ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤●静かなるケニー - ケニー・ドーハム2008/02/19 22:31


 「ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤」第1回発売分は、このアルバムでひとまず終了。
 マイルスの作品は資料整理に時間がかかるので後程(笑)。


 「静かなるケニー(Quiet Kenny)」は、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)の代表作です。
 珍しいトランペットのワンホーンで、バラッドやブルースを中心にしっとりと演奏しております。
 バックは”名盤請負人”トミー・フラナガン(Tommy Flanagan)のトリオ。
 ・・・・そして1曲目に代表作「蓮の花(Lotus Blossom)」を持ってきている所もポイントでしょうか。

 ちなみに「蓮の花」、「Asiatic Raes」と改題されてブルーノートで2人の有名ジャズ・メンが取り上げておりますね。
 まずマックス・ローチのバンドで共演したソニー・ロリンズが「Newk's Time / Sonny Rollins(Blue Note 4001)」で、そして同じくマックスのバンドで共演したハンク・モブレーが参加した「Goin' Up / Freddie Hubbard (Blue Note 4056)」でも。


 ・・・おお、丁度手元にある『ジャズマンが愛する不朽のJAZZ名盤100/小川隆夫著(河出書房新社)』の88ページにこのアルバムが紹介されておりますね。
 コメントしているのは、なんとディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)とマイルス・デイヴィス(Miles Davis)のお二人!

 超有名人お二人のコメント、ケニーの人柄や演奏テクニックについて、ツボを押さえているので引用させていただきます。


 まずディジー・ガレスピーから。

 「派手なプレイが苦手で、バラードが得意」
 「音色が美しい」、「マイルスのほうが一枚上手だが、リップ・コントロールがうまい」
 ・・・・さすが同じ楽器を演奏するお方だけあって、的確なコメントです。

 お次は、チャーリー・パーカーのバンドに後釜として彼を推薦したマイルス。

 「おれは、やつの才能の素晴らしさを知っている」
 「引っ込み思案なところがあって、結局、最後までこれっていうバンドを作ることができなかった」
 「おれはやつのアルバムが好きだ。おれが所属していたプレステッジにも紹介してやったしな。」

 ・・・つまり、マイルスが紹介してくれたからこの作品がある訳ですね。
 四畳半ジャズとか言って「静かなるケニー」を愛聴する日本人全て、マイルスに感謝しないと(笑)。


 「蓮の花」からラストの追加曲「Mack The Knife」まで、初春の陽だまりにまどろみながらお聴きください。


Quiet Kenny / Kenny Dorham New Jazz NJLP 8225

01. Lotus Blossom (Kenny Dorham) 4:35
02. My Ideal (Robin-Chase-Whiting) 5:02
03. Blue Friday (Kenny Dorham) 8:41
04. Alone Together (Schwartz-Dietz) 3:08

05. Blue Spring Shuffle (Kenny Dorham) 7:33
06. I Had The Craziest Dream (Warren-Gordon) 4:35
07. Old Folks (Hill-Robinson) 5:10
08. Mack The Knife (Weill-Brecht) * 3:01

Kenny Dorham (tp) Tommy Flanagan (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on November 13, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

*reissue as New Jazz NJLP 8225 [Quiet Kenny + 1 (Mack The Knife)]



ルディ・ヴァン・ゲルダー・リマスター決定盤(RVG REMASTERS)

静かなるケニー / ケニー・ドーハム 




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