「Eternal Spirit」 -A.ヒル追悼(5)2007/04/29 01:20

Eternal Spirit - Andrew Hill  [Manhattan Blue Note()]

 加持です。まずはA.ヒル関連の情報サイト再掲です。

●米ブルーノートの公式HP。ニュースページにアンドリューへの追悼文を掲載。
http://www.bluenote.com/
●アンドリュー・ヒル自身のオフィシャルサイト(豊富なライブ音源などを無料視聴OK!)。
http://www.andrewhilljazz.com/


 4枚目は新生ブルーノートから発売された「Eternal Spirit」です。
 まずヒルのデビュー当時に競演しているB.ハッチャーソン(vibs)の参加がうれしいですね。
 あとグレッグ・オズビー(as)の演奏、意外とハマッてます。ちょっとE.ドルフィー(as, bcl, fl)みたいで・・・。

 「マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル'86」から約3年後の1989年、このアルバムでA.ヒルは新生ブルーノート復帰を果たしました。
 ここでようやく、(1987年に死去した)アルフレッド・ライオン最後の願いが叶えられた訳です・・・。


 ・・・実は3曲目の「Samba Rasta」は、何故かここ1ヶ月集中的に聴きたくなったA.ヒル(p)のナンバーです。今思い起こすと、ヒルの迫り来る死に感応しているようで怖いですが・・・。

 曲調は、レゲエとサンバをフュージョン(混合)した「哀愁のラテン・ナンバー」なのかな?「Samba Rasta」はシングル盤を切って発売したい程、キャッチーな(憶え易い)テーマですね。何度聴いても飽きが来ないのは何故でしょうか・・・。

 さらにハッチャーソンとヒルが、ソロで結構泣かせるフレーズを聴かせてくれます。


 欲を言えば全編、「Samba Rasta」調の曲で固めて欲しかった・・・A.ヒルの耽美な演奏を好む方なら、この1曲だけ聴く為に購入しても十分おつりが来るアルバムだと思います。


●Eternal Spirit / Andrew Hill Blue Note CDP 7 92051 2

01. Pinnacle (Andrew Hill)
02. Golden Sunset (Andrew Hill)
03. Samba Rasta (Andrew Hill)
04. Tail Feather (Andrew Hill)
05. Spiritual Lover (Andrew Hill)
06. Bobby's Tune (Andrew Hill)

07. Pinnacle (Andrew Hill) - Alternate Take -
08. Golden Sunset (Andrew Hill) - Alternate Take -
09. Spiritual Lover (Andrew Hill) - Alternate Take -

Greg Osby (as) Bobby Hutcherson (vibs) Andrew Hill (p) Rufus Reid (b) Ben Riley (ds)
Recorded on January 30(4,6-9) & 31(1-3,5), 1989 at Rudy Van Gelder Studio, NJ


●「Eternal Spirit」US盤(1989)
※アマゾンでコレクターズ価格のみ
Eternal Spirit
 


1986年マウント・フジでのライブ盤!-OTB Live At Mt. Fuji [Blue Note BST 85141]2007/04/23 22:51

BST85141 OTB Live At Ft.Fuji

 加持です。A.ライオンの希望で、1986年のマウント・フジにも出演したアンドリュー・ヒル(Andrew Hill)が、現地時間20日に肺ガンのため75歳で亡くなったそうです。
 つい最近、「新生ブルーノート」に戻ってきたばかりで、旧譜の復刻も順調に進んでいたのに・・・・本当に残念です。
 そんな訳で今、手持ちのCDを片っ端から聴いています。一通り聴き終わったら、好きなアルバムをランダムに紹介して、私なりの追悼としたいと思いますが、まずはこちらのけりをつけましょう・・・。


 さて、日本に舞台を拡大した新生ブルーノートは1986年8月末、山梨県の山中湖畔で3日間に渡り繰り広げられたライブ・プログラムから1枚だけアルバムを発売します。それが「OTB Live At Mt.Fuji」です。

 当日のプログラムは前半、リズム・セクションのみで「バド・パウエルに捧げる」プログラムを演奏します。

 ピアノのハリー・ピケンズは、アップテンポの1曲目「A Parisian Thoroughfare」からパウエル風の流暢なタッチの演奏を聴かせます。まさにバリー・ハリス(p)の「At The Workshop (Riverside)」を再現したような感じで。

 で、一番の聴き所はやはり、ピアノ・ソロによる「虹の彼方に(Over The Rainbow)」でしょう。
 多少走り気味で落ち着きの無い「オリジナル演奏」に比べスロー気味で、会場いっぱいに響き渡るかのような演奏は気持ちイイデスネ。

 なお全ての演奏は、バド・パウエル(p)本人がブルー・ノート・レコードに残した演奏のフォーマットを可能な限り忠実に再現しているので、オリジナルと聴き比べてみるのも一興かと思われます。


