ハンク・モブレー・クインテット+2/ハンク・モブレー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売2008/12/05 23:41

BN1550 Hank Mobley Quintet

 アート・ファーマー(tp)を除き、あとは元ジャズ・メッセンジャーズのメンバーという豪華アルバムに、別テイク2曲追加。
 晩年のチェット・ベイカーが好んで演奏した1曲「Funk In Deep Breeze」も収録。
 発売当時、まったく売れなかったためオリジナル盤が非常な高値で取引される1枚。


 フロントの二人は、当時のホレス・シルヴァー・クインテットのメンバーなのかな?
 『The Styling Of Sivler / Horace Silver(BN1562)』では同じく、ファーマー、モブレーのお二人がフロントを務めております。

 クリフォード・ブラウン直系(同期!)のアート・ファーマーが加わることにより、 『The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia(BN1507/1508)』よりも、 『A Night At Birdland with Art Blakey Quintet Vol.1,2(BN1521/5122)』 に近い雰囲気を持ったアルバムに仕上がっておりますね。


 「Funk In Deep Freeze」は、ミディアム・テンポの哀愁漂う1曲。
 ド派手なテーマ部とは対照的に、アート・ファーマー(Art Farmer)を先頭に淡々とソロ・リレーが続きます。
 この淡々とした感じがモブレーらしいといえば、らしいか(笑)。

 アート・ブレイキーのドラム・ソロ・ブレイクから始まる「Wham And They're Off」は、とても活きの良い曲。
 『バードランドの夜(BN1521/1522)』を彷彿とさせる血沸き肉踊るリズム・セクション、躍動感が素晴らしいですね。
 そんな事を思うと、アート・ファーマーのソロがなんだかクリフォード・ブラウンみたいに聴こえてくるから、あら不思議。

 ハンク・モブレーの気だるいテーマ演奏から始まる「Fin De L'Affaire (情事の終わり)」は、ディアム・テンポの美しいバラッド。
 続くアート・ファーマーの、涙が出る程切なげなミュート・トランペットも聴き所です。


 再び『バードランドの夜(BN1521/1522)』に戻ったような超アップ・テンポの「Startin' From Scratch」
 後半に登場するフロント二人のソロ交換から、セカンド・リフに進むあたりがなんとも気持ちいいですね。

 「Stella-Wise」はミディアム・テンポの心地よい1曲。
 ホレス・シルヴァー~ハンク・モブレー~アート・ファーマーとソロ・リレーが繋がるに従い、演奏は熱を帯びてきます。

 「Base On Balls」は、ベースのウォーキング・ソロから始まるマイナー・ブルース。
 粘るようなベース・ランニングに乗り、メンバーがやや泥臭いソロを展開していきます。


 なお今回は、追加曲として「Funk In Deep Freeze -alternate take-」、  「Wham And They're Off -alternate take-」別テイクがそれぞれ収録されました。

Hank Mobley Quintet / Hank Mobley Blue Note BN1550

01. Funk In Deep Freeze (Hank Mobley) 6:46
02. Wham And They're Off(Hank Mobley) 7:38
03. Fin De L'Affaire (End Of The Affair)(Hank Mobley) 6:36
04. Startin' From Scratch(Hank Mobley) 6:37
05. Stella-Wise(Hank Mobley) 7:14
06. Base On Balls(Hank Mobley) 7:29

07. Funk In Deep Freeze (Hank Mobley) -alternate take-
08. Wham And They're Off (Hank Mobley) -alternate take-

Art Farmer (tp) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Doug Watkins (b) Art Blakey (ds)
Recorded on March 8, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7172 ハンク・モブレー・クインテット+2/ハンク・モブレー
TOCJ-7172 Hank Mobley Quintet / Hank Mobley [BN1550 + 2]






