Grachan Moncur III - Exploration (Capri Records 74048) ― 2012/03/26 07:13
グレシャン・モンカー(Grachan Moncur III)が1963年頃、「Grachan Moncur III (tb) Jackie McLean (as) Bobby Hutcherson (vib) 」 らと、ブルーノートに残したアルバムに収録された曲の再演を含むアルバム。
「Frankenstein」の再演を見つけ、手に取ってしまったもの(苦笑)。
ピアノレスな9人編成バンド(arr by Mark Masters)による、重厚なアンサンブルがお楽しみいただけます。
全体の雰囲気は、ブルーノートにいくつかのアルバムが残る「Grachan Moncur III - Jackie McLean」チームによる演奏スタイルを踏襲しております。
Grachan Moncur III - Exploration (Capri Records 74048)
Grachan Moncur III (tb) Tim Hagans (tp) John Clark (fh) Dave Woodley (tb)
Gary Bartz (as) Billy Harper (ts) Gary Smulyan (bs)
Ray Drummond (b) Andrew Cyrille (ds)
June 30, 2004 at Bennett Studio, Englewood, NJ.
01. Exploration (Grachan Moncur III / arr by Mark Masters) 08:11
02. Monk in Wonderland (Grachan Moncur III / arr by Mark Masters) 05:26
03. Love and Hate (Grachan Moncur III / arr by Mark Masters) 08:48
04. New Africa:
Queen Tamam/New Africa/Black Call/Ethiopian Market (Grachan Moncur III / arr by Mark Masters) 09:54
05. When? (Grachan Moncur III / arr by Mark Masters) 07:34
06. Frankenstein (Grachan Moncur III / arr by Mark Masters) 06:59
07. Excursion (Grachan Moncur III / arr by Mark Masters) 02:55
08. Sonny's Back (Grachan Moncur III / arr by Mark Masters) 04:13
1曲目「Exploration」は、「Grachan Moncur III - New Africa (BYG)」収録のアップテンポ・ナンバー。
最初にソロで飛び出す活きのいいトランペットは誰かと思えば、ティム・ヘイガンス(Tim Hagans)でしたね。
2曲目「Monk In Wonderland (Grachan Moncur III)」は、1963年11月録音 『Grachan Moncur III - Evolution (Blue Note BLP 4153)』収録曲の再演。
モンク風なこの曲、重厚なアンサンブルとバッキングは、オリジナルより聴きやすいと思いますが・・・。
3曲目「Love and Hate (Grachan Moncur III)」は、1963年9月録音『Jackie McLean - Destination... Out! (Blue Note BLP 4165)』収録曲の再演。
厳かな雰囲気の中、各メンバーのソロが続いていきます。
4曲目「New Africa」は「Grachan Moncur III - New Africa (BYG)」収録、組曲風に4パート毎の演奏パターンが変わる曲。
5曲目「When?」も「Grachan Moncur III - New Africa (BYG)」収録の、ミディアムテンポの曲。
熱いトランペットソロが登場する前後のアンサンブルが、面白かったりします。
6曲目「Frankenstein (Grachan Moncur III)」は、1963年4月録音『Jackie McLean - One Step Beyond (Blue Note BLP 4137)』収録曲の再演。
この曲に、分厚いアンサンブルのバッキングがつく日が来るとは・・・(笑)。
個人的なイメージとしては、2Dの映画が3Dになったような感じ。
7曲目「Excursion」は、喧騒感漂う、フリーキーな演奏が続く3分弱の曲。
8曲目「Sonny's Back」は、ビバップ時代のうねるようなテーマを持つ曲。
これまでと違い、明るい雰囲気な曲なのですが、流石に何処かひねくれてる(笑)。
最後に登場するアンサンブルは、モロにビバップ風フレーズです。
ボーン&バリ/カーティス・フラー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売 ― 2008/12/09 22:17
トロンボーンとバリトン・サックスという珍しい2管編成による、カーティス・フラー(Curtis Fuller)のブルーノート第2弾。
バックのピアノ・トリオは日本で異常に人気が高いソニー・クラーク(Sonny Clark)に、ポール・チェンバースとアート・テイラー。
日本では度々再発されているのにも関わらず、欧米では再発の気配すらありませんね(笑)。
ちなみにわたくし、ペッパー・アダムス(Pepper Adams)を筆頭にして、バリトン・サックスの演奏は結構好きであったりします。
そういえば、ジェリー・マリガン(Gery Mulligan)もバリトン奏者だったか(笑)。
オープニング、重厚な「Algonquin」は、カーティス・フラー作曲のマイナー・ブルース。
地響きのようなテイト・ヒューストン(Tate Houston)のバリトン・サックスが心地よい1曲。
「Nita's Waltz」は、小粋な感じがする3拍子の曲です。
フラーが子供の頃に聴いたドイツ民謡を、地下鉄に乗っている時に、思い出してまとめた曲らしいです。
ちなみに一緒に乗っていたのは、あのアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)!
