裏・サイドワインダー! - Flute in - Bobbi Humphrey Blue Note [BST84379]2007/10/21 18:46


 ここ2週間、体調不良の日々が続き、ブログの更新が遅れていましたので、ちょっとでも回復したところでまとめて書いてます。


 えりっく$Φ さんのブログで、「The Sidewinder / Lee Morgan (BST-84157)」を丁度取り上げていたので、未CD化、ご本人参加のカバー・バージョンを紹介してしまいます。


 このアルバムは、女性フルート奏者のボビー・ハンフリー(Bobbi Humphrey)の、ブルーノートにおけるデビュー作です。
 ちなみにこの半年後、L・モーガンは、痴情のもつれから出演中のクラブの楽屋?で、愛人に銃で射殺されてしまう訳です。なんだかなあ。


 A面はヒット曲中心の軽めの選曲、B面はガラリと雰囲気を変え、アレンジャ-のW・マーカスのソウルフルで重厚な作品が続きます。
 私は、どちらの面も結構楽しめますが、AB面で落差が有り過ぎるのが、再発されない原因でしょうか?他のアルバムが再発されているのに・・・不思議です。


 今なら、「ご本人参加!サイドワインダーのカヴァーバージョン収録!」とか帯に書けば、DJ諸氏も購入するように思えますが・・・いかが?
 ちなみに私は、山下達郎氏のアカペラ・アルバムでおなじみ、軽めの「Spanish Harlem」も、ギターのカッテイングを含めて好きです。


 それでは注目の、「The Sidewinder」を聴いてみましょう。

 アレンジはほぼ、原曲通り。おなじみのパターンを、エレキ・ベースとエレキ・ピアノが奏でるあたりから、おっ!となります。
 ドラムの叩き出すビートも、よりロックっぽいですか・・・フルートが入ることで、原曲より洗練された感じがします。

 最初のソロは、もちろん、L・モーガンです。
 ライブでさんざん演奏してきただろうこの曲、同じフレーズは使わないよう気を遣いながらの、凄みのあるソロは、お見事!の一言です。
 このソロを聴きながら、もしもモーガンがフュージョン系のバンドで演奏したらどうなるだろう・・・とか想像してしましました。

 続く、B・ハンフリーはモーガンのテンションの高いソロを受け継いで、高音域を中心にソロを奏でて行きます。
 後テーマに続いて、おなじみのリズム・バターンに乗りながら、ソロを展開していくあたりもイイですね。



 最後の2曲でも、L・モーガンは素晴らしいソロを聴かせてくれます。

 まずはミディアム・テンポのリズムが心地良い、「Journey to Morocco」です。ここでモーガンは、変化に富んだロング・ソロを披露してくれます。
 この眩ゆいばかりのソロを紡ぎ出す彼は、まさしく天才!です。

 ラストのバラッド「Set Us Free」でも、L・モーガンはカッコ良いソロを披露してくれます。
 目まぐるしいリズムバターンの変化の中、余裕たっぷりにソロ吹き切るモーガンは、ホント凄いなあ。


 カッコ良いモーガンのソロ満載のこのアルバム、『CONNOISSEUR SERIES(米ブルーノート)』あたりでの再発希望!


●Flute in / Bobbi Humphrey Blue Note/United Artists BST 84379

side one
01. Ain't No Sunshine (B.Withars) *1 2:30
02. It's Too Late (C.King-T.Stern) *4 3:05
03. The Sidewinder (L.Morgan) *3 6:13
04. Sad Bag (D.Griffin) *1 5:05
05. Spanish Harlem (P.Spector-J.Leiber) *3 3:45

side two
06. Don't Knock My Funk (W.Marcus Bey) *3 4:36
07. Journey to Morocco (W.Marcus Bey) *2 8:19
08. Set Us Free (E.Harris) *2 5:48

*1/*2
Lee Morgan (tp-*2) Billy Harper (ts-*2) Bobbi Humphrey (fl) George Devens (vib,marimba,per) Hank Jones (p,el-p) Gene Bertoncini (g) George Duvivier (b) Idris Muhammad (ds) Ray Armando (conga) Wade Marcus (arr)

*3/*4
Lee Morgan (tp-*3) Billy Harper (ts-*3) Bobbi Humphrey (fl) George Devens (vib,marimba,per) Frank Owens (p,el-p) Gene Bertoncini (g) Gordon Edwards (el-b) Jimmy Johnson (ds) Ray Armando (conga) Wade Marcus (arr)

Recorded on September 30 or October 1,1971 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs,NJ


【付記】
2017年、遂に日本でもCD再発されました!


コメント

_ 是非、是非聴きたい&欲しい。 ― 2007/10/22 16:17

このアルバム持ってねぇ。。。アー下手こいた。
でも、そんなの関係ねぇ、そんなの関係ねぇ。
ハイ、オッパピーと…小島よしお風に。
実際は関係大有りです。このアルバム欲しいよ~!!
おふざけごめんなさい。(大爆笑)(元気出して下さい)
加持さん、体調どうですか?ブログの事は、しばし忘れて体調を万全にして下さいね。
あ、それから、この「裏サイドワインダー」の紹介も嬉しいですが、私への「表サイドワインダー」へのコメントもありがとうございます。
もしも、CDで再発される様な事があれば、確実にGetですね。

_ 加持顕 ― 2007/10/22 19:16

えりっく$Φさん、こんばんわ。

体調不良は当分続きそうなので、今月はちょっとずつ書いていきます。

・・・3サウンズの再発はあっても、これは無いでしょうね(笑)。

あと3サウンズで思い出しましたが、ピアノのジーン・ハリス名義のLP(2枚組!)で、チック・コリア・アコーステック・バンドみたいなアルバムとかあるんですよ。

後期ブルーノート、特にBNLA時代のアイテムはあらためて聴き直すと、おもしろいものがゴロゴロしてますから。

そういうLPは仕方無いので、せっせとCDに焼いて聴いてます。

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