<付記>
 「Funk in Deep Freeze」 は、晩年のチェット・ベイカー(tp)が何故か演奏しておりましたね。
 私的には、落ち着いた(枯れた)チェット・ベイカーのバージョンもお勧めです。

 スタジオ録音は1974年、『She Was Good To Me / Chet Baker(CTI)-邦題:枯葉』で。
 ライブ録音は1988年4月、ドラムレス・カルテットによる『Farewell / Chet Baker(timelsee)』に収録。

デトロイト・ニューヨーク・ジャンクション/サド・ジョーンズ-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売2008/12/01 23:23

BN1513 - detroit-newyork Junction - thad jones

 ケニー・バレル(g)、トミー・フラナガン(p)らデトロイト出身の豪華メンバーを揃えたサド・ジョーンズのブルーノート第1弾。
 当時在籍していたカウント・ベイシー楽団の大名盤『April In Paris / Count Basie (Verve V6-8012)』は、同時期の録音。


 サド・ジョーンズ(Thad Jones)は、ジョーンズ3兄弟の真ん中でありますね。
 ちなみに、兄の方はハンク・ジョーンズ(p)、弟はエルヴィン・ジョーンズ(ds)です。


 また作編曲もこなすサド・ジョーンズ、他のブルーノート録音で例えると・・・・。

 ファッツ・ナヴァロ(Fats Navarro)タッド・ダメロン(Tadd Dameron)の名コンビを一人で兼ねている感じですか。
 とりあえずアルバム、『The Fabulous Fats Navarro(BN1531/1532)』を参照下さい。  シャドウ・ウィルソン(Shadow Wilson)が参加する1947年9月の録音を聴けば、納得いただけると思います。


 本アルバム最後の収録曲「Zec」では、ファッツ・ナバロ直系のモダンなフレーズをお楽しみいただけます。


 「Blue Room」は、ゆったりとしたテンポで演奏される寛いだ曲。
 サド・ジョーンズのふくよかなトランペットの音色に癒されます・・・・。

 「Tariff」は、アップテンポの歯切れ良い曲。
 「Little Girl Blue」は、ケニー・バレル(g)とオスカー・ペティフォード(b)だけをバックに演奏されるバラッド。
 サド・ジョーンズの奏でる暖かなトランペットの音色と、ケニー・バレルのギターがうまくブレンドされてます。

 「Scratch」は、ビック・バンド風の落ち着いた感じの曲。  ソロ最初に登場するサド・ジョーンズ、最初から16分音符を多用したファッツ・ナバロを連想させるモダンなフレーズを聴かせてくれます。

 「Zec」は、アップテンポのうきうきするような1曲。
 節々に、ファッツ・ナバロそっくりのフレーズが登場するのが嬉しい所。


 出来れば、こんな感じでもっとコンボ編成の録音残して欲しかったなあ・・・そう思わせるアルバムであります。


Detroit-New York Junction / Thad Jones Blue Note BN1513

01. Blue Room (Thad Jones) 6:44
02. Tariff (Thad Jones) 5:33
03. Little Girl Blue (Rodgers-Hart) * 2:48

04. Scratch (Thad Jones) 10:26
05. Zec (Thad Jones) 8:46

Thad Jones (tp) Billy Mitchell (ts -omit *) Kenny Burrell (g)
Tommy Flanagan (p -omit *1) Oscar Pettiford (b) Shadow Wilson (ds -omit *)
Recorded on March 13, 1956 at Audio-Video Studios, NYC.