バド・パウエル(Bud Powell)との録音(BN1571だ!)のあと、バドの自宅へ訪問した帰りだったとか。
タイトルにもなった「Bone & Bari」は、特にソニー・クラークのシングル・トーンによるソロが聴きもの。
途中、『Candy / Lee Morgan(BN1590)』でのピアノ・ソロを思い出させるフレーズが登場します。
各人の小粋なソロが続き、最後にベース・ソロとドラム・ソロで締めくくります。
ソニー・クラークの小洒落たイントロから始まる「Heart And Soul」は、カーティス・フラーのワンホーンによる演奏。
ホーギー・カーマイケルの手によるスタンダードを、フラーは伸び伸びと吹ききっております。
続く「Again」は、テイト・ヒューストン(Tate Houston)のバリトン・ワンホーンという珍しい1曲。
カーティス・フラーが、ヒューストンに演奏してもらいたかった曲だそうです。
バリトン・サックスが重低音で美しいスロー・バラッドを奏でる、なんとも素敵な演奏であります。
アルバム・ラストは超アップテンポの「Pickup」。ファンキーなリフ(テーマ)のブルースです。
ソロ最初に登場するテイト・ヒューストン、猛牛が突進するが如く、フレーズを重ねて行きます。
続くカーティス・フラー、トロンボーンとは思えない程(笑)、軽やかにソロを展開します・・・凄いなあ。
ソニー・クラークもいつになく熱いソロで応戦、そのままセカンド・リフに突入しあっさりと演奏は終了します。
ある意味、玄人好みの作品なんで、ジャズ喫茶あたりでかかるとおっ!となること間違いない1枚であります。
Bone & Bari / Curtis Fuller Blue Note BN1572
01. Algonquin (Curtis Fuller) 5:01
02. Nita's Waltz(Curtis Fuller) 6:54
03. Bone & Bari(Curtis Fuller) 6:15
04. Heart And Soul (Loesser-Carmichael) * 4:48
05. Again (Corcoran-Newman) ** 7:17
06. Pickup(Curtis Fuller) 5:46
Curtis Fuller (tb -omit *) Tate Houston (bs -omit **) Sonny Clark (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on August 4, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
TOCJ-7173 ボーン&バリ/カーティス・フラー
TOCJ-7173 Bone & Bari / Curtis Fuller [BN1572]
バック・オン・ザ・シーン/ ベニー・グリーン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売 ― 2008/11/10 22:20
カーティス・フラーと入れ替わりに登場したトロンボーンのベニー・グリーン。
セロニアス・モンクの盟友チャーリー・ラウズを相方に、『I Love You』などの名曲をほのぼのと演奏しております。
ほんわかムード漂う中、当初の予想に反して愛聴している(笑)一枚。
ブルーノート側は予定調和気味(笑)な展開を見越してか、ヴァラエティに富んだ曲調を用意。
しっかりしたアレンジにのり、ベニー・グリーンののほほんとしたソロが繰り広げられて行きます。
相方を務めるチャーリー・ラウズも、お得意のフレーズ(ワン・パターンともいう)を随所に披露。演奏を盛り上げます。
『I Love You』は、ラテン風味でほんわかムード満点な1曲。
こういう雰囲気の『I Love You』もなかなかオツなものだなあ。
『Melba's Mood』は、やや中近東風味の一曲。
闇夜のホールに響き渡るかのような茫漠としたトロンボーンが心に染みてきます。
作曲を担当したメルバ・リストン(Melba Liston)は、B・グリーンと同じくトロンボーンを演奏する女性作編曲者です。
D・ガレスピー楽団、そしてクインシー・ジョーンズ楽団にも在籍していた模様。
『Just Friends』は、チャーリー・パーカーらの演奏で御馴染みの1曲。
・・・・ほのぼの(笑)演奏しております。
『You're Mine You』は、ミディアム・テンポの沁みるバラッド。
オリジナル・ライナーを読むと、『The Eminent Jay Jay Johnson Vol.2 [BN1506]』でも演奏してるよ!との記述が・・・(笑)。
『Bennie Plays The Blues』はアップテンポのブルース。 ジャム・セッションにぴったりな曲調にのり、それぞれが快適にブローしていきます。
『Green Street』はラストに相応しく、やや哀愁帯びた1曲。
