新・ブルーノートRVGコレクション第6回より-ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン Vol.2+32007/12/11 19:30

AT THE GOLDEN CIRCLE VOl.2 - ORNETTE COLEMAN  Blue Note BST-84225

 ・・・・今回は「Vol.1」に引き続き、問題(笑)の「Vol.2」です。
 オーネットは1曲だけ、アルト以外に何故(笑)か引退期に密かに練習した「ヴァイオリン」と「トランペット」を持ち出します。



 いきなり狂ったようにヴァイオリンを弾き倒す「SNOWFLAKES AND SUNSHINE」は、まさにフリーな演奏(笑)。

 途中、トランペットに切り替えてヴァイオリンで弾いたのと同じフレーズをかましてくれます。

 えー、演奏途中に何度も持ち替えをするので、段々訳が分からなくなってきまーす(笑)。
 まあ、チャーネット・モフェットの変幻自在なドラムを聴くためのトラックですね。


 1曲目の狂乱に疲れたのか(笑)気だるい「MORNING SONG」は、アルトに持ち替えても演奏です。
 微妙にゆっくりな曲にもかかわらず、飽きさせず聴かせます。オーネットの艶のある音色が冴えるトラック。


 「THE RIDDLE」は、疲れも取れたのかリズム隊が再び荒れ狂っております。
 オーネットは引き続きアルトで演奏。艶のある音色で、素早いフレーズを連発。
 チャールス・モフェットの叩き出すシンバルから生み出されるスイング感がたまりません。


 ラストの「ANTIQUES」は、意外と普通の曲(笑)。ただ、これが意外とイケる(笑)んだ。
 この曲だけは、3人ともフツーのジャズを演奏してます。


●TOCJ-7060 ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン Vol.2+3 / オーネット・コールマン




●AT THE GOLDEN CIRCLE VOl.2 / ORNETTE COLEMAN Blue Note BST-84225

01. SNOWFLAKES AND SUNSHINE (Ornette Coleman) 10:42
02. MORNING SONG (Ornette Coleman) 10:41

03. THE RIDDLE (Ornette Coleman) 09:54
04. ANTIQUES (Ornette Coleman) 12:35

05. MORNING SONG (Ornette Coleman) -alternate take- 08:16
06. THE RIDDLE (Ornette Coleman) -alternate take- 12:39
07. ANTIQUES (Ornette Coleman) -alternate take- 13:00

Ornette Coleman (as, tp, vln) David Izenzon (b) Charles Moffett (ds, glockenspiel)
Recorded on December 3 & 4, 1965 at "Gyllende Cirklen", Stockholm, Sweden.


<ちょっと長めの付記>

 『ブルーノートの真実/小川隆夫著(東京キララ社)』に、このアルバムが発売された経緯が詳しく載っております。

 オーネットのカムバックによって、ライオンの念願がかなう。「ゴールデン・サークル」のライブ・レコーディングをしないか? という申し出がオーネット・サイドからあったのだ。

 「例の「タウン・ホール」の一件に、オーネット自身も巻き込まれていた。それで、わたしのことを思い出してくれたのかもしれない。光栄なことだよ。
 ヨーロッパでカムバックして、ヨーロッパのレコード会社からアルバムはリリースされるようになっていた。
 その彼が、カムバック後、アメリカで発売される最初のレコード会社としてブルーノートを指名してくれたのは非常な名誉だ」


 さらに小川隆夫さん関係で、蛇足をもう少し。

 文中に登場する「タウン・ホール」でのライブ盤は、当初ブルーノートから発売される予定だったそうです。
 しかし途中に契約上のゴタゴタが発生し、でテスト盤の制作までしたにもかかわらず、お蔵入りしてしまいました。

 著者の小川隆夫さんは、1986年にアルフレッド・ライオンの主治医をボランティアで務めたお礼として、幻のテスト盤(2枚組)をマイケル・カスクーナからプレゼントされたそうです。
 小川さんの『世界で唯一のブルーノート完全コレクター』の称号は、「タウン・ホール・コンサート(2枚組)」を所有していることから、戴いたものでしょうね。

 小川さんが東京で行うイベント企画などで、まれに聴かせてくれるらしい「タウン・ホール・コンサート」。一度は聴いてみたいものです。