TOCJ-7171 デトロイト・ニューヨーク・ジャンクション/サド・ジョーンズ
TOCJ-7171 Detroit-New York Junction / Thad Jones [BN1513]




新・ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売(2/2)2008/11/28 21:56


 新・ブルーノートRVGコレクション第2期の第6回発売日です。
 2回に分けて(5枚づつ)紹介している第2回分。


●ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売(2/2) 2008/11/26 1,700 [税込]


TOCJ-7176 ザ・ナチュラル・ソウル+1/ルー・ドナルドソン
TOCJ-7176 The Natural Soul / Lou Donaldson [BN4108 + 1]




 グラント・グリーン(g)、ジョン・パットン(org)らのオルガン・トリオをバックに従えたルー・ドナルドソンのソウルフルな1枚。
 フロントの相方には珍しい、トミー・タレンタイン(tp)が参加。



TOCJ-7177 インナー・アージ/ジョー・ヘンダーソン
TOCJ-7177 Inner Urge / Joe Henderson [BN4189]




 マッコイ・タイナー(p)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)をバックに据えたジョー・ヘンダーソン(ts)のワンホーン・アルバム。
 自作曲「Isotope」、スタンダード「Night And Day」を収録。



TOCJ-7178 ダイアローグ+1/ボビー・ハッチャーソン
TOCJ-7178 Dialogue / Bobby Hutcherson [BN4198 + 1]




 新主流派の豪華メンバーを従えた、ボビー・ハッチャーソン(vib)の初リーダー作。
 アンドリュー・ヒル(p)とジョー・チェンバース(ds)がそれぞれ、オリジナル曲を提供しているのもポイント。



TOCJ-7179 ユニティ/ラリー・ヤング
TOCJ-7179 Unity / Larry Young [BN4221]




 新主流派オルガン奏者、ラリー・ヤング(org)の代表的な1枚。
 参加メンバーもウディ・ショウ(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)と豪華そのもの。



TOCJ-7180 ザ・ライト・タッチ+1/デューク・ピアソン
TOCJ-7180 The Right Touch / Duke Pearson [BN4267 + 1]




 作編曲の才能に恵まれたデューク・ピアソン(p)の8人編成スモール・コンボによる1枚。
 3ヶ月後には、次作『Introducing The Duke Pearson's Big Band (BN4276)』が録音されます。


新・ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売(1/2)2008/11/26 21:54


 新・ブルーノートRVGコレクション第2期の第6回発売日です。
 今回は10枚発売。なので、2回に分けて(5枚づつ)紹介しましょう。


●ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売(1/2) 2008/11/26 1,700 [税込]


TOCJ-7171 デトロイト・ニューヨーク・ジャンクション/サド・ジョーンズ
TOCJ-7171 Detroit-New York Junction / Thad Jones [BN1513]




 ケニー・バレル(g)、トミー・フラナガン(p)らデトロイト出身の豪華メンバーを揃えたサド・ジョーンズのブルーノート第1弾。
 当時在籍していたカウント・ベイシー楽団の大名盤『April In Paris / Count Basie (Verve V6-8012)』は、同時期の録音。



TOCJ-7172 ハンク・モブレー・クインテット+2/ハンク・モブレー
TOCJ-7172 Hank Mobley Quintet / Hank Mobley [BN1550 + 2]




 アート・ファーマー(tp)を除き、あとは元ジャズ・メッセンジャーズのメンバーという豪華アルバムに、別テイク2曲追加。
 晩年のチェット・ベイカーが好んで演奏した1曲「Funk In Deep Breeze」も収録。
 発売当時、まったく売れなかったためオリジナル盤が非常な高値で取引される1枚。



TOCJ-7173 ボーン&バリ/カーティス・フラー
TOCJ-7173 Bone & Bari / Curtis Fuller [BN1572]




 カーティス・フラーのブルーノート第2弾。
 トロンボーンとバリトン・サックスという珍しい2管編成、バックをソニー・クラークのトリオが務める、ややのほほんとした1枚。



TOCJ-7174 バード・イン・ハンド/ドナルド・バード
TOCJ-7174 Byrd In Hand / Donald Byrd [BN4019]




 ドナルド・バードのブルーノート第2弾は、3管編成による重厚なアンサンブルが聴きもの。
 発売当時、米ダウン・ビート誌のレビューにて最高評価(星)を獲得した1枚みたいです。