作曲は『Melba's Mood』と同じく、メルバ・リストン(Melba Liston)が担当しております。
Back On The Scene / Bennie Green Blue Note BN1587
01. I Love You (Cole Porter) 6:02
02. Melba's Mood (Melba Liston) 5:31
03. Just Friends (Lewis-Klenner) 6:58
04. You're Mine You (Heyman-Green) 5:14
05. Bennie Plays The Blues (Bennie Green) 8:23
06. Green Street (Melba Liston) 5:09
Bennie Green (tb) Charlie Rouse (ts) Joe Knight (p) George Tucker (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on March 23, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
TOCJ-7154 バック・オン・ザ・シーン/ ベニー・グリーン
TOCJ-7154 Back On The Scene / Bennie Green [BN1587]
カーティス・フラー Vol.3/カーティス・フラー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売 ― 2008/11/07 21:12
ハード・バップ・トロンボーンの人気者、カーティス・フラーの2管編成による好アルバム。
叙情的な演奏を得意とするアート・ファーマーを相方に従え、ピアノにはソニー・クラークが参加する1枚。
メンバーをよーく見ると、1957年11月10日に録音された『Cliff Craft / Cliff Jordan [BN1582]』からリーダーが入れ替わっただけ(笑)だったりします。
演奏全体に漂う雰囲気が、当時のホレス・シルヴァー・クインテット風だったりするのが面白い所。
『Little Messenger』は、タイトル通り「ジャズ・メッセンジャーズ風」な1曲。
多分、ホレス・シルヴァーが在籍した頃の『初期メッセンジャーズ』をイメージしたのでしょうね。
ソロ最初に登場するは、ソニー・クラーク。唸り声をあげながらシングルトーンによる長めのソロを披露します。
A・ファーマーのソロに続くのはC・フラー。 途中、『ジェリコの戦い』や『朝日の如くさわやかに』のフレーズを引用して余裕たっぷりにソロを締めくくります。
『Quantrale』は、アフロ-キューバン調の哀愁漂う1曲。
何と言うか・・・・映画の幕間にBGMで流れていそうな曲ですね。
『Jeanie』は、シャッフル・ビートのゆったりした曲。
テーマ部でテーマを吹くC・フラーにさり気なく絡むA・ファーマーが小粋。
『Carvon』は、C・フラーがビクター・ヤングが音楽を担当した西部劇映画から着想を得て作った曲。
イントロは、トロンボーンとベースの弓弾きによるデュオ。
その叙情的に繰り広げられる長ねのイントロから、リズム隊が入るとやや早めのビートを刻み出します。
そしてリラックス雰囲気の中、アート・ファーマーの美しいソロが際立って聴こえます。
S・クラークのソロは、なんとなく『Cool Struttin' / Sonny Clark [BN1588]』を思わせる展開がGOOD。
『Two Quarters Of A Mile』は、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)に捧げた1曲。
C・フラーのソロあと、A・ファーマー~S・クラークと叙情的な演奏を得意とするメンバーの華麗なソロが続きます。
ラストの『It's Too Late Now』は名コンビ、ラーナー(作詞)&レーン(作曲)による1曲。
最初のフロント2管によるアンサンブルが素敵な曲です。
この位のテンポだと、トロンボーンののほほんとした音色がいっそう冴えて聴こえます。
Curtis Fuller Volume 3 / Curtis Fuller Blue Note BN1583
01. Little Messenger (Curtis Fuller) 6:19
02. Quantrale (Curtis Fuller) 6:11
03. Jeanie (Curtis Fuller) 6:47
04. Carvon (Curtis Fuller) 6:55
05. Two Quarters Of A Mile (Curtis Fuller) 6:29
06. It's Too Late Now (Lane-Lerner) 6:54
