新・ブルーノートRVGコレクション第8回より-グリーン・ストリート+2 - グラント・グリーン2008/02/01 22:10


 オルガン抜きのグラント・グリーン(Grant Green)のリーダー作・・・スイマセン、まともに聴いたことありません。

 ピアノ抜き、オルガン抜きだと流石にね(笑)。


 近い番号だと、下記のアルバムは良く聴いているんですが・・・というか大好き(笑)。

 パーラン・トリオ+G.グリーンをバックに、S.タレンタインが豪快にブローする、
 『Up At Minton's / Stanley Turrentine Vol.1 & 2(4069/4070)』

 リーダーアルバムが少ないウィレットのブルーノート第1弾、
 『Face To Face / Baby Face Willette(4068)』

 ルーさんの軽快なアルトでホンワカする、
 『Here 'Tis / Lou Donaldson(4066)』



 元に戻って(笑)っと。演奏曲目では「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」あたりは面白そうですねー。


TOCJ-7078 グリーン・ストリート+2 / グラント・グリーン

●GREEN STREET / GRANT GREEN Blue Note BST 84071

01. NO.1 GREEN STREET
02. 'ROUND ABOUT MIDNIGHT
03. GRANT'S DIMENSIONS
04. GREEN WITH ENVY
05. ALONE TOGETHER

06. GREEN WITH ENVY -alternate take-
07. ALONE TOGETHER -alternate take-

Grant Green (g) Ben Tucker (b) Dave Bailey (ds)
Recorded on April 1, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.





新・ブルーノートRVGコレクション第8回より-ミッドナイト・ブルー+2 - ケニー・バレル2008/02/02 22:41

MIDNIGHT BLUE - KENNY BURRELL  Blue Note BST-84123

 洗練されたブルージーな感覚を備えたケニー・バレルが、あえて「ブルース」を素材に取り上げたアルバム「ミッドナイト・ブルー」です。
 シンプルなギタートリオ、そしてギターソロ、時々アクセントにコンガや、ソウルフルなテナーが入るという多彩な編成で、飽きずに聴き通せます。

 RVG盤以前のこのアルバムCDは、正直言って音質がイマイチでしたが・・・・RVG盤登場でようやく鑑賞に堪えうる音質に向上。
 RVG盤を購入してから、速攻でいらいらして聴いていたCDを売りに出せました(笑)。基本がギター・トリオなので、うまくデジタル化しないと中~低音が薄く、聴き難くなるでしょうね。

 なのでこのアルバムに限り、最初は必ず「RVG盤」か「LP(出来ればオリジナル盤)」で聴く事を強くお勧めします。



 1曲目、テナー+コンガ入りのソウルフルなブルース「Chittlins Con Carne」
 2曲目はベーシストのメジャー・ホリーとの競作「Mule」、ギター・トリオによる落ち着いた演奏です。
 3曲目、K.バレルの無伴奏ソロ「Soul Lament」は、アルバム一番の聴き所。バレルの都会的に洗練されたギター・プレイをお楽しみ下さい。

 4曲目のタイトル曲「Midnight Blue」はギター・トリオ+コンガという珍しい編成。
 ミディアム・テンポで、K.バレルのシングル・トーンによるソロを楽むことが出来るトラックです。


 5曲目「Wavy Gravy」は3拍子の曲、演奏は全員参加です。押さえ気味にブローするスタンレー・タレンタインが良いです。
 6曲目「Gee Baby Ain't I Good To You」は、再びギター・トリオによる演奏。
 7曲目「Saturday Night Blues」も全員参加。ソウルフルな演奏で、ここでのタレンタインが活躍します。


 ここからはCD化された際に追加された曲です。

 8曲目は軽快な「Kenny's Sound」、最後9曲目はトリオで演奏される「K Twist」です。


 都会の高層マンションから夜景を眺め、ウイスキー片手に、JBLのスピーカーかBOSEのシステムでさりげなく流す・・・・といったキザな場面にぴったりなアルバムですね(笑)。
 真面目なジャズ・ファンに、どれだけそんな事が出来る方がいるかは、不明(笑)ですが。

