TOCJ-7112 ブルー・アンド・センチメンタル+2/アイク・ケベック-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第1回発売2008/08/01 22:19

BN4098-BlueAndSentimental_IkeQuebec

 ブルーノート創立当時から、タレント・スカウトなどほぼ裏方役に徹していたアイク・ケベック(Ike Quebec)
 モダン・スウィング派とも言うべきスタイルの彼が突如、オルガンやギターをバックにしたアルバムを4枚程発表します(他に未発表作品あり)。

 「Heavy Soul (BN4093)」 recorded 1961.11.26
 「Blue And Sentimental (BN4098)」 recorded 1961.12.16/1961.12.23 ★本アルバム
 「Congo Lament (BN4103 -> LT1089)」 recorded 1962.01.20 ★未発表作品
 「It Might As Well Be Spring (BN4105)」 recorded 1961.12.09
 「Bossa Nova Soul Samba (BN4114)」 recorded 1962.11.05


 ただ惜しくも「Bossa Nova Soul Samba (BN4114)」の録音から2ヶ月後の1963年1月16日、肺がんが原因で亡くなってしまいます。

 死の直前に急に録音が続いた理由としては、裏方さんとしてブルーノートに多大な貢献したアイクへの恩返しの意味もあったでしょう。
 また高額だったと思われるガン治療費に充当するよう、アルフレッド・ライオンらがアルバム録音という形でアイクにお金を回したのかもしれません。

 ・・・普通ならこんなエピソードがある作品は、出来は?なことが多いですが、流石ブルーノートは違う。
 遺書代わりに残された作品群は私のお気に入りであり、今でも愛聴しております。


 グラント・グリーンの朴訥としたギターのイントロから、アイクの優しいテナーが被さる「Blue And Sentimental」
 真夜中過ぎ、閉店間際のバーに流すと嵌りそうなクールな1曲です。アルコール飲みながら聴くと最高だろうなあ。

 アイク・ケベックのベイシー風ピアノ・バッキングまで披露される「Minor Impulse」
 デクスター・ゴードン(Dextor Gordon)の「Cheese Cake」に雰囲気が近いのかなあ。

 これまた心に染みるバラッド「Don't Take Your Love From Me」
 アイクのサブトーン気味の美しいテナーが、全てを包み込んでくれるかのような懐の深い1曲です。

 「Blues For Charlie」は、ソウルフルなブルースです。
 最初アイクが抜けたギター・トリオによる演奏が続き、途中からアイク・ケベックが登場します。

 「Like」はアイク・ケベックのオリジナル。「Sposin'」のコード進行を元に作られた曲だそうです。
 アップテンポでアイクが豪快にブローしております。

 オリジナル・アルバムのラストは「Count Every Star」
 この曲だけ、ソニー・クラーク(Sonny Clark)のピアノ・トリオをバックにした演奏です。


 なお「That Old Black Magic」「It's All Right With Me」は、CD化に際しての追加曲です。



Blue And Sentimental / Ike Quebec Blue Note BN4098

01. Blue And Sentimental (Basie-Livingston-David) 7:24
02. Minor Impulse (Ike Quebec) 6:31
03. Don't Take Your Love From Me (Nemo) 6:59

04. Blues For Charlie (Grant Green) 6:43
05. Like (Ike Quebec) 5:17
06. Count Every Star (Coquatrix-Gallop) * 6:16

07. That Old Black Magic 4:50
08. It's All Right With Me 6:03


Ike Quebec (ts, p) Grant Green (g) Paul Chambers (b) Philly Joe Jones (ds)
Recorded on December 16, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

*
Ike Quebec (ts) Sonny Clark (p) Grant Green (g) Sam Jones (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on December 23, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7112 ブルー・アンド・センチメンタル+2 / アイク・ケベック [BN4098]
TOCJ-7112 Blue And Sentimental + 2 / Ike Quebec (RVG) [BN4098]





レット・フリーダム・リング / ジャッキー・マクリーン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第1回発売2008/08/03 23:14

