ザ・ミュージック・フロム・ザ・コネクション/フレディ・レッド-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第2回発売2008/08/25 22:34

The Music From "The Connection" / Freddie Redd  Blue Note BN4027

 本作は「ザ・コネクション」という、麻薬問題を題材にしたミュージカルで演奏した曲を再演したアルバム。
 ジャケットの通り、「ザ・コネクション」に出演したメンバーで録音されているようです。

 「The Music From "The Connection"」の劇中音楽とはいえ、音楽単独でも楽しめる作品であります。
 また「YouTube」に「The Connection」に関する映像(一部)がありましたので、興味のある方はご覧下さいませ。


♪Jackie McLean - early live (1962) 
Jackie McLean - early live (1962)


 「Who Killed Cock Robin」~「Wigglin'」~「Jim Dunn's Dilemma」

 From Jack Gebler's The Connection.
 Jackie McLean (as) Freddie Redd (p) Michael Mattos (b) Larry Richie (ds)



 「Who Killed Cock Robin」は、軽快にスイングするハードバップ・ナンバー。
 4ヶ月前の1959年10月に録音された「Swing, Swang, Swingin' / Jackie McLean (BN4024)」と同様の雰囲気が漂っております。

 マイナー調で哀愁漂う「Wigglin'」、フレディ・レッド主導でブルージーに演奏が進んで行きます。

 ピアノのルバートから始まる「Music Forever」、歯切れの良いリズム隊をバックに気持ち良さそうに吹きまくるJ・マクリーンが素敵(笑)。  続くフレディ・レッド、ブロック・コード中心のソロで盛り上げます。


 ミディアム・テンポの「Time To Smile」、演奏を聴いているとタイトル通り思わずにんまりしてしまいます。

 マーチ風のリズムで始まる「Theme For Sister-Salvation」、途中、劇的にリズム・パターンが変るのは劇中音楽ならではの構成ですね。

 急速調の「Jim Dunn's Dilemma」、確か麻薬が切れかかった時の焦燥感を表現したものだったかな?
 やや重苦しい雰囲気の中、マクリーンのくぐもったアルトが緊張感をさらに張り詰めています。

 「O.D.」は、オーヴァー・ドープ(麻薬の打ちすぎ)の略だったはず。  緊急事態のはずなのに、跳ねるようにスイングしているのは、「飛んでいる」情景を表現しているためか(笑)。


The Music From "The Connection" / Freddie Redd Blue Note BN4027

01. Who Killed Cock Robin (Freddie Redd) 5:20
02. Wigglin' (Freddie Redd) 5:57
03. Music Forever (Freddie Redd) 5:51

04. Time To Smile (Freddie Redd) 6:23
05. Theme For Sister-Salvation (Freddie Redd) 4:44
06. Jim Dunn's Dilemma (Freddie Redd) 5:36
07. O.D. (Freddie Redd) 4:42

Jackie McLean (as) Freddie Redd (p) Mike Mattos (b) Larry Ritchie (ds)
Recorded on February 15, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7124 ザ・ミュージック・フロム・ザ・コネクション/フレディ・レッド [BN4027]
TOCJ-7124 The Music From "The Connection" / Freddie Redd (RVG) [BN4027]





ザ・ビッグ・ビート+1/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第2回発売2008/08/29 22:20

BN4029 The Big Beat- Art Blakey & Jazz Messengers

 「ザ・ビッグ・ビート」は、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)が音楽監督に就任して最初の公式スタジオ録音。
 まだ熱狂的なファンキー・サウンドを残しながら、クールなモード・サウンドへとシフトを開始しているのが面白いところであります。


 本題に入る前に、ウェイン・ショーター加入までの流れを少し説明しておきましょう。
 復活の立役者ベニー・ゴルソン(Benny Golson)の退団に伴い、中継ぎとしてハンク・モブレー(Hank Mobley)を一時起用していたジャズ・メッセンジャーズ。

