新・ブルーノートRVGコレクション第8回より-オープン・セサミ+2 - フレディ・ハバード ― 2008/01/29 06:40
フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)の初リーダー録音。ティナ・ブルックス(Tina Brooks)も参加してます。
という訳で、番号続きの「True Blue / Tina Brooks (4041)」と合わせて聴くことをお勧めしておきます。
エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)!に薦められ、スモールズ・パラダイスまでフレディの演奏を聴きにいったアルフレッド・ライオンでしたが・・・。
ハバードの素晴らしい演奏を聴き、興奮したアルフレッドは彼をブルーノートに迎えるにあたり、いきなりリーダー作の制作を持ち掛けたそうです。
(小川隆夫さんが行った)ライオンへのインタビューを読んでみると、ハバードのライブに接し、どうもクリフォード・ブラウン(Clifford Brown)の再来が登場したと確信したらしいです。
ただしアルフレッドはリーダー作録音に際し、1つだけ条件をつけたそうです。それは・・・「(麻薬を止めて)クリーンな生活を送る」こと。
その他、親身になってバックアップしてくれるアルフレッドの気持ちに応えるべく録音したのが本作「オープン・セサミ(オマジナイの開け、ゴマ!の意)」という訳です。
演奏面のサポートとして同じく売り出し中の新人テナー奏者、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)を起用。ティナも演奏に作曲にと大活躍します。
つまりこのアルバム、フレディの溌剌としたトランペットを堪能と同時に、寡作なティナのエキゾチックな曲とソロも楽しめる訳なんです。
オープニングの「Open Sesame」、原盤ライナーには「ホレス・シルヴァー・クインテット」あるいは「昔のジャズ・メッセンジャーズ」タイプの曲だと解説されております。
・・・確かにそう言われれば(笑)。この哀愁加減はホレスが書きそうな曲ですね。
演奏ではフレディの溌剌したソロはもちろん、続くティナの辛口なソロもイケます。
続くバラッド「But Beautiful」は、フレディの伸びやかなトランペットが印象的です。
再びティナの「Gypsy Blue」、タイトル通りのエキゾチックなラテン・ビートに乗ったテーマがタマリマセン(笑)。
マッコイのピアノ・ルバートから始まるアップテンポの「All Or Nothing At All」でもフレディ、バリバリ吹いてます。
ちょっとウキウキするようなミディアム・テンポの「One Mint Julep」、ティナに続き登場するフレディはちょっとやんちゃ(笑)なソロを聴かせてくれます。
ラストはフレディの自作曲「Hub's Nub」、如何にもフレディらしいアップテンポな曲です。
・・・このデビュー・アルバムから、フレディの快進撃が始まった訳。蛇足ですが追加曲(別テイク)は、あくまでもオマケ(笑)。過度の期待は無用です。
アルフレッド・ライオンの新人発掘能力、プロデュース力の凄さを、あらためて実感出来る作品でもあります。
TOCJ-7075 オープン・セサミ+2 / フレディ・ハバード
●OPEN SESAME / FREDDIE HUBBARD Blue Note BST-84040
01. Open Sesame (Tina Brooks) 7:08
02. But Beautiful (J.Burke-J.Van Heusen) 6:23
03. Gypsy Blue (Tina Brooks) 6:25
04. All Or Nothing At All (J.Lawrence-A.Altman) 5:32
05. One Mint Julep (Rudolph Toombs) 6:00
06. Hub's Nub (Freddie Hubbard) 6:51
07. Open Sesame (Tina Brooks) -alternate take- 7:14
08. Gypsy Blue (Tina Brooks) -alternate take- 7:35
Freddie Hubbard (tp) Tina Brooks (ts) McCoy Tyner (p) Sam Jones (b) Clifford Jarvis (ds)
Recorded on June 19, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
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