The Complete Columbia Album Collection - Miles Davis (Columbia/Legacy)2010/09/21 07:38

最近欲しいなあー、と思っているがこれ。
マイルス・デイヴィスのコロンビア時代の限定版BOXセット。


おまけに未発表DVD、そしてアルバム単位で未発表曲など追加している模様。

The Complete Columbia Album Collection: +DVDThe Complete Columbia Album Collection: +DVD
Miles Davis

Sony Music 2009-11-23
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特記ポイントだけ、英語のまま掲載します(訳すの面倒なんで)。

「The Complete Columbia Album Collection - Miles Davis (Columbia/Legacy)」

・52 albums on 70 CDs in Mini LP Replica Jackets
・250 page color book with biography

・In Addition to Previously Released Bonus Tracks from Past Reissues
・Live In Europe ’67 (Previously Unreleased DVD)
・First time ever complete audio release of the August 29th, 1970 Isle Of Wight festival performance

・Previously Unreleased Bonus Tracks
 * In Paris Festival International De Jazz
 * At Plugged Nickel Chicago Volume 1 & 2
 * Quiet Nights + “Blue Xmas (To Whom It May Concern)” And “Devil May Care”
 * We Want Miles + 3 Bonus Tracks from Miles!, Miles!, Miles!


「The Complete Columbia Album Collection」全収録アルバムはこんな感じ。


The Complete Columbia Album Collection / Miles Davis (Columbia/Legacy) [70 CD + 1 DVD]

01. In Paris Festival Int’L de Jazz May, 1949 (SRCS 9724)

02. ’Round About Midnight (CK 85201)

03. Circle in the Round [2CD] (C2K 46862)

04. Miles Ahead (CK 65121)
05. Milestones (CK 85203)
06. 1958 Miles (C6K 65833)
07. At Newport 1958 (CK 85202)
08. Porgy and Bess (CK 65141)
09. Jazz at the Plaza (CK 85245)
10. Kind of Blue (CK 64935)
11. Sketches of Spain (CK 65142)

12. Directions [2CD] (SRCS 9761/2)

13. Someday My Prince Will Come (CK 65919)

14. In Person Friday Night at the Blackhawk, San Francisco - Complete [2CD] (C2K 87097)
15. In Person Saturday Night at the Blackhawk, San Francisco - Complete [2CD] (C2K 87100)

16. At Carnegie Hall [2CD] (C2K 65027)

17. Quiet Nights + “Blue Xmas (To Whom It May Concern)” And “Devil May Care” (CK 65293)

18. Seven Steps to Heaven (CK 93592)
19. In Europe (CK 93583)
20. My Funny Valentine (CK 93593)
21. “Four” & More (CK 93595)
22. Miles in Tokyo (CK 93596)

23. Miles in Berlin (CK 93594)
24. E.S.P. (CK 65683)

25. At Plugged Nickel Volume 1 & 2 [2CD] (18AP 2067/ 18AP 2068)
26. Miles Smiles (CK 65682)
27. Sorcerer (CK 65680)
28. Nefertiti (CK 65681)

29. Water Babies (CK 86577)
30. Miles in the Sky (CK 65684)
31. Filles de Kilimanjaro (CK 86555)
32. In a Silent Way (CK 86556)

33. Bitches Brew [2CD] (C2K 65774)
34. Big Fun [2CD] (C2K 63973)
35. A Tribute to Jack Johnson (CK 93599)
36. Live at the Fillmore East (March 7, 1970): It's About That Time [2CD] (C2K 85191)
37. Black Beauty: Miles Davis at Fillmore West [2CD] (C2K 65138)
38. At Fillmore [2CD] (C2K 65139)
39. Isle of Wight
40. Live/Evil [2CD] (C2K 65135)
41. On the Corner (CK 63980)
42. In Concert [2CD] (C2K 65140)
43. Dark Magus [2CD] (C2K 65137)
44. Get Up with It [2CD] (C2K 63970)
45. Agharta [2CD] (C2K 46799)
46. Pangaea [2CD] (C2K 46115)