TOCJ-7079 ミッドナイト・ブルー+2 / ケニー・バレル

●MIDNIGHT BLUE / KENNY BURRELL Blue Note BST-84123

01. Chittlins Con Carne (Kenny Burrell) 5:25
02. Mule (M.Holley Jr.-Kenny Burrell) 6:53
03. Soul Lament (Kenny Burrell) 2:39
04. Midnight Blue (Kenny Burrell) 3:59

05. Wavy Gravy (Kenny Burrell) 5:43
06. Gee Baby Ain't I Good To You (D.Redman-A.Razaf) 4:21
07. Saturday Night Blues (Kenny Burrell) 6:13

08. Kenny's Sound (Kenny Burrell) 4:39
09. K Twist (Kenny Burrell) 3:35

Stanley Turrentine (ts -1,2,5,7) Kenny Burrell (g) Major Holley Jr. (b -omit 3)
Bill English (ds -omit 3) Ray Barretto (conga -1,4,5,7)
Recorded on January 8, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.





新・ブルーノートRVGコレクション第8回より-ザ・プリズナー+2 - ハービー・ハンコック2008/02/05 22:57

THE PRISONER - HERBIE HANCOCK  Blue Note BST-84321

 第8回発売分最後にして、一番やっかいだった(笑)「ザ・プリズナー」のご紹介です。


 『Speak Like A Child / Herbie Hancock(4279)』の続編的なアルバムだから、紹介も楽勝!と思ったら大間違い(笑)。
 お蔭で何となく理解出来るまでに、数十回もCDを聴くことに・・・。

 まず『Speak Like A Child(4279)』との違いから。

 ●3管編成のアンサンブルが、いつのまにか大編成に。

  これギル・エバンス(Gil Evans)から、クインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)になったような感じ(笑)です。
  この例えについては『マイルスを聴け!』のモントルー・ジャズ・フェスティバル・ライブの項目を参照してください。

 ●ホーン奏者にもソロがまわってくる。

  ギル・エバンス・オーケストラで、マイルスの影武者を演じているらしいジョニー・コールズ(Johnny Coles)と、ジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)が登場。
  演奏の怪しさをさらに増すようなソロを披露してくれます。

 ●アンサンブルに、前衛的なクラッシックの匂いが漂う・・・。

  小川隆夫さんのインタビューによるとハービーはこの当時、ストランビスキーの「春の祭典」などを参考にしていたらしいです。
  (うる覚えなんで、間違っていたら御免!)

 ●低音楽器が増えた為、アンサンブルが濁った(笑)

 『Speak Like A Child(4279)』を色で例えるとパステル・カラーなんですが、本作はそこにさらに「濁った色」を加え、陰影を付けた訳ですね。
 最初、色を混ぜ過ぎて「濁った」のかと思いましたが(笑)。



 1曲目はマイルス・デイビスの『キリマンジャロの娘』か、はたまた『In A Silent Way』あたりの怪しいも雰囲気漂う「I HAVE A DREAM」
 ちなみにこの曲、マイルスのBOXセット『Miles Davis Quintet 1965-'68(sony/columbia)』には、マイルス・クインテットにより1年前に録音されたテイク(リハーサル・テイク)が収録されております。

 ハービー自身の美しいソロのあと、ジョニー・コールズのフガフガ(笑)したソロ、ジョー・ヘンダーソンのモゴモゴ(?)したソロと続きます。


 2曲目の「THE PRISONER」、リズム・テンポの変化が激しい、緊張感溢れるトラックです。

 ソロ一番手に登場するジョー・ヘンダーソンは、お得意のややフリー気味なソロを展開。
 続くハービー、珍しくテンション高めのソロで応酬、なんとかリーダーとしての面目を保とうとします。
 軽いブレイクを挟み、ジョニー・コールズが登場。『叫び』のようなソロを聴かせてくれます。


