新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-ボサノバ・ソウル・サンバ+3 - アイク・ケベック2008/04/12 17:20

BOSSA NOVA SOUL SAMBA - IKE QUEBEC  Blue Note BST-84114

 ビバップ全盛期からタレントスカウトから運転手(!)まで、ブルーノートを影で支えてきたアイク・ケベック、復帰後4枚目となったラストアルバムです(1962年10月録音)。
 ケニー・バレル(Kenny Burrell)を迎え、バレルの名曲「LOIE」などをボサノヴァのリズムに乗せて演奏しております。

 ジャケットのモデルは、後にアルフレッド・ライオンの奥方となる元DJのルースさん。
 ついでに「BOSSA NOVA SOUL SAMBA」は、加持の隠れ愛聴盤でもあります。


 ケベックは翌年1963年1月、肺ガンのため亡くなってしまった為、表舞台に復帰してから公式に発売されたのはアルバムは計4枚。

 その他のアルバムを紹介すると1枚目は1961年末録音、オルガントリオをバックした「Heavy Soul / Ike Quebec(4093)」
 2枚目はグラント・グリーン(g)が参加した1961年11月録音「Blue and Sentimental(4098)」、3枚目は1961年12月の「春の如く - It Might as Be Spring(4105)」
 いずれのアルバムもアルフレッド・ライオン好みの、ブルース・フィーリングが横溢した作品です。


 では録音時の背景を頭に入れて演奏を聴いてみましょう。

 ケベックの演奏ですが、サブトーン多目で抑え気味に感じるます。これは「肺ガンによる痛み」に耐えながら演奏している為でしょうか?
 肺の病は、管楽器奏者には致命的とも思えますので・・・豪快にブローしたくても吹けなかったのかも。

 1曲目の「LOIE」からラストの「LINDA FLOR」まで一気に聴き通すと、心地よさからもう一度聴きたくなります。

 3曲追加された別テイクも秀逸な出来・・・ジャズファン以外にもお勧め出来る1枚です。


BOSSA NOVA SOUL SAMBA / IKE QUEBEC Blue Note BST-84114

01. LOIE (Kenny Burrell) 3:10
02. LLORO TU DESPEDIDA (Lacerda-Camacho-Cabrall) 3:04
03. GOIN' HOME (Anton Dvorak arr. Ike Quebec) 5:42
04. ME 'N YOU (Ike Quebec) 5:59

05. LIEBESTRAUM (arr. Ike Quebec) 3:42
06. SHU SHU (A.Almeida-C.De Souza) 3:31
07. BLUE SAMBA (Ike Quebec) 5:22
08. FAVELA (H.Tavares-J.Camargo) 4:00
09. LINDA FLOR (Henrique Vogeler) 3:27

10. LOIE (Kenny Burrell) -alternate take- 3:34
11. SHU SHU (A.Almeida-C.De Souza) -alternate take- 3:19
12. FAVELA (H.Tavares-J.Camargo) -alternate take- 3:21


Ike Quebec (ts) Kenny Burrell (g) Wendell Marshall (b) Willie Bobo (ds)
Garvin Masseaux (chekere)
Recorded on October 5, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

TOCJ-7098 ボサノバ・ソウル・サンバ+3 / アイク・ケベック




春の如く / アイク・ケベック


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-TOCJ-7097 ザ・ラテン・ビット+3 - グラント・グリーン2008/04/12 16:08


 グラント・グリーンのラテンもの。
 ラテンは好きですがギターに疎いわたくしなので、詳細はスルーさせていただきます。m(__)m
 オルガンが絡んだりすると、書きやすいんだけどね(笑)。


THE LATIN BIT / GRANT GREEN Blue Note BST-84111

01. MAMBO INN 5:52
02. BESAME MUCHO 7:12
03. MAMA INEZ 6:42
04. BRAZIL 5:01
05. TICO TICO 7:46
06. MY LITTLE SUEDE SHOES 6:23

07. BLUES FOR JUANITA 7:06
08. GRENADA 6:27
09. HEY THERE 7:24

Grant Green (g) John Acea (p) Wendell Marshall (b) Willie Bobo (ds)
Carlos "Patato" Valdes (conga) Garvin Masseaux (chekere)
Recorded on April 26, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7097 ザ・ラテン・ビット+3 / グラント・グリーン