47. The Man with the Horn (CK 36790)
48. We Want Miles + 3 Bonus Tracks from Miles!, Miles!, Miles! [2CD] (SICP 1235/6)
49. Star People (CK 38657)
50. Decoy (CK 38991)
51. You’Re Under Arrest (CK 40023)
52. Aura (CK 45332)

53. Miles Davis Quintet: Wayne Shorter, Herbie Hancock, Ron Carter, Tony Williams / Live in Europe '67 [DVD]


Complete Columbia Album Collection (W/Dvd)
Complete Columbia Album Collection (W/Dvd)Miles Davis

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安いよなー。以前、日本盤の紙ジャケ全部購入した時の値段からすると(笑)。

新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-サムシン・エルス+1 - キャノンボール・アダレイ2008/04/06 05:09

SOMETHIN'ELSE - CANNONBALL ADDERLEY  Blue Note BST-81595

 『枯葉(AUTUMN LEAVES)』の決定的名演を収録したアルバム、「サムシン・エルス」
 マイルス・デイヴィスがサイドマンとして参加したこのアルバムにより、ブルーノートは「ロングセラーアルバム」をまた1枚獲得しました。

 なおこの録音で「音楽監督が仕切るアルバム(制作)」というアイデアを得たライオンは、 「Moanin' / Art Blakey & Jazz Messengers(4003)」という次なる大ヒットアルバムを生み出す事となります。


 アルバム制作は、オーナーのアルフレッド・ライオン宛に、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)から電話がかかって来た事から始まったそうです。
 「キャノンボール・アダレイをリーダーにして、サイドメンとしてマイルス自身が参加するレコーディングをしないか?」という内容だったとのこと。

 「サムシン・エルス」でのマイルスは「音楽監督」という立場で、メンバーの手配から選曲・アレンジのサポートまで担当していたようです。


 マイルスからすれば麻薬に溺れていた不遇時代でも、積極的に録音の機会を与えてくれたアルフレッド・ライオンに対し、恩返しの意味を込めて録音企画を申し出たらしいです。
 怒ると怖いが(笑)、恩は決して忘れない人だったんですね、マイルス・デューイ・デイヴィス三世。


 ハンク・ジョーンズの楚々としたイントロ、マイルスのミュート・トランペットが強烈な印象を与える『枯葉(AUTUMN LEAVES)』、  同じくミュートで軽快にスイングする『LOVE FOR SALE』

 マイルスとキャノンボールの掛け合いで進行するラフなテーマの『SOMETHIN' ELSE』、これぞハードバップだ!と叫びたくなる熱い演奏です。

 シカゴのDJ「Daddy-O Daylie」に捧げたファンキーなブルース(?)『ONE FOR DADDY-O』、ラストで聴こえるマイルスのしゃがれた声がまた雰囲気を盛り上げますね。

 ラストのバラッドの『DANCING IN THE DARK』は、マイルスが抜けたカルテットによる演奏。
 サラ・ヴォーンによる演奏を聴いた音楽監督のマイルスが、キャノンボールに演奏させたんだとか。


 CD追加曲の『BANGOON』は未発表曲として公開された当初、「Allison's Uncle」というタイトルがつけられていたもの。
 その後、ハンク・ジョーンズ(Hank Jones)の作品と確認され『BANGOON』と改題されました。
 内容は、軽快なハードバップ!といった感じ。まあ未発表のままでも良かったな(笑)。


SOMETHIN'ELSE / CANNONBALL ADDERLEY Blue Note BST-81595

01. AUTUMN LEAVES (Prevert-Kosma) 10:55
02. LOVE FOR SALE (Cole Porter) 7:03

03. SOMETHIN' ELSE (Miles Davis) 8:12
04. ONE FOR DADDY-O (Nat Adderley) 8:23
05. DANCING IN THE DARK (Schwartz-Dietz) 4:05

06. BANGOON (Hank Jones) 5:09

Miles Davis (tp -omit 5) Cannonball Adderley (as) Hank Jones (p) Sam Jones (b) Art Blakey (ds)

Recorded on March 9, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7092 サムシン・エルス+1 / キャノンボール・アダレイ
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マイルスを聴こう - コンプリート・ブラックホーク-マイルス・デイビス2008/01/08 07:45


 本日は閑話休題気味に、某図書館から借りてきたCDをメモ代わりにご紹介。
 ハンク・モブレー(Hank Mobley)入りの、マイルスにしては珍しいとーっても聴き易いライブ4枚組(完全版)です。
 全部聴き通していないから詳細は(笑)・・・・ただ手持ちのCDより音質は、格段に良い!


