama (1965)
impulse! A-9106

01. Kulu Se Mama (Juno Se Mama) (Julian Lewis) 18:50

02. Vigil (John Coltrane) 9:51
03. Welcome (John Coltrane) 5:34


03. Welcome -
John Coltrane(ts) McCoy Tyner(p) Jimmy Garrison(b) Elvin Jones(ds) June 10, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

02. Vigil -
John Coltrane(ss, ts) Elvin Jones(ds)
June 16, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ,


01. Kulu Se Mama (Juno Se Mama) -
John Coltrane(ts) Pharoah Sanders(ts) McCoy Tyner(p)
Jimmy Garrison(b) Donald Garrett(b, bass-cl) Frank Butler(ds) Elvin Jones(ds)
Juno Lewis (vo, per)
Western Recorders, Los Angeles, CA, October 14, 1965




「John Coltrane - Ascension (1965)」は問題作か?2016/10/26 03:50


今まで怖くて聴かなかった、フリージャズやってた頃の(後期)コルトレーンを最近、まとめて聴いております。

ジョン・コルトレーンがフリージャズを演奏した最初のアルバムだと認識されるのが、1965年6月に録音した「Ascension(邦題:神の園)」です。

フリージャズの創始者・オーネット・コールマン(Ornette Coleman)の「Free Jazz (1961) Atlantic」に影響されちゃって、大編成でフリー風味な即興演奏を試してみた作品、とでも言っておきますね。



しかしこのアルバム、前述の通り「世紀の問題作」とかジャズ雑誌等に書かれているので長年、避けて(笑)いたのですが、聴いてみると全然、許容範囲な演奏だったりします。


という事で「Ascension」はどんな作品かと問われれば、「至上の愛」で頂点を極めた「モード」演奏から、新たなる「フリー」な演奏に移行する途中の模索、というか「習作」という位置付けではないかと。


編成は「黄金のカルテット」に、トランペット奏者を2人、サックス奏者を4人、ベーシストを1人を加えたもの。

さて、今回聴いているのは、演奏時間から推定するに「Ascension [Edition II]」だと思われます。

中身はというと、全員がアンサンブルというか集団即興を行うパートに続き、 約2分ほど「ドラム」対「ソロ奏者」の果し合いが続く、という印象。しかも延々、約40分も(笑)。


熱狂的なホーン奏者7人のソロが終ると、ピアノ、ベースのソロが続きます。
ドラムのエルヴィンはもちろん、最初から最後までシンバル叩きっぱなし・・・。

ちなみにパワフルで混沌としたこの「Ascension」録音した翌月7月、 フランスで録音されたライブ音源には、タイトルを「Blue Valse (Blue Waltz)」とした、「Ascension」のカルテットバージョンが登場します。



演奏はというと、すっきりしたテーマ演奏後、「Eb minor」一発でアドリブやってるらしいです。


John Coltrane - Ascension (1965) Impulse! Records A-95

Freddie Hubbard (tp) Dewey Johnson (tp) Marion Brown (as) John Tchicai (as)
John Coltrane (ts) Pharoah Sanders (ts) Archie Shepp (ts)
McCoy Tyner (p) Art Davis (b) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (ds)

June 28, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

01. Ascension [Edition II] (John Coltrane) 40:27




The Gentle Side Of John Coltrane(1975&1991)2016/10/21 07:04

1975年にマイケル・カスクーナ(Michael Coscuna)によって編纂された 「The Gentle Side Of John Coltrane」というコンピレーションアルバムが あることをご存知ですか?

ジョン・コルトレーン(John Coltrane)のバラッド風な演奏だけを集めた、 秀逸で非常に聴きやすいアルバム。

コルトレーン関連のコンピレーションは数多発売されておりますが、 「聴きやすさ」という点において、このアルバムを越える作品に未だ巡りあっておりません。



私は大学時代、後輩から貸してもらったレコードの中にこのアルバムがあり、 カセットに録音して聴いていたのですが、また気軽に聴きたいなあ・・・と思い立ち調べてみたら、 「LPレコード(2枚組)」と「CD(1枚)」では、収録時間の都合で曲順など、 若干の変更が加えられていることが判明。

今更レコードを入手するのも面倒なので、手持ちのCD音源駆使し、 このコンピレーションアルバムを、独自再編集してしまいました(笑)。
既発のものが1990年代初頭に発売された輸入盤CDのみで当然、 音圧や音質が、ショボいだろう・・・という判断もあっての事ですが。


「Ballads」、「John Coltrane And Johnny Hartman」、 「Duke Ellington And John Coltrane」という定番バラッドアルバムに加え、 裏バラッドと呼びたい「Crescent」からも拾遺。