 そんな中、メイナード・ファーガソン(tp)楽団に在籍していたウェインを、リー・モーガン(Lee Morgan)が交渉して引き抜きます(笑)。
 多分、こんな感じで誘ったのかな?・・・・『さあ、僕らと一緒に演奏しよう』・・・強引だなあ、リー・モーガン(笑)。

 そんな訳で、めでたくジャズ・メッセンジャーズ入りを果たしたウェイン・ショーター(Wayne Shorter)
 以後、メッセンジャーズには1964年まで在籍。1961年には、もはや伝説として語られる日本公演に参加。

 ・・・で、1964年秋頃、もっと強引な(笑)マイルス・デイヴィス(Miles Davis)に引き抜かれます(笑)。



 「The Chess Players」は、テーマ部でチェスの駒のように『stop and go(原盤ライナーより)』を繰り返す曲。
 マーチ風のリズム・パターンがザクザクといった感じで刻まれる中、各人が自由奔放なソロを繰り広げます。
 ファンキーな演奏を意識しつつマイペースで吹きすすむW・ショーター、時々ハーフバルブで音をひしゃげさせながら、破天荒なフレーズを撒き散らすL・モーガン(笑)。
 ソロのラストに登場するB・ティモンズは、時折ブロック・コードを混ぜながらクールにソロを弾いております。

 リズム隊のキメ・パターンやや多目の「Sakeena's Vision」は、アート・ブレイキーの当時2歳になる娘さんの名前をつけたW・ショーターの作品。
 ソロ一番手のL・モーガンがぐいぐい押し気味のソロを聴かせ、それを受けたW・ショーターも激しくブロー。
 3番手は、アート・ブレイキーが怒涛のドラム・ソロを繰り広げます。

 マイナー調のファンキー・ナンバー「Politely」は、前任トランペッタ―であるビル・ハードマン(Bill Hardman)の作品。
 一番手に登場するB・ティモンズの強弱激しいピアノ・ソロの後、ジミー・メリット(Jymie Merritt)のベース・ソロに続きます。


 「Dat Dere」は、ピアノのボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)作曲。
 「モーニン(Moanin')」と同様、ティモンズの作品の中では比較的知られたナンバーです。
 何と言っても、L・モーガンの強力なブローイング・ソロが聴き所です。
 スイング時代の偉大なテナー奏者、レスター・ヤング(Lester Young)に捧げた「Lester Left Town」もW・ショーターの作品です。
 レスターを意識したのか、いつになくソフトにフレーズを繋げていくW・ショーター。
 いつも以上に派手にブローするL・モーガン、そういえば彼はディジー・ガレスピー楽団でビックバンドを経験してましたね。
 ラストのスタンダートの「It's Only A Paper Moon」、有名なナット・キング・コール(Nat King Cole)の、ほのぼのバージョンとはがらっと違う斬新なアレンジで演奏されます。
 ブレイキーの銅鑼の音を思わせるシンバル連打に導かれ、L・モーガンが主旋律を吹き始めます。
 ショーター、モーガン、ティモンズと、各人勢いのあるソロが次々と登場していきます。


 なお今回はボーナス・トラックとして、「It's Only A Paper Moon」の別テイクが収録されております。



The Big Beat + 1 / Art Blakey and The Jazz Messengers Blue Note BN4029

01. The Chess Players (Wayne Shorter) 9:33
02. Sakeena's Vision (Wayne Shorter) 6:02
03. Politely (Bill Hardman) 6:01

04. Dat Dere (Bobby Timmons) 8:44
05. Lester Left Town (Wayne Shorter) 6:23
06. It's Only A Paper Moon (Arlen-Rose-Harburg) 6:35

07. It's Only A Paper Moon (Arlen-Rose-Harburg) -alternate take- 6:18

Lee Morgan (tp) Wayne Shorter (ts) Bobby Timmons (p) Jymie Merritt (b) Art Blakey (ds)
Recorded on March 6, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7125 ザ・ビッグ・ビート+1/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ [BN4029]
TOCJ-7125 The Big Beat + 1 / Art Blakey and The Jazz Messengers (RVG) [BN4029]