 3曲目の「FIREWATER」、アレンジがやや明るめのビックバンド風になります。
 この曲は、もろに『Speak Like A Child(4279)』の延長線上にある曲(と思う)。
 ソロはジョー・ヘンダーソン~ジョニー・コールズ、ガーネット・ブラウン(Garnett Brown)~ハービー~バスター・ウィリアムズ(Buster Williams)とメドレーされます。
 てことは作曲者は、ベース奏者のバスター・ウィリアムスなのか(笑)。


 4曲目の「HE WHO LIVES IN FEAR」ではハービー、エレキ・ピアノでちょっと彩りに変化を付けます。

 5曲目の「PROMISE OF THE SUN」も、ミディアム・テンポの曲。可もなく不可もなく(笑)。


 こうしてひとおり聴いてみると、後半の3曲を先に聴いた方がより聴き易いですね。
 LPでお持ちの方は、AB面逆の順番で聴いてみて下さい。


TOCJ-7080 ザ・プリズナー+2 / ハービー・ハンコック

●THE PRISONER / HERBIE HANCOCK Blue Note BST-84321

01. I HAVE A DREAM (Herbie Hancock) 10:59
02. THE PRISONER (Herbie Hancock) 7:57

03. FIREWATER (C.B.Williams) 7:32
04. HE WHO LIVES IN FEAR (Herbie Hancock) 6:52
05. PROMISE OF THE SUN (Herbie Hancock) 7:56

06. THE PRISONER (Herbie Hancock) -alternate take-
07. FIREWATER (Herbie Hancock) -alternate take-

#02,04,06
Johnny Coles (flh) Garnett Brown (tb) Tony Studd (b-tb) Hubert Laws (fl) Jerome Richardson (bcl) Joe Henderson (ts, afl)
Herbie Hancock (p, el-p) Buster Williams (b) Albert "Tootie" Heath (ds)
Recorded on April 18, 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

#01
same personnel
Recorded on April 21, 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

#03,05,07
Johnny Coles (flh) Garnett Brown (tb) Jack Jeffers (b-tb) Romeo Penque (bcl) Jerome Richardson (fl) Joe Henderson (ts, afl)
Herbie Hancock (p, el-p) Buster Williams (b) Albert "Tootie" Heath (ds)
Recorded on April 23, 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.





ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤 第1弾(1/23発売)2008/02/10 21:18


 今回からようやく『ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤 第1弾(1/23発売)』がらみのご紹介を開始出来ます。
 このあたりの再発CD、いろんな形で次々と発売されるので、まず頭の中を整理するのが大変(笑)。


 ●1回目-去年の4月から150タイトル発売された、1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】

 ●2回目-去年の9月から150タイトル発売された、1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
  <DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>

 ●3回目-今年の1月から始まる、2,800円のルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤

 こんな風に日本盤だけでも、去年から3回目。怒涛の再発ラッシュですからね。もう訳がわかりません、はい。
 蛇足になりますが、シリーズによってラインナップが微妙に違うのも混乱に拍車をかける原因。


 これでようやく本題に。

 『RVG REMASTERS』シリーズは、先行して本国のコンコード・グループ(OJCシリーズの発売元、ファンタジー社が吸収された)で40タイトル発売。
 しかし日本盤では、話題の高音質素材CD を採用。オーディオ・ファンも必聴のシリーズと、ユニバーサルさんのHPで宣伝しております。

●SHM-CDとは何でしょう?

 恋ではなく(笑)、『SHM-CD』の解説をユニバーサルさんのHPにて確認。

 『SHM-CD(Super High Material CD)』は、日本ビクターの新素材による音質向上技術を採用したものだそうです。
 CD発売元のユニバーサルミュージックさんと、ビクターさんの共同開発によるCDが、『SHM-CD』。