その他「Coltrane」、「Impressions」、「Transition」や、 ライブアルバム「Coltrane Live At Birdland」、 さらに過激な「Kulu Se Mama」からもバラツド風の演奏が選曲されているという、 一般大衆向けに考え尽くされたアルバムだろうと思います。

「LPレコード(2枚組)」と、「CD(1枚)」との大きな違いは、 「The Spiritual」【Coltrane "Live" At The Village Vanguard (Impulse! A-10)収録】 の有無。

またCD化に伴い、後半の曲順を入れ替えてあります。

レコード盤4面に配分した時と、気が変わったのか?
そのあたりの経緯は、マイケル・カスクーナご本人に尋ねるしかないですけどね。


「impulse!」レコード音源の所有会社さん、リマスターしてこのアルバムを再発してくれないかなあ。
ここまで出来の良いコンピレーションは、なかなかお目にかかれないので・・・。
と思って調べたら、2012年に日本盤発売されてましたね(笑)。



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The Gentle Side Of John Coltrane [CD](1991)
Impulse! ‎/ GRP GRD-107

Compiled by Michael Coscuna


01. Soul Eyes (Mal Waldron) 5:27
02. What's New (Haggart, Burke) 3:48
03. Welcome (John Coltrane) 5:29
04. Nancy (With The Laughing Face) (Van Heusen, Silvers) 3:14
05. My Little Brown Book (Strayhorn) 5:23
06. Wise One (John Coltrane) 9:01
07. Lush Life (Billy Strayhorn) 5:32

08. Alabama (John Coltrane) 5:11
09. My One And Only Love (Wood, Mellin) 5:00
10. After The Rain (John Coltrane) 4:14
11. In A Sentimental Mood (Duke Ellington) 4:19
12. Dear Lord (John Coltrane) 5:38
13. I Want To Talk About You (Billy Eckstine) 8:11


John Coltrane (ts) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (ds)

05: John Coltrane (ts) Duke Ellington(p) Aaron Bell(b) Sam Woodyard(ds)
07, 09: with Johnny Hartman(vo)
10: John Coltrane (ts) McCoy Tyner (p) Jimmy Garrison (b) Roy Haynes(ds)
11: John Coltrane (ts) Duke Ellington(p) Aaron Bell(b) Elvin Jones (ds)


Album Index

Coltrane (Impulse! A-21)
Duke Ellington And John Coltrane (Impulse! A-30)
Ballads (Impulse! A-32)
John Coltrane And Johnny Hartman (Impulse! A-40)
Impressions (Impulse! A-42)
Coltrane Live At Birdland (Impulse! A-50)
Crescent (Impulse! A-66)
Transition (Impulse! AS-9195)
Kulu Se Mama (Impulse! A-9106)


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John Coltrane ‎– The Gentle Side Of John Coltrane [2LP](1975)
Impulse! / MCA Records ‎– MCA2-4136 (1975) US

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The Gentle Side Of Coltrane [Disc 1]

A1. Soul Eyes 5:22
A2. What's New 3:43
A3. Welcome 5:17
A4. Nancy 3:09

B1. My Little Brown Book 5:30
B2. Lush Life 5:20
B3. Wise One 9:01

------------------
The Gentle Side Of Coltrane [Disc 2]

C1. Alabama 5:05
C2. My One And Only Love 4:50
C3. I Want To Talk About You 8:50
C4. Dear Lord 5:34

D1. After The Rain 4:07
D2. In A Sentimental Mood 4:12
D3. The Spiritual 13:30


Album Index

Coltrane "Live" At The Village Vanguard (Impulse! A-10)
Coltrane (Impulse! A-21)
Duke Ellington And John Coltrane (Impulse! A-30)
Ballads (Impulse! A-32)
John Coltrane And Johnny Hartman (Impulse! A-40)
Impressions (Impulse! A-42)
Coltrane Live At Birdland (Impulse! A-50)
Crescent (Impulse! A-66)
Transition (Impulse! AS-9195)
Kulu Se Mama (Impulse! A-9106)

Cannonball Adderley - Phenix (Fantasy F-79004)2012/04/07 08:46


ジョージ・デューク(George Duke)のドリーミーなエレピの音と、アイアート・モレイラ(Airto Moreira)が奏でるパーカッションが心地よい、1975年録音のセルフカヴァー作品。

自分のジャズ・バンドで演奏してみようかと思い、入手したアルバムです。

バックのサウンドは時代に合わせてますが、フロント二人のソロの熱さは60年代そのまま。
バックのユルさと熱いソロの絶妙さが、クラブ、ヒップホップ系に持て囃される理由でしょうか?

