ヘヴィー・ソウル+1/アイク・ケベック-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第3回発売2008/09/24 22:22

BN4093 - Heavy Soul - Ike Quebec

 ブルーノート創設当時からセロニアス・モンクなどの有能なる新人ミュージシャンを紹介し、ブルーノートに深く関わっているアイク・ケベック(Ike Quebec)
 1960年代に入ってからも有能な新人フレディ・ハバード、バップ時代の巨人デクスター・ゴードンらとブルーノートの仲介役を果たしていた模様。

 そんな裏方として活躍していたアイクが1961年、唐突にアルバム復帰を遂げた第1弾がこのアルバムです。
 内容はタイトル通り、フレディ・ローチ(Freddie Roach) のオルガン・トリオをバックに、実にソウルフルな演奏を繰り広げております。
 バップ時代から活躍しているアイクが、このような歌心溢れるソウル路線で復活出来るとは・・・感慨深い作品であります。

 なお復帰後の短期間に何枚かのアルバムを録音した後、アイク・ケベックは1963年1月に肺がんのためこの世を去っております。



 「Acquitted」は、『これぞオルガン・ソウル・ジャズ!』と柄にもなく形容したくなる1曲。F・ローチのさりげないバッキングが心に染み入ります。
 「Just One More Chance」は、美しいソウル・バラッド。サブトーン気味のテナー・サウンドが素敵な曲です。
 軽快なテンポで演奏される「Que's Dilemma」、スロー・テンポの「Brother Can You Spare A Dime」は気品あるソウル・ジャズですね。

 マイルス・デイビス初期の演奏で有名な「The Man I Love」は、スロー・バラッド仕立の演奏。
 さざなみうねるようなオルガンをバックにしばし演奏した後、猛然とスイングする演奏へと移行していきます。

 タイトル曲ともなった「Heavy Soul」は最初、ドラムがハイハットとマレットでリズムを刻み、後にシンバル・レガートに切り替えるこれまたソウルフルな曲。
 「I Want A Little Girl」は例えると、木漏れ日のような温かみ溢れる演奏です。

 オリジナル・アルバムでは最後のトラックである「Nature Boy」は、ミルト・ヒントンのベースのみをバックに演奏される1曲。
 クラブでの演奏を終えた、夜明け前の気だるい雰囲気漂うかのような幻想的な演奏です。


 なお今回はボーナス・トラックとして、アップ・テンポの「Blues For Ike」が追加収録されております。
 一番活気ある演奏なので、アルバム構成を考慮して削除されたのかなあ。


Heavy Soul / Ike Quebec Blue Note BN4093

01. Acquitted (Ike Quebec) 5:37
02. Just One More Chance (Coslow - Johnson) 5:47
03. Que's Dilemma (Ike Quebec) 4:27
04. Brother Can You Spare A Dime (Harburg - Gorney) 5:25

05. The Man I Love (Gershwin) 6:28
06. Heavy Soul (Ike Quebec) 6:50
07. I Want A Little Girl (Moll - Mercer) 5:19
08. Nature Boy (Ahbez) * 2:40

09. Blues For Ike (Freddie Roach) 5:52


Ike Quebec (ts) Freddie Roach (org -omit *) Milt Hinton (b) Al Herewood (ds -omit *)
Recorded on November 26, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7135 ヘヴィー・ソウル+1 / アイク・ケベック
TOCJ-7135 Heavy Soul / Ike Quebec (RVG) [BN4093 +1]