BN4106-LetFreedomRing_JackieMcLean

 この「Let Freedom Ring / Jackie McLean」、敢えて他のものに喩えれば『美しいホラー映画』であろう。

 主人公の綺麗な女性が部屋の中で何やら歓談・・・・途中、ふと窓に視線をずらすとそこには恐ろしいモンスターが・・・・。
 で驚いた彼女「キャー」とカナキリ声を上げる、というシチュエーションにぴったり。

 心臓の悪い人は聴かない方がよろしいです(笑)。聴くなら覚悟して聴いて下さい。
 マクリーンは綺麗なソロフレーズから突如、「キーッ」といったフリーキーなアルトを吹いたりしますから・・・・。


 うーん、珍奇なもの大好きのアルフレッド・ライオン好みの作品なんでしょう。

 なおジャーナリストには格好の燃料となりうる作品でもありますので、この作品を変に持ち上げる人がいたら注意しましょう(笑)。
 ご自身で購入を検討される場合は、無料視聴可能なサイトを探して内容を確認してからでも遅くありません。


 確か小川隆夫さんの『ブルーノートの真実』だったと思われますが、当初このアルバムにはドナルド・バード(Donald Byrd)が参加する予定だったとか。
 ただ残念なことに録音直前、唇を怪我してしまい不参加。  バードが参加し、ピアノ少なめに演奏をまとめたら、初期オーネット・コールマン・カルテットみたいなサウンドが聴けたかも・・・・惜しい・・・実に惜しい。

 まあ「たら」、「れば」を言い始めるとキリがないのでこの辺にしときましょうか。


 オープニングの「Melody for Melonae」、マイナー調の劇的な構成の曲です。
 オーソドックスなピアノ・トリオをバックにハードバップ的フレーズから、だんだんフリーキーな叫びを混ぜてソロを進めていくマクリーンが何とも・・・・。

 バド・パウエル(Bud Powell)作の「I'll Keep Loving You」、ウォルター・デイビスによる美しいピアノ・カデンツァから始まるバラッドです。
 あんまり無茶せずソロ・フレーズを繋げて行くマクリーンにホッとしていたら、ラスト近くで思い出したように「叫び」出します(笑)。

 「Rene」は、ややコミカルな曲調の1曲。  こういう曲調だと、ビリー・ヒギンズ(Billy Higgins)が生き生きとしますね。


 ラストは躍動するメロディが楽しい「Omega」。曲としては一番まとまりがあるかな。
 ウォルター・デイビスがソロの途中、「四月の思い出」をちょっと引用したりしてます。


 自分の耳で好きか嫌いか判断するしかない作品ですが、オーソドックスなジャズを好む方々にはお勧めしません(笑)。
 聴くなら、ドラムにトニー・ウィリアムス(Tony Williams)が参加した「One Step Beyond / Jackie McLean (BN4137)」を先にした方がよろしいです。



Let Freedom Ring / Jackie McLean Blue Note BN4106

01. Melody for Melonae (Jackie McLean) 13:21
02. I'll Keep Loving You (Jackie McLean) 06:17

03. Rene (Jackie McLean) 10:01
04. Omega (Jackie McLean) 08:31

Jackie McLean (as) Walter Davis Jr. (p) Herbie Lewis (b) Billy Higgins (ds)
Recorded on March 19, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7113 レット・フリーダム・リング / ジャッキー・マクリーン [BN4106]
TOCJ-7113 Let Freedom Ring / Jackie McLean (RVG) [BN4106]





ジュジュ+2/ウェイン・ショーター-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第1回発売2008/08/06 06:30

BN4182-Juju-WayneShorter

 ウェイン・ショーターのブルーノート第2段は、バックにあえてジョン・コルトレーン・カルテットのメンバーを迎えております。
 アフリカ的な呪術などより磁力の強いテーマを使い、ダークな魅力満点の世界観を構築しております。


 タイトル通り呪術的な魅力溢れる「Juju」
 アップテンポのテーマに、エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)の叩き出すポリ・リズムが絡み、マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)の高速フレーズが呪文のように聴こえてきます。
 そこにスッと登場するウェイン・ショーター、呪術を取り纏める司祭の如く、演奏を盛り上げていきます。

 「Deluge(訳すと豪雨の意味)」は、エルヴィン・ジョーンズの叩くシンバルが雷雨を伴う雨音に聴こえてきます。

 マッコイ・タイナーのピアノ・ルバードから始まるスロー・バラッドの「House Of Jade」
 朝靄がかかったかのような幻想的な雰囲気の中、ショーターの茫漠としたソロが展開されます。


