早世した”ピアノの妖精”-Pianism / Michel Petrucciani [Blue Note BT 85124]2007/04/15 20:51

Blue Note BT 85124 - Pianism / Michel Petrucciani

 加持です。
  T.ウィリアムス(ds)に続いては、フランス出身のピアニスト「ミッシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)」です。
 1999年に惜しくも亡くなってしまいましたが、先天性の骨疾患「大理石病」と闘いながら世界中を飛び回っていたパワフルな彼のことを”ピアノの化身”と称える人もいましたね。
 その容貌と美しいピアノの演奏を聴いていると、何だかふと”ピアノの妖精”と言う言葉が頭に浮かんできました。


 とにかく全編でペトルチアーニの弾くピアノのハーモニーの新鮮で美しいこと!フランス人らしい演奏といった方がしっくりくるかな?
 病気と闘いながら「まだ生きて演奏出来る喜び」みたいなものが、ダイレクトに伝わってくる作品です。


 約2分間のピアノソロから始まる「The Prayer」はまるで、晴れ渡る朝の高原を吹き抜ける風のように、爽やかなナンバーです。
 続く「Our Tune」は、ドラム&ベースが活躍する躍動感いっぱいのナンバー。
 3曲目「Face's Face」は、バップ調の懐かしいテーマの曲ですね。最後のテーマに戻る直前、ドラムとの8小節にわたるソロ交換が聴けます。

 LP時代はB面だった、いきなり急速調のピアノソロから始まる「Night and Day」では、海原を疾走するかの様なピアノプレイが心地よいですね。
 5曲目の「Here's That Rainy Day」では雨の中、長靴を履いた子供達が楽しそうに歩く光景がふいに浮かんできました。

 最後の「Regina」はミッシェル・ペトルチアーニの演奏の本質を表現するかのような、美しい中にも力強さを感じることが出来る曲です。


●Pianism / Michel Petrucciani (Manhattan) Blue Note BT 85124

01. The Prayer (M.Petrucciani)
02. Our Tune (M.Petrucciani)
03. Face's Face (M.Petrucciani)

04. Night and Day (Cole Porter)
05. Here's That Rainy Day (J.V.Heusen-J.Burke)
06. Regina (M.Petrucciani)

Michel Petrucciani (p) Palle Danielsson (b) Eliot Zigmund (ds)
Recorded on December 20, 1985 at RCA Studio C, NYC


●おまけ
 丁度今、TVモニターにはこのアルバムと録音月が同じで、同じメンバーによる「ビレッジ・バンガード」で収録されたライブLD(レーザーディスク!)を流しているのですが、パワフルかつ美しいメロディーを紡ぎ出す彼の動く姿を見ていると、キーボードの動きが止まりますね。
 蛇足ですがLDのライナーノート、留学生時代にオーナーの許しを貰い「ビレッジ・バンガード」にフリーパスで入れたという小川隆夫さんです。


●amazon で購入出来るCDです。

●Pianism (UK 輸入盤)
Pianism
●Pianism (東芝EMI)
ピアニズム
●Blue Note 時代の録音のBOX SET
Complete Recordings of Michel Petrucciani