 後半は、OTBのメンバー全員揃って、メンバーのオリジナルを3曲演奏します。内、2曲は2枚目のアルバム「Inside Track」からで、テーマ曲の「OTB」のみデビューアルバムの収録曲です。
 まずスタジオ録音よりもリズム陣(特にドラム)のキメが多くなっており、1年でメンバー全員が急成長している事を実感出来ますね。

 最後の「OTB」、ハリー・ピケンズ(p)がソロの途中に「朝日のようにさわやかに」の1節を挟むのですが、気づいた一部のお客さんが歓声で応えています。いいですねーこの一体感。


●OTB Live At Mt. Fuji Manhattan Blue Note BST 85141

01. A Parisian Thoroughfare (Bud Powell) [trio] 03:31
02. Celia (Bud Powell) [trio] * 04:45
03. Over The Rainbow (H.Arlen/E.Y.Harburg) [piano solo] * 03:04
04. Blue Pearl (Bud Powell) [trio] 04:43

05. Nathan Jones (Ralph Peterson) 11:23
06. Elevation (Ralph Bowen) 11:39
07. OTB (Michael Philip Mossman) 11:35


OTB featuring Harry Pickens Trio [Tribute to Bud Powell]

Michael Philip Mossman(tp) Kenny Garrett(as) Ralph Bowen(ts)
Harry Pickens(p) Kenny Davis(b) Ralph Peterson(ds)

Recorded on August 31,1986 (Sun) 1st set/3rd Day

* Does not appear L.P. configuration


●おまけ

 成田正氏の作成したWEBデータベースで検索すると、アルバム収録曲の他に、「All God's Children Got Rhythm」「Un Poco Loco (Bud Powell)」が演奏されたそうです。
 「Un Poco Loco」におけるR.ピーターソンのドラム、是非聴いてみたいですね。マックス・ローチ(ds)のようにカウベル使ったのかな?


 次回は、東芝EMIから発売された「ライブ映像」のレーザーディスク2枚を紹介する予定でしたが、アンドリュー・ヒル(p)のアルバム紹介に切り替えます。
 何せ「ブルーノート・レコード」内で、私が最も好きで追いかけたピアニスト・作曲家ですから・・・。

●OTB Live At Mt.Fuji (amazon)
Live at Mt. Fuji

3人の音楽匠達-Power of Three / Michel Petrucciani [Blue Note BST 85133]2007/04/20 05:31

BN85133 Power Of Three - Michel Petrucciani

 加持です。今日はちょっと暖かいですね。


 M.ペトルチアーニ(p)の2作目は、1986年7月にスイスで開催された有名なモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音です。
 モントルーで真っ先に思い出すのが「お城のジャケット」、1968年のビル・エバンス・トリオのライブ録音(Verve)ですか・・・。

 ちなみにその年はフェスティバル開催20周年を記念して、E.クラプトン、D.サンボーン、G.ベンソン、M.デイビス、H.ハンコック、G.デュークなどの大物が参加していました。いやー凄いメンツですね。


 基本的にはJ.ホール(g)とのデュオなのですが、何曲かにW.ショーター(ts, ss)が参加しています。


 さて始めにこのライブ・アルバム、1962年に録音された「Undercurrent / Bill Evans & Jim Hall (Liberty UAJS 15003)」を比較されることが多いようです。
 しかし、ピン!と張り詰めた緊張感漂う24年前の演奏とは異なり、ひたすら陽気で、ライブならではのリラック・ムード漂う作品に仕上がっております。


 どの曲もそれぞれ聴き応えがあるのですが、中でも最後の2曲がいいですね。

 デュオで演奏されるD.エリントンの作のバラッド「In a Sentimental Mood」では、M.ペトルチアーニ(p)とJ.ホール(g)の和やかなインタープレイが楽しめます。
 特にシングルノートで綴られるピアノ・ソロ、「明るいビル・エバンス」とでも喩えれば良いのかな?美しいですね。

 3人揃っての「Bimini」は、楽しい祝祭の最後を締めくくるに相応しいミディアム・テンポのナンバーです。
 演奏中ずっと聴こえるJ.ホールの何気ないコード・ストローク、思わず「いよっ!名人芸!」と声を掛けたくなりますね。


 会場内の反応(拍手)も、非常に友好的な雰囲気のようです。現在、映像版(DVD)も発売されているので、三人の「音楽匠の技」どちらかお好きな方でお楽しみ下さい。

●Power of Three / Michel Petrucciani Manhattan Blue Note BST 85133

01. Limbo (W.Shorter) *
02. Careful (J.Hall)
03. Morning Blues (M.Petrucciani) *

04. Waltz New (J.Hall)
05. Beautiful Love (Gillespie-Young-King-Van Alstyne)

06. In a Sentimental Mood (M.Kurtz-I.Mills-D.Ellington)
07. Bimini (James S.Hall) *

Wayne Shorter (ss, ts -*) Jim Hall (g) Michel Petrucciani (p)
Recorded on July 14, 1986 at'Montreux Jazz Festival', "Casino de Montreux", Switzerland

※04,05の2曲は、LP(BST85133)未収録です。

●2003年に再発されたUK盤です。
Power of Three
●リージョン1(北米仕様)のDVDです。


「晴天の霹靂」第2幕-Inside Track / Out Of The Blue [Blue Note BST 85128]2007/04/19 06:01

BST85128 Inside Track - O.T.B.