 エルヴィン・ジョーンズのソロから始まる「Mahjong(麻雀)」は、ちょっと中華風のメロディーラインをもった曲。

 「Yes Or No」は今までの呪術的雰囲気とは変わり、爽やかで疾走感溢れる1曲。
 J・コルトレーンのアトランテック・レコードに録音した「夜は千の目を持つ」あたりの雰囲気を思い出します。
 ショーター、会心の1曲です。


 ラストの「Twelve More Bars To Go」は、ちょっとラフなテーマの曲です。
 ザクザクと刻まれるリズムに乗って、ショーターが奔放に音を重ねて行きます。


 なおCD追加曲として、「Juju」「House Of Jade」の別テイクが収録されております。



JuJu / Wayne Shorter Blue Note BN4182

01. Juju (Wayne Shorter) 8:30
02. Deluge (Wayne Shorter) 6:49
03. House Of Jade (Wayne Shorter) 6:49

04. Mahjong (Wayne Shorter) 7:39
05. Yes Or No (Wayne Shorter) 6:34
06. Twelve More Bars To Go (Wayne Shorter) 5:26

BONUS TRACK
07. Juju (Wayne Shorter) -alternate take- 7:48
08. House Of Jade (Wayne Shorter) -alternate take- 6:37

Wayne Shorter (ts) McCoy Tyner (p) Reggie Workman (b) Elvin Jones (ds)
Recorded on August 3, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7117 ジュジュ+2 / ウェイン・ショーター [BN4182]
TOCJ-7117 Juju + 2 / Wayne Shorter (RVG) [BN4182]




ザ・ランプローラー+1-リー・モーガン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第1回発売2008/08/08 12:04

BN4199-TheRumproller-LeeMorgan

 「The Sidewinder (BN4157)」の大ヒットを引っさげて復帰したリー・モーガンの復帰第3弾が、この「The Rumproller / Lee Morgan (RVG)」です。
 「The Sidewinder (BN4157)」同様、フロントにジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)が参加。
 前回にも増してヴァラエティに富んだ作風をものともせず、摩訶不思議なフレーズを展開しております(笑)。



 「The Rumproller」は、私の大好きなアンドリュー・ヒルの作曲による軽快なジャズ・ロック。
 1番手のモーガンは余裕しゃくしゃくで、小憎らしいほどキュートでタメの効いたフレーズを連発します。
 2番手のジョー・ヘンダーソンはいつも通り、パルス波を放射するかのようなフレーズを繰り出し次第にヒートアップ。


 「Desert Moonlight(月の砂漠)」はもちろん、日本の名曲「♪つーきのー、さばーくをー」の月の砂漠(作詞 加藤まさを・作曲 佐々木すぐる)です。
 オリジナル盤では「作曲:リー・モーガン」と記載されていたそうですが、流石に日本ではそうも行きません(笑)。
 イロモノかと思いきや、結構シリアスに聴ける1曲であります。


 カリプソ風味満点の「Eclipso」は、とっても陽気な曲。
 照り付ける太陽の真下、パラソル差してジュースでも飲みながら聴きたい1曲です(笑)。


 ワルツ・テンポの「Edda」はモーガンの盟友、ウェイン・ショーターの作曲です。
 陰陽混ぜ合わせたテーマが、いかにもショーターらしい。こういう作風には、ジョー・ヘンダーソンのくねくねしたテナー・ソロが合いますね。
 モーガンもソロの最初から思い切りブロー、気持ちよさそうにやや破天荒なフレーズを重ねて行きます。


 ラストはバラッドの「The Lady」。モーガンは珍しくミュートを付けて演奏に挑みます。
 しっかし、ファッツ・ナヴァロ(Fats Navarro)直系の暖かみある音色は絶品ですね。