TOCJ-7175 ヘディン・サウス/ホレス・パーラン
TOCJ-7175 Headin' South / Horace Parlan [BN4062]




 コンガを従えた、ホレス・パーラン・トリオの人気盤。
 まずは踊れる人気曲「Congalegre」、そして「Low Down」のどす黒さを聴いて下さい。


アダムス・アップル+1/ウェイン・ショーター-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売2008/11/24 21:40

BN4232 - Adams Apple - Wayne Shorter

 ハービー・ハンコック参加、ウェイン・ショーターのワンホ-ン・アルバム。
 ジャズ・ロックの快演『Adam's Apple』、M・デイヴィス・クインテットでも名演を残した『Footprints』収録。
 このアルバム録音直前1965年12月末には、あの壮絶な『プラグド・ニッケル』でのライブ録音が行われておりますよ。


 『Adam's Apple』は、重厚なジャズ・ロックっす。
 ハービー・ハンコックの歯切れ良いバッキングにのり、ダークな音色で脱力気味のブローを展開するW・ショーター(笑)。
 まあ、しっかしハービーのテンションの高いこと・・・・・。


 しっとりとした3拍子の『502 Blues (Drinkin' And Drivin')』はピアニスト、ジミー・ロウルズ(Jimmy Rowles)の作品。
 ほんわか幻想的なムードの中でW・ショーター、空間に漂うようなフレーズを綴っていきます。


 『El Gaucho』は、歯切良いボサノ・ヴァ風リズムの1曲。
 ジョー・チェンバースの叩き出す『カッ!カッ!』と聴こえるリム・ショットが心地良いですなあ。


 『Footprints』は、6/8拍子のゆったりとしたテンポの曲です。
 茫漠としたW・ショーターのソロ、続くH・ハンコックは対照的に前のめり気味でテンション高め。

 ちなみにマイルス・デイヴィス・クインテットによる演奏は、1966年10月録音の『Miles Siles (Columbia)』に収録されてますね。


 『Teru』は、美しくも幻想的なスロー・バラッド。
 こういう耽美的な演奏は、ウェインとハービーのコンビにしか生み出せないでしょう。
 ここにマイルス・デイヴィス(Miles Davis)が加わると、もっとシニカルな演奏になるだろうし・・・・。


 ラストの『Chief Crazy Horse』 はオリジナル・ライナーによると、ややジョン・コルトレーン(John Coltrane)風味漂う曲。
 そういう視点で聴いてみると、ジョー・チェンバースのドラムが、あら、エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)風に聴こえて来る不思議(笑)。
 およっ!ソロでは、ハービー・ハンコックがマッコイ・タイナー(McCoy Tyner)風フレーズを・・・・(苦笑)。


 なお今回はボーナス・トラックとして、『The Collector』が追加収録されております。



Adam's Apple / Wayne Shorter Blue Note BN4232 [+ 1]

01. Adam's Apple (Wayne Shorter) * 6:44
02. 502 Blues (Drinkin' And Drivin') (Jimmy Rowles) 6:30
03. El Gaucho (Wayne Shorter) 6:29

04. Footprints (Wayne Shorter) 7:27
05. Teru (Wayne Shorter) 6:11
06. Chief Crazy Horse (Wayne Shorter) 7:34

07. The Collector

Wayne Shorter (ts) Herbie Hancock (p) Reggie Workman (b) Joe Chambers (ds)
Recorded on February 3(*) & 24, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7170 アダムス・アップル+1/ウェイン・ショーター
TOCJ-7170 Adam's Apple / Wayne Shorter [BN4232 + 1]


ザ・ケープ・ヴァーディーン・ブルース/ホレス・シルヴァー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売2008/11/21 22:57

BN4220 - Cape Verdean Blues - Horace Silver

 ウディ・ショウ(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)を擁するクインテットを主体に3曲だけJ.J.ジョンソン(tb)が加わる面白い編成の1枚。
 ウディの特性にピッタリな『The African Queen』というディープな1曲も収録。


