新・ブルーノートRVGコレクション第5回より-アンダーカレント - ケニー・ドリュー ― 2007/10/28 20:05
このアルバムの目玉は、怒涛の1曲目「UNDERCURRENT」でしょう。誰が何と言おうと。
この1曲聴けば、このアルバム全体の素晴らしさが分かります。フロントの2人のソロも言うことなし。
中でも超アップ・テンポにもかかわらず、飄々とソロを綴るハンク・モブレーの演奏が一番かな。
楽器をフルに鳴らし切るフレディ、ちょっと「Sonny Clark Trio(Blue Note 1579)」収録の急速調ナンバー「Be-Bop」を彷彿とさせるソロを展開するドリューも凄い。
ちょっとA・ブレイキーの「モーニン」にコード進行の感じが似ている「FUNK-COSITY」は、最初にソロを取るフレディの勢いのあるソロが素晴らしいですね。
「モーニン」に似てるなと考え出すと、H・モブレーの演奏がベニー・ゴルソンに、ピアノがボビー・ティモンズみたいに聴こえて来るから不思議。
・・・というか、狙ってやったのね、ケニー。そういえば、マイルスの「So What」も「モーニン」に刺激されて作ったとの噂が・・・。
アルバム解説を読むと、次の曲「アルフレッド・ライオンの私室(LION'S DEN)」とは、ブルーノートのオフィスのことを意味しているようです。
躍動感溢れる演奏からは、当時のブルーノート・オフィスの活気が伝わって来るようです。
3曲目からは、LP時代にはB面になります。
「THE POT'S ON」は、A面の雰囲気とはがらりと変わり、明るくスイングしております。
ここでは、フレディの明るくキラキラした演奏が一番目立ちます。それに負けじと、ファンキーにブロック・コードを混ぜたソロを展開するK・ドリューもいいですね。
続くマイナー・キーのブルース、「GROOVIN' THE BLUES」では、ハンク・モブレーの程よくマイルドな音色で奏でるソロが素敵です。
ラストのその名もずばり「BALLADE」は、美しいバラッドです。
ドリューのクラッシック風イントロから始まり、テーマをフレディが主旋律を奏でます。ハンクは控えめ。
この後、ケニー・ドリューは、バド・パウエルやデューク・ジョーダンらと同様、ヨーロッパに渡ってしまいます。
・・・出来ればもう一枚、こんなハード・バップ風味のアルバムを造ってほしかったですね。
●TOCJ-7045 アンダーカレント / ケニー・ドリュー
UNDERCURRENT / KENNY DREW Blue Note 84059
01. UNDERCURRENT (Kenny Drew) 7:18
02. FUNK-COSITY (Kenny Drew) 8:27
03. LION'S DEN (Kenny Drew) 4:53
04. THE POT'S ON (Kenny Drew) 6:06
05. GROOVIN' THE BLUES (Kenny Drew) 6:19
06. BALLADE (Kenny Drew) 5:31
Freddie Hubbard (tp) Hank Mobley (ts) Kenny Drew (p) Sam Jones (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on December 11, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
コメント
_ garjyu ― 2007/10/29 19:21
_ 加持顕 ― 2007/10/30 00:31
ipod で聴いているんですかあ。いいなー。
私がデジタル・オーディオで聴いたら、1曲目だけ
を延々とリピート(笑)してしまいそう。
itune で毎日アメリカのJAZZ系ラジオは聴いてい
も、未だに面倒で、ipod を買えない私は・・・。
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これは、今Ipodでよく聴いてます。ケニー・ドリューも良いですが、フレディ・ハバード、ちょっと小憎らしいくらい
上手いこと。1曲目から引き込まれますね。ハンク・モブレーも味がありますね。