バード・イン・ハンド/ドナルド・バード-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売2008/12/12 21:34

Byrd In Hand - Donald Byrd BN4019

 ドナルド・バードのブルーノート第2弾は、3管編成による重厚なアンサンブルが聴きもの。
 発売当時、米ダウン・ビート誌のレビューにて最高評価(星)を獲得した1枚みたいです。

 ドナルド・バードの演奏するフレーズは、1959年3~4月に録音された『Kind of Blue / Miles Davis(Columbia/sony)』 を彷彿とさせるものでありこの当時、マイルスとバードの交流の程度は如何程であっただろうか・・・と考えてしまいます。
 1961年頃にドナルド・バードのバンドに参加した、あのハービー・ハンコックの証言によると、マイルスのレコードにあわせて、 バードと練習したなんてこともあったらしいですから、このあたりの真相、どなたかインタビューしてもらいたいですね。
 ・・・小川隆夫さん、インタビューしてくれないかなあ(笑)。



 「Witchcraft」は、サイ・コールマン作曲のスタンダード。  静寂の中、バードの奏でるトランペットが一気果敢に切り込んできたりして、静と動を巧みに使い分けた演奏です。
 話はそれますが、『Profile / Duke Pearson(BN4022)』での、デューク・ピアソン(Duke Pearson)の演奏もお勧め。


 「Here I Am」は、ミディアム・テンポのマイナー調の1曲。
 オープニングから、ドナルド・バードの美しいトランペットの音色、堪能出来ますね。
 わたしくバードの真価は、このようなバラッド演奏にあると思います・・・アップテンポな演奏だとやや、一本調子だし(笑)。


 「Devil Whip」は、3管の重厚なアンサンブルを従えたアップテンポ・ナンバー。
 ソロでは、チャーリー・ラウズ(Charlie Rouse)の、いつになく勢いのある演奏がいいですね。


 「Bronze Dance」は、リズムにルンバが混じったウォルター・デイヴィス(Walter Davis Jr.)のオリジナル。
 軽やかなリズムに乗り、如何にもハード・バップ!と言った感じのごきげんなソロ・リレーが続きます。


 「Clarion Calls」はバードのド派手なテーマ吹奏に、他の二人がコール&レスポンス風に応えるという1曲。
 まあ、テーマにコール&レスポンスを取り入れるアイデアは『Moanin / Art Blakey & The Jazz Messengers(BN4003)』でお馴染みですね。
 余談ですが、ラストのテーマ演奏で『くすっ』となる部分があります。ので、まあ一度注意してお聴き下さいませ。


 「The Injuns」は、バードの疾走感溢れるトランペット・プレイが素敵な1曲。
 ちなみにこの曲、「Cherokee」のコード進行を元に作曲されていると思われます。
 なのであの有名な、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)の演奏と聴き比べて見ると面白いと思います。


Byrd In Hand / Donald Byrd Blue Note BN4019

01. Witchcraft (Coleman-Leigh) 8:25
02. Here I Am (Donald Byrd) 8:22
03. Devil Whip (Donald Byrd) 4:39

04. Bronze Dance (Walter Davis Jr.) 6:39
05. Clarion Calls (Walter Davis Jr.) 5:38
06. The Injuns (Donald Byrd) 6:09

Donald Byrd (tp) Charlie Rouse (ts) Pepper Adams (bs) Walter Davis Jr. (p) Sam Jones (b) Art Taylor (ds)
Recorded on May 31, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7174 バード・イン・ハンド/ドナルド・バード
TOCJ-7174 Byrd In Hand / Donald Byrd [BN4019]






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