サンディ・モーニン+1 / グラント・グリーン



アイドル・モーメンツ+2 / グラント・グリーン



グリーン・ストリート+2 / グラント・グリーン



フェイス・トゥ・フェイス+2 / ベイビー・フェイス・ウィレット



ワークアウト+1 / ハンク・モブレー



新・ブルーノートRVGコレクション第8回より-ミッドナイト・ブルー+2 - ケニー・バレル2008/02/02 22:41

MIDNIGHT BLUE - KENNY BURRELL  Blue Note BST-84123

 洗練されたブルージーな感覚を備えたケニー・バレルが、あえて「ブルース」を素材に取り上げたアルバム「ミッドナイト・ブルー」です。
 シンプルなギタートリオ、そしてギターソロ、時々アクセントにコンガや、ソウルフルなテナーが入るという多彩な編成で、飽きずに聴き通せます。

 RVG盤以前のこのアルバムCDは、正直言って音質がイマイチでしたが・・・・RVG盤登場でようやく鑑賞に堪えうる音質に向上。
 RVG盤を購入してから、速攻でいらいらして聴いていたCDを売りに出せました(笑)。基本がギター・トリオなので、うまくデジタル化しないと中~低音が薄く、聴き難くなるでしょうね。

 なのでこのアルバムに限り、最初は必ず「RVG盤」か「LP(出来ればオリジナル盤)」で聴く事を強くお勧めします。



 1曲目、テナー+コンガ入りのソウルフルなブルース「Chittlins Con Carne」
 2曲目はベーシストのメジャー・ホリーとの競作「Mule」、ギター・トリオによる落ち着いた演奏です。
 3曲目、K.バレルの無伴奏ソロ「Soul Lament」は、アルバム一番の聴き所。バレルの都会的に洗練されたギター・プレイをお楽しみ下さい。

 4曲目のタイトル曲「Midnight Blue」はギター・トリオ+コンガという珍しい編成。
 ミディアム・テンポで、K.バレルのシングル・トーンによるソロを楽むことが出来るトラックです。


 5曲目「Wavy Gravy」は3拍子の曲、演奏は全員参加です。押さえ気味にブローするスタンレー・タレンタインが良いです。
 6曲目「Gee Baby Ain't I Good To You」は、再びギター・トリオによる演奏。
 7曲目「Saturday Night Blues」も全員参加。ソウルフルな演奏で、ここでのタレンタインが活躍します。


 ここからはCD化された際に追加された曲です。

 8曲目は軽快な「Kenny's Sound」、最後9曲目はトリオで演奏される「K Twist」です。


 都会の高層マンションから夜景を眺め、ウイスキー片手に、JBLのスピーカーかBOSEのシステムでさりげなく流す・・・・といったキザな場面にぴったりなアルバムですね(笑)。
 真面目なジャズ・ファンに、どれだけそんな事が出来る方がいるかは、不明(笑)ですが。

TOCJ-7079 ミッドナイト・ブルー+2 / ケニー・バレル

●MIDNIGHT BLUE / KENNY BURRELL Blue Note BST-84123

01. Chittlins Con Carne (Kenny Burrell) 5:25
02. Mule (M.Holley Jr.-Kenny Burrell) 6:53
03. Soul Lament (Kenny Burrell) 2:39
04. Midnight Blue (Kenny Burrell) 3:59

05. Wavy Gravy (Kenny Burrell) 5:43
06. Gee Baby Ain't I Good To You (D.Redman-A.Razaf) 4:21
07. Saturday Night Blues (Kenny Burrell) 6:13

08. Kenny's Sound (Kenny Burrell) 4:39
09. K Twist (Kenny Burrell) 3:35

Stanley Turrentine (ts -1,2,5,7) Kenny Burrell (g) Major Holley Jr. (b -omit 3)
Bill English (ds -omit 3) Ray Barretto (conga -1,4,5,7)
Recorded on January 8, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.





