クリフォード・ブラウン―天才トランペッターの生涯[音楽之友社]読んでます。2008/05/31 00:00


 ただ今、2003年に刊行された『クリフォード・ブラウン―天才トランペッターの生涯(音楽之友社)』という本を読んでおります。
 と言ってもまだ、ライオネル・ハンプトン楽団の一員としてヨーロッパ巡業に行く直前のエピソードまでしか読み進めていないのだが。

 訳者の川島文丸さんはBMG勤務の後フリーで執筆・翻訳に携わり、レコード・レーベル「カプリネット」を設立。
 CD制作もされているという、結構ジャズに詳しい方のようです。

 ペイス大学でジャズの講義を持つニック・カタラーノ(Nick Catalano)さんによる原著がしっかりしている為か、理論整然とした作品です。


 幼い頃から自らを律し、楽器の練習にいそしんだクリフォード・ブラウン(Clifford Brown)のエピソードを語る人々は全て、彼と関わったことを誇りに思っているようです。

 この本では、いままでジャズ誌や評論家さん達が語るエピソードについて、いくつか勘違いがあることも明らかになります。

 例えば、最初の交通事故の件。
 今まではブラウニー(クリフォード・ブラウンの愛称)が運転する車が、スピードを出し過ぎて事故を起したと記憶していたらこれが間違い。
 事実では、ブラウニーが同乗する大学時代のバンド仲間が運転する車が鹿を避けようとしてスリップ、横転。瀕死の重傷を負ったとのこと。

 またブラウニーが想像以上に作編曲の能力があり、在籍したR&Bバンドに編曲を提供していた事実。
 さらに、録音が残されていない彼の作曲作品がまだ存在することなど、興味が尽きない話題で一杯です。

 じゃあ何で、ライオネル・ハンプトン楽団に編曲を提供しなかったのか?
 自身のリーダー作でクインシー・ジョーンズ(Quincy Jones)や、ジジ・グライス(Gigi Gryce)に編曲を頼んだのか?
 ・・・・まだ途中なのに、いろいろと想像してしまう1冊です。クリフォード・ブラウン・ファンの方は機会があればお読み下さいませ。


◎クリフォード・ブラウン―天才トランペッターの生涯[音楽之友社]


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