時代に合わせてはいるものの、50~60年代に近いアレンジの曲の方が、キャノンボール以下のソロは冴え渡るというのは、仕方ないというか面白い処。


「High Fly」は、軽めのボッサ風。
「Work Song」は、ライトなバックと熱いソロリレーの対比が印象的。
「Sack O' Woe」、怪しげなエレピの音から始まるファンク風味。

「Jive Samba」、エレピのファンキーなソロが凄いですね(笑)。
「This Here」、うなるベースをバックに抑え気味のテンポで、じわじわ盛り上げます。
「The Sidewalks Of New York」、キャノンボールの饒舌なアルトソロが堪能いただけます。

「Hamba Nami」、ジャングルを思わせる雰囲気のオープニングから、ファンキーなソロに・・・。
「Domination」、急速調のテーマから続く、シリアスなナットのソロが凄いなあ。
「74 Miles Away」、前半7拍子で最後4拍子となる、面白い曲。キャノンボールが暴れてます(笑)。

「Country Preacher」、牧歌的というか童謡風なアレンジで・・・。
「Stars Fell On Alabama」、ピアノを従えキャノンボールがノビノビとソロを展開してます。

「Walk Tall/Mercy, Mercy, Mercy」、8ビートの「Walk Tall」から「Mercy, Mercy, Mercy」へ。
ファンク~ゴスペルへと雰囲気が展開する流れは、アルバム最後に相応しい展開だなあ。




Phenix / Cannonball Adderley Fantasy F-79004

Cannonball Adderley (as,ss) Nat Adderley (cor)
George Duke (p,syn-1/6, add syn-8,10,12) Mike Wolf (p-7/12)
Sam Jones (b -1/6) Walter Booker (b,el-b -7/12)
Louis Hayes (ds -1/6) Roy McCurdy (ds -7/12)
Airto Moreira (per)

February,March,April, 1975, Fantasy Studios, Berkeley, CA.


01. High Fly (Randy Weston)
02. Work Song (Nat Adderley)
03. Sack O' Woe (Julian "Cannonball" Adderley)
04. Jive Samba (Nat Adderley)
05. This Here (Bobby Timmons)
06. The Sidewalks Of New York (Lawlor-Blake, arr. J. Adderley)
07. Hamba Nami (Julian "Cannonball" Adderley)
08. Domination (Julian "Cannonball" Adderley)
09. 74 Miles Away (Josef Zawinul)
10. Country Preacher (Josef Zawinul)
11. Stars Fell On Alabama (Parish-Perkins)
12. Walk Tall/Mercy, Mercy, Mercy (Zawinul-Marrow-Rein/Zawinul)



「Keep It Koming - Organized Konfusion」には、「Sack O' Woe」のベースラインがサンプリングされているとの事。

※YouTube リンク切れ


「She said - The Pharcyde」は、このアルバム収録の「Mercy, Mercy, Mercy」がネタになった模様。


Albert Ayler - My Name Is Albert Ayler (Debut DEB 140)2012/03/27 07:12


今更、というかようやく、アルバート・アイラー(Albert Ayler)を聴きだしました。
で、前から一度は聴いてみたかった「Albert Ayler - My Name Is Albert Ayler (Debut DEB 140)」を。


何でこのアルバムを聴いてみたいかと言うと以前、山下達郎さんが好きなジャズのアルバムだと発言していた事を覚えていたからだが(記憶違いだったらすいません)。

1970年代初頭、デビュー当時(Sugar Babe時代)の達郎さんは、日本が誇るフリージャズの山下洋輔(p)さんと同じ事務所に所属したとかで、フリージャズもジャズ喫茶でよく聴いてた模様。

蛇足になりますが現在のツアーメンバーである、小笠原拓海(ds)さんが「山下洋輔ニュー・カルテット」に参加していて、(我々からすれば)いきなり達郎さんのバンドに加入したという流れは、歴史的事実(笑)を考慮すると、「何でやねん?」という疑問が解消される訳で・・・。


まず1曲目「Introduction by Albert Ayler」 は、本当に自己紹介(笑)。 「My Name Is Albert Ayler~」から始まり、自身のこれまでの音楽履歴を淡々と述べております。

冒頭フェードインされる、2曲目「Bye Bye Blackbird (Dixon, Henderson)」。
今まで聴いてきたこの曲とは、次元の異なる演奏が展開されてました・・・・。
バックのトリオは普通にバッキングしてるのですが、アイラーの音色とフレーズは、完全に異次元。
あまりの落差に、エリック・ドルフィーを聴いた時以来の衝撃を受けました・・・なんじゃ、こりゃ(笑)。


3曲目「Billie's Bounce (Parker)」、ややおとなし目のドルフィーといった感じか(個人的感想)。
そういえば1961年にエリック・ドルフィーが渡欧し、地元ミュージシャンバックに演奏してたから、こういうフリーキーな演奏のバックも、すんなり対応出来てたのかな?