 面白いのが、エディ・ヘンダーソン(Eddie Henderson)が寄稿した記事。

 『彼(マイルス)が出演の時はいつも私(エディ)の実家を根城としていたからである。』
 『(エディの)養父はマイルスの担当医だった。デューク・エリントンも診ていた。』

 『モブレイ、ケリー、PC、コブのいるバンドはより”人々”に近い存在だったということだった。』

 などなどとっても面白いエピソード満載なので、マイルスのファンは是非とも目を通してもらいたいです。
 もちろん、演奏も良いですよ。
 で下記はセットリストです。CDの曲順とは(大きく)異なります。


The Complete Blackhawk / Miles Davis [SONY]

Miles Davis (tp) Hank Mobley (ts) Wynton Kelly (p) Paul Chambers (b) Jimmy Cobb (ds)
Recorded on "The Blackhawk", San Francisco, CA.


●April 21, 1961 - 1st set.

--. Autumn Leaves (inc.) -rejected-
01. Oleo
02. No Blues
03. Bye Bye (Theme)

●April 21, 1961 - 2nd set.

01. All Of You
02. Neo (Teo)
03. I Thought About You
04. Bye Bye Blackbird
05. Walkin'
06. Love, I've Found You

●April 21, 1961 - 3rd set.

01. If I Were A Bell
02. Fran Dance
03. On Green Dolphin Street
04. The Theme
--. Love, I've Found You -rejected-



●April 22, 1961 - 1st set.

01. If I Were A Bell
02. So What
03. No Blues

●April 22, 1961 - 2nd set.

01. On Green Dolphin Street
02. Walkin'
03. 'Round About Midnight
04. Well, You Needn't
05. The Theme

●April 22, 1961 - 3rd set.

01. Autumn Leaves
02. Neo
03. Two Bass Hit
04. Bye Bye (Theme)
05. Love, I've Found You

●April 22, 1961 - 4th set.

01. I Thought About You
02. Someday My Prince Will Come
03. Softly As In A Morning Sunrise
--. Bye Bye (theme) (inc.) -rejected-


The Complete Blackhawk
The Complete BlackhawkMiles Davis

おすすめ平均
starsジャズ入門、マイルス入門に、是非。
starsウィントンケリーファンに贈る
stars素顔のマイルスが聴ける
stars水増しされたマイルス
starsマイルス過渡期ではあるが、ハードバップの楽しさを満足できるライブ盤

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「マイルスを聴こう」-UCCO-5094 マイルス・デイヴィス アンド・ミルト・ジャクソン2007/12/04 22:38

Miles Davis And Milt Jackson Quintet-Sextet  Prestige PRLP 7034

 9月と10月に『ユニバーサル JAZZ THE BEST Legendary 150』として、リバーサイド、プレステッジなどの名門レーベルの名盤150枚が一挙に発売されました。
 今日はその中からマイルスの隠れた名演奏を。実は本アルバム、真実の「喧嘩セッション(笑)」でもあります。


 中山康樹さんが翻訳された「マイルス・デイビス自叙伝(1)」を読むと、1955年はマイルスにとって激動の年であったことが分かります。

 まず3月に、マイルスは前妻の扶養義務不履行の為ぶち込まれた刑務所で、師匠であるバードことチャーリー・パーカー(Charlie Parker)の死亡を知らされます。
 麻薬中毒だったバードの死は、ジャズ界に衝撃を与えたようです。おかげで、麻薬をやめようとするジャズ・ミュージシャンが増えたとか。

 そして7月には、第2回のニューポート・ジャズ・フェスティバルに出演し、作曲者のセロニアス・モンクを含むオールスター・バンドで「ラウンド・ミッドナイト」を演奏。
 その演奏を聴いたプロデューサーのジョージ・アバキャンにより、コロンビア・レコードと契約することとなります。

