加持顕(かじあきら)です。2006/11/08 17:47

近所の猫(cat)です。
はじめまして。加持顕(かじあきら)の自己紹介から。

●ジャズにハマるきっかけ●
高校生の時、ブラスバンド部でバリバリ吹奏楽を演(や)るはずが、何故か「ビック・バンド」で「らっぱ」を演奏。
気が付けば?十年経過・・・スイング感は体で覚えることはできたが、演奏自体はうまくならずー。
演奏した曲はラジオで流れたりすると、つい、自分のパートを口ずさんでしまいます。

●本格化●
大学の頃、レコード会社の「LP最後の復刻」の宣伝文字に踊らされ、バイト代のほとんどをLPに注ぎ込む。
社会人になってからも、レコード屋にせっせと通い、CDを大人買い。

●泥沼化●
LP、CDをあまりに大量に買いすぎて、家が傾く事態に至る。
しばらく泣く泣くディスクユニオンに売り払っては、また新譜を購入するという悪循環を続ける。

●整理●
好みのモノをほとんど聴いたのを区切りとし、不要なLP、CDは処分。ブログ開設を決意。

●現在のコレクションの基本●
かさばらない「Blue Note Records」と、「Miles Davis」の紙ジャケット版CD。

●BGM代わりにかけるCD●
ピアノ・トリオ多し。「Live at The Village Vanguard 1961 / Bill Evans Trio」が最近のヘビー・ローテーション。


こんな加持が、これから日々好きなCD(LP)について、ゆるーくコメントさせていただきます。ブログは初めてなので、書いた記事も頻繁に修正していきます。おわり。

妙なるトランペットの響き - Booker Little [Time S/2011]2006/11/09 18:27

加持の好きなアルバムの最初は、タイム盤の「ブッカー・リトル」、末永く付き合える愛聴盤なんです。
昔ジャズ喫茶では、ベースのスコット・ラファロ(Scott LaFaro)目当てでリクエストが来たみたいです。
全曲通して聴き終えた後は、スポーツの後のような、至福感、爽快感に包まれる一枚!



(60年代)ジャズ・シーンで、ここまで力強く澄んだ音を出す「らっぱ吹き」はいなかったのではないでしょうか?
フレディ(Freddie Hubbard)はヴァーっといった感じでタンギングがもっと強烈だし、ウディ(Woody Shaw)もヴァアヴァーというようにもっとダークな音・・・。

●His Tone is clear, strong, and warm. - Nat Hentoff [from Album Linor Notes]

ジャズ評論家のナット・ヘントフがライナー・ノーツに書いたように、ブッカー・リトル(Booker Little)のらっぱは、天上の天使の奏でる音か(おおげさ?)、と錯覚しそうになるほど、とても澄み渡っています。

特に2曲目(Minor Sweet)の頭(1分4秒間くらい)、ロイ・ヘインズ(ds)だけをバックに綴られるフリーテンポでのフレーズ、高音のロングトーン(プゥワアアーーー♪)、何度聴いてもぞくぞくしてしまいます。この機会に、懐かしの「ジャズ喫茶」に行き、勇気を出してリクエストするのもお勧め♪




● Booker Little [Time S/2011]

01. Opening Statement (B.Little)
02. Minor Sweet (B.Little)
03. Bee Tee's Minor Plea (B.Little)

04. Life's A Little Blue (B.Little)
05. The Grand Valse (B.Little)
06. Who Can I Turn To (A.Wilder/B.Engvick)

Booker Little (tp) Wynton Kelly (p-3,4) Tommy Flanagan (p-1,2,5,6) Scot LaFaro (b) Roy Haynes (ds)
Recorded on April 13, 15, 1960


<おまけコメント>
今回、久しぶりに3日間に5回ほど繰り返し聴いている時、不意に何故かベストセラーアルバム
● Kind of Blue / Miles Davis [Columbia CL 1355]

と同質の静寂感を、このアルバムから感じてしまった。それが収穫・・・・。
おわり。


SP時代のらっぱ名人 - The Fabulous Fats Navarro, Vol. 2 [Blue Note BLP 1532]2006/11/11 11:13

