見えた!N.Y.90年代-V / Ralph Peterson Quintet somethin'else 55022007/06/19 06:50

V - Ralph Peterson somthinelse 5501

 加持です。「何じゃこのタイトル?」と思った方、これ、CDのあおりをそのまま拝借しました。今になっては意味があいまい(笑)な気がしますが、まあいいでしょう。軽く流して行きましょう。


 「V(CJ32-5502)」はOTBのドラマー、ラルフ・ピーターソン(Ralph Peterson)が同グループを脱退した直後に録音されたものです。

 ラルフのリーダー作品はだいたい購入しておりますが残念ながら、この「リーダー・デビュー盤」を超える作品は無いと思います(断言)。

 まあ曲、メンバー、演奏、もちろんプロデュースを含め、とてもバランスの良い作品ではないかと考える次第でして・・・ただ一つある難点は、好き過ぎて冷静にアルバム紹介が出来ないことです(~~)。


 この作品、発売当時は売り上げもよかったようで、1988年のジャズ誌(SJ)チャートでは10月にトップ、11月には10位を記録していますね。
 ただし「ジャズのCD」なのでチャート・トップとはいえ売上枚数は、1万~2万枚だと類推しますが・・・・。


 ざっと曲を眺めると・・・・。

 前半の3曲はドラマーのリーダー作らしく勢いのあるナンバーばかり、オープニングで変幻自在にテンポが変わる「Enemy Within」、ラルフのアフリカン・ネームを付けた「Monief」、テーマ部にストップ・タイムを効果的に用いた「The Short End Of The Stick」と続きます。

 後半(LPだとB面)は雰囲気が異なり、作曲家としてもラルフにスポットを当てた内容で、穏やかな「Soweto 6」、スティーブ・ウィルソン(Viola's Dance)のソプラノが幻想的な「Viola's Dance」、チャーリー・パーカーのコンファーメーションを下敷きにした「Bebopskerony」と(私にとって)魅力的な曲が満載です。


 ・・・ジェリ・アレン(Geri Allen)とラルフ・ピーターソンのコンビネーションは抜群だったのでしょうか?このアルバムの勢いそのままに二人はトリオで次作「Traiangular(CJ32-5505)」を録音します。

●V / Ralph Peterson Quintet somethin'else 5502 [CJ32-5502]

01. Enemy Within (Ralph Peterson) 7:37
02. Monief (Ralph Peterson) 6:51
03. The Short End Of The Stick (Donald Brown) 6:43

04. Soweto 6 (Ralph Peterson) 5:53
05. Viola's Dance (Ralph Peterson) 7:11
06. Bebopskerony (Ralph Peterson) 7:37

Terence Blanchard (tp) Steve Wilson (as,ss) Geri Allen (p) Phil Bowler (b) Ralph Peterson (ds)
Recorded on April 19 & 20, 1988 at A & R Recording, NYC


This Album is Dedicated to The Memory of Dannie Richmond