 このCD、通常のCD素材とは別種の、『ポリカーボネート樹脂系』を使用しており、音の透明性を向上させているとのこと。


●第1弾 1/23発売 10タイトル

UCCO-9161 サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ





UCCO-9162 クッキン / マイルス・デイヴィス





UCCO-9163 ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン





UCCO-9164 静かなるケニー / ケニー・ドーハム 





UCCO-9165 ウォーキン / マイルス・デイヴィス





UCCO-9166 ウィ・スリー / ロイ・へインズ




UCCO-9167 セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ





UCCO-9168 レッド・ガーランズ・ピアノ / レッド・ガーランド





UCCO-9169 メイティング・コール / タッド・ダメロン・ウィズ・ジョン・コルトレーン





UCCO-9170 ボス・テナー / ジーン・アモンズ





 ピック・アップした個々のアルバム紹介は次回から。

ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●サキソフォン・コロッサス - ソニー・ロリンズ2008/02/11 22:10


 通称『サキ・コロ』。ジャズ・ファン暦が長くなる程、存在が大きくなるアルバム。
 以前にご紹介した記憶があるので、詳しく内容を説明しません。
 (うちのブログは検索機能が弱いので。自分で以前の記事を探すのも面倒)。


 今、ふと手にした手持ちのCDの帯にはこう記載されています。
 『50年代のジャズが到達した最高峰!モダン・ジャズのあらゆるエッセンスが聴ける史上不滅の名盤』

 捨て曲無し。その日の気分に合わせて、各曲をチョイスして下さい。


 ライブの定番、カリプソ調の「St. Thomas」、じっくり聴かせる「恋とは何でしょう(You Don't Know What Love Is)」
 そして、ハードにブローする「Strode Rode」。

 後半は愉快な「Moritat」、〆はブルースの「Blue Seven」


 クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)存命中の録音であるので、全員が『影の無い』痛快な演奏を繰り広げていることも、ポイントでしょう。


 ちなみに『新ライナー』の翻訳は、いつもお世話になっている小川隆夫さんらしいです。


Saxophone Colossus / Sonny Rollins Prestige PRLP 7079(Reissue as 7326)
01. St. Thomas (Sonny Rollins) 6:42
02. You Don't Know What Love Is (Raye-DePaul) 6:25
03. Strode Rode (Sonny Rollins) 5:10

04. Moritat (Brecht-Weill) 9:56
05. Blue Seven (Sonny Rollins) 11:12

Sonny Rollins (ts) Tommy Flanagan (p) Doug Watkins (b) Max Roach (ds)
Recorded on June 22, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.



 以下、発売中のCDを可能な限り集めてみました。

ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)

サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ



1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>

UCCO-5002 サキソフォン・コロッサス / ソニー・ロリンズ

ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●ウィ・スリー - ロイ・へインズ2008/02/12 12:57


 今回は、個性的なリズムを叩き出す、ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)「ウィ・スリー」 です。
 ロイ名義ではありますが、あえて「We Three」タイトルをつけているので3人対等のバンドなのでしょう。

 ロイ・ヘインズ、フィニアス・ニューボーン(Phineas Newborn Jr.)、ポール・チェンバース(Paul Chambers)という超技巧(!)派達が繰り広げる、刺激的な演奏をお楽しみ下さい。

 全編でパーカッションの様にドラムの音が聴こえてますが、意外な程、五月蝿く感じないです。
 って言うか、私は大好き(笑)・・・・この作品で、ロイ・ヘインズのファンになりました。

 ・・・フィニアス・ニューボーンのピアノも、このアルバムの演奏が一番好きです。


 オープニングはT.モンクでは無く(笑)、レイ・ブライアント作曲の「Reflection」です。
 ロイのワン&オンリーなドラム・ソロから始まり、フィニアスの良く鳴るピアノが存分に楽しめる1曲。

 2曲目はレイ・ロビンソン(Ray Robinson)に捧げたフィニアス・ニューボーンのオリジナル「Sugar Ray」

 3曲目は、可愛らしい曲調の「Solitaire」。これは50年代初期のポップ・チューンだそうです。
 ラスト、フィニアスの全部の鍵盤を使っているかのような壮大なピアノによる無伴奏ソロがいいですね。