 また同じく7月に、有名なライブスポットのカフェ・ボヘミアでキャノンボール・アダレイの演奏をいたく気に入り、いろいろとアドバスを与えていたようです。



 ・・・・そんなこんなで8月、プレステッジお得意のジャム・セッション風な本アルバムの録音となる訳です。


 「ビバップ的なサウンドにしたい」という事から、アルトのジャッキー・マクリーンを含むバンドで臨むマイルスですが、そのマクリーンが、スタジオで問題を起こします。
 録音当日麻薬でハイになっていたマクリーン、自作2曲の録音を終えたまでは良かったが、続く「Bitty Ditty」の録音中に突然癇癪を起こして帰ってしまいます。

 前述の「自叙伝(1)」によると、何度も間違えるアート・テイラーに対し、マイルスが親切に教えてやった事に嫉妬したのが原因だとか。

 つまり、「俺(ジャッキー)にはいつも強く当たるのに、なんでアートにはそんなに優しいんだ!」という事。
 マイルスが「繊細ですぐ気に病んでしまうタイプ」であるアートに合わせて指導してしたのに、ジャッキーは気に入らなかったらしい(笑)。
 まあ、麻薬中毒の人の行動は予測がつかない事が多く、特にハイになっている時は、感情の抑制が効かないらしいです。

 録音当日までの背景は、この位にしましょう。それでは、演奏内容を簡単に。


 1曲目、ゆったりしたテンポで演奏されるマクリーン作曲のブルース「Dr. Jackle」で、軽くウォーミング・アップ。
 ミルトのソロに続くマイルスは他のミュージシャンが使うようなお手本みたいなブルース・ソロから、だんだん熱気をはらんだマイルスらしいソロを展開していきます。
 次のマクリーンの短いながらも熱いソロを経てレイ・ブライアント、ミルトとソロ・リレーは進行していきます。


 飛んで3曲目、ハードなアップテンポ・ナンバー「Minor March」では、ソロ一番手のマクリーンが大熱演。彼の辛口のソロを堪能出来ます。
 ミルト、そして畳み掛けるようにハードなフレーズを次々と繰り出すマイルスのソロはお見事!の一言。
 最後に登場するレイ・ブライアントのピアノもかなりハード。ホレス・シルバーみたいに、低音キーをガンガン叩いて演奏を盛り上げます。


 2曲目、サド・ジョーンズ作曲の「Bitty Ditty」では、途中でマクリーンが抜けたせいかマイルスの演奏には覇気がありません。
 何でドラムのアート・テイラーが何度も躓いたのかと思いながら演奏を聴くと、テーマ部のドラム・パターンはちょっと面倒みたいですね。
 このテーマと連動したドラム・パターン、アート・ブレイキーお得意の叩き方なんですが、A・テイラーにはまだちと難しかったか。

 全員の演奏は文句ないのですが、やはりジャッキー・マクリーンが途中で抜けたのが痛い。マクリーンのざらっとした音色のアルトが抜けたせいで、演奏の輪郭がボヤケていますね。


 4曲目、レイ・ブライアントの優雅なオリジナル「Changes」は、今までの曲とは雰囲気が異なり、レイ・ブライアント・トリオにマイルスとミルト・ジャクソンがソロで参加しているみたいです。
 レイ・ブライアントの作り出す優雅な雰囲気に乗って、マイルスもミルトも気持ちよさそうにソロを演奏しております。

 ぼーっと聴いていると、レイのソロ部分なんか完全に、彼のトリオで録音した某有名アルバムそのまんま(笑)。つい、次の曲は「ゴールデン・イヤリング」か?と、勘違いしそう。
 地味なんだけど昔から「アク」の強い人なんですね、レイ・ブライアント。


 マイルスがヤンキー座りをしてる最悪なジャケットのせいか、話題になったと聞いた事がありません。
 ホントこのアルバム、マイルス・デイヴィスの作品だ!とか思いながら聴いてはいけません(笑)。ジャッキーの行動のおかげで、しょんぼりしているマイルスに、過剰な期待は禁物です。

 「マイルス、大丈夫だよ。お前の行動は間違ってないから」と、(心の中で)声を掛けてあげながら(笑)聴く、優しさがある人だけ、こっそりと聴いてみて下さい。案外良いですよ。


