新・ブルーノートRVGコレクション第8回より-クール・ストラッティン+2 -ソニー・クラーク ― 2008/01/28 22:15
遂にこの日がやって来たか・・・・超名盤「クール・ストラッティン」の登場です。
このアルバム、いろいろと思い出があるせいで手が出せないでいましたが、いっちょやるか(笑)。
まずA面の2曲「COOL STRUTTIN'」と「BLUE MINOR」は、恥ずかしながら学生時代に演奏したことがあります。
なんでこの曲のファーマーのソロ、死ぬほど聴きました・・・というか聴き飽きた(笑)。
そして・・・・ラストの「DEEP NIGHT」、これまた恥ずかしながら一時期携帯電話の着メロにしてました。ええ、してましたとも(笑)。
話は変わりますが、美脚が印象的なジャケットの女性、なんとリード・マイルス(Reid Miles)のアシスタントさんなんだとか。
ジャケット・デザインの打合せ時、昼食に行く途中にR.マイルスが思いついて撮影したものだそうです。
最後に追加曲ですが・・・・いらね(不要!!!)。
エンディング・テーマのような「DEEP NIGHT」で終わってこそ、「クール・ストラッティン」だ!
という訳でこのアルバムに限り、追加曲は無視(笑)します。
シャッフル気味のリズムが印象的な超有名ブルース「COOL STRUTTIN'」。
クラークに続き、いつもより抑え気味に演奏するファーマー、マクリーン。そして最後にクラークが再びソロをとります。
最後にポール・チェンバースが弓引きによるソロを披露して、リラックスした演奏を締めくくります。
小川隆夫さんの著作を読んでみると、二人はクラークの演奏スタイルを考慮し、このように控えめな演奏を行ったとのこと。
2曲目の「BLUE MINOR」、ちなみにBパートのトランペットによる演奏、ちょっと高音を出す必要があるので面倒です。
日本の女性トランペット奏者さん(市川ひかりさんかな?)が、ライブで「BLUE MINOR」のBパートをオクターブ下げて演奏したらお客に怒られた(笑)ということを読んだことがあります。
そのお客さん曰く「オクターブ下げるなら演奏するな!」だそうです・・・ジャズ・ファンみんな、この演奏が脳内に刷り込まれている訳ですね(笑)。
この絶妙な哀愁感、とーっても日本人好みの曲です。はい。私もあえて演奏した位、好きです。
3曲目(LPだとB面1曲目!)の「SIPPIN' AT BELLS」はマイルス・デイヴィス作だそうです。マイルスがどのアルバムで演奏してたかまでは、思い出せませんが(笑)。
テーマの長いラインがビ・バップ風ですから初期の作品かな?・・・ええと今、「マイルスを聴け!2001/中山康樹著(双葉文庫)」で確認取れました。
サボイでの初リーダー録音に収録されてました!しかもサイドメンは、C.パーカーです。
この演奏はというと軽快なテンポに乗り、リーダーのクラークとフロント二人の痛快なソロが楽しめます。
ラストの「DEEP NIGHT」はピアノ・トリオで始まり、フロントのソロを挟んでピアノ・トリオに戻るという構成。終幕に相応しい演奏です。
ちなみにこの曲、バド・パウエル(Bud Powell)がヴァーブに録音を残しております。
フィリー・ジョー・ジョーンズの軽やかなブラシに乗って、ソニーはバック・ビートをやや強調したソロを披露します。
ドラムがシンバルで4ビートを刻みだすと同時にA.ファーマーが登場。続くマクリーンも哀愁漂うソロで場を盛り上げます。
各人の演奏を堪能するも良し、楽器で演奏するも良し、おまけにジャケットをインテリア替わりに飾るも良し。
冬の味覚「あんこう」みたい(笑)に捨てるところなく、全てを堪能出来るアルバムです。持っていない方はこの機会に1枚いかが?
TTOCJ-7073 クール・ストラッティン+2 / ソニー・クラーク
●COOL STRUTTIN' / SONNY CLARK Blue Note BST-81588
01. COOL STRUTTIN' (Sonny Clark) 9:20
02. BLUE MINOR (Sonny Clark) 10:17
03. SIPPIN' AT BELLS (Miles Davis) 8:17
04. DEEP NIGHT (Henderson-Vallee) 9:31
05. Royal Flush
06. Lover
Art Farmer (tp) Jackie McLean (as) Sonny Clark (p) Paul Chambers (b) Philly Joe Jones (ds)
Recorded on January 5, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
最近のコメント