 4曲目(LP時代はB面1曲目)はブルージーな、「After Hours」
 テーマ部からフィニアスの超絶早引きが炸裂!します。

 5曲目は、再びレイ・ブライアント作曲の「Sneakin' Around」
 ミディアム・テンポの、ちょっとクールな演奏です。

 ラスト6曲目は、私の敬愛するタッド・ダメロンの「Our Delight」です。
 アップテンポにもかかわらず3人とも悠然(笑)と、ナイスなフレーズや、複雑なリズム・パターンを繰り出してきます。


 最後にこのアルバム、間違いなく体育会系ノリ(私は文科系)な作品なので、体力のある時に聴きましょう。
 むしゃくしゃした気分も、これを聴けば爽快!になるのでは?


We Three / Roy Haynes New Jazz NJLP 8210

01. Reflection (Ray Bryant) 4:20
02. Sugar Ray (Phineas Newborn Jr.) 6:22
03. Solitaire (Guin-Borek-Nutter-Wigham) 8:46

04. After Hours (Parrish-Feyner-Bruce) 11:13
05. Sneakin' Around (Ray Bryant) 4:21
06. Our Delight (Tadd Dameron) 3:59

Phineas Newborn Jr. (p) Paul Chambers (b) Roy Haynes (ds)
Recoreded on November 14, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.



ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)

UCCO-9166 ウィ・スリー / ロイ・へインズ





1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】

UCCO-9046 ウィ・スリー / ロイ・へインズ


1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>

UCCO-5071 ウィ・スリー / ロイ・へインズ

ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ2008/02/13 13:50


 本日は、ジャズ・ジャイアンツ揃い踏みのアルバム「セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ」です。
 またトリオによる演奏には、モンクと相性が良いと言われている、アート・ブレイキー(Art Blakey)がドラムで参加します。

 ・・・いやー、聴き直すと結構良いですね、このアルバム。


 最初の2曲は、フロントにS・ロリンズを据えた、カルテットによる演奏です。
 しかしロリンスの豪快なテナーと、モンクの個性的なピアノが良くマッチしてますね。

 「今宵の君は(The Way You Look Tonight)」、ソロの最初に登場するロリンズの豪快なテナーに刺激されてか、モンクが『弾き過ぎ』ているのが面白いです。

 「I Want To Be Happy」では、モンクがいつも通り?、マイ・ペースな演奏に戻ってます。
 ロリンズのユーモア溢れるソロのせいか、モンクらしからぬ、軽快な演奏となっております。


 お次の2曲は、ブレイキー入りトリオによる演奏。

 「Work」、モンクのピアノの隙間を上手く埋めるように、ブレイキーのおかずフレーズが的確に挿入されます。

 軽快な「Nutty」、モンク独特の装飾フレーズをお楽しみ下さい。


 ラストは、S・ロリンズを含むクインテットによる演奏です。
 よく見ると、フレンチ・ホルンでジュリアス・ワトキンス(Julius Watkins)が参加しているんですね。
 この人、ブルー・ノートに残した10インチ2枚以外に聴いたことありませんが(笑)。

 しかし、「13日の金曜日(Friday The Thirteenth)」、何て摩訶不思議な雰囲気をもった曲なんでしょうね。
 こんな曲がBGMなら、あのおっかないジェイソンでさえ、酔っ払って千鳥足で登場しそうです。


Thelonious Monk And Sonny Rollins Prestige PRLP 7075

01. The Way You Look Tonight (Fields-Kern) *3
02. I Want To Be Happy (Caesar-Youmans) *3
03. Work (Thelonious Monk) *2

04. Nutty (Thelonious Monk) *2
05. Friday The Thirteenth (Thelonious Monk) *1


*1
Julius Watkins (frh) Sonny Rollins (ts) Thelonious Monk (p) Percy Heath (b) Willie Jones (ds)
Recorded on November 13, 1953 in NYC.

*2
Thelonious Monk (p) Percy Heath (b) Art Blakey (ds)
Recorded on September 22, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.

