「John Coltrane - Ascension (1965)」は問題作か? ― 2016/10/26 03:50
今まで怖くて聴かなかった、フリージャズやってた頃の(後期)コルトレーンを最近、まとめて聴いております。
ジョン・コルトレーンがフリージャズを演奏した最初のアルバムだと認識されるのが、1965年6月に録音した「Ascension(邦題:神の園)」です。
フリージャズの創始者・オーネット・コールマン(Ornette Coleman)の「Free Jazz (1961) Atlantic」に影響されちゃって、大編成でフリー風味な即興演奏を試してみた作品、とでも言っておきますね。
しかしこのアルバム、前述の通り「世紀の問題作」とかジャズ雑誌等に書かれているので長年、避けて(笑)いたのですが、聴いてみると全然、許容範囲な演奏だったりします。
という事で「Ascension」はどんな作品かと問われれば、「至上の愛」で頂点を極めた「モード」演奏から、新たなる「フリー」な演奏に移行する途中の模索、というか「習作」という位置付けではないかと。
編成は「黄金のカルテット」に、トランペット奏者を2人、サックス奏者を4人、ベーシストを1人を加えたもの。
さて、今回聴いているのは、演奏時間から推定するに「Ascension [Edition II]」だと思われます。
中身はというと、全員がアンサンブルというか集団即興を行うパートに続き、 約2分ほど「ドラム」対「ソロ奏者」の果し合いが続く、という印象。しかも延々、約40分も(笑)。
熱狂的なホーン奏者7人のソロが終ると、ピアノ、ベースのソロが続きます。
ドラムのエルヴィンはもちろん、最初から最後までシンバル叩きっぱなし・・・。
ちなみにパワフルで混沌としたこの「Ascension」録音した翌月7月、 フランスで録音されたライブ音源には、タイトルを「Blue Valse (Blue Waltz)」とした、「Ascension」のカルテットバージョンが登場します。
演奏はというと、すっきりしたテーマ演奏後、「Eb minor」一発でアドリブやってるらしいです。
John Coltrane - Ascension (1965) Impulse! Records A-95
Freddie Hubbard (tp) Dewey Johnson (tp) Marion Brown (as) John Tchicai (as)
John Coltrane (ts) Pharoah Sanders (ts) Archie Shepp (ts)
McCoy Tyner (p) Art Davis (b) Jimmy Garrison (b) Elvin Jones (ds)
June 28, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
01. Ascension [Edition II] (John Coltrane) 40:27
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