 『The Cape Verdean Blues』は、3つの要素を掛け合わせて創ったリズミックな1曲。
 1つ目はカーボヴェルデ共和国に伝わるポルトガル民謡、2つ目はブラジルのサンバ、3つ目がアメリカのブルースとのこと。
 軽快なサンバ風のリズムに乗り、ややエキゾチックなテーマが演奏されます。
 いきなり『キョ!キョ!キョ!』と、擬音風フレーズで登場するホレスは絶好調ですなあ。


 スローテンポで徐々に盛り上がる『The African Queen』は、アフリカ民謡からヒントを得て創られた1曲。
 こういうディープな曲想は、ウディ・ショウのフレーズにピッタリ。ソロで陰影の濃い強烈なブローを展開します。
 ソロ最初に登場するジョー・ヘンダーソンも、抑え気味ながらフリー寸前のソロで応戦(笑)。

 『Pretty Eyes』は、ブルージーな3拍子のワルツで、テーマ後半におけるリズム隊の盛り上げ方が素敵な1曲。
 こんな盛り上げ方されたら、フロント陣はおもっきりブローする他、手が無いだろうなあ(笑)。ホレス、流石です。


 ☆後半3曲(LP時代はB面)では、超絶技巧のトロンボーン奏者J.J.ジョンソン(tb)が加わります。

 アンサンブル重視のアップテンポ・ナンバー『Nutville』は、ソロ一番手にJ.J.ジョンソン登場。
 ソロ部では、ホレスのバッキングで盛り上げ、後半でフロントのアンサンブルが登場する豪華さ。
 あとテーマ部は、フロント3管+ホレスのピアノで「4管風ハーモニー」に聴こえます。


 『Bonita』は、重厚なハーモニーが魅力的なミディアム・テンポの曲。
 ズンズンと突き上げるようなりズムにのり、ホレス・シルヴァーがレイドバック気味の渋いソロを展開します。


 ラストの『Mo' Joe』は、ジョー・ヘンダーソンの手による1曲。
 ただ事前の情報がないとホレスの曲だと勘違いしそうな程、演奏はホレス色に染まっております(笑)。
 ややトリッキーなテーマではありますが、ソロは結構吹きやすい感じがするなあ。
   3管に拡大したホレスですが、次作『The Jody Grind / Horace silver [BN4250]』からまた2管編成に戻してしまいます。  収録曲の半分だけ3管というのは、ホレスの想像以上の効果が無かったという事か・・・。
 ハーモニー重視で新機軸を創った3管編成ジャズ・メッセンジャーズと違い、リズムに工夫を凝らす方がホレスらしい気がします。

 なお米国ベスト盤CDのみに収録される『BNLA』時代の『Silver 'N' シリーズ』は、ヴァラエティに富んだお勧めな作品です。
 BOXセットでいいから、CD再発してくれないかなあ。


The Cape Verdean Blues / Horace Silver Blue Note BN4220

01. The Cape Verdean Blues (Horace Silver) 4:57
02. The African Queen (Horace Silver) 9:34
03. Pretty Eyes (Horace Silver) 7:28

04. Nutville (Horace Silver) * 7:12
05. Bonita (Horace Silver) * 8:35
06. Mo' Joe (Joe Henderson) * 5:45

Woody Shaw (tp) J.J. Johnson (tb-*) Joe Henderson (ts) Horace Silver (p) Bob Cranshaw (b) Roger Humphries (ds)
Recorded on October 1 & 22(*), 1965 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7169 ザ・ケープ・ヴァーディーン・ブルース/ホレス・シルヴァー
TOCJ-7169 The Cape Verdean Blues / Horace Silver [BN4220]




<付記>
 カーボヴェルデ共和国は、アフリカ西端ヴェルデ岬沖、約600㎞に位置する島国。

イン・ン・アウト+1/ジョー・ヘンダーソン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売2008/11/17 22:05