新・ブルーノートRVGコレクション第8回より-グリーン・ストリート+2 - グラント・グリーン2008/02/01 22:10


 オルガン抜きのグラント・グリーン(Grant Green)のリーダー作・・・スイマセン、まともに聴いたことありません。

 ピアノ抜き、オルガン抜きだと流石にね(笑)。


 近い番号だと、下記のアルバムは良く聴いているんですが・・・というか大好き(笑)。

 パーラン・トリオ+G.グリーンをバックに、S.タレンタインが豪快にブローする、
 『Up At Minton's / Stanley Turrentine Vol.1 & 2(4069/4070)』

 リーダーアルバムが少ないウィレットのブルーノート第1弾、
 『Face To Face / Baby Face Willette(4068)』

 ルーさんの軽快なアルトでホンワカする、
 『Here 'Tis / Lou Donaldson(4066)』



 元に戻って(笑)っと。演奏曲目では「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」あたりは面白そうですねー。


TOCJ-7078 グリーン・ストリート+2 / グラント・グリーン

●GREEN STREET / GRANT GREEN Blue Note BST 84071

01. NO.1 GREEN STREET
02. 'ROUND ABOUT MIDNIGHT
03. GRANT'S DIMENSIONS
04. GREEN WITH ENVY
05. ALONE TOGETHER

06. GREEN WITH ENVY -alternate take-
07. ALONE TOGETHER -alternate take-

Grant Green (g) Ben Tucker (b) Dave Bailey (ds)
Recorded on April 1, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.





新・ブルーノートRVGコレクション第7回より-アイドル・モーメンツ+2 - グラント・グリーン2008/01/06 05:30

IDLE MOMENTS - GRANT GREEN  Blue Note BST-84154

 ブルーノートの録音記録を見るとこのアルバム制作時に、嬉しい「誤算」が発生したことが読み取れます。
 それは、後日再録音された曲の「長さ(時間)」を見れば明らかでしょう・・・。


●Grant Green Sextet - Recorded on November 4, 1963

 take 11 Jean De Fleur (Grant Green) -alternate take- 8:05
 take 14 Idle Moments (Duke Pearson) 14:52

 take 28 Nomad (Duke Pearson) 12:13
 take 32 Django (John Lewis) -alternate take- 13:12


●Grant Green Sextet - Recorded on November 15, 1963

 take 36 Django (John Lewis) 8:40
 take 39 Jean De Fleur (Grant Green) 6:46


 ・・・つまりアルバム・タイトルにもなった「Idle Moments」の出来が良すぎ、かつ予定より長尺すぎたんですね。
 限界間際までスローに演奏されるリズムに乗って繰り広げられる、無駄を殺ぎ落とされたソロの応酬・・・凄い、の一言です。

 「Idle Moments」をメインに据えるべく、後日「Django」は長さを2/3にし、さらに「Jean De Fleur」をやや短縮して再録音した訳です。
 それ程アルフレッド・ライオンは、「Idle Moments」の出来に満足したのでしょう。


 その他、自ら作曲した「JEAN DE FLEUR」では、アップテンポのリズムに乗ってG・グリーンの良く歌うギター・ソロを堪能出来ます。
 またMJQの名演で御馴染みジョン・ルイス作曲の「DJANGO」では、G・グリーンのレイジーなソロを楽しめます。

 (オリジナル・アルバムでは)ラストの「NOMAD」は、デューク・ピアソン作曲マイナー調のアップ・テンポ・ナンバーです。
 ・・・そういえばこれ、ピアソンの有名(?)オリジナル曲「Jeannine」によく似てますね。
 興味のある方は、ピアソン自身も参加した『At The Half Note Cafe Vol.1 / Donald Byrd(BST-84060)』を聴いてみて下さい。


 ライナー・ノートも執筆しているデューク・ピアソンの知的でブルージーな雰囲気満点の本アルバム、ナイト・キャップに丁度いいかも・・・。


TOCJ-7069 アイドル・モーメンツ+2 / グラント・グリーン

●IDLE MOMENTS / GRANT GREEN Blue Note BST-84154

01. IDLE MOMENTS (Duke Pearson) *1 14:52
02. JEAN DE FLEUR (Grant Green) *2 6:46

03. DJANGO (John Lewis) *2 8:40
04. NOMAD (Duke Pearson) *1 12:13

05. JEAN DE FLEUR (Grant Green) *2 -alternate take- 8:05
06. DJANGO (John Lewis) *2 -alternate take- 13:12

Joe Henderson (ts) Bobby Hutcherson (vib) Duke Pearson (p) Grant Green (g) Bob Cranshaw (b) Al Harewood (ds)
Recorded on November 4(*1) & 15(*2), 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

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グラント・グリーン ジョー・ヘンダーソン ボビー・ハッチャーソン

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●At The Half Note Cafe Vol.1&2 / Donald Byrd Blue Note BST-84060/61



