新・ブルーノートRVGコレクション第2回より-フィンガー・ポッピン-ホレス・シルバー・クインテット2007/07/29 08:02




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 お次はブルーノートの稼ぎ頭、ホレス・シルバー(Horace Silver)が新生クインテットを引き連れてご登場です。


 このレコーディングに関しては、ジュニア・クック(Junior Cook)が1983年のニューヨークで、おもしろいコメントを残しています。
 小川隆夫さんの著『ブルーノートの真実(東京キララ社発行)』から抜粋しますと、こんな感じです。

 『レコーディングが最初だった。それ以前にあのメンバーでライブはやってない。リハーサルに呼ばれて、ホレスの曲をいくつか練習して、数日後にスタジオに入ったんだ。そしてクインテットは、翌日から東海岸一帯のツアーに出たんだよ』


 まさにこのアルバムから、爆発的な人気が出る”新生クインテット”が誕生した訳です。

 トランペットはアート・ファーマー(Art Farmer)の代わりにブルー・ミッチェル(Blue Mitchell)が、テナー・サックスはクリフ・ジョーダン(Cliff Jordan)の代わりにジュニア・クック(Junior Cook)が入り、ここから新生ホレス・シルバー・クインテットの快進撃が始まります。

 新生クインテットでは、これまで以上に愉快なビック・バンド風アンサンブル(セカンド・リフ)が挟まれる曲を演奏しており、これにフロントの2人も痛快・豪快なソロで応えています。ほんとハッピーな曲ばかりですので、アメリカで人気が出たのもうなずけますね。


●フィンガー・ポッピン/ホレス・シルバー・クインテット TOCJ-7016


●Finger Poppin' With The Horace Silver Quintet / Horane Silver TOCJ-7016

01. Finger Poppin' (Horace Silver)
02. Juicy Lucy (Horace Silver)
03. Swingin' The Samba (Horace Silver)
04. Sweet Stuff (Horace Silver)

05. Cookin' At The Continental (Horace Silver)
06. Come On Home (Horace Silver)
07. You Happned My Way (Horace Silver)
08. Mellow D (Horace Silver)

Blue Mitchell (tp -omit 4,7) Junior Cook (ts -omit 4,7)
Horace Silver (p) Gene Taylor (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on January 31, 1959 at Rudy Van Gelder Stuio, N.J.




おまけ
 ねじれ気味のアクセントの付いたテーマ部、ビックバンドのようなセカンド・リフ(場合によってはテーマに戻る直前にサード・リフもある)。聴くには楽しいですが、フロント2人で演奏するには大変だったと思います。
 学生時代、ホレスの「マイナス・ワン楽譜」を入手してちょっと演奏してみたことがありますが、独特のアクセントが面倒で、かなりてこずった記憶があります。

新・ブルーノートRVGコレクション第2回より-フュエゴ-ドナルド・バード2007/07/30 00:01




 お次はトランペット3人衆【(C) 小川隆夫さん】の1人、ドナルド・バード(Donald Byrd)の大人気盤「フュエゴ(Fuego)」です。


 ちなみに他の2人は、フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)とリー・モーガン(Lee Morgan)だそうです。

 ドナルド・バードは、ケニー・ドーハムの代わりに「ジャズ・メッセンジャーズ」に入団しています。その後「ホレス・シルバー・クインテット」に参加するなど、以前からゴスペル調のプレイをしていた訳です。

 そんな彼に、あえてリーダー作でゴスペル調の演奏をするように勧めたのは、オーナーのアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)だったそうです。


 そのあたりの経緯をまた小川隆夫さんの『ブルーノートの真実(東京キララ社発行)』から引用します(小川さん、たびたびすいません)。

 「わたしの持ち味を、うまい具合に引き出してくれたのがアルフレッドだ。自分としては、作曲に力を入れて、アレンジにも凝った音楽を演奏したいと思っていたが、彼はブルージーな演奏をするように命じた。実は子供の頃に教会でゴスペルの合唱団に入っていたから、その手の演奏も得意だった。ホレスのバンドにいたときは、ブルージーな演奏をよくやっていたしね。そこにアルフレッドは目をつけたんだと思う。」
 ★1987年、ニューヨークでのインタビューより

 もう少し補足すると、バードのお父さんは、牧師さんだったらしいです。それなら、ゴスペル音楽が体に染み付いてますわな(なぜか関西調)。


 ・・・そんで、自分の出自を高らかに「カミング・アウト」したのがこの大人気アルバム「Fuego」です。

 印象的なリズムパターンから始まる「Fuego」、一転してバップ調の「Bup A Loup」、録音当日にヘッド・アレンジで演奏された(らしい)ファンキー・ブルース「Funky Mama」と、A面(LP時代は!)3曲はあっと言う間です。

