新・ブルーノートRVGコレクション第4回より-デイヴィス・カップ / ウォルター・デイヴィス Jr.2007/10/02 03:09


 このアルバム録音直後、ジャズ・メッセンジャーズに参加する期待の新人(当時)、W・デイヴィス Jr.のリーダー作。
 前年にはドナルド・バードのバンドでヨーロッパに行き、名盤「Byrd In Paris」など沢山のライブ録音を残しております。

 またフロントの2人とデイヴィスは、3ヶ月前に「New Soil / Jackie McLean(4013)」で競演した仲です。
 で、「New Soil」には本アルバムのタイトルと同じ、「Davis Cup (W.Davis Jr.) 」という凝った曲が収録されているからややこしい。


 アルバムは特に、作・編曲家としてのW・デイヴィス Jr.の才能を、世間に紹介ことに注力しているようです。


 また彼のピアノスタイルをあえて例えると、ハンク・ジョーンズ(Hank Jones)のように端正なタッチのピアニストが、ファンキー風の弾き方をしているような・・・・。
 またソロの時、ある決まったフレーズを頻繁に使うので、結構判別しやすい人でもあります。


 全曲、W・デイヴィスのオリジナルですが、何故かブルーノートお得意の「哀愁」とか「ブルージー」には程遠い曲が並びます。
 綺麗なアンサンブルのひたすら陽気な曲やメランコリックな曲など、ホント、女性に好まれそうな曲調のオンパレードです。


 1曲目のやけに陽気なナンバー「'SMAKE IT 」では、ホーンの2人がまるでH・シルバー・クインテットのように、ピアノ・ソロのバックで盛り立ててくれます。

 また3曲目の素敵なバラッド「SWEETNESS」は、デイヴィスの美しいソロの合間に、バードがこれまた素晴らしいソロで合いの手を入れてくれます。

 あ、全編で聴けるA・テイラーの切れのあるドラムも、聴き逃せないなポイントですね。



●TOCJ-7036 デイヴィス・カップ / ウォルター・デイヴィス Jr.




●DAVIS CUP / WALTER DAVIS JR. Blue Note BST 4018

01. 'SMAKE IT (Walter Davis Jr.) 5:25
02. LOODLE-LOT (Walter Davis Jr.) 5:55
03. SWEETNESS (Walter Davis Jr.) 8:55

04. RHUMBA NHUMBA (Walter Davis Jr.) 6:50
05. MINOR MIND (Walter Davis Jr.) 6:30
06. MILLIE'S DELIGHT (Walter Davis Jr.) 5:50

Donald Byrd (tp) Jackie McLean (as) Walter Davis Jr. (p) Sam Jones (b) Art Taylor (ds)

Recorded on August 2, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


●おまけ●
デビス・カップ:
国際テニス連盟(ITF)主催による男子選手の国別・地域別対抗団体戦。
デ杯と略されることもあるらしい。