新・ブルーノートRVGコレクション第6回より-ナイト・ドリーマー+1-ウェイン・ショーター ― 2007/12/09 10:42
ブルーノート初リーダー作は、あのW・ショーターらしからぬ(笑)爽やかなアルバムです。
なんでしょうねこの爽快感は。ああ、『Page One / Joe Henderson(BST-84140)』と同じ感じ。
両作共に参加する、マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)のせい(笑)か?
そしてリー・モーガンとは、『A.ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ』で共演していた仲。
『決定版ブルーノート・ブック(ジャズ批評ブックス)』をぱらぱらめくるとウェインはこの頃、頻繁にモーガンとスタジオ入りしてみたいです。
まず2ヶ月前の2月15日には『Search For The New Land / Lee Morgan(BST-84169)』を録音。
このアルバムの前後、4月24日と5月15日には『Indestructible / Art Blakey & The Jazz Messengers(BST-84193)』で共演しております。
おっと忘れちゃいけない、リズム・セクションはあのジョン・コルトレーン・カルテットの3人です。
全体的にアトランテック時代の「J・コルトレーン・カルテット」の雰囲気がするのはそのせいか?
1曲目はワルツの「NIGHT DREAMER」。何回聴いても爽やかだなあこの演奏。
あとJ・コルトレーン・カルテットの「My Favorite Things」を思い出してしまいます。
「ORIENTAL FOLK SONG」は、古い中国の唄からインスパイアされたそうです。
エルビンのタメを効かせたリズムに乗り、フロントの二人もタメを効かせたロングトーン多めのフレーズを連発します。
セカンド・リフに続いてエルビンのドラム・ソロがあります。
お次は自身の誕生日(1933年8月25日生)の星座から命名されたバラッドの「乙女座(VIRGO)」です。
この曲だけウェインのワンホーンで演奏され、モーガンお休み。
雰囲気は、4ヶ月後に録音される2枚目のリーダー作『JUJU(BST-4182)』に繋がってますね。マッコイの短いソロも秀逸。
「BLACK NILE」のタイトルは、アラン・ムーアヘッド(Alan Moorehead)の小説?『The White Nile and The Blue Nile』からインスパイアされたそうです。
ハードにスイングするこの曲、モード路線のジャズ・メッセンジャーズ・サウンドに近いです。
と言う訳で、ソロではモーガンが大健闘。前述の『Indestructible / Art Blakey & The Jazz Messengers(BST-84193)』で聴かせる、熱いフレーズを連発します。
マッコイの短いソロで始まるファンキーな「CHARCOAL BLUES」も、ほぼジャズ・メッセンジャーズ・サウンド。
ちなみに「CHARCOAL」とは木炭のことらしいです。
物騒なタイトルがついた「アルマゲドン(ARMAGEDDON)」、シリアスで結構劇的なテーマを持つ曲です。
ハードなソロを展開するショーター、洒脱なモーガン、高速で鍵盤の上を跳ね回るマッコイとラストの曲としては文句無し。
バックのエルビンとレジー・ワークマンの強烈なドライブ感も凄いなあ。
●TOCJ-7058 ナイト・ドリーマー+1 / ウェイン・ショーター
●NIGHT DREAMER / WAYNE SHORTER Blue Note BST-84173
01. NIGHT DREAMER (Wayne Shorter) 7:26
02. ORIENTAL FOLK SONG (Wayne Shorter) 6:48
03. VIRGO (Wayne Shorter) * 7:05
04. BLACK NILE (Wayne Shorter) 6:25
05. CHARCOAL BLUES (Wayne Shorter) 6:51
06. ARMAGEDDON (Wayne Shorter) 6:19
07. VIRGO (Wayne Shorter) * -alternate take- 7:03
Lee Morgan (tp -omit *) Wayne Shorter (ts) McCoy Tyner (p) Reggie Workman (b) Elvin Jones (ds)
Recorded on April 29, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
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