新・ブルーノートRVGコレクション第6回より-リー・モーガン Vol.2-リー・モーガン2007/11/27 22:20


 天才少年リー・モーガン(Lee Morgan)のブルーノートにおける2枚目のリーダー作です。
 とーっても地味な作品なので今まで意識して聴いたことがなかったのですが、連続して聴いてみるとなかなか面白い作品でした。

 きっちりと構成されたバック・アンサンブルに乗り、各メンバーの素敵なソロが繰り広げられます。



 ベニー・ゴルソンの「WHISPER NOT」でモーガンは、テーマ部とアンサンブルをオープンで吹き、ソロはミュートを装着してキュートなフレーズを連発します。
 その他、ミス・リード気味ではありますがアルトのケニー・ロジャースのソロが印象に残ります。

 タイトル通りラテン風味の「LATIN HANGOVER」では、先発のH・モブレーが流暢なソロを披露した後、モーガンが登場。
 ゴルソンらしいアンサンブルに乗ってモーガンは、一気に吹き倒します。この曲でもK・ロジャーズの辛口気味のソロが目立ちますね。
 最後にセカンド・リフが登場するあたり、ゴルソンもホレス・シルバーを意識しているのかな?

 軽快なアップテンポ・ナンバー「HIS SISTER」は、ゴルソンでは無くオーウェン・マーシャル(Owen Marshall)の作曲です。
 トランペッターが好みそうな曲調(あくまでも私の主観!)であるためか、モーガンも快調なソロを聴かせてくれます。


 「SLIGHTLY HEP」は、いきなりゴルソンの有名曲「Five Spot After Dark」にも使われたフレーズが飛び出して思わず笑ってしまします。
 最後に登場するモーガンですが、ソロの後半には高揚してきたのか段々大胆なフレーズが飛び出します。


 バラッドの「WHERE AM I」はモーガンだけがテーマ・メロディを吹き、他のメンバーはアンサンブルに回ります。
 バラッドなのに挑発的なフレーズがポンポン飛び出すあたり、モーガンの若くてまだまだヤンチャな面を垣間見ることが出来ます。

 ラストの「D'S FINK」は、ホレス・シルバーが書きそうなファンキーなラテン・ナンバ-です。
 ここでのモーガンは、時々音をひしゃげさせながら大胆な音使いのソロを展開します。

 しかしまあ10代(当時18才?)の少年が、こんな大胆なソロを吹くことが出来るなんて・・・・・ホント、恐れ入ります。


●TOCJ-7052 リー・モーガン Vol.2 / リー・モーガン




●LEE MORGAN Vol.2 SEXTET / LEE MORGAN Blue Note BLP 1541

01. WHISPER NOT (Benny Golson) 7:17
02. LATIN HANGOVER (Benny Golson) 6:40
03. HIS SISTER (Owen Marshall) 6:29

04. SLIGHTLY HEP (Benny Golson) 6:23
05. WHERE AM I (Benny Golson) 5:45
06. D'S FINK (Owen Marshall) 7:41

Lee Morgan (tp) Kenny Rodgers (as) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Paul Chambers (b) Charlie Persip (ds)
Benny Golson (arr) Owen Marshall (arr)
Recorded on December 2, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.