1986年マウント・フジでのライブ盤!-OTB Live At Mt. Fuji [Blue Note BST 85141] ― 2007/04/23 22:51
加持です。A.ライオンの希望で、1986年のマウント・フジにも出演したアンドリュー・ヒル(Andrew Hill)が、現地時間20日に肺ガンのため75歳で亡くなったそうです。
つい最近、「新生ブルーノート」に戻ってきたばかりで、旧譜の復刻も順調に進んでいたのに・・・・本当に残念です。
そんな訳で今、手持ちのCDを片っ端から聴いています。一通り聴き終わったら、好きなアルバムをランダムに紹介して、私なりの追悼としたいと思いますが、まずはこちらのけりをつけましょう・・・。
さて、日本に舞台を拡大した新生ブルーノートは1986年8月末、山梨県の山中湖畔で3日間に渡り繰り広げられたライブ・プログラムから1枚だけアルバムを発売します。それが「OTB Live At Mt.Fuji」です。
当日のプログラムは前半、リズム・セクションのみで「バド・パウエルに捧げる」プログラムを演奏します。
ピアノのハリー・ピケンズは、アップテンポの1曲目「A Parisian Thoroughfare」からパウエル風の流暢なタッチの演奏を聴かせます。まさにバリー・ハリス(p)の「At The Workshop (Riverside)」を再現したような感じで。
で、一番の聴き所はやはり、ピアノ・ソロによる「虹の彼方に(Over The Rainbow)」でしょう。
多少走り気味で落ち着きの無い「オリジナル演奏」に比べスロー気味で、会場いっぱいに響き渡るかのような演奏は気持ちイイデスネ。
なお全ての演奏は、バド・パウエル(p)本人がブルー・ノート・レコードに残した演奏のフォーマットを可能な限り忠実に再現しているので、オリジナルと聴き比べてみるのも一興かと思われます。
後半は、OTBのメンバー全員揃って、メンバーのオリジナルを3曲演奏します。内、2曲は2枚目のアルバム「Inside Track」からで、テーマ曲の「OTB」のみデビューアルバムの収録曲です。
まずスタジオ録音よりもリズム陣(特にドラム)のキメが多くなっており、1年でメンバー全員が急成長している事を実感出来ますね。
最後の「OTB」、ハリー・ピケンズ(p)がソロの途中に「朝日のようにさわやかに」の1節を挟むのですが、気づいた一部のお客さんが歓声で応えています。いいですねーこの一体感。
●OTB Live At Mt. Fuji Manhattan Blue Note BST 85141
01. A Parisian Thoroughfare (Bud Powell) [trio] 03:31
02. Celia (Bud Powell) [trio] * 04:45
03. Over The Rainbow (H.Arlen/E.Y.Harburg) [piano solo] * 03:04
04. Blue Pearl (Bud Powell) [trio] 04:43
05. Nathan Jones (Ralph Peterson) 11:23
06. Elevation (Ralph Bowen) 11:39
07. OTB (Michael Philip Mossman) 11:35
OTB featuring Harry Pickens Trio [Tribute to Bud Powell]
Michael Philip Mossman(tp) Kenny Garrett(as) Ralph Bowen(ts)
Harry Pickens(p) Kenny Davis(b) Ralph Peterson(ds)
Recorded on August 31,1986 (Sun) 1st set/3rd Day
* Does not appear L.P. configuration
●おまけ
成田正氏の作成したWEBデータベースで検索すると、アルバム収録曲の他に、「All God's Children Got Rhythm」と「Un Poco Loco (Bud Powell)」が演奏されたそうです。
「Un Poco Loco」におけるR.ピーターソンのドラム、是非聴いてみたいですね。マックス・ローチ(ds)のようにカウベル使ったのかな?
次回は、東芝EMIから発売された「ライブ映像」のレーザーディスク2枚を紹介する予定でしたが、アンドリュー・ヒル(p)のアルバム紹介に切り替えます。
何せ「ブルーノート・レコード」内で、私が最も好きで追いかけたピアニスト・作曲家ですから・・・。
●OTB Live At Mt.Fuji (amazon) Live at Mt. Fuji |
コメント
_ ぬどい ― 2007/04/24 00:50
_ 加持顕 ― 2007/04/24 12:16
しかし日本で今もA.ヒルに注目している人はどの位いるのでしょう?そんな状態ですので、この機会に彼の作品群に正面から向き合ってみようと思います。
・・・手持ちの作品、以外にあってようやく半分聴き終わったところです。
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://kajiakira.asablo.jp/blog/2007/04/23/1461813/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
アンドリュー・ヒル亡くなられたのですね。昨年でしたか作品がリリースされているので思ってもみないニュースでした。本当に残念です。
当方の本日の記事の一部に引用させて頂きました。事後報告で大変恐縮です。もし不都合があればすぐ対処しますのでお知らせ頂ければ幸いです。