 なおCD発売時の追加曲として「Venus Di Mildew」が収録されております。


The Rumproller / Lee Morgan Blue Note BN4199

01. The Rumproller (Andrew Hill) 10:30
02. Desert Moonlight (Suguru Sasaki) 09:21

03. Eclipso (Lee Morgan) 06:56
04. Edda (Wayne Shorter) 07:21
05. The Lady (Rudy Stevenson) 07:33

06. Venus Di Mildew 06:28

Lee Morgan (tp) Joe Henderson (ts) Ronnie Mathews (p) Victor Sproles (b) Billy Higgins (ds)
Recorded on April 21, 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7118 ザ・ランプローラー+1 / リー・モーガン [BN4199]
TOCJ-7118 The Rumproller / Lee Morgan (RVG) [BN4199]





ザ・リアル・マッコイ/マッコイ・タイナー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第1回発売2008/08/11 23:36

BN4264-TheRealMcCoy_McCoyTyner

 「The Real McCoy / McCoy Tyner (BN4264)」は、マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)のブルーノート移籍第1弾作品です。
 師匠であるジョン・コルトレーンの替わりに新進気鋭のジョー・ヘンダーソンをフロントに迎え、アトランテック時代の初期コルトレーン・カルテットを彷彿とさせる快演を聴かせてくれます。


 蛇足ですがブルーノート創始者のアルフレッド・ライオンは、マッコイと契約して直ぐ1967年の秋に引退してしまいます。
 ちなみに前年の1966年5月には、ブルーノートはリバティに買収されており、日本にも東芝EMIが直輸入盤としてブルーノートのアルバムが発売された頃でもあります。

 このアルバム、当時のジャズ喫茶では人気盤であったでしょうね。何と言うかあの時代の熱さを今に伝える名盤であります。
 エルビンが変幻自在のポリリズムで煽り、マッコイが高速(ペンタトニック)プレーズを連発。
 そんなバックに対抗し、ジョー・ヘンダーソンはパルス波のような独特のうねうねしたフレーズを撒き散らす・・・ホント、熱いアルバムです。


 いきなりエルヴィンが、激しいリズムの嵐を巻き起こす「Passion Dance」
 エルヴィンの奔放なリズムに乗ってマッコイがバレリーナの様に華麗に舞い、続くジョー・ヘンダーソンは機関銃のように高速フレーズを綴る、といった熱い演奏が繰り広げられます。
 このトラック、1曲目にしてアルバム中最大のクライマックスでしょうね。

 ちょっと落ち着いた感じの「Contemplation(瞑想)」、ヘンダーソンがハードなブローを展開します。


 急速調の「Four By Five」、ソロに入るとさらに増速(笑)、各人勢いのあるソロを聴かせてくれます。

 幻想的なバラッドの「Search For Peace」、とってもアグレッシブな演奏の後、こういう演奏を聴くと心が和みます。

 思わず笑いがこみ上げるほどコミカルなテーマの「Blues On The Corner」、ジョー・ヘンダーソンのうねうねしたフレーズでさえなんだかユーモラスに聴こえます。



The Real McCoy / McCoy Tyner Blue Note BN4264

01. Passion Dance (McCoy Tyner) 8:44
02. Contemplation (McCoy Tyner) 9:10

03. Four By Five (McCoy Tyner) 6:33
04. Search For Peace (McCoy Tyner) 6:27
05. Blues On The Corner (McCoy Tyner) 5:58

Joe Henderson (ts) McCoy Tyner (p) Ron Carter (b) Elvin Jones (ds)
Recorded on April 21, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

TOCJ-7120 ザ・リアル・マッコイ / マッコイ・タイナー [BN4264]
TOCJ-7120 The Real McCoy / McCoy Tyner (RVG) [BN4264]





コンプリート・ジ・エミネントVol.1 J.J.ジョンソン・ウィズ・クリフォード・ブラウン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第2回発売2008/08/13 17:43

BN5028-TheEminent_JJJohnsonVolume1

 このセッションは最初、10インチLP『J.J. Johnson with Clifford Brown Blue Note BLP 5028』として発売されたもの。
 J.J.ジョンソン(J.J. Johnson)クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)という、天才同士が繰り広げるスリリングなセッションです。
 もうひとりヒース兄弟の次兄、ジミー・ヒース(Jimmy Heath)の参加も嬉しいところです。
 バックは初代MJQのメンバー、ジョン・ルイス(John Lewis)、パーシー・ヒース(Percy Heath)、ケニー・クラーク(Kenny Clarke)が顔を揃えておりますね。


