温故知新!な男 - Night Watch / Don Sickler [Uptown UPCD 27.39]2006/11/21 06:50


 温故知新 という言葉がぴったりなプロジェクトを次々を発表する男が、今回紹介する、ドン・シックラー(Don Sickler)です。

 彼、トランペッターというよりは、アレンジャー(編曲者)として引く手あまた、という印象を受けます。

 昔の「よい曲」 を現代風にアレンジし直したアルバムやプロジェクトで、アレンジャー、ドン・シックラーの名前を何度か見つけてから、お気に入りの一人になりました!

 また、昔から聴きたい!と思っている、ドラマーのフィリー・ジョー・ジョーンズ(Philly Joe Jones)が最晩年に結成した、「ダメロニア」というバンドに参加していた事を、ライナー・ノーツで知り、一人でなるほど!と納得した次第。

 脱線ついでに、これまた大好きなクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)という大物プロデューサーがおりますが。

 クインシーの楽歴初期は、なんと!トランペット兼アレンジャー、たまにはピアニストとして活躍していたんですよ。

 なんだか同じだと思いません?

 なのでドン・シックラーにも、クインシーと同様に末永く活躍を続けてもらいたいものです。


 今回のアルバムのお勧めは、3曲目「Night Watch」 です。

 この作品はケニー・ドーハムが1964年に録音した最後のリーダー作(Blue Note BST84181)に収録されております。

 この録音で面白いのは、ドン・シックラーが最初にケニー・ドーハム「そっくりさん風」 のソロを取ること。

 これがまた、ケニーのオリジナル・アルバムからサンプリングしたのか?と錯覚してしまう程の真似っぷり! 

 ドン・シックラーは普段のソロでは、こんな音の出し方をしないので、アルバム・タイトルにしてしたのも納得してしまいます。


●Night Watch / Don Sickler [Uptown UPCD 27.39]

01. Hill's Edge (Kenny Dorham) *
02. Ronnie's A Dynamite Lady (Walter Davis Jr.) *
03. Night Watch (Kenny Dorham)
04. Scenes In The City (Charles Mingus) *
05. On THe Real Side (Walter Davis Jr.)
06. Something For Kenny (Elmo Hope)
07. Barfly (Elmo Hope)
08. One Down (Elmo Hope) *
09. Uranus (Walter Davis Jr.) *

Don Sickler (tp) Carl Fontana (tb) Bobby Porcelli (as)
Ralph Moore (ts) Gary Smulyan (bs -3,5,6,7)
Richard Wyands (p) Peter Washington (b) Kenny Washington (ds)

All Arrangements by Don Sickler

Recorded on September 19(*), 21, 1990
at Ran Gelder studio, Englewood Cliffs, N.J.


☆アマゾンだと在庫ありましたね(2020/01 追記)。




For Mania Only -ブルーノート・ブック[ジャズ批評社]2006/11/22 01:42


 このブログでは、連続してトランペッター達の 「濃い」 アルバムを10枚紹介しましたが、どうでした?どんな感想でもよろしいのでコメント待ってます。

 今回は一息ついて、私が参考にしている 「ガイド本」 を紹介します。


 最初に紹介するのは、ジャズ批評社[株式会社 松坂]が発売する『ブルーノート・ブック』 !です。現在、写真の通り、第3版まで発売中。

 この本のおかげで、どれだけの人が「ブルーノート・レコード」の素晴らしい世界に飛び込んだことか・・・・。


 初版の「全ブルーノート・ブック」は1984年、第2版の「完全ブルーノート・ブック」は1987年に、最新版の「決定版ブルーノート・ブック」は1999年に発売されております。


 この本は、ブルーノートが発売した「全アイテム」を、可能な限り1枚ずつ詳細な「ディスコグラフィ」付きで解説したもので、5000番台、1500番台、4000番台、BNLA番台、BNLT番台・・・と番号順に掲載している、非常に読みやすいガイドで、基本的には版を重ねるにつれ、詳細なデータに書き換わっております。