加持の好きなアルバムその2、です。
ファッツ・ナバロ(Fats Navarro)は、ビバップ盛んな頃に活躍したラッパ吹きです。

26歳で早世し、その実力を窺い知れる録音は少ないのですが、ブラウニー(Clifford Brown)を筆頭に、影響を受けた後輩達が続々と輩出されたことから、ミュージシャンや評論家には、割と知られた存在のようです。


ニックネームのファッツ(Fats)からも連想される、ふくよかで輝きのあるらっぱの音、ソロの最初から、全力疾走で駆け抜けることが出来る肺活量と構成力・・・。

その一端を垣間見ることが出来るのが、ブルーノート(Blue Note)のオムニバス・アルバムに収録された、ジャベロ(Jabero)です。

スタンダード「All The Things You Are」を基に、ピアニストのタッド・ダメロン(Tadd Dameron)が書下ろした曲なんですが、コンガのチャノ・ポゾ(Chino Pozo)が加わることで、原曲とは異なる壮大な「アフロ・キューバン」ジャズ風味になっております。

2テイクともよい演奏なのですが、ファッツのソロに関してのみ、3曲目[alt. master] をお勧めしたいと思います。

ソロ最初の、成層圏に届くかのような上昇フレーズや中盤、トゥカタカ-タカタカ-トゥカタカ-タカタカ~♪と16分音符で攻めまくられるカ・イ・カ・ンを是非、機会を見つけてご堪能下さいませ。




●The Fabulous Fats Navarro, Vol. 2 [Blue Note BLP 1532]

01. Lady Bird (T.Dameron) [alt. master] *1
02. Lady Bird (T.Dameron) *1
03. Jahbero (T.Dameron) [alt. take] *1
04. Jahbero (T.Dameron) *1
05. Symphonette (T.Dameron) [alt. master] *1
06. Symphonette (T.Dameron) *1

07. Double Talk (McGhee-Navarro) [alt. master] *2
08. Bouncing with Bud (B.Powell) [alt. master 1] *3
09. Dance of the Infidels (B.Powell) [alt. master] *3
10. The Skunk (McGhee-Navarro) [alt. master] *2
11. Boperation (Navarro) *2

◆session 1 (*1)
Fats Navarro (tp) Allen Eager (ts) Wardell Gray (ts)
Tadd Dameron (p) Curly Russell (b) Kenny Clarke (ds)
Chino Pozo (bongo)

Recorded on September 13, 1948 at Apex Studios, NYC

◆session 2 (*2)
Fats Navarro (tp) Howard McGhee (tp, p) Ernie Henry (as)
Milt Jackson (vib, p) Curly Russell (b) Kenny Clarke (ds)

Recorded on October 11, 1948 at Apex Studios, NYC

◆session 3 (*3)
Fats Navarro (tp) Sonny Rollins (ts)
Bud Powell (p) Tommy Potter (b) Roy Haynes (ds)

Recorded on August 9, 1949 at WOR Studios, NYC


<おまけコメント>
ナバロの代表的なソロは、1コーラス(24~32小節くらい)にコンパクトにまとまったものが多いために、ソロだけを書き出した楽譜集も多数発売されております。

そのウチの2冊ほど入手し、試しに演奏してみましたが、いやー難しいー。


☆2020年01月 修正☆




Relaxin' with The Brown & Roach Quintet2006/11/14 18:20

Browine_EmArcy_BOX
●The Complete EmArcy Recordings of Clifford Brown

「ブラウニー(Clifford Brown)の録音で何が一番好き?」と聞かれたら、まずはこのBOXセットのおまけ「特典CDシングル」が頭に浮かびます。いいんだこれが。

この「リハーサル・テイク」からはスタジオ内のリラックスした雰囲気が、存分に味わえるうえに、リラックスしきったブラウニーのソロが、また素晴らしい!
抑揚をあんまりつけないソロフレーズ、ブッカー・リトル(Booker Little)っぽかったりして、それも面白い!

