新・ブルーノートRVGコレクション第7回より-ウナ・マス+1 - ケニー・ドーハム2008/01/04 22:23

UNA MAS - KENNY DORHAM  Blue Note BST-84127

 ドラマーが火に油を注ぐような演奏を繰り広げた場合、それに最も呼応(反応)するのがトランペッターでしょう。
 今回のリーダー、ケニー・ドーハムも新人アンソニー(トニー)・ウィリアムスに斬新なリズムに煽られ、ジャズ・メッセンジャーズ(勿論ドラマーはアート・ブレイキー!)以来の物凄いブローを披露しています。

 そして、ピアノはハービー・ハンコック、テナーはジョー・ヘンダーソンとこれまた、演奏を熱く燃え上がらせるメンツばかり・・・。
 なんだかメンバーのことを、1963年度版『Kenny Dorham & The New Jazz Messengers』とでも呼びたいですね。


 アフロ・キューバン・ジャズとボサ・ノバが混合されたような熱狂的なナンバー「UNA MAS (ONE MORE TIME)」。
 C・ベイシー楽団の名曲「April In Paris」同様、途中「UNA MAS !」の掛け声とともに、もう一度テーマが繰り返されます。

 『THE JAZZ MESSENGERS AT THE CAFE BOHEMIA Vol.1 Blue Note BLP-1507』収録の「MINOR'S HOLIDAY」以来ですね、これだけ気持ち良くブローするケニー・ドーハムを聴いたのは。それ位凄い。
 あとバックでソロのようにピアノをガンガン弾きまくるハービーと、トニーの斬新なドラム!


 トニーの奔放なドラムが冴えるハードな「STRAIGHT AHEAD」ではケニーは勿論、ジョー・ヘンダーソンのパルス波を放射するかのような摩訶不思議なソロが面白いですね。

 哀愁漂うボサ・ノバ・チューン「SAO PAULO」は、ストップ・タイム(演奏を途中で止める)やソロを受け渡す時にリフを加えるなど工夫を凝らした作品です。


 なお今回は、スタンダード(?)の「IF EVER I WOULD LEAVE YOU」が追加されております。

TOCJ-7067 ウナ・マス+1 / ケニー・ドーハム

●UNA MAS / KENNY DORHAM Blue Note BST-84127

01. UNA MAS (ONE MORE TIME) (Kenny Dorham) 15:17

02. STRAIGHT AHEAD (Kenny Dorham) 8:56
03. SAO PAULO (Kenny Dorham) 7:18

04. IF EVER I WOULD LEAVE YOU

Kenny Dorham (tp) Joe Henderson (ts) Herbie Hancock (p) Butch Warren (b) Anthony(Tony) Williams (ds)
Recorded on April 1, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

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ケニー・ドーハム ジョー・ヘンダーソン ハービー・ハンコック

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<付記>

「Una Mas」という曲は元々、「US」というタイトルで録音されております。

 シャッフルとワルツが混ざったような不思議なビートで演奏される「US」は、1961年11月にカリフォルニアの「ジャズ・ワークショップ(Jazz Workshop)」でライブ録音された、『Inta Somethin' / Kenny Dorham & Jackie McLean (Pacific Jazz PJ-41)』の1曲目に収録。
 バックはピアノがウォルター・ビショップJr.、ベースがリロイ・ビネガー、そしてドラムがアート・テイラーです。




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