 加持です。春なのに・・・なんだか寒いですね。

 O.T.B.(Out Of The Blue)の2作目です。
 マウント・フジ・ジャズフェスティバル来日時(87年?)、「O.T.B.は、"Off The Bus"の略だ!」とM.モスマンがジョークで言っていたそうです(~~)。

 このアルバムはデビューアルバムから1年後に録音されたもので、1年で急成長を遂げたバンドの素晴らしい演奏が(アンサンブルも)堪能出来ます。

 1作目と比較すると、まずグループとしてのまとまりが素晴らしくなっており、作曲やアンサンブル面も飛躍的に向上しております。

 曲はR.ボーエン(ts)、M.モスマン(tp)、R.ピーターソン(ds)の3人がそれぞれ2曲ずつ持ち寄り、その他、タッド・ダメロン(p, arr)の作品が取り上げられています。


 まずはラルフ・ボーエン(ts)の作品から。

 いかにもオープニング・ナンバーといった風情の「Inside Track」は、テーマ部からR.ピーターソンの切れが良いドラムを堪能出来ます。
 ゆったりとしたリズムに綺麗なアンサンブルがからむラストの「Elevation」は、H.ハンコック(p)の「Speak Like A Child」にも通じるしっとりとした叙情感漂うナンバーです。


 次にマイケル・モスマン(tp)の作品を。

 テーマ部に、”ビックバンドのリフ”の如く”強烈な強弱”付けた「Cherry Pickens」は、ソロの合間にも他の管楽器奏者がバック・リフが入るので、「ビックバンド」か「3管ジャズ・メッセンジャーズ」がお好きな方(私も含む)にお勧めです。
 もう1曲「Isolation」は、M.モスマンのフィーチャー・ナンバーです。彼のふくよかな音色のゆったりとしたソロが楽しめます。


 最後に私の大好きな、ラルフ・ピーターソン(ds)を。

 ミディアム・テンポの「E Force」は、ストップ・タイム(曲の途中で演奏を止める)が効果的に使われていて、ドラム奏者が好きそうなナンバーです。ソロで、ちょっとF.ハバード(tp)しているM.モスマンも素敵です。
 アップテンポの「Nathan Jones」は、ストップ・タイムに加え、後半にラテン風味のリズムが出てくるリズミックなナンバーです。ドラムセットをフルに叩きまくるラルフが圧巻です。
 途中、B.ハースト(b)のソロを挟み、最後にラルフがお得意のフレーズを混ぜつつ、たっぷりとソロを取ります。


 タッド・ダメロンの「Hot House」はピアノ・トリオによる演奏です。

 テーマを飛ばしていきなりソロから入っており、一番最後のテーマで「ああ、ホット・ハウスだったのか」 とオチがつく、と言った感じですかね。
 この曲は、P.J.ジョーンズ(ds)がリーダー勤めたT.ダメロンの作品を演奏するバンド、ダメロニアに参加していたドン・シックラー(tp, arr)あたりの影響でしょう、多分。

 ああ、P.J.ジョーンズで思い出しましたが、ピアニストのエルモ・ホープ(Elmo Hope)が「Hot Souce」という曲を作曲してますね。確か、ブルーノートの5000番台で聴けたような・・・昔、曲名をよく間違えました(~~)。


 近年では、「O.T.B.」のようなバンドを聴くことがないのが寂しい限りです。

 日本の「大坂-原クインテット」も実質的なレギュラー活動を停止してしまっていますし・・・あ、あんまり聴きませんが日本のバンド、「PE'Z」は良いですね。


●Inside Track / Out Of The Blue Manhattan Blue Note BST 85128

01. Inside Track (Ralph Bowen) 5:45
02. Cherry Pickens (Michael Phillip Mossman) 6:21
03. Hot House (Tadd Dameron) 6:37
04. E Force (Ralph Peterson) 5:14
05. Nathan Jones (Ralph Peterson) 7:41
06. Isolation (Michael Phillip Mossman) 7:01
07. Elevation (Ralph Bowen) 6:09

Michael Phillip Mossman (tp) Kenny Garrett (as) Ralph Bowen (ts)
Harry Pickens (p) Bob Hurst (b) Ralph Peterson (ds)
Recorded on June 19 & 20, 1986 at RCA Studio C, NYC


●おまけ
 1985年大晦日のコンサート(公共ラジオ放送(PBS)を通じて全米に放送)で全米デビューした彼らは、1夜にして期待の「新人バンド」として聴衆の注目を集めたようです。正に「晴天の霹靂(Out Of The Blue)」のデビューライブだったのでしょうね。
 CDのライナーを読むと、筆者の小川隆夫さんは「大晦日に行われたライブのリハーサル(12/28-12/30)」を見学していたそうなので、今度機会があればその様子を詳しく聞いてみようと思ってます。


●Inside Track (amazon)
Inside Track

”あの夜”を再び-The State Of The Tenor Live At The Village Vanguard Vol. 1&2 / Joe Henderson Blue Note BST 85123/262007/04/18 01:01

BST85123/126 The State of The Tenor (2CD) - Joe Henderson

 加持です。ここ数日は「花冷え」なんですか、新潟では寒い日が続きますね。


 今日は、J.ヘンダーソン(ts)のビレッジ・バンガード(Village Vanguard)で行われたピアノレス・トリオ編成によるライブ録音です。
 私の手持ちは2枚組CDなんですが、”あの夜”のライブとともに比較的良く聴いてます。

 この編成、この場所、ブルーノート・・・・そう、”あの夜”のライブです!