あとこのCDで一番面白いのは、演奏直前にブラウニーの鼻を鳴らす音が聞こえること!おもわず聴いているほうも笑ってしまいます。


●The Complete EmArcy Recordings of Clifford Brown [19JD-10201/10]
- 未発表集を含む、13枚のアルバムを録音順に収録。
- 10枚組BOXセット 日本フォノグラム(株) [1989.06.26]

◆特典CDシングル◆ Flossie Lou [reharsal take ~ take 1 ~ take 2]

◎頭十数秒、スタジオ内の様子(一部)◎
 ・パラリラ-パラリラ - リッチー?がピアノを鳴らす音
 ・スタジオ内の会話 - ブラウニーが誰かと話している声?
 ・フンフン(スッスッ)- 笑った?ブラウニーの鼻を鳴らす音?

◎リハーサル・テイク
◎ブラウニーの「テイク1!」アナウンス ~ テイク1(テーマ途中まで)
◎ブラウニーの「テイク2!」アナウンス ~ テイク2(テーマ途中まで)

中古屋さんで見つけるか、所有している人がいたら聴かせてもらってくださいませ。


<おまけコメント>
1996.12.20発売の「At Basin Street + 8 [MG-36070]」には、リハーサル・テイクが収録されていたんですが、頭の会話等はカット!されているのでご注意を。
日本フォノグラムさん、次回は特典CDシングル盤そのままで、再発売してくださいませ。
どーも会話部分が無いと、のほほんとした雰囲気が味わえないので・・・。

☆参考までに・・・(2007/03/29追記)


HUSH(静寂・沈黙)-Royal Flush / Donald Byrd [Blue Note BLP 84101]2006/11/15 00:05

ハービー(Herbie Hancock)を見出し、ブルー・ノート・レコードとの契約についてアドバイス。

さらに、知人のマイルス(Miles Davis)に彼を紹介したのが、このアルバムのリーダー、ドナルド・バードのようです(いくつかの書籍で、ハービー本人のコメントあり)。


ハービー初参加のこのアルバム「Royal Flush」は、アルバム全体が、Hush(静寂・沈黙)のイメージで覆われております。
演奏曲でお勧めなのが、2曲目の絶品バラード 「I'm A Fool To Want You」

頭、バードが無伴奏で吹く「パラ、パーーーラパ」でノック・アウトされましす!
そのあとの3曲目、「Jorgie's」を続けて聴くと、より一層、感動が深まります。
ほんとにいいなー、この曲順。


●Donald Byrd / Royal Flush [Blue Note BLP 84101]

01. Hush (D.Byrd)
02. I'm A Fool To Want You (Wolf-Herron-Sinatra)
03. Jorgie's (D.Byrd)
04. Shangri-La (D.Byrd)
05. 6 M's (D.Byrd)
06. Requiem (H.Hancock)

Donald Byrd (tp) Pepper Adams (bs) Herbie Hancock (p)
Butch Warren (b) Billy Higgins (ds)

Recorded on September 21, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ



<おまけコメント>
タイトルのロイヤル・フラッシュ(Royal Flush)は、ポーカーでは最高の手で、同じマークのA、K、Q、J、10が揃っていること、だそうです。ふー。

ウラ「処女航海」とは?- Search for the New Land / Lee Morgan [Blue Note BST 84169]2006/11/16 08:05

沢山あるリー・モーガンのリーダー作中、比較的地味なアルバム「Search for the New Land (Blue Note BST 84169)」。

地味なんだけど1曲目目当てに、よく聴いてます(笑)。


タイトル曲でもある1曲目

ハービー(p)、グラント・グリーン(g)、ビリー・ヒギンズ(ds)による「さざ波」をイメージさせるオープンング(イントロ)。

次に、レジー・ワークマン(b)の力強いウォーキング・ベースに導かれるようにリー・モーガン(tp)とウェイン・ショーター(ts)によるテーマが奏でられる。それだけでサイコー!