●Miles Davis And Milt Jackson Quintet/Sextet Prestige PRLP 7034

01. Dr. Jackle (Jackie McLean) * 8:54
02. Bitty Ditty (Thad Jones) 6:35

03. Minor March (Jackie McLean) * 8:16
04. Changes (Ray Bryant) 7:11

Miles Davis (tp) Jackie McLean (as -*) Milt Jackson (vib) Ray Bryant (p) Percy Heath (b) Art Taylor (ds)
Recorded on August 5, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


「マイルスを聴こう」-UCCO-5106 ブルー・ヘイズ/マイルス・デイビス2007/11/18 20:38


 9月と10月に『ユニバーサル JAZZ THE BEST Legendary 150』として、リバーサイド、プレステッジなどの名門レーベルの名盤150枚が一挙に発売されました。
 今日はその中から丁度、長ーく絶望的な麻薬中毒から抜け出した頃の、すっきりしたマイルスの演奏を。


 このCDは、マイルスのワン・ホーンカルテットによる演奏を中心とした、オムニバス盤です。
 比較的地味なアルバムなんですが、私は大好きで、学生時代はOJC盤のCDで良く聴いてました。


 丁度(笑)4月に録音された「I'll Remember April(*4)」は、「Walkin'(Prestige LP 7076)」のセッションと同一録音です。

 まずは、ケニー・クラーク(Kenny Clarke)の色香漂うブラシによる演奏に耳が向きますね。
 ミュートをつけたマイルスは、ケニーの奏でる春風の様に爽やかなブラシに乗って気持ちの良い演奏を聴かせてくれます。
 珍しいデイブ・シルドクラウト(Dave Schildkraut)のアルトもなかなか。


 お次はこれまた珍しい、ワンホーン・バージョンの「Four(*3)」です。
 マイルスは、ホレス・シルバー(Horace Silver)とアート・ブレレキー(Art Blakey)の強力なバッキングに乗って、自信に満ちた演奏を繰り広げます。

 「Old Devil Moon(*3)」では、例の「バードランドの夜」を思い起こさせるようなブレイキーの変幻自在なドラムが凄いですね。
 「ドアをノックする」と形容される、ブレイキー独特のリズム・フィギュアも健在です。

 スロー・バラッドの「Smooch(*2)」ではなんと、あのチャールス・ミンガス(Charles Mingus)がピアノを弾いております。
 それにしても結構上手いんですよ、ミンガスのピアノ。


 タイトル曲でもある、若干スローテンポ気味のブルース「Blue Haze(*3)」ではマイルス、音数少なめに「ニュアンス重視」の演奏を聴かせてくれます。

 ミディアムテンポの「When Lights Are Low(*1)」は、まさにほのかな明かりを眺めているような、心温まる演奏です。

 アップテンポの「Tune Up(*1)」ではマイルス、最初から快調な演奏を聴かせてくれます。
 ソロ2番手に登場するジョン・ルイス(John Lewis)、ドラムソロ交換で登場するマックス・ローチ(Max Roach)も気持ちよく演奏しております。

 最後の「Miles Ahead(*1)」は、オリジナルLPのラーナーノートによると、「(Old)Milestones」のコード進行を元に作られているそうです。


 まあ、これだけ爽やか、そして気持ちよさそうにトランペットを吹くマイルスが聴けるCDも、珍しいのではないでしょうか。


●Blue Haze / Miles Davis Prestige PRLP 7054

01. I'll Remember April (DePaul-Johnston-Raye) *4 7:52
02. Four (Miles Davis) *3 4:01
03. Old Devil Moon (Harburg-Lane) *3 3:22
04. Smooch (M.Davis-C.Mingus) *2 3:05

05. Blue Haze (Miles Davis) *3 6:09
06. When Lights Are Low (Carter-Williams) *1 3:25
07. Tune Up (Miles Davis) *1 3:53
08. Miles Ahead (Miles Davis) *1 4:28

*1
Miles Davis (tp) John Lewis (p) Percy Heath (b) Max Roach (ds)
Recorded on May 19, 1953 at WOR Studios, NYC.

*2
Miles Davis (tp) Charles Mingus (p) Percy Heath (b) Max Roach (ds)
Recorded on May 19, 1953 at WOR Studios, NYC.