 B面(LP時代は!)もゴスペル・ファンキー調の曲が続きますが、やはりラストの「Amen」がいいですね。
 ハッピーな雰囲気の中、リズム・セクションとフロントが「コール&レスポンス」を繰り返すこのナンバー、なんかジャズ・メッセンジャーズの「Moanin'」と「Blues March」を足して2で割った感じもしますね。

●フュエゴ/ドナルド・バード TOCJ-7017


●Fuego / Donald Byrd TOCJ-7017

01. Fuego (Donald Byrd)
02. Bup A Loup (Donald Byrd)
03. Funky Mama (Donald Byrd)

04. Low Life (Donald Byrd)
05. Lament (Donald Byrd)
06. Amen (Donald Byrd)

Donald Byrd (tp) Jackie McLean (as)
Duke Pearson (p) Doug Watkins (b) Lex Humphries (ds)
Recorded on October 4, 1959 at Rudy Van Gelder Stuio, N.J.


●おまけ
 ホレスのライブでもお馴染みのジャズ・クラブ「ヴィレッジ・ゲイト(Village Gate)」では、メインが「ジャズ・メッセンジャーズ」で、サブを「ドナルド・バード・クインテット」にして2週間出演させたところ、バードのクインテットの方が人気があったそうです。

 それで契約を2週間延長して、メインとサブを逆にしたら、もっとお客さんが入ったとか・・・(~~)。

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新・ブルーノートRVGコレクション第2回より-バック・トゥ・ザ・トラックス&ディッピン2007/07/31 00:00




 加持です。新RVGシリーズの2回発売分、(確か)以前ご紹介したもの2枚をまとめて。


★まずはLP時代のお蔵入りから一転、定番売れ筋CDとなった「Back To The Tracks」です。


 先日何気に自宅を確認したら、LP1枚(東芝の特典)、CD2枚(米盤コニサーと東芝RVG紙ジャケ)ありました・・・この所有枚数で、どんだけ私がこのアルバムを好きか、お察し下さい。

 ブルージーな演奏を得意とするメンバーに囲まれ、ティナのエキゾチックなテナーが一層引き立っております。

 マクリーン&ティナのソウルフル・コンビ(2曲目のみ)、ブルー・ミッチェル(Blue Mitchell)&ティナのブルージー・コンビのいずれも印象的ですね。


 しかし、アルフレッドがこのブルーノートらしいソウルフルなアルバムを、お蔵入りにした理由は何だったのでしょう?

 彼が麻薬で体を壊してしまい、ニューヨークで活動出来なくなってしまった為でしょうか(私の推測です)。


●TOCJ-7018 バック・トゥ・ザ・トラックス/ティナ・ブルックス


●Back To The Tracks / Tina Brooks TOCJ-7018

01. Back To The Tracks (Tina Brooks)
02. Street Singer (Tina Brooks)

03. The Blues And I (Tina Brooks)
04. For Heavens Sake (Meyer-Bretton-Edwards)
05. The Ruby And The Pearl (J.Livingston-R.Evans)

Blue Mitchell (tp) Jackie McLean (as - 2 only) Tina Brooks (ts)
Kenny Drew (p) Paul chembers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on September 1(2) & October 20, 1960





★お次は、ジャズ喫茶の大人気盤「ディッピン(Dippin')」です。


 何といっても日本での大人気盤「リカード・ボサ・ノヴァ(Recard Bossa Nova)」ですね。この曲は別タイトル「The Gift」としても知られています。

 しかし、フロントの”M&M(Morgan & Mobley)”コンビ、絶好調ですね。

 あとリー・モーガンの他のアルバムでお馴染みのメンバー、マッコイ・タイナー系のピアニスト、ハロルド・メイバーン(Harld Mabern)と、ビリー・ヒギンズ(Billy Higgins)も、ツボを抑えたバッキング、素敵です。


●ディッピン/ハンク・モブレー


●Dippin' / Hank mobley

01. The Dip (Hank Mobley)
02. Recard Bossa Nova (Djalma Ferreiro)
03. The Break Through (Hank Mobley)

04. The Vamp (Hank Mobley)
05. I See Your Face Before Me (A.Schwartz-H.Deitz)
06. Ballin' (Hank Mobley)

Lee Morgan (tp) Hank Mobley (ts)
Harld Mabern (p) Lary Lidley (b) Billy Higgins (ds)
Recorded on June 18, 1965


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