Art Farmer (tp) Curtis Fuller (tb) Sonny Clark (p) George Tucker (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on December 1, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
TOCJ-7153 カーティス・フラー Vol.3/カーティス・フラー
TOCJ-7153 Curtis Fuller Volume 3 / Curtis Fuller [BN1583]
ジ・オープナー/カーティス・フラー-ブルーノートRVGコレクション第2期第4回発売 ― 2008/10/13 22:09
ブルーノートのトロンボーン奏者と言えば、まず最初にビバップ・トロンボーンの天才、J・J・ジョンソンが思い浮かびますね。
次に思い浮かぶのが、今回紹介するハードバップ・トロンボーンの俊英、カーティス・フラー(Curtis Fuller)。
カーティス・フラーが故郷デトロイトからニュー・ヨークへ進出した直後、この第1弾『The Opener / Curtis Fuller [BN1567]』が録音されました。
ブルーノートのトロンボーン奏者と言えば私の場合、まず最初にビバップ・トロンボーンの天才、J・J・ジョンソンが思い浮かびます。
次に思い浮かぶのが、今回紹介するハードバップ・トロンボーンの俊英、カーティス・フラー(Curtis Fuller)。
カーティス・フラーが故郷デトロイトからニュー・ヨークへ進出した直後、この第1弾『The Opener / Curtis Fuller [BN1567]』が録音されております。
1曲目はワンホーン編成によるスロー・バラード『素敵な夜を(A Lovely Way To Spend An Evening)』。
テーマからソロにかけ、カーティス・フラーの低音たっぷりのフレーズが楽しめます。
続くボビー・ティモンズのやや抑え気味のピアノ・ソロ、ポール・チェンバースのゆったりとしたベース・ソロもいいですねえ。
『Hugore』はフラー作曲のオリジナル・ブルース。ハンク・モブレーの加わった2管編成です。
やや遅めのテンポに乗り、フロントの2人は軽快にブローを展開。
ピアノのティモンズとベースのチェンバースも、短いながらソロを披露します。
この自作のブルース、オーナーのアルフレッド・ライオンのリクエストによるものでしょう。
いつも通り、『選曲は君に任せる。ただし自作のブルースを1曲用意してくること。』って感じで(笑)。
『Oscalypso』はベース奏者、オスカー・ペティフォードのオリジナル。
タイトルでもじってある、カリプソ風?なエキゾチックなリズムであります。
この手のリズムだと、ハンク・モブレーとボビー・ティモンズが俄然、活き活きしてますねえ。
ソロの最後に挿入される、テーマ・ブレイクなどの『仕掛け』もきっかり決まってます。
『Here's To My Lady』はLP時代はB面トップであったためか、1曲目と同じくワンホーンのスロー・バラッド。
つまり、技巧派J.J.ジョンソンと無用な比較をされないように、意図的にスロー・バラッドを配置しているのでしょう。
『Lizzy's Bounce』は軽快なテンポのハード・バップ・ナンバー。
やや尻上がりにバウンス(跳ね)するリズム、フラーの歯切れの良いソロが気持ちいいです。
アルバム・ラストの『Soon』は、名作曲家ジョージ・ガーシウィンの作品。
こういった軽快な歌ものは、ハンク・モブレーがお得意でしょう。
ハンクの滑らかなソロに続き登場するフラー、負けじと歌心いっぱいなソロを披露しております。
あ、ボビー・ティモンズの切れの良いソロのなかなか・・・・。
The Opener / Curtis Fuller Blue Note BN1567
01. A Lovely Way To Spend An Evening (McHugh-Adamson) * 6:49
02. Hugore (Curtis Fuller) 6:40
03. Oscalypso (Oscar Pettiford) 5:37
04. Here's To My Lady (Bloom-Mercer) * 6:40
05. Lizzy's Bounce (Curtis Fuller) 5:22
06. Soon (Gershwin) 5:35
Curtis Fuller (tb) Hank Mobley (ts -omit *) Bobby Timmons (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on June 16, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
<おまけ>
決定版ブルーノート・ブック(株式会社松坂)を見ると1500番台での参加アルバムは、半年で何と10枚!!