 今なお続々と発表される「未発表音源」やら、「新生ブルーノートによる新録音」が増える為か、版により解説がカット!されたものや、時代(ブーム?)に合わせて、解説が差し変わったりするので、加持は一応、全部集めています。

 初版の「全ブルーノート・ブック」なんかは、今年、お茶の水の「ディスク・ユニオン」で購入しました。

 例えば「新生ブルーノート」のアルバム解説は、第2版には掲載されてますが、第3版ではカット!とか・・・・。


 巷の収集家達は、日々このガイド本を眺め、「今度こそ(このアルバムを)、見つけてやるぞ!」 とか考えているのでは?


<おまけコメント>
 ちなみに1984年は、新生ブルーノートがスタートする1年前。

 続く1987年は、今や伝説となった「マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル」の第2回目の開催年。

 最後の1999年は、東芝EMIが、ルディ・バン・ゲルター(Rudy Van Gelder)の手による24 bit リマスター・シリーズを発売した年でした。

 最後に、ブルーノートのCDは、初期のものと最近のものは、曲順が違っていたりするので、そろそろ誰か、整理の上、公開してくれませんかねー?

 そんな方がいらっしゃったら、私も微力ながらお手伝いします。




<追記>この記事書いた後、後継版が発売されました。





偉大なるマンネリズム - Introducing the Three Sounds [Blue Note BLP 1600]2006/11/28 18:42

Introducing the Three Sounds [Blue Note BLP 1600]
 慣れないブログを始めて半月。前回の記事から、ちょっと更新が遅れました。

 トランペット奏者10人を紹介して疲れた(笑)ので、しばらくは私の好きな他の楽器奏者を紹介していきます。


 今日は偉大なる マンネリズム・ピアノ・トリオ・グループ、『スリー・サウンズ』 のブルー・ノート・デビュー・アルバムです。

 彼らのアルバムは 『金太郎飴』 に喩える人がいる程、テイストは全て同じなのですが。

 水戸黄門のように、何故か一度ハマルと病み付きに・・・・。

 今年遂に私もその病に侵され(笑)、御茶ノ水 「ディスク・ユニオン」 の中古コーナーから立て続けに5枚ほど購入。

 一時期、聴き狂っておりました。


 今も、CD聴きながらブログを書いているんですが、全然飽きが来ないですね。

 特に 『BLP 1600』 に収録された 「Tenderly」 はリズミックでゴキゲンです。


Introducing the Three Sounds [Blue Note BLP 1600]

01. Tenderly (Gross-Lawrence)
02. Willow Weep for Me (Ronell)
03. Both Sides (Gene Harris)
04. Blue Bells (Gene Harris) *

05. It's Nice (Gene Harris)
06. Goin' Home (Gene Harris) *
07. Woody'n You (Gillespie) *
08. O Sole Mio (trad) *

Gene Harris (p, celeste) Andrew Simpkins (b) Bill Dowdy (ds)
Recoreded on September 16 & 28(*), 1958
at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ





<おまけコメント>
 最初に買ったLP(!)はこちらです。
 最後のアナログLP復刻シリーズで、「美人」ジャケに魅かれ(笑)。




ジャズCDの紙ジャケットについて2006/11/30 23:19


 紙ジャケット はいい(笑)。

 それは、CDの枚数が飛躍的に増えた時に実感される訳で・・・。

 まず厚みがプラケースの1/3であること。つまり、同じ棚に3倍格納が可能。


 次に、解説書が取り出し易い。プラケースは厚い解説だと引っかかる・・・あれは嫌(笑)。

 あと、プラケースは傷付き易く、『パキッっと』破損し易い が、紙ジャケットはLPと同じにビニール袋に入れておけば、そんなことないし。


 そんな紙ジャケット、プラケースより若干高さがあり、通常のCDケースには収納出来ないというのは、唯一の弱点。


 まあ、『そんなの、どうでもいいー!』 と言われれば、それまでの話でした(オチなし)。