新・ブルーノートRVGコレクション第6回より-サンディ・モーニン+1-グラント・グリーン2007/12/08 20:21


 ・・・・ごめんなさい。非常に印象の薄い作品です。

 タイトル曲の「SUNDAY MORNIN' 」では軽快な3拍子に乗り、グラント・グリーン(Grant Green)が気持ち良くスイングしております。
 ピアノのケニー・ドリュー(Kenny Drew)も結構いけます。

 その他、「GOD BLESS THE CHILD」「SO WHAT」などの超有名曲を演奏しています。


 印象薄い原因はリズム隊が結構あっさりしすぎて、グリーンのねちっこいギターに絡み切れていないからかなあ。


●TOCJ-7057 サンディ・モーニン+1 / グラント・グリーン




●SUNDAY MORNIN' / GRANT GREEN Blue Note BST-84099

01. FREEDOM MARCH
02. SUNDAY MORNIN'
03. EXODUS
04. GOD BLESS THE CHILD
05. COME SUNRISE
06. SO WHAT

07. TRACIN' TRACEY

Kenny Drew (p) Grant Green (g) Ben Tucker (b) Ben Dixon (ds)
Recorded on June 4, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


暑い時にはクールなサウンドを-Lou Mecca Quartet BN50672007/05/29 20:00

BN5067 - Lou Mecca Quartet

 加持です。新潟は今日も蒸し暑い一日でしたー。

 巷は某国会議員と、某有名ミュージシャンの死亡記事ばかり目に付きますが・・そんな世の中とは関係ない記事で。


 私・・・こんな暑い日には、クールなビブラフォン入りのアルバムを聴きたくなります。

 ビブラフォン、日本語で表現すると「鉄琴」ですかね。えー実は私、小学校の頃に「ビブラフォン(鉄琴)」を演奏していたので、なんとなく親近感があるんです。

 よくフット・ペダルを踏んで、意味も無く音を伸ばして遊んだ記憶があります。演奏も楽しかったですし。
 まあ中学校には「鉄琴」が無かったので、トランペットに転向しましたが。



 ・・・話を元に戻してっと(笑)。

 このアルバム、リーダー本人があまり有名でなく、さらに「10インチ盤」のみで発売されたので、「知る人ぞ知る」といった存在のようです。

 内容は、ややウエストコースト風味、スタンダードナンバー中心で、結構聴きやすいアルバムです。

 このCDを棚から取り出す理由は、ずばり、ビブラフォンを聴くためで、リーダーのギターの音はあんまり耳に入りません(スイマセン)。


 特に私の手持ちのRVGリマスタリングCD(TOCJ-9228)は、ジャック・ヒッチコック(Jack Hitchcock)のビブラフォンが結構前に出て、クールな感じが強調されていますね。


 いきなりアップテンポでインタープレイに突入する「All The Things You Are」、渋いバラット風の「You Go To My Head」もいいですが、3曲目のジェリー・マリガンやチェット・ベイカーの演奏で有名な「Bernie's Tune」が、一番演奏のテンションが高いのでよろしいかと・・・。
 ルー・メッカのソロのバックで聴けるジャック・ヒッチコック(Jack Hitchcock)のバッキング、そしてソロの最初に聴ける不協和音のロングトーンもたまらないですねー。

 5曲目の「The Song Is You」、テーマ部分でジミー・キャンベル(Jimmy Campbell)のブラシによるさりげなく入るドラム・ソロがクール!です。


 ・・・ホーンライクなソロを弾きまくる、ルー・メッカ(Lou Mecca)についてはコメント出来ませんでしたね。ギターはコメントしづらい(~~)。

 リーダーの演奏についてはCD(TOCJ-9228)のライナーで、”ギターも弾けるお医者さん”小川隆夫さんが解説しておりますので、そちらを参考にして下さい。


●Lou Mecca Quartet Blue Note BLP 5067

01. All The Things You Are (Kern/Hammerstein)
02. You Go To My Head (Coots/Gillespie)
03. Bernie's Tune (Bernie Miller)
04. Stan's Invention (Stan Purdy)
05. The Song Is You (Kern/Hammerstein)
06. Just One Of Those Things (Cole Porter)

Jack Hitchcock (vib) Lou Mecca (g) Vinnie Burke (b) Jimmy Campbell (ds)
Recorded on March 25, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