新・ブルーノートRVGコレクション第7回より-春の如く - アイク・ケベック2008/01/03 00:28

IT MIGHT AS WELL BE SPRING - IKE QUEBEC  Blue Note BST-84105

 ・・・はい今回はブルー・ノートで運転手!とA&R(アーティストと楽曲の管理)も担当していた、アイク・ケベック(Ike Quebec)の「春の如く(It Might as Well Be Spring)」です。
 また今回、リマスターを担当したルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)も、顔なじみのアーティストの作品なので、ある程度気合を入れてリマスターしたのではないでしょうか?

 緑色のジャケットが素敵な一枚。出来ればジャケットを見ながらで聴いて欲しい作品・・・『2007年04月06日』に書いた記事をリミックスして、お送りします。


 つい最近発売された『ジャズマンがコッソリ愛する ジャズ隠れ名盤100/小川隆夫(河出書房新社)』で紹介される1枚目が、この作品なんですね・・・・これホント感慨深いです。

 「内容はとてもいいんだがね」「才能に溢れたプレイヤーなんだけどもね」とスタンリー・タレンタイン(1986年)が言えば、「とってもいいやつだったんだが」「歌心がある」とジャッキー・マクリーン(1998年)が褒めちぎる、という具合。
 一流ミュージシャン2人のコメントからも、このアルバムの良さが分かってもらえるでしょう・・・・。


 タイトル曲「春の如く(IT MIGHT AS WELL BE SPRING)」は、R.ローチの朝霞漂ようなオルガンのイントロに導かれ、程好いソウル&ブルース・フィーリング醸し出すテナーが聴こえて来るというリラックス度満点の1曲。私は、この曲だけでも満足出来ます・・・・はい。

 バラッドの「Lover Man」でしみじみし、アップテンポの「Ol' Man River」では、ケベックの軽快なブローが楽しめます。
 ただコテコテのホンカー!風ブロー気味の「Ol' Man River」は、アルバム内で浮いて聴こえるのが難点・・・(~~)。

 そして「A LIGHT REPRIEVE」、「EASY-DON'T HURT」というテンポは違えど、どちらもソウルフルなアイク・ケベックのオリジナル2曲も収録。


 ソフィスティケイトされた「ソウル&ブルース」好みの方は、是非ともお聴きくださいませ。そして、バックで控えめな演奏に終始するオルガンもまた良し!
 ・・・ゴリゴリの「ハード・バップ」や「コテコテ・サウンド」が好みの方は、箸休めの1枚として(笑)どうぞ。


TOCJ-7066 春の如く / アイク・ケベック

●IT MIGHT AS WELL BE SPRING / IKE QUEBEC Blue Note BST-84105

01. IT MIGHT AS WELL BE SPRING (R.Rodgers-O.Hammerstein) 6:15
02. A LIGHT REPRIEVE (Ike Quebec) 5:21
03. EASY-DON'T HURT (Ike Quebec) 6:04

04. LOVER MAN (Ramirez-Davis-Sherman) 5:34
05. OL'MAN RIVER (J.Kern-O.Hammerstein) 6:34
06. WILLOW WEEP FOR ME (Ann Ronnell) 5:18

Ike Quebec (ts) Freddie Roach (org) Milt Hinton (b) Al Herewood (ds)
Recorded on December 9, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.