Ted Curson - Plenty Of Horn (Old Town LP P-2003)2012/03/19 06:13


テッド・カーソン(Ted Curson)の初リーダー作にして幻の名盤「Plenty Of Horn」。
チャールス・ミンガスの「Charles Mingus Jazz Workshop」での活躍(?)をご存知の方も多いかな?


アルバム全体を通してテッド・カーソン、ソロで時々音程・リズムを乱す場面もありますが、エリック・ドルフィーを筆頭とした素晴らしいバックがそれを何とかフォローしてます(笑)。


ちなみに、エリック・ドルフィー(Eric dolphy)は、フルートによるオブリガードで2曲だけ参加。

「The Things We Did Last Summer (Cahn, Styne)」、「Bali-H'ai (Hammerstein II, Rodgers)」ですが、どちらもスローバラッド。
しかし、ドルフィー参加の曲だけ、テッド・カーソンの音程の乱れが、ピタっと止まるのが面白い所。
しかもフレーズ・音色とも、ブッカー・リトル(Booker Little)そっくりになる不思議(笑)。


1曲目は冒頭、いきなり中近東アラビア辺りに誘われる(笑)「Caravan」から。
途中、音程が怪しくなったり、リズムが乱れたり(苦笑)するが、ロイ・ヘインズ(ds)の変幻自在なサポートのお陰で、最初の勢いで聴き通せる演奏。

「Nosruc」は、ミディアムテンポの3拍子ワルツ。
ソロ2番手として登場する、ビル・バロン(Bill Barron)のコルトレーン風・硬質なテナーもいいですね。

「Dem's Blues」は、ファンキーなブルース。
ドナルド・バード(Donald Byrd)風味のソロフレーズが聴ける「Ahma (See Ya) 」は、爽快なアップテンポ・ナンバー。

最後の忙(せわ)しないフレーズが印象的な「Flatted Fifth」、エキゾチックな「Antibes」。
そして、目まぐるしくテンポと雰囲気が変わる「Mr. Teddy」で、アルバムを締めくくります。


学生当時LPで聴いた時には「Caravan」除き、全体的に散漫な印象があったアルバムですが、こうしてポイントを整理しつつ、じっくり聴き直してみると、なかなか良いアルバムだったんですね。

いやー、ジャズはホント、奥が深いわー(苦笑)。




Ted Curson - Plenty Of Horn (Old Town LP P-2003)

Ted Curson (tp) Bill Barron (ts) Eric dolphy (fl -3,7) Kenny Drew (p) Jimmy Garrison (b)
Roy Haynes (ds -1,3,6,7) Danny Richmond (ds -2,4,9) and Pete La Roca (ds -5,8)
Recorded in New York City, April 1961.


01. Caravan (Ellington, Mills, Tizol) 2:59
02. Nosruc (Curson) 6:23
03. The Things We Did Last Summer (Cahn, Styne) 4:29
04. Dem's Blues (Curson) 3:45
05. Ahma (See Ya) (Curson) 4:24
06. Flatted Fifth (Curson) 3:37
07. Bali-H'ai (Hammerstein II, Rodgers) 4:00
08. Antibes (Curson) 5:07
09. Mr. Teddy (Curson) 5:15