 ジジ・グライス作の「Capri」では、J.J.ジョンソン~ジミー・ヒース~クリフォード・ブラウン~ジョン・ルイスと軽快にソロがリレーされます。
 中でも、早いパッセ-ジを楽々繰り出すJ.J.とクリフォードのソロが圧倒的ですね。

 分厚いアンサンブルから始まる「Lover Man」では、J.J.の硬質なバラッドが聴けます。
 いやしかしJ.J.ジョンソンの、スライド式のトロンボーンとは思えない歯切れの良いフレーズは凄いですねえ。

 J.J.ジョンソンのオリジナル「Turnpike」は、アップテンポで繰り広げられる超絶技巧のショーケース。
 1番目に登場するクリフォード・ブラウンの超絶なパッセージは圧巻。
 J・ヒースを挟んで3番目に登場するJ.J.も負けていない。ややメカニカルに歯切れの良いフレーズを重ねて行きます。

 ジョン・ルイス作の「Sketch One」は、クラシカルな気品漂う1曲。で、ジョンが演奏も主導します。
 重厚なアンサンブルに乗り、ミュート・トランペットで登場するクリフォード・ブラウンがやはり一番だなあ。

 「It Could Happen to You」は、J.J.ジョンソンのバラッド・プレイを堪能出来る1曲。
 やや硬質な音色で、クールなバラッドに仕上げております。

 アップテンポの「Get Happy」、この位のテンポが一番J.J.ジョンソン生き生きしてますね。
 ジミー・ヒースがなかなかのソロを披露してくれた後、美味しい所でクリフォード・ブラウン登場(笑)。  張りのある溌剌としたトランペット・ソロを決め、ジョン・ルイスにバトンを渡します。

 アンサンブルがやや古色蒼然としたところもありますが、各人の輝かしいソロは魅力十分であるアルバムです。


Complete The Eminent Jay Jay Johnson Volume 1 with Clifford Brown / J. J. Johnson (RVG) [BN5028 +3]

01. Capri (G.Gryce) * 3:48
02. Lover Man (Ramirez) * 3:36
03. Turnpike (J.J.Johnson) * 3:50
04. Sketch One (J.Lewis) * 4:15
05. It Could Happen to You (Burke-Van Heusen) 4:10
06. Get Happy (Koehler-Arlen) * 4:21
07. Capri (G.Gryce) * -alternate take- 4:42
08. Turnpike (J.J.Johnson) * -alternate take- 4:47
09. Get Happy (Koehler-Arlen) * -alternate take- 4:11

Clifford Brown(tp-*) J.J. Johnson(tb) Jimmy Heath(ts,bs-*) John Lewis(p) Percy Heath(b) Kenny Clarke(ds)
Recorded on June 22,1953 at WOR Studios, NYC


TOCJ-7121 コンプリート・ジ・エミネントVol.1 J.J.ジョンソン・ウィズ・クリフォード・ブラウン/J.J.ジョンソン [BN1505]
TOCJ-7121 Complete The Eminent Jay Jay Johnson, Volume 1 with Clifford Brown / J.J.Johnson (RVG) [BN1505]








コンプリート・ジ・エミネントVol.2 J.J.ジョンソン・ウィズ・ハンク・モブレー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第2回発売2008/08/15 23:48

BN5057-TheEminent_JJJohnsonVolume2

 『コンプリート・ジ・エミネントVol.2 J.J.ジョンソン・ウィズ・ハンク・モブレー』は、録音場所がヴァン・ゲルダー・スタジオに移ったためか『The Eminent Jay Jay Johnson Volume 1 / J. J. Johnson (RVG)』よりクリアなサウンドで楽しめます。


 最初の6曲は「The Eminent J.J. Johnson Blue Note BLP5057」のセッションです。
 スインギーなウイントン・ケリー(Wynton Kelly)に珍しいチャールス・ミンガス(Charles Mingus)、そしてコンガのサブーが加わっております。
 コンガの参加が効いたのか、どの曲も甲乙つけ難い軽快なセッションです。

