ジ・オープナー/カーティス・フラー-ブルーノートRVGコレクション第2期第4回発売2008/10/13 22:09

BN1567 - The Opener - Curtis Fuller

 ブルーノートのトロンボーン奏者と言えば、まず最初にビバップ・トロンボーンの天才、J・J・ジョンソンが思い浮かびますね。

 次に思い浮かぶのが、今回紹介するハードバップ・トロンボーンの俊英、カーティス・フラー(Curtis Fuller)
 カーティス・フラーが故郷デトロイトからニュー・ヨークへ進出した直後、この第1弾『The Opener / Curtis Fuller [BN1567]』が録音されました。

 ブルーノートのトロンボーン奏者と言えば私の場合、まず最初にビバップ・トロンボーンの天才、J・J・ジョンソンが思い浮かびます。

 次に思い浮かぶのが、今回紹介するハードバップ・トロンボーンの俊英、カーティス・フラー(Curtis Fuller)。
 カーティス・フラーが故郷デトロイトからニュー・ヨークへ進出した直後、この第1弾『The Opener / Curtis Fuller [BN1567]』が録音されております。



 1曲目はワンホーン編成によるスロー・バラード『素敵な夜を(A Lovely Way To Spend An Evening)』
 テーマからソロにかけ、カーティス・フラーの低音たっぷりのフレーズが楽しめます。
 続くボビー・ティモンズのやや抑え気味のピアノ・ソロ、ポール・チェンバースのゆったりとしたベース・ソロもいいですねえ。

 『Hugore』はフラー作曲のオリジナル・ブルース。ハンク・モブレーの加わった2管編成です。
 やや遅めのテンポに乗り、フロントの2人は軽快にブローを展開。
 ピアノのティモンズとベースのチェンバースも、短いながらソロを披露します。

 この自作のブルース、オーナーのアルフレッド・ライオンのリクエストによるものでしょう。
 いつも通り、『選曲は君に任せる。ただし自作のブルースを1曲用意してくること。』って感じで(笑)。


 『Oscalypso』はベース奏者、オスカー・ペティフォードのオリジナル。
 タイトルでもじってある、カリプソ風?なエキゾチックなリズムであります。
 この手のリズムだと、ハンク・モブレーとボビー・ティモンズが俄然、活き活きしてますねえ。
 ソロの最後に挿入される、テーマ・ブレイクなどの『仕掛け』もきっかり決まってます。


 『Here's To My Lady』はLP時代はB面トップであったためか、1曲目と同じくワンホーンのスロー・バラッド。
 つまり、技巧派J.J.ジョンソンと無用な比較をされないように、意図的にスロー・バラッドを配置しているのでしょう。

 『Lizzy's Bounce』は軽快なテンポのハード・バップ・ナンバー。
 やや尻上がりにバウンス(跳ね)するリズム、フラーの歯切れの良いソロが気持ちいいです。

 アルバム・ラストの『Soon』は、名作曲家ジョージ・ガーシウィンの作品。
 こういった軽快な歌ものは、ハンク・モブレーがお得意でしょう。
 ハンクの滑らかなソロに続き登場するフラー、負けじと歌心いっぱいなソロを披露しております。
 あ、ボビー・ティモンズの切れの良いソロのなかなか・・・・。


The Opener / Curtis Fuller Blue Note BN1567

01. A Lovely Way To Spend An Evening (McHugh-Adamson) * 6:49
02. Hugore (Curtis Fuller) 6:40
03. Oscalypso (Oscar Pettiford) 5:37
04. Here's To My Lady (Bloom-Mercer) * 6:40
05. Lizzy's Bounce (Curtis Fuller) 5:22
06. Soon (Gershwin) 5:35

Curtis Fuller (tb) Hank Mobley (ts -omit *) Bobby Timmons (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on June 16, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


<おまけ>

 決定版ブルーノート・ブック(株式会社松坂)を見ると1500番台での参加アルバムは、半年で何と10枚!!
 ブルーノートが凄い勢いでカーティス・フラーを録音していたことが分ります。

 01.『Cliff Jordan [BN1565]』-1957.06.02
 02.『The Opener / Curtis Fuller [BN1567]』-1957.06.16

 03.『Dial "S" For Sonny / Sonny Clark [BN1570]』-1957.07.21

 04.『Bud! / The Amazing Bud Powell Vol.3 [BN1571]』-1957.08.03
 05.『Bone & Bari / Curtis Fuller Vol.2 [BN1572]』-1957.08.04
 06.『City Lights / Lee Morgan [BN1575]』-1957.08.25

 07.『Sonny's Crib / Sonny Clark [BN1576]』-1957.09.01
 08.『Blue Train / John Coltrane [BN1577]』-1957.09.15

 09.『Curtis Fuller Vol.3 [BN1583]』-1957.12.01
 10.『Lou Takes Off / Lou Donaldson [BN1591]』-1957.12.15

 その後、フラーがサヴォイに移籍してしまったため、ブルーノートによる録音は途絶えることとなります。


TOCJ-7141 ジ・オープナー/カーティス・フラー
TOCJ-7141 The Opener / Curtis Fuller [BN1567]



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