 ”あの夜”の様子は、28年前の1957年11月3日にライブ録音された、「A Night At The Village Vanguard / Sonny Rollins (BN1581)」で聴くことが出来ます。


 選曲は自作の他、T.モンク(p)、サム・リバース(ts)、チャールズ・ミンガス(b)、デューク・エリントン(p, cond)と癖のある皆さんの作品が並んでいます。
 中でも「13日の金曜日(Friday The Thirteenth)」、「Ask Me Now」といったモンクの作品で、J.ヘンダーソン”らしい”演奏を聴くことが出来ます。

 ヘンダーソン独特のユーモアがあり、大気中に電波を放射するような「フレーズブツ切れ」奏法が、モンクの曲とマッチするのでしょう。

 モンクの曲にも通じる「Isotope(物理・化学用語の同位元素のこと)」なんて摩訶不思議な曲を作曲していますから、自分の個性は十分承知していたのでしょうね。


 最後に、私が良く聴く理由の一つを挙げておきます。譜面起こし?で、ここにもドン・シックラー(tp, arr)が参加してる為です。当時のドンは、かつてのドナルド・バード(tp)のようにM.カスクーナ達を補佐する立場にあったのでしょうか?一度お会いして、聴いてみたいものです。


●The State Of The Tenor Live At The Village Vanguard Vol. 1 / Joe Henderson Manhattan Blue Note BST 85123

01. Beatrice (Sam Rivers) 05:37
02. Friday The Thirteenth (T.Monk) 08:07
03. Happy Reunion (Duke Ellington) 08:23
04. Loose Change (Ron Carter) 06:54
05. Ask Me Now (T.Monk) 05:53
06. Isotope (J.Henderson) 09:15
bonus track
07. Stella By Starlight (V.Young/N.Washington) 10:06

Joe Henderson (ts) Ron Carter (b) Al Foster (ds)
Music Transcribed & Adapted by Don Sickler
Recoreded Live at "Village Vanguard", NYC on November 14, 15 and 16, 1985


●The State Of The Tenor Live At The Village Vanguard Vol. 2 / Joe Henderson Manhattan Blue Note BST 85126

01. Boo Boo's Birthday (T.Monk) 07:08
02. Cheryl (C.Parker) 07:28
03. Y Ya La Quiero (J.Henderson) 06:27
04. Soulville (Horace Silver) 05:27
05. Portrait (Charles Mingus) 06:53
06. The Bead Game (J.Henderson) 09:32
bonus track
07. All The Things You Are (J.Kern/O.Hammerstein) 08:43

Joe Henderson (ts) Ron Carter (b) Al Foster (ds)
Music Transcribed & Adapted by Don Sickler
Recoreded Live at "Village Vanguard", NYC on November 14, 15 and 16, 1985


●おまけ●
 個性的なJ.ヘンダーソンも、2001年に亡くなっています。T.ウィリアムス(ds)、W.ショウ(tp)、G.アダムス(ts)・・・新生ブルーノートに名作を残した先人達は早々と天に召されてしましましたね。
 ・・・実は天国に録音スタジオがあって、A.ライオンとF.ウルフの2人に呼び寄せられているかも?そんな馬鹿な事を考えてしまう今日この頃です。


●米盤2枚組CDです(amazon)
The State of the Tenor, Vols. 1 & 2


伝説のトランペット奏者に捧ぐ-The Freddie Hubbard - Woody Shaw Sessions [Blue Note]2007/04/17 05:51

F.Hubbard - W.Shaw Sessions   Blue Note

 加持です。
 今日は邦題「トランペット伝説」と名付けられたアルバムです。ジャケットは、続編とカップリングされた2枚組CDのものです。


 ウディ・ショウ(tp)の発案で企画されたこのアルバム、相方F.ハバード(tp)との2トランペットで「トランペットの巨人達」の曲を演奏しようというものです。

 J.A.T.P.を筆頭とした古き良き時代の「ブローイング・セッション」と違いは、”3人目のトランペット奏者”ドン・シックラー(arr)にアレンジを任せている事です。現代的なハーモニーは、名曲アレンジする際の参考になります。
 あと、アクセントとして機能するK.ギャレット(as, fl)の演奏も意外といいですね。