*3
Miles Davis (tp) Horace Silver (p) Percy Heath (b) Art Blakey (ds)
Recorded on March 15, 1954 at Beltone Studios, NYC.

*4
Miles Davis (tp) Dave Schildkraut (as) Horace Silver (p) Percy Heath (b) Kenny Clarke (ds)
Recorded on April 3, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


ブルー・ヘイズ
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「マイルスを聴こう」-Amsterdam Concert - Miles Davis Quintet LONE HILL JAZZ [LHJ-10141]2007/11/14 17:10


 「マイルスを聴こう」シリーズ1枚目は、米仏混成メンバーによるオランダ・アムステルダムでのライブです。
 (私が)長らく探しても見つからなかったこの作品、最近「LONE HILL JAZZ」からCDが発売されて気軽に聴けるようになりました。


 この作品の重要なポイントは2つあります。

 まずは、「死刑台のエレベーター(1958年公開、監督:ルイ・マル、主演:ジャンヌ・モロー)」のサントラを録音した3日後の作品であること。
 もう1つは、サントラを録音したと同じメンバーによるライブであることです。

 あ、「マイルスを聴け!/中山康樹著(双葉文庫)」で、結構「いいかげん」に取り上げられているのもポイントか(笑)。


 このライブ、1週間位ずーっと聴き続けてようやく(笑)面白い所を、見つけました。

 マイルスが使うフレーズ、演奏のニュアンスがなんと、もろ「死刑台のエレベーター」のサントラなんですよ。

 ・・・つまり、普段からマイルスが演奏しているジャズ・スタンダードが、頭に全て「死刑台のエレベーター風」と付く訳です。
 聴きなれた曲でも「死刑台のエレベーター」の、クールでハードボイルドな雰囲気が漂って来るという凄さ。
 ただし、マイルスが吹いている時だけ限定。他のメンバーが演奏しているときは、フツーのジャズなのでお気を付け下さい。


 マイルスのソロ、テーマに戻る直前にちょっとした仕掛けを施した「(死刑台のエレベーター風)Bags' Groove」

 曲名を見るまで、サントラ収録の曲かと間違えてしまう程、ハードな「(死刑台のエレベーター風)What's New ?」

 続く「(死刑台のエレベーター風)But Not For Me」も、マイルスはテーマをちょっと替えて吹いたりしています。それだけでよりクールに聴こえるんだから凄い。


 「(死刑台のエレベーター風)A Night In Tunisia」は、マイルスのソロに入ると、リズム隊が2倍のテンポでリズムを刻み始めます(倍テンとも、言いますね)。カッコいいなー。
 このCDでは、ケニー・クラークのドラムがややオフ気味に録音されているんですが、そんな音でもケニーの気迫がビシビシ伝わって来ます。
 そして最後、マイルスによるカデンツァも聴きもの。


 そして「(死刑台のエレベーター風)Four」「(死刑台のエレベーター風)Walkin'」「(死刑台のエレベーター風)Well You Needn't」と、マイルスは快調に飛ばて行きます。


 「(死刑台のエレベーター風)'Round About Midnight」では、テーマからあの有名なソロブレイクまで、マイルス一人で片つけてしまいます。
 それがまた、ハードボイルドな感じと心地よい緊張感を出していいんだ、これが。
 そんなマイルスに圧倒されたのか、続く、申し訳なさそうにソロに入るバルネの演奏は惜しいなあ。ソロ後半になると、なんとか立て直しますけどね。


 T.ダメロン作曲のハッピーな、「(死刑台のエレベーター風)Lady Bird」で、このCDは終了します。
 最後の曲だけあってバルネ以下、他のメンバーも快演を聴かせてくれます。
 ピアノのソロでも、ダメロンの演奏を真似たフレーズが聴こえるのは嬉しい所です。


 最後に。このCDは、マイルスの一寸気の利いたソロをコピーするのに最適だと思います。
 特にスタンダードで、「死刑台のエレベーター風」の演奏を試して見たい方にはお勧め(そんな奴いるのか?)。


Amsterdam Concert / Miles Davis Quintet Featuring Barney Wilen
LONE HILL JAZZ LHJ-10141 [2005]

