モザイク/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第1回発売2008/07/29 23:14

モザイク/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

 トロンボーンの俊英、カーティス・フラー(Curtis Fuller)を迎え3管となったジャズ・メッセンジャーズです。
 同時にトランペットをフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)に、ピアノはシダー・ウォルトン(Cedar Walton)に交代。
 以後、音楽監督を務めるウェイン・ショーター(Wayne Shorter)の意向によりバンドは、ファンキー路線からモード路線へ移行していきます。

 この当時からアート・ブレイキーは、バンドの音楽性については音楽監督に任せっきり。
 自身は気持ちよくドラムが叩ければ良かったらしいですからなんとも(笑)。

 それでもブレイキーがドラムを叩けば、メッセンジャーズ・サウンドになってしまうのですから物凄い個性でありますなあ。


 「Mosaic」は、タイトル通りパッチワークのように曲の断片を繋ぎ合わせて1曲に仕上げたもので、作曲はピアノのシダー・ウォルトン。
 タイトルは、この曲の練習中にメンバーがこぼした愚痴(笑)を聴いたアルフレッド・ライオンらが命名。
 ついでにアルバム・タイトルにしてしまった、という曲です。

 『チュニジアの夜』並に強烈なラテン・ビートで煽るブレイキーをバックに、曲調がモザイクの如く次々と変化していく曲であります。
 テーマ部、そしてソロのバッキングでアンドリュー・ヒル(Andrew Hill)みたいなバッキングをするシダーを聴いていると、つい笑みがこぼれてしまいます。
 各人のフレッシュなソロの後、ブレイキーのロング・ソロが登場します。


 「Down Under」は、フレディ・ハバード作曲のモード版モーニン(Moanin')みたいなシャッフル・ビートの曲です。
 倍テン(ビートとは2倍の速さ)でソロを吹ききるショーター、マイペースのフラー、ちょっとリー・モーガンのモーニンにおけるを意識したそうなソロを繰り広げるハバード・・・。

 3管の分厚いハーモニーが心地よい「Children Of The Night」は、ウェイン・ショーターの曲です。
 コルトレーンのように早いパッセージを吹きまくるショーター、トランペットをめいっぱい鳴らし切っているハバードのソロが聴き所かなあ。


 タイトル通り異国情緒溢れる「Arabia」は、カーティス・フラーの曲です。
 この手の曲調はトランペッター好みなのか、F・ハバードがいつになく盛り上がったソロを展開します。
 各人のソロの途中で入るバック・リフも良し。

 ラストはF・ハバード作曲の「Crisis」。必要以上に(笑)盛り上げるテーマ部、実にトランペッター好みの作品です。
 煽るハバード、他曲の引用を挿入するなど余裕のショーター、ここでもマイペースのフラー、ちょっと攻撃的なシダーと、ラストには相応しいソロの応酬が繰り広げられます。



Mosaic / Art Blakey And The Jazz Messengers Blue Note BN4090

01. Mosaic (Cedar Walton) 8:12
02. Down Under (Freddie Hubbard) 5:27
03. Children Of The Night (Wayne Shorter) 8:49

04. Arabia (Curtis Fuller) 9:08
05. Crisis (Freddie Hubbard) 8:29

Freddie Hubbard (tp) Curtis Fuller (tb) Wayne Shorter (ts) Cedar Walton (p) Jymie Merritt (b) Art Blakey (ds)
Recorded on October 2, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7111 モザイク / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ [BN4090]
TOCJ-7111 Mosaic / Art Blakey and The Jazz Messengers (RVG) [BN4090]





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