4曲目「Summertime (Gershwin, Gershwin, Heyward)」、一番聴きやすい(当社比)演奏かも。
アイラーの演奏は、酷暑の中「こんな暑いんじゃ、やってらんねーよなー」とか、息絶え絶えに言ってるように聴こえますが(笑)。


5曲目「On Green Dolphin Street (Kaper, Washington)」、これもドルフィーの演奏と聴き比べると、面白いかもしれません。
ドルフィーの演奏は、ビバップとフリーの境界線ぎりぎりで演奏していたのに対し、アイラーの演奏は境界線をフリー方向にやや、超えてる演奏。まさに感性の赴くまま、フリーな演奏。


6曲目「C.T. (Ayler)」は、このアルバム唯一の自作曲(他は有名ジャズスタンダード)。
最初、助走の如く軽く吹きちらした後、アイラー怒涛の咆哮が始まります。
・・・その後の展開は、私の語彙では、表現出来ません。フリー好き(詳しい人)に聞いてくれ(苦笑)。


フリー界隈のミュージシャンはオーネット・コールマン(Ornette Colema)以外、気に入ったミュージシャンが見つからなかったのだが、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)の延長線上で聴けるアルバート・アイラーは、ようやく腰を据えて聴いてみようという気になりましたね。

名前は伏せておきますが、他のフリー系ミュージシャンで酷過ぎるモノ多かったので・・・・。




Albert Ayler - My Name Is Albert Ayler (Debut DEB 140)

Albert Ayler (ss,ts) Niels-Henning Orsted Petersen (b) Niels Brondsted (p) Ronnie Gardiner (ds)

January 14, 1963 at Danish National Radio Studios, Copenhagen, Denmark.


01. Introduction by Albert Ayler (Ayler) 1:15
02. Bye Bye Blackbird (Dixon, Henderson) 7:19
03. Billie's Bounce (Parker) 5:59
04. Summertime (Gershwin, Gershwin, Heyward) 8:46
05. On Green Dolphin Street (Kaper, Washington) 9:05
06. C.T. (Ayler) 12:01




Bobby Timmons - The Soul Man! (Prestige 7465)2012/03/20 05:02


ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)[1935 - 1974]が最後期の1966年、 ジャズメッセンジャーズ時代の同僚・ウェイン・ショーター(ts)を迎えたアルバム。

兎に角、絶好調のショーターを聴くため購入したアルバムです(苦笑)。


1曲目は、5拍子のファンキー・ナンバー「Cut Me Loose Charlie (Bobby Timmons)」。

2曲目は、ジャズロック風味の「Tom Thumb (Wayne Shorter)」。
ジミー・コブの小気味良いビートにのり、ショーターが快演を繰り広げてます。
LP(カセット)で聴いてた頃は、この1曲だけで十分だった記憶があります。


3曲目「One Way Street (Bobby Timmons)」は、やや躁気味(笑)な演奏。
続く4曲目「Damned If I Know (Bobby Timmons)」は、「So Tired」的な感じ。

5曲目「Tenaj (Ron Carter)」、最初は優雅なワルツ。
テーマの終わり頃にテンポチェンジが、ある何とも摩訶不思議な曲。

6曲目「Little Waltz (Ron Carter)」は、ラストらしくしっとりと。
久しぶりに聴くジミー・コブ(Jimmy Cobb)のブラシワーク、素敵です。



録音当時のウェイン・ショーター(Wayne Shorter)は、マイルス・ディビス (Miles Davis)の60'sクインテットに参加、歴史的名盤を立て続けに録音していた頃。

ちなみに、前年1965年の10月(October 15, 1965)には、「Wayne Shorter - The All Seeing Eye (Blue Note 4219)」を。

クリスマス直前(December 23, 1965)には、壮絶なる「Miles Davis At Plugged Nickel (CBS/Sony)」の録音に参加。



このアルバムの約2週間後(February 3, 1966)には名盤「Wayne Shorter - Adam's Apple (Blue Note 4232)」を録音。

約1年後(March 10, 1967)には、自身のリーダー作「Wayne Shorter - Schizophrenia (Blue Note 4297)」で、「Tom Thumb」を再演してます。




Bobby Timmons - The Soul Man! (Prestige 7465)

Wayne Shorter (ts) Bobby Timmons (p) Ron Carter (b) Jimmy Cobb (ds)
January 20, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


01. Cut Me Loose Charlie (Bobby Timmons) 5:46
02. Tom Thumb (Wayne Shorter) 7:08
03. One Way Street (Bobby Timmons) 7:23
04. Damned If I Know (Bobby Timmons) 6:33
05. Tenaj (Ron Carter) 7:08
06. Little Waltz (Ron Carter) 6:40