 私は、「2トランペット&D.シックラーのアレンジ」というだけでもう満足なのですが・・・選曲も渋い。簡単にオリジナル演奏を列記しておきます。


●1枚目「Double Take(邦題:トランペット伝説)」

 「Sandu」は、「Study In Brown / Clifford Brown - Max Roach Quintet (EmArcy MG 36037)」に収録された軽快なブルースです。

 「Boperation」は、「The Fabulous Fats Navarro, Vol. 2 (BN1532)」に収録されたH.マギー(tp)&F.ナバロ(tp)のバップテットによる演奏です。

 B.リトル(tp)に捧げた「Lament For Booker」と、テーマが面倒(笑)な「Hub-Tones」は、F.ハバード自身の「Hub-Tones / Freddie Hubbard (BN4115)」に収録されてますね。

 エキゾチックな「Desert Moonlight」は、L.モーガン(tp)・J.ヘンダーソン(ts)コンビの「The Rumproller / Lee Morgan (BN4199)」に収録されています。米盤では作曲「L.モーガン」と記載されていますが、この曲は日本の童謡?「月の砂漠」です。

 K.ドーハム(tp)の名曲「Lotus Blossom」は、自身の「New Jazz」への録音の他、「Asiatic Races」記載されて「Goin' Up / Freddie Hubbard (BN4056)」「Newk's Time / Sonny Rollins (BN4001)」で聴くことができます。


●ついてに2枚目「The Eternal Triangle」も。

 「Calling Miss Khadija」は、W.ショーター(ts)とL.モーガン(tp)入りの3管編成メッセンジャーズの「Indestructible / Art Blakey & The Jazz Messengers (BN4193)」に収録されています。

 「The Moontrane」は、W.ショウが参加したL.ヤング(org)「Unity / Larry Young (BN4221)」の中の1曲。

 哀愁漂う「Sao Paulo」は、K.ドーハム(tp)の「Una Mas / Kenny Dorham (BN4127)」収録。

 「Reets And I」は、B.パウエル(p)トリオによる演奏が「The Amazing Bud Powel Vol.2 (BN1504)」に収録されています。



 ・・・オリジナル演奏を書き出すだけで疲れた(~~)。

 ウディ・ショウ(tp)はすでに死去、フレディ・ハバード(tp)も引退状態に在る今、このアルバムも「伝説」となってしまいましたね。
 ドン・シックラー(tp, arr)は、T.S.モンク(ds)のバンドで元気に活躍してますが・・・。


●The Freddie Hubbard - Woody Shaw Sessions Blue Note CDP 7243 8 32747 2 7

Disc One -
●Double Take / Freddie Hubbard - Woody Shaw Manhattan Blue Note BST 85121 (B2-46294)

01. Sandu (Clifford Beown) 4:26
02. Boperation (F.Navarro-H.McGhee) 4:51
03. Lament For Booker (F.Hubbard) 6:19
04. Hub-Tones (F.Hubbard) 6:18
05. Desert Moonlight (S.Sasaki) 7:59
06. Just A Ballad For Woody (T.Trainello-W.Shaw) 5:26
07. Lotus Blossom (Kenny Dorham) 8:12


Freddie Hubbard (tp, flh)Woody Shaw (tp) Kenny Garrett (as, fl) Mulgrew Miller (p) Cecil McBee (b) Carl Allen (ds)
Arranged by Don Sickler
Recorede on November 21 & 22, 1985 at Rudy Van Gelder Studio, NJ.


Disc Two -
●The Eternal Triangle / Freddie Hubbard - Woody Shaw Manhattan Blue Note B2-48017

01. Down Under (F.Hubbard) 7:35
02. The Eternal Triangle (Sonny Stitt) 7:47
03. The Moontrane (W.Shaw) 6:28
04. Calling Miss Khadija (Lee Morgan) 6:38
05. Nostrand And Fulton (F.Hubbard) 6:09
06. Tomorrow's Destiny (W.Shaw) 7:04
07. Sao Paulo (Kenny Dorham) 8:10
08. Reets And I (Bennie Harris) 6:41

Freddie Hubbard (tp, flh)Woody Shaw (tp) Kenny Garrett (as) Mulgrew Miller (p) Ray Drummond (b) Carl Allen (ds)
Arranged by Don Sickler
Recorede on June 11 & 12, 1987 at Rudy Van Gelder Studio, NJ.




●私の手持ちの2枚組CDです(amazon)
The Complete Freddie Hubbard and Woody Shaw Sessions

●「sandu」のオリジナル収録、名盤です。
スタディ・イン・ブラウン
スタディ・イン・ブラウン
クリフォード・ブラウン=マックス・ローチ・クインテット

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クリフォード・ブラウン・ウィズ・ストリングス
A Night at Birdland, Vol.1
Moanin'
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早世した”ピアノの妖精”-Pianism / Michel Petrucciani [Blue Note BT 85124]2007/04/15 20:51

Blue Note BT 85124 - Pianism / Michel Petrucciani

 加持です。
  T.ウィリアムス(ds)に続いては、フランス出身のピアニスト「ミッシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)」です。
 1999年に惜しくも亡くなってしまいましたが、先天性の骨疾患「大理石病」と闘いながら世界中を飛び回っていたパワフルな彼のことを”ピアノの化身”と称える人もいましたね。
 その容貌と美しいピアノの演奏を聴いていると、何だかふと”ピアノの妖精”と言う言葉が頭に浮かんできました。


