安定したバンドサウンドが魅力!- Multidirection - Kenny Cox and The Contemporary Jazz Quintet Blue Note [BST 84339] ― 2007/10/20 16:28

『CONNOISSEUR SERIES(米ブルーノート)』からCD(2 in 1)発売された、隠れ名盤ご紹介の続きです。
2枚目のアルバムのテイストを無理矢理マイルスのアルバムに例えると、1966年06月録音の「Nefertiti / Miles Davis (Columbia CS 9594) 」に近いと思われます。
「Nefertiti」程、耽美的雰囲気は無いですけどね。
アルバムの統一感を高める為か、K・コックスとC・ムーアが3曲づつ持ち寄ってます。
1枚目に比べ、バンド固有のサウンド・カラーが出て来ており、特にリーダーの美しいピアノと、トランペットのC・ムーアの無茶しない!安定した演奏が嬉しい限りです。
私自身は、プロデューサがフランシス・ウルフに変わったこの2枚目の、安定したサウンドの方が好きです。
なお手持ちのLPには1枚目同様、「VAN GELDER」の刻印が押されており、安心して聴くことが出来ます。
まずA面、K・コックス自身の作曲したハービー・ハンコック風の叙情感溢れる「Spellbound」で始まります。
次に、マイナー調アップテンポ・ナンバー「Snuck In」、ちょっと前乗りなビートが心地よい「Sojourn」と続きます。
B面の最初は、タイトル曲の「Multidirection」は、ちょっとマイルスが演奏した「Freedom Jazz Dance」を彷彿とさせる曲です。
次のミディアムテンポの「What Other One」はワルツ(3拍子)のリズムに乗って、C・ムーアのもろマイルス風トランペットが炸裂します。ドラムのD・スペンサーも良いです。
あ、ちょっとW・ショーター風味のL・ヘンダーソンのテナーも良いですね。
最後の「Gravity Point」も、緊張感溢れる良い演奏です。
前回も書きましたが、このアルバムが再発されるとは・・・私にとっては「晴天の霹靂(Out Of The Blue)」な出来事でした。
あとは、4枚組オムニバス盤CDにだけ収録されている隠れた名盤、ホレス・シルバーの「Silver'N'」シリーズ4枚を、BOXで良いのでCD化していただけないでしょうか。
EMIミュージック・ジャパンの「ブルーノート・クラブ」限定復刻とかでもいいですから。行方様、よろしくお願い致します。
●Multidirection / Kenny Cox and The Contemporary Jazz Quintet
Blue Note/United Artists BST 84339
side one
01. Spellbound (K.Cox) 5:18
02. Snuck In (C.Moore) 6:03
03. Sojourn (K.Cox) 6:40
side two
04. Multidirection (C.Moore) 9:54
05. What Other One (K.Cox) 5:00
06. Gravity Point (C.Moore) 6:10
Charles Moore(tp) Leon Henderson(ts) Kenny Cox(p) Ron Brooks(b) Danny Spencer(ds)
Recorded on November 26,1969 at G.M.Recording Studios, Detroit,MI
Produced by Francis Wolff
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