ブルーノートが凄い勢いでカーティス・フラーを録音していたことが分ります。
01.『Cliff Jordan [BN1565]』-1957.06.02
02.『The Opener / Curtis Fuller [BN1567]』-1957.06.16
03.『Dial "S" For Sonny / Sonny Clark [BN1570]』-1957.07.21
04.『Bud! / The Amazing Bud Powell Vol.3 [BN1571]』-1957.08.03
05.『Bone & Bari / Curtis Fuller Vol.2 [BN1572]』-1957.08.04
06.『City Lights / Lee Morgan [BN1575]』-1957.08.25
07.『Sonny's Crib / Sonny Clark [BN1576]』-1957.09.01
08.『Blue Train / John Coltrane [BN1577]』-1957.09.15
09.『Curtis Fuller Vol.3 [BN1583]』-1957.12.01
10.『Lou Takes Off / Lou Donaldson [BN1591]』-1957.12.15
その後、フラーがサヴォイに移籍してしまったため、ブルーノートによる録音は途絶えることとなります。
TOCJ-7141 ジ・オープナー/カーティス・フラー
TOCJ-7141 The Opener / Curtis Fuller [BN1567]
コンプリート・ジ・エミネントVol.2 J.J.ジョンソン・ウィズ・ハンク・モブレー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第2回発売 ― 2008/08/15 23:48
『コンプリート・ジ・エミネントVol.2 J.J.ジョンソン・ウィズ・ハンク・モブレー』は、録音場所がヴァン・ゲルダー・スタジオに移ったためか『The Eminent Jay Jay Johnson Volume 1 / J. J. Johnson (RVG)』よりクリアなサウンドで楽しめます。
最初の6曲は「The Eminent J.J. Johnson Blue Note BLP5057」のセッションです。
スインギーなウイントン・ケリー(Wynton Kelly)に珍しいチャールス・ミンガス(Charles Mingus)、そしてコンガのサブーが加わっております。
コンガの参加が効いたのか、どの曲も甲乙つけ難い軽快なセッションです。
コンガの音色が心地よいミディアム・テンポの「Too Marvelous for Words」、アップテンポで豪快に迫る「Jay」も良い出来ですね。
スタンダードの「Old Devil Moon」は、ラテン風味のアレンジが絶妙な1曲。軽快なコンガとピアノの響きが素敵です。
スローテンポの「It's You or No One」、バラッド仕立ての「Time After Time」とスローに聴かせる曲が2曲続きます。
J.J.作曲の「Coffee Pot」は、アップテンポでドライブ感満点の1曲。コンガのバッキングが気持ち良いです。
7曲目からは、5000番台のトリを飾った「The Eminent J.J. Johnson, Volume 3 Blue Note BLP5070」のセッションです。
ハンク・モブレー(Hank Mobley)、ホレス・シルヴァー(Horace Silver)、ポール・チェンバース(Paul Chambers)らの俊英がバックを固めております。
ベースから始まるリラックス・ムード満点の「Pennies from Heaven」、J.J.はミュート・トロンボーンで軽く流しハンクにソロを受け渡します。
ホレスのソロのあとの4小節交換では、J.J.とハンクの勢いのあるソロを聴くことが出来ます。
ハード・バップっぽくてメロディアスな「Viscosity」、ホレスのフロントを鼓舞するバッキングが良いですねえ。
バラッドの「You're Mine, You」では、J.J.のリラックスしながらもツボを押さえたソロが聴き所です。
ジャズ・メッセンジャーズっぱい急速調の「"Daylie" Double」、タイトル通りグルヴィーというかファンキーな「Groovin'」は、ホレス・シルヴァーの独断場ですね。
J.J.がミュート・トロンボーンで演奏するバラッドの「Portrait of Jennie」、演奏を途中で止めるストップ・タイムを有効に使い、短いながらも味のあるトラックに仕上げております。
The Eminent Jay Jay Johnson Volume 2 / J. J. Johnson (RVG) [BN5057 + BN5070 +3]
01. Too Marvelous for Words (Mercer-Whiting) 3:34
02. Jay (J.J.Johnson) 3:39
03. Old Devil Moon (Lane-Harburg) 3:49
04. It's You or No One (Styne-Cahn) 4:03