BN4166 - In N Out - Joe Henderson

 師匠ケニー・ドーハム(tp)も参加したジョー・ヘンダーション(ts)のブルーノート第3弾。
 リズム隊はJ・コルトレーン・カルテットがらみのマッコイ・タイナー(p)、リチャード・デイヴィス(b)、エルビン・ジョーズ(ds)であります。


 1曲目タイトル・トラック『In 'N Out』は、緊張感溢れるアップテンポの曲。
 この演奏はまさに、80年代にブルーノートから登場した新伝承派『O.T.B.』とダイレクトに繋がるのではないでしょうか。
 演奏密度の増したRVGリマスター盤を聴いていると、途中から『O.T.B.』の演奏がダブって聴こえてきます。

 『Punjab』は何と言うかスケールの大きい、モード調のクールな1曲。
 雄大かつ破天荒なJ・ヘンダーソン、艶のある伸びやかな音色を奏でるK・ドーハムとフロント陣の演奏は絶好調。


 『Serenity』は、やや哀愁漂う1曲。ケニー・ドーハムが書きそうなパターンの曲かな。
 ソロは、さりげなく高速フレーズを連発するマッコイ・タイナーのピアノが一番の聴き所か・・・。

 『Short Story』は、ケニー・ドーハムの作品。
 名曲『Blue Bossa』に通じるマイナー調で、リズミックな1曲。

 『Brown's Town』もケニー・ドーハムの作品。
 1963年4月録音『Una Mas / Kenny Dorham [BN4127]』に収録された『Sao Paulo』の続編的な1曲です。


 なお今回はボーナス・トラックとして『In 'N Out -alternate take-』が追加されております。


In 'N Out / Joe Henderson Blue Note BN4166 [+ 1]

01. In 'N Out (Joe Henderson) 10:21
02. Punjab (Joe Henderson) 09:05

03. Serenity (Joe Henderson) 06:13
04. Short Story (Kenny Dorham) 07:08
05. Brown's Town (Kenny Dorham) 06:20

06. In 'N Out (Joe Henderson) -alternate take- 09:15

Kenny Dorham (tp) Joe Henderson (ts) McCoy Tyner (p) Richard Davis (b) Elvin Jones (ds)
Recorded on April 10, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7166 イン・ン・アウト+1/ジョー・ヘンダーソン
TOCJ-7166 In 'N Out / Joe Henderson [BN4166 + 1]


インヴェンションズ・アンド・ディメンションズ+1/ハービー・ハンコック-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売2008/11/14 21:13

BN4147 - Inventions And Dimensions - Herbie Hancock

 ハービー・ハンコックの『ピアノ・トリオ+パーカッション』盤です。
 珍しい編成ながら、なかなか聴き応えのある1枚。なので私は一時期、集中的に聴いておりました。

 ピアニストがリーダーの作品というよりはドラマー、パーカッショニストがリーダーに聴こえる作品。
 そのため、BNLA時代には『Succotash / Herbie Hancock - Willie Bobo [BN-LA 152-F]』としてAB面逆にして発売された事もあります。


 『Succotash』は、簡単なモチ-フを元に淡々と進んで行く6/8拍子の曲。
 藪の中でガサガサと音をたてている謎の物体が、時々姿を現すような・・・まあ摩訶不思議な1曲。

 『Triangle』は、「4/4拍子~12/8拍子~4/4拍子」と移行していくミディアムテンポの曲。
 ピアノ・トリオによるモーダルな演奏から始まり、12/8拍子へ移行した所から軽快なパーカッションが加わります。
 最後は4/4拍子に戻りつつ、クールな演奏で締めます。
 『Jack Rabbit』は乾いたパーカッションの響きが小気味良い、アップテンポな1曲。
 新主流派ピアニスト、ハービー・ハンコックの魅力を十分堪能出来るトラック。
 特にオクターブの違うフレーズを、両手で同時に高速にて弾き倒す部分は、何度聴いても圧倒されます。

