未CD化アルバムをあえて紹介してみる-Something to Listen to / Jimmy McGriff Blue Note BST-843642007/10/16 20:48


 先月あたりから、EMIジャパンさんのRVGシリーズもようやくおもしろいアイテムが出始めましたね。
 特にリマスター年が「2007年」になっているものは要注意!

 ・・・と書いておいてなんですが、今回から10月24日までは、日本でCD化されないだろう作品を紹介していきます。
 ※季節の変り目で、ちょっと体調不良の為、記事をアップする時期(日付)がずれこんでますが、ご容赦を。


 まずはソニー・レスターのプロデュースによる、ジミー・マグリフ(Jimmy McGriff)の作品、オルガン・ジャズ!

 オルガン・ジャズという分野は、アルフレッド・ライオンがジミ-・スミスと共に開拓したと言ってもいいでしょう。
 ちょっと長くなりますが、『ブルーノートの真実/小川隆夫著(東京キララ社)』から、ボブ・クーパーさんのコメントを引用させていただきます。

 『あの時代、オルガン・ジャズは確固たるマーケットを持っていた。ソウル・ミュージックがロックやポップスと同じようなビック・マーケットになってきたんだ。その一角にオルガン・ジャズが食い込んでいた。ジャズ・ファンとソウル・ミュージック・ファンは必ずしも一致しない。その両方から支持されていたのがオルガン・ジャズだ。そして、ジミー・スミスを抱えていたブルーノートが他のレーベルを圧倒していた。』

 時が流れ、ジミー・スミスがヴァーブに移籍しまい、アルフレッド・ライオンが引退してしまった後も、ブルー・ノートは積極的にオルガン奏者を積極的に迎え入れていきました。
 その内の一人が、今回のジミー・マグリフと言う訳です。


 奇妙!なジャケット、メンバーの詳細不明、ユナイテット・アーティスツ(United Artists)時代の作品と、ナイナイづくしのこの作品。
 ・・・・で中身も酷いかというと、結構!イケル!のである。マグリフは曲によりオルガンとピアノを弾きわけますし、ソウルフルなテナーの演奏もなかなか!
 無理矢理たとえると、「ジミー・スミス+C・ベイシー・オーケストラ」的な、ハッピーな演奏が多いです。


 まずは1曲目、アップテンポの「Indiana」を聴いて下さい。
 ジミー・スミス張りのダイナミックな演奏に加え、ごきげんなソロを取るテナー(名前不明)とギター(これまた名前不明)、そして煽りまくるドラム(名前不明)と言うことなし。良い。

 ピアノをオルガンを弾き分けるソウルフルな「Malcolm's Blues」、リラックス・ムード満点の「Satin Doll」でA面(LPだから)は終了。


 続いてB面は、ちょっとシリアスな「Deb Sombo」で始まります。この曲はピアノで演奏されてます。
 タイトル曲の「Something to Listen to」は、ミディアム・テンポのこれまたR&B調のリズムに乗ったソウルフルな演奏です。
 演奏の途中でテナー(名前不明)の方が突如鳴らすホイッスルが、これまたいい感じ。

 ラストの楽しい「Shiny Stockings」、C・ベイシー・オーケストラ風に、ドラム(名前不明)さんが盛り上げます。
 テナー1本のカルテット編成で、これだけ盛り上げることが出来るとは・・・オルガン侮り難し。


 どこかでこのLPを見かけたら、お手に取ってみて下さい。
 私の手持ちは、どこかのDJ氏が放出したと思われる、コンディションの良くないカット盤。それを多少音調整して、CDに焼いて聴いてます。


●Something to Listen to / Jimmy McGriff Blue Note BST-84364

side one
01. Indiana (B.MacDonald-J.F.Hanley) 6:38
02. Malcolm's Blues (J.McGriff) 6:14
03. Satin Doll (B.Strayhorn-D.Ellington-J.Mercer) 5:59

side two
04. Deb Sombo (J.McGriff) 6:38
05. Something to Listen to (J.McGriff) 4:46
06. Shiny Stockings (E.Fitzgerald-F.B.Foster) 5:35

unknown(ts) Jimmy McGriff(org, p) unknown(g) unknown(ds)
Recorded in NYC, circa autumn 1970