暴走しまくる快演奏!-Empyrean Isles + 2 - Herbie Hancock [Blue Note BLP 84175] ― 2007/06/28 04:42

加持です。まだまだあっちぇー(暑い)日が続きますね・・・って、もう真夏かよ!
今日は前回の続き、「新・ブルーノート RVG コレクション」でも発売された「エンピリアン・アイルズ+2/ハービー・ハンコック」について少し触れておきましょうか。
・・・このアルバム、リーダーのハービーではなく、外のメンバーに耳が向くんですよね。
特に、コルネットで参加する(珍しい!)フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)と、いつにも増してドラムが唄っているトニー・ウィリアムス(Tony Williams)に・・・。
ホント、フレディ・ハバードがリーダーの「ハービー・ハンコック作品集」だと勘違いする程、1曲目の「One Finger Snap」から勢いのある演奏を聴かせてくれますねー、フレディ。
いいなー、この若さに任せた、ブレーキの利かない暴走列車みたいな演奏・・・他のメンバー、止めるどころか煽りまくってるし。
しかしこの見事なフィット感、ハービーはフロントのフレディ・ハバードを念頭にいれて、曲(と編曲)を用意したのでしょう・・・まあ、トランペッターと相性の良いハービーだからこそ創り得た、(トランペット・)ワンホーン・カルテットによる名演です。
●Empyrean Isles + 2 / Herbie Hancock Blue Note BLP 84175
01. One Finger Snap (Herbie Hancock) 07:17
02. Oliloqui Valley (Herbie Hancock) 08:27
03. Cantaloupe Island (Herbie Hancock) 05:30
04. The Egg (Herbie Hancock) 13:57
05. One Finger Snap (Herbie Hancock) -alternate take- 07:33
06. Oliloqui Valley (Herbie Hancock) -alternate take- 10:45
Freddie Hubbard (cor) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)
Recorded on June 17, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, NJ.
●おまけ
約1年後に録音される大名盤「処女航海 Maiden Voyage(Blue Note 84195)」は、このカルテットにテナーのジョージ・コールマン(George Cloeman)を追加したものですね。
あと追加された2曲の別テイクですが、完成度の高い本テイクと比べると・・・・ですので、あくまでも「おまけ」だと割り切って聴きましょう。
って言うか、アルバムの完成度が1ランク落ちる気がするので、このアルバムに限り、思い切って削ったほうがいいかも・・・。
コメント
_ garjyu ― 2007/06/28 07:05
_ 加持顕 ― 2007/06/28 12:46
確かに、ここでのハービーは、「1ピアニスト」ではなく、「音楽プロデューサ」の立場で作品に取り組んでますね。
日本のミュージシャンに例えると、チェロ奏者である井上頼豊さんの息子さんの、井上鑑さんみたいなもんでしょうか。それではー。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://kajiakira.asablo.jp/blog/2007/06/28/1611331/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
私もこのアルバム大好きです(今i-podに入っています。)。
ハービー・ハンコックは好きなミュージシャンです。彼のアルバムはこれからも一杯聴いて行きたいと思っています。
加持さんの文章を読んで考えたのですが、この《エンピリアン・アイルズ》に限らず、私が好きなのはハービー・ハンコックのピアノの音そのものではなく、“アルバムそのもの”が好きなのではないかと・・。
そういう意味で、彼は、1ピアニストというよりは、“プロデューサー”であり、クラシック音楽でいうところの“指揮者”なのではというのが、私の愚考するところであります。
素人が勝手に思ったことなので的外れであればすいませんが、加持さんはどう思われますか?