テトラゴン/ジョー・ヘンダーソン2007/11/16 22:18


9月と10月に『ユニバーサル JAZZ THE BEST Legendary 150』として、リバーサイド、プレステッジなどの名門レーベルの名盤150枚が一挙に発売されました。
今日はその中からの一枚を。

 このアルバム、ジョー・ヘンダーソンのマイルストーン時代における最高作だそうです。
 私は、このアルバムしか聴いてないので判断出来ませんが(笑)。


 御馴染みのスタンダード、「Invitation(*1)」からハイテンションな演奏を聴くことが出来ます。
 他は聴かなくとも、この緊張感溢れる「Invitation」だけは聴いて欲しいと書いておられるジャズ評論家の人もいましたねー。

 マイルス・デイヴィス・クインテットの演奏でも御馴染みの「R.J.(*1)」は、作曲者でもあるロン・カーター(Ron Carter)のグーンと伸びる重低音が凄いですねー。

 ドン・フリードマン(Don Friedman)のテンション高めのピアノ・バッキングが印象的な「The Bead Game(*1)」
 ロンのウネるようなベース・プレイも聴き所。


 ジョーさん(以下、面倒なんでこう呼ばせてもらいます)作曲のタイトル曲、「Tetragon(*2)」は、ウネウネしたテーマ部からもうジョーさん独自の世界。
 しかし、こんな捩れた(笑)テーマを作れるのは、ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)とジョーさん位でしょうね。

 「Waltz For Zweetie(*1)」、ワルツと言えばD・フリードマンの出番ですね(笑)。
 そんな我々の期待を裏切らず、「サークル・ワルツ」を彷彿とさせるちょっと耽美的な演奏を聴かせてくれます。
 そこにウネウネしたジョーさんが入ると途端に、雰囲気そのままに緊張感だけがアップします。

 「First Trip(*2)」は、ピアノがケニー・バロン(Kenny Barron)のせいか、意外とあっさりした演奏です。
 まあ他のトラックに比べてと、いう事ですが。

 最後のひたすら明るい「I've Got You Under My Skin(*2)」も、いいですね。
 なんだかケニー・バロンのピアノが、ジョーさんの演奏の「アク」を程好い具合に中和している様です。


 ・・・・出来れば最初に、1曲目(Invitation)とラスト7曲目(I've Got You ~)を聞いてみて下さいませ。
 それでまず、好き嫌いを判断していただければよろしいかと思いますが。


●Tetragon / Joe Henderson Milestone MSP 9017

01. Invitation (Bronislau Kaper) *1 6:17
02. R.J. (Ron Carter) *1 5:37
03. The Bead Game (Joe Henderson) *1 8:43

04. Tetragon (Joe Henderson) *2 5:39
05. Waltz For Zweetie (Walter Bishop) *1 4:27
06. First Trip (Ron Carter) *2 5:16
07. I've Got You Under My Skin (Cole Porter) *2 5:02

*1 Joe Henderson (ts) Don Friedman (p) Ron Carter (b) Jack DeJohette (ds)
*2 Joe Henderson (ts) Kenny Barron (p) Ron Carter (b) Louis Hayes (ds)

Recorded September 27,1967 (*2) and May 16,1968 (*1)
at Plaza Sound Studios, New York City