01. Woody'n You (Dizzy Gillespie) 5:07
02. Bags' Groove (Milt Jackson) 7:17
03. What's New ? (Haggart-Burke) 3:41
04. But Not For Me (G & I.Gershwin) 6:52
05. A Night In Tunisia (Gillespie-Paparelli) 7:30
06. Four (Miles Davis) 4:32
07. Walkin' (R.Carpenter) 6:48
08. Well You Needn't (T.Monk) 5:36
09. 'Round About Midnight (T.Monk) 5:37
10. Lady Bird (T.Dameron-N.Heath) 5:49


Miles Davis (tp) Barney Wilen (ts) Rene Urtreger (p) Pierre Michelot (b) Kenny Clarke (ds)
Recorded on December 8, 1957 at "Concertgebouw", Amsterdam, Holland.

Other issued : The Complete Amsterdam Concert 1957 / Miles Davis (Celluloid [It] 668 232)

Amsterdam Concert
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star「死刑台のエレベーター」録音の4日後に同じメンバーで演奏
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死刑台のエレベーター[完全版]
死刑台のエレベーター[完全版]マイルス・デイヴィス バルネ・ウィラン ルネ・ユルトルジュ

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starマイルス・ダンディズムの極致
star夜のサンジェルマン・デ・プレを徘徊する
starマイルスの即興演奏と完成に至る過程が素晴らしい

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マイルス・デイビス-ジャズ界の巨大なる山脈に挑む。2007/11/11 21:32


●カインド・オブ・ブルー
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マイルス・デイビス ジョン・コルトレーン ポール・チェンバーズ

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●カインド・オブ・ブルーの真実
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 ジャズ界には、巨大なる山の頂が2つあります。
 一つは『ブルーノート・レコード(Blue Note Records)』、もう一つは『マイルス・デイヴィス(Miles Davis)』です。

 極論を言えば、この2つの頂を極めてしまえば、ジャズの歴史ほぼ全てを掴んだことになります。


 ・・・思うところあって、これまでなるべく避けてきた『マイルス・デイヴィス』ですが、そろそろ本腰を入れて取り上げて行こうと思います。
 そんな訳でまず、参考図書などを紹介します。

 幸いな事に日本には、マイルスと親交のあった2人のジャズ関係者がおりますので、お二人の著作本は大いに参考とさせていただきます。
 そのお二人とは、元スイング・ジャーナル編集長の中山康樹さんと、ジャズ・ジャーナリストの小川隆夫さんです。


 特に「自叙伝」、「マイルス・デイヴィスの真実」、「マイルスを聴け!」は頻繁に参考にしますので、よろしくです。



●マイルス・デイビス自叙伝1 (宝島社文庫)
マイルス・デイビス自叙伝〈1〉 (宝島社文庫)
マイルス・デイビス自叙伝〈1〉 (宝島社文庫)マイルス デイビス クインシー トループ Miles Davis

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stars自信を持って生きるとはどういうことかを教えてくれた本です。
starsJAZZの歴史
stars長男'sレビュー
starsこれって本当かなあ?
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●マイルス・デイビス自叙伝2 (宝島社文庫)
マイルス・デイビス自叙伝〈2〉 (宝島社文庫)
マイルス・デイビス自叙伝〈2〉 (宝島社文庫)マイルス デイビス クインシー トループ Miles Davis

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●マイルス・デイヴィスの真実
マイルス・デイヴィスの真実
マイルス・デイヴィスの真実小川 隆夫

おすすめ平均
stars印象的な本
stars天才の真実
stars初心者だけでなくマニアにもおすすめ
stars一気に読みきり、何度も読み返す。
stars一番面白かったマイルスの本

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●マイルスを聴け! Version 7 〔双葉文庫〕
マイルスを聴け!〈Version 7〉 (〔双葉文庫〕)
マイルスを聴け!〈Version 7〉 (〔双葉文庫〕)中山 康樹

おすすめ平均
starsコンセプトはいいけど、中山氏の文章は中学生レベル
starsVer.7はマイルスの音楽活動を「読む」ためのもの。
stars厚い!
starsマニア向け

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●Miles Davis Story【DVD】
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