ドルフィー!-Outward Bound / Eric Dolphy New Jazz 82362007/02/25 10:55

Outward Bound - Eric Dolphy

 「Outward Bound」は、エリック・ドルフィー(as,bcl,fl)の作品の中では、比較的良く聴く一枚。

 ブッカー・リトル(tp)との「ファイブ・スポットでの壮絶なライブ」もいいんですが、1曲目の 「Fire Waltz」聴いたら、もうお腹いっぱいになりますからね・・・。



 さて、「Outward Bound」2曲目、バス・クラリネットで演奏される「On Green Dolphin Street 」がお勧め。

 フレディ・ハバードの珍しいミュート・プレイも聴けますし。

 そういえばこの曲は、ホラー映画の主題歌だったはず。

 だから、最初のバスクラリネットで不気味な音を演奏するのか・・・今、気が付きました。そうか、そういうことか。


 サイドでは、フレッシュなフレディ・ハバード(tp)のトランペットと、ロイ・へインズ(ds)の変幻自在なドラム・プレイが光ります。


●Outward Bound + 3 / Eric Dolphy New Jazz 8236

side 1
01. G.W. (Eric Dolphy)
02. On Green Dolphin Street (Kaper-Washington)
03. Les (Eric Dolphy)

side 2
04. 245 (Eric Dolphy)
05. Glad To Be Unhappy (Rodgers-Hart)
06. Miss Toni (Eric Dolphy)

Additional Tarcks
07. G.W. -alternate take 1 -
08. 245 -alternate take 1 -
09. April Fool (Eric Dolphy)


Freddie Hubbard(tp) Eric Dolphy(as,bcl,fl) Jaki Byard(p) George Tucker(b) Roy Haynes(ds)
Recoeded on April 1,1960 at Rudy Van Gelder Studio,Englewood Cliffs, NJ





●おまけ
 小川隆夫さんの書籍(書名忘れました)によると、ブルー・ノートのオーナー、アルフレッド・ライオンにフレディー・ハバードを紹介したのは、エリック・ドルフィーだったみたいで。

 そういう「裏側の出来事」が分かると、おもしろいものですね。


 エリック・ドルフィー(as,bcl,fl)は存命中、あまりに革新的な演奏を繰り広げたため、ジャズ・クラブのオーナーから締め出しを喰らっていたそうで。

 まあ、バス・クラリネットで「馬のいななくような音」を出されたら、客席でのんきに酒など飲んでいられないですからねー。


 サイドメンとしては、ジョン・コルトレーン(ts,ss)や、チャールズ・ミンガス(b)らに可愛がられていたようですが、自身がリーダーとしても仕事には恵まれず。

 最後は、遠征中のヨーロッパで、「糖尿病の治療」のため投薬されたインシュリンが原因で、ショック死。

 なんだか・・・な人生だったんですね。

 最晩年の相棒、ブッカー・リトル(tp)も尿毒症で死亡してますしね。


最近出たクリフォード・ブラウンとの競演盤です。(2007/03/29追記)