*3
Sonny Rollins (ts) Thelonious Monk (p) Tommy Potter (b) Art Taylor (ds)
Recorded on October 25, 1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.



ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)

セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ




1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】

UCCO-9074 セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ

1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>

UCCO-5074 セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ


ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●メイティング・コール - タッド・ダメロン・ウィズ・ジョン・コルトレーン2008/02/14 21:28


 ファッツ・ナバロとの共演、クリフォード・ブラウンへの作編曲の提供などトランペット好きには外せないピアニスト兼作編家、タッド・ダメロン(Tadd Dameron)。
 そんなダメロンが、ジョン・コルトレーンと共演したのが本アルバムです。

 いつもは共演者関係無しに吹きまくるコルトレーンも、主役のダメロンに合わせ、メロディアスな演奏に終始します。
 コルトレーンの抑え気味な演奏も、良いものですね。
 モンク、ダメロンと、作編曲の出来るピアニストと共演する時のコルトレーンは、いつも以上にリラックスして演奏しているように思えます。



 「Mating Call」は、曲の展開が如何にもダメロンらしい1曲。
 ビバップ調の軽快な「Gnid」では、コルトレーンがやや抑え目ながら快調に吹き切っております。

 美しいピアノのイントロから始まるバラッドの「Soultrane」、これはコルトレーンと演奏するために書き下ろされた曲でしょうね。
 この曲はコルトレーンのインパルス時代の超名盤「Ballads」に収録されても、違和感無いです。


 後半はミディアム・テンポの「On A Misty Night」、ファンキーなブルースの「Romas」と続き、 アップテンポの「Super-Jet」では、フィリー・ジョー・ジョーンズに煽られて、コルトレーンらしい豪快な演奏を聴かせてくれます。


Tadd Dameron/John Coltrane - Mating Call Prestige PRLP 7070 (reissue as PRLP 7247, PR 7745)

01. Mating Call (Tadd Dameron) 5:34
02. Gnid (Tadd Dameron) 5:07
03. Soultrane (Tadd Dameron) 5:22

04. On A Misty Night (Tadd Dameron) 6:20
05. Romas (Tadd Dameron) 6:51
06. Super-Jet (Tadd Dameron) 5:53

John Coltrane (ts) Tadd Dameron (p) John Simmons (b) Philly Joe Jones (ds)
Recorded on November 30, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)

メイティング・コール / タッド・ダメロン・ウィズ・ジョン・コルトレーン





1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】

※このアルバムは未発売。


1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>

※このアルバムは未発売。


ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤★ソウルトレーン - ジョン・コルトレーン2008/02/17 06:51


 『(J・コルトレーン、)プレステッジ時代の最高傑作!』と、今参考にしているCDの帯に書かれております。
 ・・・確かに。アトランテック時代、インパルス時代の諸作に対抗出来るアルバムです。



 マイルス・デイビスも作曲者のT・ダメロンとの共演で演奏を残している「Good Bait」
 コルトレーンのソロを聴いていると、超有名ブルース「Blue Train」が思い浮かんでしまいますが、演奏しているキーが同じなのかな?
 ソロ・フレーズはかなり似通ってます。

 お次もマイルスと関係が深い、ビリー・エクスタインのバラッド「I Want To Talk About You」
 トレーンの演奏も良いですが、R・ガーランドのブロック・コードを多用した物憂げなソロも聴きもの。


 軽快なテンポで演奏される「You Say You Care」
 「Theme For Ernie」は、D・ガレスピー楽団のアルト奏者で、1957年2月に若くして急死したアーニー・ヘンリー(Ernie Henry)に捧げられた美しいバラッド。

 最後は一番の聴き所、「Russian Lullaby」
 トレーンのソロはまさに『シーツ・オブ・サウンド』。音の洪水。
 この曲のスピードに流石のガーランドもマイッタか、つっかかり気味のソロを展開してます。
 ラストに登場するトレーンのカデンツァで曲は終了します。


Soultrane / John Coltrane Prestige PRLP 7142

01. Good Bait (T.Dameron-C.Basie) 12:01
02. I Want To Talk About You (Billy Eckstine) 10:48

03. You Say You Care (Styne-Robin) 6:11
04. Theme For Ernie (Fred Lacey) 4:52
05. Russian Lullaby (Irving Berlin) 5:31

John Coltrane (ts) Red Garland (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on February 7, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.



ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)


ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン





1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】

UCCO-9024 ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン


1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>

UCCO-5013 ソウルトレーン / ジョン・コルトレーン


ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●静かなるケニー - ケニー・ドーハム2008/02/19 22:31


 「ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤」第1回発売分は、このアルバムでひとまず終了。
 マイルスの作品は資料整理に時間がかかるので後程(笑)。


 「静かなるケニー(Quiet Kenny)」は、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)の代表作です。
 珍しいトランペットのワンホーンで、バラッドやブルースを中心にしっとりと演奏しております。
 バックは”名盤請負人”トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)のトリオ。
 ・・・・そして1曲目に代表作「蓮の花(Lotus Blossom)」を持ってきている所もポイントでしょうか。

 ちなみに「蓮の花」、「Asiatic Raes」と改題されてブルーノートで2人の有名ジャズ・メンが取り上げておりますね。
 まずマックス・ローチのバンドで共演したソニー・ロリンズが「Newk's Time / Sonny Rollins(Blue Note 4001)」で、そして同じくマックスのバンドで共演したハンク・モブレーが参加した「Goin' Up / Freddie Hubbard (Blue Note 4056)」でも。


 ・・・おお、丁度手元にある『ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100/小川隆夫著(河出書房新社)』の88ページにこのアルバムが紹介されておりますね。
 コメントしているのは、なんとディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)とマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のお二人!

 超有名人お二人のコメント、ケニーの人柄や演奏テクニックについて、ツボを押さえているので引用させていただきます。


 まずディジー・ガレスピーから。

 「派手なプレイが苦手で、バラードが得意」
 「音色が美しい」、「マイルスのほうが一枚上手だが、リップ・コントロールがうまい」
 ・・・・さすが同じ楽器を演奏するお方だけあって、的確なコメントです。

 お次は、チャーリー・パーカーのバンドに後釜として彼を推薦したマイルス。

 「おれは、やつの才能の素晴らしさを知っている」
 「引っ込み思案なところがあって、結局、最後までこれっていうバンドを作ることができなかった」
 「おれはやつのアルバムが好きだ。おれが所属していたプレステッジにも紹介してやったしな。」

 ・・・つまり、マイルスが紹介してくれたからこの作品がある訳ですね。
 四畳半ジャズとか言って「静かなるケニー」を愛聴する日本人全て、マイルスに感謝しないと(笑)。


 「蓮の花」からラストの追加曲「Mack The Knife」まで、初春の陽だまりにまどろみながらお聴きください。


Quiet Kenny / Kenny Dorham New Jazz NJLP 8225

01. Lotus Blossom (Kenny Dorham) 4:35
02. My Ideal (Robin-Chase-Whiting) 5:02
03. Blue Friday (Kenny Dorham) 8:41
04. Alone Together (Schwartz-Dietz) 3:08

05. Blue Spring Shuffle (Kenny Dorham) 7:33
06. I Had The Craziest Dream (Warren-Gordon) 4:35
07. Old Folks (Hill-Robinson) 5:10
08. Mack The Knife (Weill-Brecht) * 3:01

Kenny Dorham (tp) Tommy Flanagan (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on November 13, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

*reissue as New Jazz NJLP 8225 [Quiet Kenny + 1 (Mack The Knife)]



ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)

静かなるケニー / ケニー・ドーハム 




1,100円の廉価盤【JAZZ THE BEST】

UCCO-9025 静かなるケニー / ケニー・ドーハム[現在、定価販売なし] 

1,800円の高音質通常盤【JAZZ THE BEST Legendary 150】
<DSD(Direct Stream Digital)マスタリング使用>

UCCO-5054 静かなるケニー / ケニー・ドーハム