 コンガの音色が心地よいミディアム・テンポの「Too Marvelous for Words」、アップテンポで豪快に迫る「Jay」も良い出来ですね。
 スタンダードの「Old Devil Moon」は、ラテン風味のアレンジが絶妙な1曲。軽快なコンガとピアノの響きが素敵です。
 スローテンポの「It's You or No One」、バラッド仕立ての「Time After Time」とスローに聴かせる曲が2曲続きます。
 J.J.作曲の「Coffee Pot」は、アップテンポでドライブ感満点の1曲。コンガのバッキングが気持ち良いです。


 7曲目からは、5000番台のトリを飾った「The Eminent J.J. Johnson, Volume 3 Blue Note BLP5070」のセッションです。
 ハンク・モブレー(Hank Mobley)、ホレス・シルヴァー(Horace Silver)、ポール・チェンバース(Paul Chambers)らの俊英がバックを固めております。

 ベースから始まるリラックス・ムード満点の「Pennies from Heaven」、J.J.はミュート・トロンボーンで軽く流しハンクにソロを受け渡します。
 ホレスのソロのあとの4小節交換では、J.J.とハンクの勢いのあるソロを聴くことが出来ます。

 ハード・バップっぽくてメロディアスな「Viscosity」、ホレスのフロントを鼓舞するバッキングが良いですねえ。
 バラッドの「You're Mine, You」では、J.J.のリラックスしながらもツボを押さえたソロが聴き所です。

 ジャズ・メッセンジャーズっぱい急速調の「"Daylie" Double」、タイトル通りグルヴィーというかファンキーな「Groovin'」は、ホレス・シルヴァーの独断場ですね。

 J.J.がミュート・トロンボーンで演奏するバラッドの「Portrait of Jennie」、演奏を途中で止めるストップ・タイムを有効に使い、短いながらも味のあるトラックに仕上げております。



The Eminent Jay Jay Johnson Volume 2 / J. J. Johnson (RVG) [BN5057 + BN5070 +3]

01. Too Marvelous for Words (Mercer-Whiting) 3:34
02. Jay (J.J.Johnson) 3:39
03. Old Devil Moon (Lane-Harburg) 3:49
04. It's You or No One (Styne-Cahn) 4:03
05. Time After Time (Styne-Cahn) 4:03
06. Coffee Pot (J.J.Johnson) 4:06

J.J. Johnson(tb) Wynton Kelly(p) Charles Mingus(b) Kenny Clarke(ds) "Sabu" Martinez(conga)
Recorded on September 24,1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ


07. Pennies from Heaven (Burke-Van Heusen) -alternate take- 4:23
08. Pennies from Heaven (Burke-Van Heusen) 4:15
09. Viscosity (J.J.Johnson) -alternate take- 4:18
10. Viscosity (J.J.Johnson) 4:18
11. You're Mine, You (Green-Heyman) 3:04
12. "Daylie" Double (J.J.Johnson) 4:24
13. Groovin' (J.J.Johnson) 4:37
14. Portrait of Jennie (Budge-Robinson) 2:53
15. "Daylie" Double (J.J.Johnson) -alternate take- 4:38

J.J. Johnson(tb) Hank Mobley(ts) Horace Silver(p) Paul Chambers(b) Kenny Clarke(ds)
Recoreded on June 6,1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ


TOCJ-7122 コンプリート・ジ・エミネントVol.2 J.J.ジョンソン・ウィズ・ハンク・モブレー/J.J.ジョンソン [BN1506]
TOCJ-7122 Complete The Eminent Jay Jay Johnson, Volume 2 with Hank Mobley / J.J.Johnson (RVG) [BN1506]







イントロデューシング・ジョニー・グリフィン+2/ジョニー・グリフィン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第2回発売2008/08/18 22:55

BN1533-IntroducingJohnnyGriffin

 シカゴの俊英、ジョニー・グリフィン(Johnny Griffin)のニューヨーク進出第1弾がこの、『イントロデューシング・ジョニー・グリフィン』です。

 ブルーノートのアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)、アート・ブレイキー(Art Blakey)に体は小さいが凄腕テクニシャンがシカゴにいると、J・グリフィンを紹介されたみたいです。
 J・グリフィンの演奏を聴いたアルフレッド、いきなりリーダー作を作ることを決意した模様(笑)。