05. Time After Time (Styne-Cahn) 4:03
06. Coffee Pot (J.J.Johnson) 4:06
J.J. Johnson(tb) Wynton Kelly(p) Charles Mingus(b) Kenny Clarke(ds) "Sabu" Martinez(conga)
Recorded on September 24,1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ
07. Pennies from Heaven (Burke-Van Heusen) -alternate take- 4:23
08. Pennies from Heaven (Burke-Van Heusen) 4:15
09. Viscosity (J.J.Johnson) -alternate take- 4:18
10. Viscosity (J.J.Johnson) 4:18
11. You're Mine, You (Green-Heyman) 3:04
12. "Daylie" Double (J.J.Johnson) 4:24
13. Groovin' (J.J.Johnson) 4:37
14. Portrait of Jennie (Budge-Robinson) 2:53
15. "Daylie" Double (J.J.Johnson) -alternate take- 4:38
J.J. Johnson(tb) Hank Mobley(ts) Horace Silver(p) Paul Chambers(b) Kenny Clarke(ds)
Recoreded on June 6,1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ
TOCJ-7122 コンプリート・ジ・エミネントVol.2 J.J.ジョンソン・ウィズ・ハンク・モブレー/J.J.ジョンソン [BN1506]
TOCJ-7122 Complete The Eminent Jay Jay Johnson, Volume 2 with Hank Mobley / J.J.Johnson (RVG) [BN1506]
コンプリート・ジ・エミネントVol.1 J.J.ジョンソン・ウィズ・クリフォード・ブラウン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第2回発売 ― 2008/08/13 17:43
このセッションは最初、10インチLP『J.J. Johnson with Clifford Brown Blue Note BLP 5028』として発売されたもの。
J.J.ジョンソン(J.J. Johnson)とクリフォード・ブラウン(Clifford Brown)という、天才同士が繰り広げるスリリングなセッションです。
もうひとりヒース兄弟の次兄、ジミー・ヒース(Jimmy Heath)の参加も嬉しいところです。
バックは初代MJQのメンバー、ジョン・ルイス(John Lewis)、パーシー・ヒース(Percy Heath)、ケニー・クラーク(Kenny Clarke)が顔を揃えておりますね。
ジジ・グライス作の「Capri」では、J.J.ジョンソン~ジミー・ヒース~クリフォード・ブラウン~ジョン・ルイスと軽快にソロがリレーされます。
中でも、早いパッセ-ジを楽々繰り出すJ.J.とクリフォードのソロが圧倒的ですね。
分厚いアンサンブルから始まる「Lover Man」では、J.J.の硬質なバラッドが聴けます。
いやしかしJ.J.ジョンソンの、スライド式のトロンボーンとは思えない歯切れの良いフレーズは凄いですねえ。
J.J.ジョンソンのオリジナル「Turnpike」は、アップテンポで繰り広げられる超絶技巧のショーケース。
1番目に登場するクリフォード・ブラウンの超絶なパッセージは圧巻。
J・ヒースを挟んで3番目に登場するJ.J.も負けていない。ややメカニカルに歯切れの良いフレーズを重ねて行きます。
ジョン・ルイス作の「Sketch One」は、クラシカルな気品漂う1曲。で、ジョンが演奏も主導します。
重厚なアンサンブルに乗り、ミュート・トランペットで登場するクリフォード・ブラウンがやはり一番だなあ。
「It Could Happen to You」は、J.J.ジョンソンのバラッド・プレイを堪能出来る1曲。
やや硬質な音色で、クールなバラッドに仕上げております。
アップテンポの「Get Happy」、この位のテンポが一番J.J.ジョンソン生き生きしてますね。
ジミー・ヒースがなかなかのソロを披露してくれた後、美味しい所でクリフォード・ブラウン登場(笑)。 張りのある溌剌としたトランペット・ソロを決め、ジョン・ルイスにバトンを渡します。
アンサンブルがやや古色蒼然としたところもありますが、各人の輝かしいソロは魅力十分であるアルバムです。
Complete The Eminent Jay Jay Johnson Volume 1 with Clifford Brown / J. J. Johnson (RVG) [BN5028 +3]