 とにかく全編でペトルチアーニの弾くピアノのハーモニーの新鮮で美しいこと!フランス人らしい演奏といった方がしっくりくるかな?
 病気と闘いながら「まだ生きて演奏出来る喜び」みたいなものが、ダイレクトに伝わってくる作品です。


 約2分間のピアノソロから始まる「The Prayer」はまるで、晴れ渡る朝の高原を吹き抜ける風のように、爽やかなナンバーです。
 続く「Our Tune」は、ドラム&ベースが活躍する躍動感いっぱいのナンバー。
 3曲目「Face's Face」は、バップ調の懐かしいテーマの曲ですね。最後のテーマに戻る直前、ドラムとの8小節にわたるソロ交換が聴けます。

 LP時代はB面だった、いきなり急速調のピアノソロから始まる「Night and Day」では、海原を疾走するかの様なピアノプレイが心地よいですね。
 5曲目の「Here's That Rainy Day」では雨の中、長靴を履いた子供達が楽しそうに歩く光景がふいに浮かんできました。

 最後の「Regina」はミッシェル・ペトルチアーニの演奏の本質を表現するかのような、美しい中にも力強さを感じることが出来る曲です。


●Pianism / Michel Petrucciani (Manhattan) Blue Note BT 85124

01. The Prayer (M.Petrucciani)
02. Our Tune (M.Petrucciani)
03. Face's Face (M.Petrucciani)

04. Night and Day (Cole Porter)
05. Here's That Rainy Day (J.V.Heusen-J.Burke)
06. Regina (M.Petrucciani)

Michel Petrucciani (p) Palle Danielsson (b) Eliot Zigmund (ds)
Recorded on December 20, 1985 at RCA Studio C, NYC


●おまけ
 丁度今、TVモニターにはこのアルバムと録音月が同じで、同じメンバーによる「ビレッジ・バンガード」で収録されたライブLD(レーザーディスク!)を流しているのですが、パワフルかつ美しいメロディーを紡ぎ出す彼の動く姿を見ていると、キーボードの動きが止まりますね。
 蛇足ですがLDのライナーノート、留学生時代にオーナーの許しを貰い「ビレッジ・バンガード」にフリーパスで入れたという小川隆夫さんです。


●amazon で購入出来るCDです。

●Pianism (UK 輸入盤)
Pianism
●Pianism (東芝EMI)
ピアニズム
●Blue Note 時代の録音のBOX SET
Complete Recordings of Michel Petrucciani

トニーの新生・復活-Foreign Intrigue / Tony Williams [Blue Note BST 85119]2007/04/14 06:51

BST85119 Tony Williams - Foreign Intrigue

 加持です。
 「新生ブルーノート」ご紹介、続いてトニー・ウィリアムス(ds)の登場です。


 「OTB [BST 85118]」の録音から2週間後、トニーが結成したニューグループの録音が行われました。

 ブルーノート側は当初なんと、トニーに「エレクトリック(!)なアルバムを創ってくれないか」と要望したそうなのです。それで出来上がったのがこのアルバム!
 エレクトリック・ドラムとドラム・マシンはアクセントとして導入されていますが、中身はストレイト・アヘッドなジャズ!です。

 60年代と比べトニーは「シンバル類」よりも「ベースドラム」・「タム類」を多用する傾向がありますが、それが豪放なプレイを強調しているようです。
 あと「マイルスそっくりさん」W.ルーニー(tp)の熱いプレイと、B.ハッチャーソン(vib)のクールなビブラフォン・サウンドが演奏に新鮮な空気を吹き込んでいます。


 曲(全部トニーの作品)の方では、美メロ!の、「Sister Cheryl」が一番の聴きものです。
 トニーが叩き出す心地よいリズムパターンに乗って、メンバーがクールなソロを繰り広げます。
 この曲を聴くと、「快晴の中・・・海原をヨット進む」イメージが浮かんできます。つまり、トニー版の「処女航海(maiden Voyage)」なんですね。


●Foreign Intrigue / Tony Williams (Manhattan) Blue Note BST 85119

01. Foreign Intrigue (Tony Williams) *2
02. My Michele (Tony Williams) *2
03. Life Of The Party (Tony Williams) *2

04. Takin' My Time (Tony Williams) *1
05. Clearways (Tony Williams) *1
06. Sister Cheryl (Tony Williams) *1
07. Arboretum (Tony Williams) *1

Wallace Roney (tp) Donald Harrison (as) Bobby Hutcherson (vib)
Mulgrew Miller (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds, electric-ds, drum machine)
Recorded on June 18(*1) & 19(*2) 1985, at M&I Studios, NYC




●おまけ●
 「Sister Cheryl」という曲はその他、「ウイントン・マルサリスの肖像(CBS/columbia)」等で聴くことが出来ます。

 そこでウイントン・マルサリス(tp)の演奏が聴けるのですが、ウイントンは吹きまくらず断続的に短いフレーズ(1音を伸ばすだけが多い)を重ねます。
 あのウイントンが何故吹かない?と長年疑問だったのですが、トニーのインタビュー記事を「Jazz Life(立東社の頃です)」で見て納得しました。
 そこに「Sister Cheryl」の楽譜が掲載されたのですが、キーを見て吃驚(確か「E#」)!