 本アルバム、超速テンポでも前乗り(笑)で吹ききってしまうジョニー・グリフィンに対抗するため、ドラムにこれまた超絶テクニックのマックス・ローチ(Max Roach)を起用。
 グリフィンに負けじと、『ブラウン=ローチ・クインテット』時代を彷彿とさせるような壮絶なドラムを聴かせてくれます。

 蛇足ですが1956年12月に録音された「Sonny Rollins (BN1542)」でも、ウィントン・ケリー(Wynton Kelly)、カーリー・ラッセル(Curly Russell)を含むトリオが演奏しております。


 超絶テンポであるにもかかわらず前乗りで演奏してしまう「Mil Dew」は、ジョニー・グリフィンの自作曲。
 マックス・ローチの気合の入った演奏は、「ブラウン=ローチ・クインテット」の名曲「Blues Walk (Sonny Stitt)」を彷彿とさせますね。

 リラックスムード満点の「Chicago Calling」は、グリフィンの力強さの中にユーモアを感じさせる演奏です。
 このくつろいだ雰囲気は、ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)の演奏に通じるものがありますね。

 バラッド仕立ての「These Foolish Things」、感情豊かに歌い上げるグリフィンに思わず感動してしまいますねえ。
 つづくウィントン・ケリーも、短いながらツボを押さえた演奏を聴かせてくれます。

 ミディアム・テンポで演奏される「The Boy Next Door」、グリフィンは2倍速で気の利いたフレーズを次々吐き出していきます。


 やや遅めのブルース「Nice And Easy」、ロングトーン多目でサックスをめいっぱい吹き鳴らすグリフィンが凄いっす(笑)。

 超アップテンポの「It's All Right With Me」、グリフィンのマシンガンのような連発フレーズのバックで、ローチが気持ちよくスイングしております。
 フレーズの切れ目で聴こえる、グリフィンの唸り声もなかなか(笑)。

 ラストはアルバムのクロージングに相応しい、バラッドの「Lover Man」
 しっとりとした雰囲気の中、グリフィンはサックスを存分に鳴らしきり、小気味良いフレーズが次々と飛び出します。


 今回は、ボーナス・トラックとして2曲追加されております。

 まずは超絶テンポの「今宵の君は(The Way You Look Tonight)」、そして『ブラウン=ローチ・クインテット』を彷彿とさせる「Cherokee」です。
 どちらの曲もお蔵入りした理由は、LPの収録時間であろうと思わせるほど魅力的な演奏です。


Introducing Johnny Griffin + 2 Blue Note BN1533

01. Mil Dew (Johnny Griffin) 3:54
02. Chicago Calling (Johnny Griffin) 5:37
03. These Foolish Things (Strahey-Marvell) 5:09
04. The Boy Next Door (Martin-Blane) 4:54

05. Nice And Easy (Johnny Griffin) 4:22
06. It's All Right With Me (Cole Porter) 5:01
07. Lover Man (Ramirez) 7:55

08. The Way You Look Tonight (Dorothy Fields-Jerome Kern) 6:15
09. Cherokee (R.Noble) 4:00

Johnny Griffin (ts) Wynton Kelly (p) Curly Russell (b) Max Roach (ds)
Recorded on April 17, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7123 イントロデューシング・ジョニー・グリフィン+2/ジョニー・グリフィン [BN1533]
TOCJ-7123 Introducing Johnny Griffin + 2 / Johnny Griffin (RVG) [BN1533]





新・ブルーノートRVGコレクション第2期第3回発売(1)2008/08/20 23:01

BN1561-PaloCongo-Sabu

 新・ブルーノートRVGコレクション第2期の第3回発売日。
 発売日なので第2回発売分同様、第3回分の10枚を5枚づつ紹介しておきましょう。


●ブルーノートRVGコレクション第2期第3回発売 2008/07/20 1,700 [税込]

TOCJ-7131 パロ・コンゴ / サブー
TOCJ-7131 Palo Congo / Sabu (RVG) [BN1561]



 ラテン・パーカッションとヴォーカルの競演。
 アルフレッド・ライオンが自身の趣味で敢行した録音。


TOCJ-7132 リーウェイ / リー・モーガン
TOCJ-7132 Lee-Way / Lee Morgan (RVG) [BN4034]



