真夏の夜の偉人達(3)/小川隆夫 マイルス・デイビスここだけの話 パート12007/08/18 06:53


 加持です。昨日の雨で朝は、過ごしやすい気温ですね。


 さて今回は、小川隆夫さんが出演されたラジオ番組を紹介するという無謀に近い記事です。新規カテゴリ「エアチェック音源」も追加しました。

 この特別番組は、NHK-FMで2007年8月8日(水)午後11時~午前1時にオンエアされました。

 ジャズ・ジャーナリストの小川隆夫さんがマイルスと初めて会った時のお話、親しくなった後にあった様々なエピソードを、オンエアされた12曲にまつわるエピソードも交えながら紹介していく番組です。
 2時間の番組を通して聴くと、マイルス・デイビスの偉大な足跡を、興味深いエピソードともに知る事が出来る便利な番組です。

 ここでは簡単な内容紹介とともに、12曲が収録されたアルバムを「amazon」から紹介して行こうと思います。全文文字起しも検討しましたが、膨大な作業量になることは明白なので取りやめ。

 それではエアチェックした音源を参考に、これから2回(予定)に分けて進めることにします。


●真夏の夜の偉人達(3)/小川隆夫 マイルス・デイビスここだけの話 Part 1

 小川さんの自己紹介に続き、まずはマイルスとの最初のインタビューの際、手術の影響で足を引きずっていたマイルスの為に(ご専門の)リハビリ・メニューを作成してあげたことを紹介されています。
 リハビリ・メニューを行なったマイルスは、2回目に会った時までには足の調子が良くなり、それがきっかけで、マイルスが暇?な時は「何時でも会ってやる」と言われたそうです。
 その後、1991年にマイルスが亡くなるまで、年に2回程のペースでマイルスと交流を深めていったそうです。


 最初にオンエアされた曲は、マイルスがC・パーカーのグループで最初に録音した曲「ビリーズ・バウンス」です。

01.Billie's Bounce / Charlie Parker Quintet



 曲のあとは、大変だった最初のインタビューの日程を決めるまでの経緯、マイルスの別荘を訪れた際の感激的な体験を語っておられました。

 次の曲は、「クールなマイルス」がスモール・コンボで録音した「バプリシティ」です。

02.Boplicity (Cleo Henry) 『クールの誕生 (Catital 1949)』



 ここでは、マイルスがパリ公演で受けた熱烈歓迎ぶりとニューヨークに戻った時の落差から、麻薬に溺れてしまった事。麻薬中毒になった彼に救いの手を差し伸べてくれた、アルフレッド・ライオンについて紹介されています。
 曲は、アルフレッドが経営するブルーノートでの録音「ディア・オールド・ストックホルム」です。
 ★補足:ここでのマイルスは、俗に「ジャンキーノリ」と呼ばれる、リズムにややもたつき気味でトランペットを吹いております。


03.Dear Old Stockholm (trad)『Miles Davis Vol.1 (Blue Note 1952)』



 ここでは、マイルスがたまたま聴いたクリフォード・ブラウンの演奏に打ちひしがれ麻薬中毒からの脱却を決意した事、実家で「コールド・ターキー」という方法により、麻薬の禁断症状を克服した事を紹介されています。

 続いて有名なセロニアス・モンクとの「喧嘩セッション」の真実を紹介した後、その時の演奏「ザ・マン・アイ・ラブ」に続きます。

04.The Man I Love - take 1 - 『Miles Davis & The Modern Jazz Giants (Prestige 1954)』



 この部分では、マイルス大躍進のきっかけとなった「ニューポート・ジャズ・フェスティバル」での演奏や、メジャーレーベル、コロンビアと契約するまでの経緯が紹介されています。

 その後、念願の「レギュラー・クインテット」結成時のエピソードを紹介しつつ、名演「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」の演奏に移ります。

05.'Round About Midnight (T.monk) 『'Round About Midnight (Columbia 1956)』



 ここでは「ラウンド~」のアレンジ、実はギル・エバンスのものを(許可を受けて)拝借したというお話を紹介されています。

 次に、プレステッジ・レーベルに残したこれまた有名な「マラソン・セッション」が何故録音されたかについて紹介しつつ、「マイ・ファニー・バレンタイン」の演奏が始まります。

06.My Funny Valentine (Rodgers/Hart)『Cookin' (Prestige 1956)』



 ここでは、マイルスが麻薬中毒だったジョン・コルトレーン(John coltrane)をクビにしたお話と、偶然現場に居合わせた(笑)T・モンクが、コルトレーンを自身のバンドに参加させるエピソードを紹介しております。
 続いて「死刑台のエレベーター」のメイン・テーマに移ります。


 いやー、アルバム紹介を挟んで行くと情報量が膨大になりますね。
 まだ半分終わった所ですが、ここで一旦休憩します。