 『Mimosa』は、ハービーと、P・チェンバースがそれぞれ用意したパートを元に展開される美しい曲。
 ハービーの用意したパートは、マイルス・デイヴィスとのコラボレーションから生まれたものだとか。

 『A Jump Ahead』は、4小節+16小節で展開される曲。
 頭の4小節でポール・チェンバースが弾いたコードを元に残り16小節を展開していくという、演奏する側とっては刺激的な演奏方法だろう。


 なお今回はボーナストラックとして『Mimosa -alternate take-』が追加されております。


Inventions and Dimensions / Herbie Hancock Blue Note BN4147 [+ 1]

side A (LP Version)
01. Succotash (Herbie Hancock) 07:39
02. Triangle (Herbie Hancock) 11:00

side B (LP Version)
03. Jack Rabbit (Herbie Hancock) 05:58
04. Mimosa (Herbie Hancock) 08:36
05. A Jump Ahead (Herbie Hancock) 6:36

bonus track
06. Mimosa (Herbie Hancock) -alternate take-

Herbie Hancock (p) Paul Chambers (b) Willie Bobo (ds, tim)
Osvaldo "Chihuahau" Martinez (conga, bongo, finger cymbal, guiro)
Recorded on August 30, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7165 インヴェンションズ・アンド・ディメンションズ+1/ハービー・ハンコック
TOCJ-7165 Inventions and Dimensions / Herbie Hancock [BN4147 + 1]


バック・オン・ザ・シーン/ ベニー・グリーン-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売2008/11/10 22:20

BN1587 - Back On The Scene - Benny Green

 カーティス・フラーと入れ替わりに登場したトロンボーンのベニー・グリーン。
 セロニアス・モンクの盟友チャーリー・ラウズを相方に、『I Love You』などの名曲をほのぼのと演奏しております。
 ほんわかムード漂う中、当初の予想に反して愛聴している(笑)一枚。


 ブルーノート側は予定調和気味(笑)な展開を見越してか、ヴァラエティに富んだ曲調を用意。
 しっかりしたアレンジにのり、ベニー・グリーンののほほんとしたソロが繰り広げられて行きます。
 相方を務めるチャーリー・ラウズも、お得意のフレーズ(ワン・パターンともいう)を随所に披露。演奏を盛り上げます。


 『I Love You』は、ラテン風味でほんわかムード満点な1曲。
 こういう雰囲気の『I Love You』もなかなかオツなものだなあ。


 『Melba's Mood』は、やや中近東風味の一曲。
 闇夜のホールに響き渡るかのような茫漠としたトロンボーンが心に染みてきます。
 作曲を担当したメルバ・リストン(Melba Liston)は、B・グリーンと同じくトロンボーンを演奏する女性作編曲者です。
 D・ガレスピー楽団、そしてクインシー・ジョーンズ楽団にも在籍していた模様。


 『Just Friends』は、チャーリー・パーカーらの演奏で御馴染みの1曲。
 ・・・・ほのぼの(笑)演奏しております。


 『You're Mine You』は、ミディアム・テンポの沁みるバラッド。
 オリジナル・ライナーを読むと、『The Eminent Jay Jay Johnson Vol.2 [BN1506]』でも演奏してるよ!との記述が・・・(笑)。

 『Bennie Plays The Blues』はアップテンポのブルース。  ジャム・セッションにぴったりな曲調にのり、それぞれが快適にブローしていきます。

 『Green Street』はラストに相応しく、やや哀愁帯びた1曲。
 作曲は『Melba's Mood』と同じく、メルバ・リストン(Melba Liston)が担当しております。