 ジャズ・メッセンジャーズ在籍時代、絶頂期の作品。4曲中2曲がカル・マッセイの作品。
 ジャッキー・マクリーン、ボビー・ティモンズ、アート・ブレイキー参加。

TOCJ-7133 ホーム・クッキン+5 / ジミー・スミス
TOCJ-7133 Home Cookin' / Jimmy Smith (RVG) [BN4050 +5]



 ギターにケニー・バレルを迎え、曲によりパーシー・フランス(ts)を加えたカルテットによる演奏集。
 レイ・チャールズの「I Got A Woman」や、「See See Rider」などを取り上げております。


TOCJ-7134 ドゥーイン・ザ・シング+2 / ホレス・シルヴァー
TOCJ-7134 Doin' The Thing / Horace Silver (RVG) [BN4076 +2]



 ブルー・ミッチェル(tp)、ジュニア・クック(ts)の鉄壁コンビを擁するホレス・シルヴァー・クインテット絶頂期のライブを濃縮した1枚。
 「Filthy McNasty」終了後に沸き起こる、観客の熱狂を聴け!


TOCJ-7135 ヘヴィー・ソウル+1 / アイク・ケベック
TOCJ-7135 Heavy Soul / Ike Quebec (RVG) [BN4093 +1]



 ブルーノート創設当時から裏方として活躍していたアイク・ケベック(ts)の、アルバム復帰第1弾。
 フレディー・ローチのオルガン・トリオをバックに、タイトル通りのソウルフルな演奏を繰り広げます。


 残り5枚は、次回紹介いたします。

新・ブルーノートRVGコレクション第2期第3回発売(2)2008/08/21 22:30

BN4097-TheAfricanBeat-ArtBlakey

 新・ブルーノートRVGコレクション第2期、第3回分10枚のうち残り5枚を紹介します。



●ブルーノートRVGコレクション第2期第3回発売 2008/08/20 1,700 [税込]

TOCJ-7136 ジ・アフリカン・ビート / アート・ブレイキー・アンド・ジ・アフロ・ドラム・アンサンブル
TOCJ-7136 The African Beat / Art Blakey and The Afro-Drum Ensemble (RVG) [BN4097]



 アルフレッド・ライオンの趣味で敢行されたパーカッション中心によるセッションの最終作品。
 ユーゼフ・ラティーフの参加が珍しい。


TOCJ-7137 ジャッキー・マクリーン・クインテット / ジャッキー・マクリーン・クインテット
TOCJ-7137 The Jackie McLean Quintet (RVG) [BN4116(unissued) -> LNJ80118]



 「Let Freedom Ring (BN4106)」から約3ヶ月後の録音だが、何故かお蔵入りになっていた作品。
 ケニー・ドーハム(tp)、ソニー・クラーク(p)、ビリー・ヒギンズ(ds)参加。


TOCJ-7138 フィーリン・ザ・スピリット+1 / グラント・グリーン
TOCJ-7138 Feelin' The Spirit / Grant Green (RVG) [BN4132 +1]



 ハービー・ハンコック(p)参加の人気盤。「ジェリコの戦い」他、黒人霊歌などを多数取り上げております。


TOCJ-7139 トランペット・トッカータ / ケニー・ドーハム
TOCJ-7139 Trompeta Toccata / Kenny Dorham (RVG) [BN4181]



 ケニー・ドーハム(tp)のブルーノート最終作。相性の良いジョー・ヘンダーソン(ts)参加。
 「Night Watch」は、新人時代のロイ・ハーグローブ(tp)が取り上げるなどしており、ミュージシャン側の評価が以外と高いアルバム。


TOCJ-7140 ザ・ターンアラウンド / ハンク・モブレー
TOCJ-7140 The Turnaround / Hank Mobley (RVG) [BN4186]



 ドナルド・バード(tp)、ハービー・ハンコック(p)が参加する1963年3月のセッションと、フレディー・ハバード(tp)、バリー・ハリス(p)が参加する1965年2月の2つのセッションをカップリングしたアルバム。
 矢印をモチーフにした印象的なジャケットは後年、ミュージシャン達が多数拝借する(パクる)こととなります(笑)。