ジャズの音!!-新・ブルーノートRVGコレクション第5回発売 - ゲッティン・アラウンド+2 - デクスター・ゴードン2007/11/02 13:44

GETTIN' AROUND + 2 - DEXTER GORDON  Blue Note 84204

 今月もあと二枚ですか・・・最後のデータが途中なのは勘弁して下さい。

 本作はバップ時代の巨人、デクスター・ゴードン(Dexter Gordon)がボビー・ハッチャーソン(Bobby Hutcherson)らをバックに録音したアルバムです。

 しかしハッチャーソンが参加している経緯は、裏エピソードが分からないと???となるところです。
 いつも通り、小川隆夫さんの著作、特に『ブルーノートの真実(東京キララ社)』を探してみましょう・・・あ、ありました。

 『(ボビーを)ライオンに推薦したのはデクスター・ゴードンだ。ハッチャーソンの父親がゴードンの親友だった。その関係で、彼のベビー・シッターをゴードンが務めたというエピソードもある。』
 上記、小川隆夫さん著作より抜粋


 ミルト・ジャクソン(Milt Jackson)がバップ時代の代表選手だとすると、ボビー・ハッチャーソンは続く新主流派の代表選手だと思います。
 ちなみに私が好きな演奏を思いつくまま挙げてみると、『One Step Beyond / Jackie McLean(BN4137)』、『Judgment ! / Andrew Hill(BN4159)』、『Out To Lunch / Eric Dolphy(BN4163)』などのエッジの利いた作品に集中します。


 ・・・でも、この作品はリラックス・ムード満点!主役のD・ゴードンはいつも通り、朗々としたブローを披露しております。


 一番の出来は、ボサノバのリズムに乗った1曲目の「カーニバルの朝(Manha de Carnaval)」ですかね。
 ボビーのバイブラフォンが加わることにより、クールな感じが強調されて良い!


 カウント・ベイシー楽団のヒット曲、「Shiny Stockings」も、クールに演奏されています。

 そういえば80年代に、D・ゴードンが主役の映画「ラウンド・ミッドナイト」が公開されて話題を呼びましたね。
 その劇中でゴードンは、アドリブで『カウント・ベイシー楽団で演奏したかった』という意味の台詞を言ったそうです。
 その事を思い出しながら、「Shiny Stockings」を聴くと、感慨深いものがありますね。


 その他、「Who Can I Turn To ?」と、「Everybody's Somebody's Fool」では、サブトーンを交えた心に染み入るようなバラッドを聴かせてくれます。
 ・・・あ、つい暖かくも優しい、彼のテナー・サウンドにしばし聴き惚れてしまいました。いいなーこの演奏も。


●TOCJ-7049 ゲッティン・アラウンド+2 / デクスター・ゴードン




●GETTIN' AROUND + 2 / DEXTER GORDON Blue Note 84204

01. Manha de Carnaval (Antonio Maria/Louis Bonfa) *1 8:21
02. Who Can I Turn To ? (Newley/Bricusse) *2 5:12
03. Heartaches (Hoffman/Klenner) *2 7:42

04. Shiny Stockings (Frank Foster) *2 6:15
05. Everybody's Somebody's Fool (H.Keller/H.Greenfield) *1 6:41
06. Le Coiffeur (Dexter Gordon) *1 6:59

07. VERY SAXILY YOURS
08. FLICK OF A TRICK

*1 Dexter Gordon(ts) Bobby Hutcherson(vib) Barry Harris(p) Bob Cranshaw(b) Billy Higgins(ds)
Recorded on May 28,1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

*2 same personnel
Recorded on May 29,1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


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