01. Capri (G.Gryce) * 3:48
02. Lover Man (Ramirez) * 3:36
03. Turnpike (J.J.Johnson) * 3:50
04. Sketch One (J.Lewis) * 4:15
05. It Could Happen to You (Burke-Van Heusen) 4:10
06. Get Happy (Koehler-Arlen) * 4:21
07. Capri (G.Gryce) * -alternate take- 4:42
08. Turnpike (J.J.Johnson) * -alternate take- 4:47
09. Get Happy (Koehler-Arlen) * -alternate take- 4:11
Clifford Brown(tp-*) J.J. Johnson(tb) Jimmy Heath(ts,bs-*) John Lewis(p) Percy Heath(b) Kenny Clarke(ds)
Recorded on June 22,1953 at WOR Studios, NYC
TOCJ-7121 コンプリート・ジ・エミネントVol.1 J.J.ジョンソン・ウィズ・クリフォード・ブラウン/J.J.ジョンソン [BN1505]
TOCJ-7121 Complete The Eminent Jay Jay Johnson, Volume 1 with Clifford Brown / J.J.Johnson (RVG) [BN1505]
ベニー&ソニー!-Bennie Green [Time S/2021] ― 2007/03/18 04:30
・・・・実は、木曜日から新潟市にある秘密の仕事場に泊り込んで、お仕事していまーす(泣)。
なので昨日のお昼は、気分転換に新潟市の古町界隈を散策と洒落込みました。
そこで偶然見つけた梅(まさか桜?)の、ほんのりとしたピンク色にしばし癒されましたー。
あと、ふらっと立ち寄った中古CD屋さんで、「Introducing The Three sounds +6 (CP32-5206) [Blue Note 1600]」を700円で買えたり・・・。
あ、中のライナーノート翻訳、昨日コメントいただいた小川隆夫さんだ!!!まあ偶然なんて、こんなものですよね。
・・・で、今日は私がリラックスしたい時に聴くアルバムを取り上げることにします。
今回は魅惑の低音楽器!トロンボーンのベニー・グリーン(Bnny Green)です。
ピアニストの方じゃーありません(笑)。
お勧めの1曲は、のほほんとした雰囲気がたまらない「時には楽しく( Sometimes I'm Happy)」です。
もう、2管で演奏されるテーマ部から、リラックス出来ますよー。
蛇足ですがこのアルバム「Bennie Green」、ピアノのソニー・クラーク(Sonny Clark)を主役として聴いてはいけません(笑)。
録音データを確認して、ああ・・・ピアノはソニーなんだ・・・位が丁度いい按配です。
最後にアルバムの録音データをどうぞ。
●Bennie Green Time S/2021
01. Sometimes I'm Happy (V.Youmans)
02. Cool Struttin' (Sonny Clark)
03. Solitude (D.Ellington)
04. Sonny's Crib (Sonny Clark)
05. Blue Minor (Sonny Clark)
06. And That I Am So In Love (H.Ousley)
Jimmy Forrest(ts) Bennie Green(tb) Sonny Clark(p)
Paul Chambers(b) Alfred Dreares(ds) Joseph Gorgas(conga,bongo)
Recorded on September 27,1960 in NYC
●おまけ●
白状しておきますが、このアルバム買った動機は、自作曲を3曲携えて参加しているソニー・クラーク(Sonny Clark)の参加です。
特に、ミディアムテンポのブルース「Cool Struttin'」と、マイナー・ハードバップ・チューン「Blue Minor」は、私が学生時代に参加していたバンドで演奏した曲なので、 思い入れがあるんですよ。
ついでにこのアルバムでベニーのトロンボーンが好きになったので、勢いでブルーノートに残された3枚のリーダー・アルバムまで購入してしまいました・・・。
あの3枚も、リラックス出来る結構いいアルバムですよ。
あと、「時には楽しく(Sometimes I'm Happy)」の名演と言えば、ウォルター・ビショップJr(Walter Bishop Jr,)の「スピーク・ロウ[Jazztime]」ですよね。
かつて「幻の名盤」といわれたあのアルバムも、リラックス出来ますよー。
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