 ・・・トランペット奏者なら、こんなキーで普通、曲作らないです。楽譜に#(シャープ)が沢山付くんですよ!つまり間違わないよう、いつも運指(バルブの押え方)を気にする必要がある訳です。
 で試しに、何度かテーマ吹いてみましたが・・・・最後は諦めました。指が攣る(笑)。美メロの裏に罠(笑)あり。


●Foreign Intrigue(米盤-コレクター価格)
Foreign Intrigue
●Mosaic select: Tony Williams -2007年4月発売3枚組の新譜です(米盤)。
Mosaic Select: Tony Williams


伝統を受け継ぐ新グループ!-Out of the Blue / OTB [Blue Note BST 85118]2007/04/13 07:11

OTB - BN85118

 加持です。
 今回は企画(?)グループ、OTBの「Out Of The Blue [BST 85118]」。ラッパとドラム好きにはお勧めしたい、大好きなアルバムの1枚です(~~)。


 「新生ブルーノート」企画によるこのグループは、当時無名で優秀なミュージシャン達を度重なるオーディションを経て選定しています。
 そして「タウンホール」での”ブルーノート復活お披露目”ライブからが約3ヶ月後、このアルバムが録音し、アルバム(LPね)発売と同時にライブなどのプロモーションを開始した模様です。

 プロデュースは”発掘男”の異名を持つ、マイケル・カスクーナ(Michael Cuscuna)が担当。録音は、RVGことルディ・バン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)です。


 選抜メンバーで構成されたといっても、さすが1939年から続く老舗ジャズレーベル「ブルーノート」!それぞれのメンバーが、時代にフィットした良い演奏を聴かせてくれます。しかも全て(メンバーの)オリジナルで固めたあたりから、彼らに対する期待の大きさがうかがえます。


 グループの実質的なリーダーは、トランペットのマイケル・モスマン(Michael Phillip Mossman)と、ドラムスのラルフ・ピーターソン(Ralph Peterson)です。

 モスマンのフリー寄りのソロ、ラルフのナイフの様にシャープな切れ味の”ステックさばき”は、このグループがウイントン・マルサリス(tp)を始祖とする「新伝承派」である事を高らかに宣言しているようです・・・して無いかな(笑)?まああの時代にあった演奏であることは確かです。


 お勧め曲、(実質的な)リーダー2人の作品を上げておきます。

 6曲目ラルフ作曲の「Blue Hughes」は、ラルフ・ピーターソンの”キメフレーズ”満載のマイナー調ナンバーです。私、この曲のソロ・リレー~ドラム・ソロを聴きながら原稿書いているんですが、なんだか幸せな気分になってきました。何故でしょう?
 なお、日頃からラルフのドラムが「五月蝿い!」と思っている方は避けて下さい。私の大学時代のドラムを演奏していたセミプロの先輩がそうでした・・・(~~)。


 ラスト7曲目マイケル・モスマン作曲「OTB」、ミドルテンポのシャッフル気味なナンバーです。「80年代型のブルース・マーチ」と書いたた方が分かり易いですかね。
 ジャズ・メッセンジャーズの「Moanin'」収録、あの「ブルース・マーチ(Blues March)」の80年代版。

 なおCD化された「マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル」でのライブでは、ピアノのハリー・ピケンズがこの曲のソロで「朝日のようにさわやかに」のフレーズを引用して拍手喝采を浴びています。ライブ・アルバムについては、マウント・フジのお話をする時に再度、ご紹介します。


●Out of the Blue / OTB Blue Note BST 85118

01. RH Factor (Robert Hurst) *1
02. Eastern Love Village (Kenny Garrett) *2
03. Output (Kenny Garrett) *2

04. Reunited (Ralph Bowen) *2
05. Git In There (Robet Hurst) *1
06. Blue Hughes (Ralph Peterson) *2
07. OTB (Michael Phillip Mossman) *2

*1 Michael Phillip Mossman (tp,flh) Kenny Garrett (as) Ralph Bowen (ts)
Harry Pickens (p) Robert Hurst (b) Ralph Peterson (ds)
Recorded on June 7,1985 at Rudy Van Gelder Studio, NJ

*2 same personnel
Recorded on June 8,1985 at Rudy Van Gelder Studio, NJ



●おまけ●  「音」について補足です。
 録音がルディ・バン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)だからと言って期待してはいけません(笑)。
 当時の「デジタル録音機材」及び「マスタリング装置」は技術的に”稚拙”な段階なため、かのRVG氏も相当苦労しているようです。
 あの頃、「Pocket Music」を創っている最中の山下達郎氏をはじめ、世界中のミュージシャン、エンジニア達が同じ境遇だった訳ですから、責める訳にはいきません。