Back On The Scene / Bennie Green Blue Note BN1587

01. I Love You (Cole Porter) 6:02
02. Melba's Mood (Melba Liston) 5:31
03. Just Friends (Lewis-Klenner) 6:58

04. You're Mine You (Heyman-Green) 5:14
05. Bennie Plays The Blues (Bennie Green) 8:23
06. Green Street (Melba Liston) 5:09

Bennie Green (tb) Charlie Rouse (ts) Joe Knight (p) George Tucker (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on March 23, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7154 バック・オン・ザ・シーン/ ベニー・グリーン
TOCJ-7154 Back On The Scene / Bennie Green [BN1587]




カーティス・フラー Vol.3/カーティス・フラー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売2008/11/07 21:12

BN1583 - Curtis Fuller Vol 3

 ハード・バップ・トロンボーンの人気者、カーティス・フラーの2管編成による好アルバム。

 叙情的な演奏を得意とするアート・ファーマーを相方に従え、ピアノにはソニー・クラークが参加する1枚。
 メンバーをよーく見ると、1957年11月10日に録音された『Cliff Craft / Cliff Jordan [BN1582]』からリーダーが入れ替わっただけ(笑)だったりします。
 演奏全体に漂う雰囲気が、当時のホレス・シルヴァー・クインテット風だったりするのが面白い所。

 『Little Messenger』は、タイトル通り「ジャズ・メッセンジャーズ風」な1曲。
 多分、ホレス・シルヴァーが在籍した頃の『初期メッセンジャーズ』をイメージしたのでしょうね。

 ソロ最初に登場するは、ソニー・クラーク。唸り声をあげながらシングルトーンによる長めのソロを披露します。
 A・ファーマーのソロに続くのはC・フラー。  途中、『ジェリコの戦い』や『朝日の如くさわやかに』のフレーズを引用して余裕たっぷりにソロを締めくくります。


 『Quantrale』は、アフロ-キューバン調の哀愁漂う1曲。
 何と言うか・・・・映画の幕間にBGMで流れていそうな曲ですね。

 『Jeanie』は、シャッフル・ビートのゆったりした曲。
 テーマ部でテーマを吹くC・フラーにさり気なく絡むA・ファーマーが小粋。

 『Carvon』は、C・フラーがビクター・ヤングが音楽を担当した西部劇映画から着想を得て作った曲。
 イントロは、トロンボーンとベースの弓弾きによるデュオ。
 その叙情的に繰り広げられる長ねのイントロから、リズム隊が入るとやや早めのビートを刻み出します。
 そしてリラックス雰囲気の中、アート・ファーマーの美しいソロが際立って聴こえます。
 S・クラークのソロは、なんとなく『Cool Struttin' / Sonny Clark [BN1588]』を思わせる展開がGOOD。

 『Two Quarters Of A Mile』は、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)に捧げた1曲。
 C・フラーのソロあと、A・ファーマー~S・クラークと叙情的な演奏を得意とするメンバーの華麗なソロが続きます。

 ラストの『It's Too Late Now』は名コンビ、ラーナー(作詞)&レーン(作曲)による1曲。
 最初のフロント2管によるアンサンブルが素敵な曲です。
 この位のテンポだと、トロンボーンののほほんとした音色がいっそう冴えて聴こえます。


Curtis Fuller Volume 3 / Curtis Fuller Blue Note BN1583

01. Little Messenger (Curtis Fuller) 6:19
02. Quantrale (Curtis Fuller) 6:11
03. Jeanie (Curtis Fuller) 6:47

04. Carvon (Curtis Fuller) 6:55
05. Two Quarters Of A Mile (Curtis Fuller) 6:29
06. It's Too Late Now (Lane-Lerner) 6:54

Art Farmer (tp) Curtis Fuller (tb) Sonny Clark (p) George Tucker (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on December 1, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7153 カーティス・フラー Vol.3/カーティス・フラー
TOCJ-7153 Curtis Fuller Volume 3 / Curtis Fuller [BN1583]