 従ってこのアルバム、安いオーディオ機器だと「音がすかすか」です。特にドラムのタム類とベースの音・・・そのあたりは、間引いて聴いて下さいね。

 まあ、このあたりの苦い経験が、1998年の「RVG 24bit Remaster」シリーズに結実するのでしょうけれども。


●「OTB」収録、日本編集のオムニバス盤です。
ブルーノート・エヴァー!80’s
●「Live At Mt.Fuji」米盤です。
Live at Mt. Fuji


名門レーベル復活の日-One Night With Blue Note Vol. 1 [(Manhattan) Blue Note BST 85113]2007/04/12 07:02

One Night With Blue Note Volume 1

 加持です。
 資料が揃って来たのでこれから「新生ブルーノート(Manhattan Blue Note)」のアルバムをいくつか取り上げたいと思います。
 最近の「新生ブルーノート」は、ノラ・ジョーンズ(vo)のアルバムがビック・ヒットを記録していますね。



 さて、1985年2月22日に名門ジャズレーベル、ブルーノートが復活しました。
 それまで80年代前半のブルーノートは、純粋なジャズ・マーケットの減少(ロック・マーケットの拡大)に伴い、新録音を停止してつかの間「休眠」していたのです。
 丁度、「新伝承派」ウイントン・マルサリス(tp)の登場により活気づいたジャズ・シーンに、フュージョンに転向していたかつてのジャズ・メン達も、こぞって回帰しつつあった頃です。


 このアルバムは、第1回新譜発売に合わせてニューヨークのタウンホールで行われたコンサートの模様を収めたものです。

 創業者のアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)、本アルバムや過去多くのカバーデザインを手がけたリード・マイルス(Reid Miles)らが見守る中、出演アーティスト達は非常にテンションの高い演奏を繰り広げます。

 特に「Volume 1 [BST 85113]」は、フレディ(tp)、ハービー(p)などが顔を揃え「新主流派」時代の曲を取り上げているのでお勧めです。

 1曲目はハービーの「Empyrean Isles [BST4175]」から「Cantaloupe Island」、2曲目はジョー・ヘンダーソンのデビューアルバム「Page One [BST4140]」から「Recorda Me」、飛んで5曲目はフレディ、トニー、ハッチャーソンが参加したエリック・ドルフィーの「Out To Luch ! [BST4163]」から「Hat And Beard」、残り2曲はハッチャーソンの作品ですね。


 アルフレッド・ライオンが目の前に居るのですから、当時可愛がってもらったアーティスト達が張り切らない訳がありませんね(~~)。

 中でもフレディ・ハバード(tp)の気合の入り方が半端じゃないですよ!あとフルートで参加するジェームス・ニュートンも結構良いです。
 まあとにかく、いろんな意味で素晴らしいライブ・アルバムです。

●One Night With Blue Note Vol. 1 [(Manhattan) Blue Note BST 85113]

01. Cantaloupe Island (H.Hanckck)
02. Recorda Me (J.Henderson)
03. Little B's Poem (B.Hutcherson)
04. Bouquet (B.Hutcherson)
05. Hat And Beard (Eric Dolphy)

Recorded on February 22, 1985 at "Town Hall", NYC.


●track 01
Freddie Hubbard (tp) Joe Henderson (ts) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)
●track 02
add Bobby Hutcherson (vib)
●track 03
James Newton (fl) replaces Hubbard (tp) Henderson (ts)
●track 04
Bobby Hutcherson (vib) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b)
●track 05
James Newton (fl) Bobby Hutcherson (vib) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)


 ドラムのトニー・ウィリアムスは、「新生ブルーノート」と契約し「Foreign Intrigue [BST85119]」を皮切りに素晴らしいアルバムを発表していきますが、詳細は次の機会にご紹介します。

 なお現在日本では、「新生ブルーノート」初期アルバム群はほとんど売り切れ!という状況ですので、欲しいものがあれば中古市場で根気よく探して下さい(アマゾンだと米盤のCDでも、約5,000円~で展示しているようです、うーん)。


●おまけ1●
 「新生ブルーノート」の始動には、日本での旧譜の売り上げが好調だったことが大きく関わっているようです。
 コンサートが開催される前年、1984年にはジャズ批評社から「全ブルーノート・ブック」が発売され、同年に東芝EMIの行方均氏「1500番のアルバム(LP)」を番号順!に発売し、日本のジャズファンにブルーノートを積極的にアピールしていたようです。

●おまけ2●
 コンサート当日は日本から行方均氏の他、”世界唯一の完全ブルーノート・コレクター”小川隆夫さんも参加されたそうです。
 その時に小川さんらが行った「アルフレッド・ライオンへのインタビュー」が、以降の著作、CDライナーノート、ジャズ各誌への記事で読むことが出来ます。
 あ小川さんの、マイルス・デイビス(tp)への最初のインタビューも同じ時期でしたね。


●ライブDVD

●再発盤