ごきげんなソロの間にも、場面転換を知らせる、テーマ部が何度も演奏されるという、にくい演出。

それぞれのソロ演奏からは、新天地探索のさまざまな「希望」、「あせり」、「欲望」などなどの感情が感じ取れるかのようです。

ダークな音で奏でるウェイン・ショーター(ts)のソロも良いです。

まあ、こんなサウンド・スケープ的な演奏が結構好きなものですから・・・。

ハービーがこの後発表する、ベストセラー・コンセプト・アルバム「処女航海 [Blue Note BST 84195]」は、このセッションがヒントになったのでは・・・と。


モードっぽい「海」や「航海」をテーマとした曲が入っている、今でのリー・モーガン作品とは、一味違うアルバムです。


●Search for the New Land / Lee Morgan [Blue Note BST 84169]

01. Search for the New Land (Lee Morgan)
02. The Joker (Lee Morgan)

03. Mr. Kenyatta (Lee Morgan)
04. Melancholee (Lee Morgan)
05. Morgan the Pirate (Lee Morgan)


Lee Morgan (tp) Wayne Shorter (ts) Herbie Hancock (p)
Grant Green (g) Reggie Workman (b) Billy Higgins (ds)
REcorded on February 15, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ



<おまけコメント>
ハード・バップ版「処女航海」!


開けごま! - Open Sesame / Freddie Hubbard [Blue Note BST84040]2006/11/17 00:31

ベタなタイトルで失礼!

このアルバムが「V.S.O.P.」や、「ハービー・ハンコック(Herbie Hancock)」の数々のアルバムで活躍した、フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)のブルーノート・レコードにおけるデビュー作。

いきなりのリーダー作。期待の大型新人!だったんですねーー。


「ハードバップ」なアルバムなんですが、「ソウルフル」、「ラテン」な味が加味。

アルバム全体のイメージを、良くも悪くも印象付けているのは、「Open Sesame(開けごま!)」と「Gypsy Blue」の自作曲2曲を提供し、「ダーク」なサウンドのテナー・サックスで参加している、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)。


ティナのソロはいわゆる、「リズム&ブルース」風味強めなんですが、そこがまた味があって良かったり。

フレディのらっぱは、1曲目から「ファンファーレ」風の、ど派手なフレーズを聴かせてくれており、これもまたおいしい。


なお、フロントの二人は、次の「True Blue / Tina Brooks [Blue Note BST84041]」でも競演しています。

機会があれば、お聴き下さいまし。


●Open Sesame +2 / Freddie Hubbard [Blue Note BST84040]

01. Open Sesame (Tina Brooks)
02. But Beautiful (J.Burke-Van Heasen)
03. Gypsy Blue (Tina Brooks)
04. All Or Nothing At All (J.Lawrence-A.Altman)
05. One Mint Julep (Rudolph Toombs)
06. Hub's Nub (Freddie Hubbard)

bonus tracks
07. Open Sesame [alternate take]
08. Gypsy Blue [alternate take]

Freddie Hubbard (tp) Tina Brooks (ts) McCoy Tyner (p)
Sam Jones (b) Clifford Jarvis (ds)
Recorded on June 19, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ

☆米国盤(RVG Editon) (2020/01 修正)



<おまけコメント>
やっぱりティナ(Tina Brooks)のテナーはいいなー。

ジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)との競演盤、久々に聴こうかな。





マイルス生誕80周年 -Miles Davis Volume 3 [Blue Note 5040]2006/11/18 04:12

Mile Davis Volume 3 [Blue Note 5040]
  なんでも今年がマイルス・デイビス(Mlies Davis)の「生誕80周年」なんだそうで。

亡くなったのは1991年だから、没後15周年に・・・。


 今月は「スイング・ジャーナル」が特集記事を掲載したり、ソニーさんが「紙ジャケット」でCDを再発したりと、メディアへの露出も激しいみたい。

という事で、このあたりで私の好きなマイルスのワン・ホーン・アルバムの中から、ブルーノート5000番台の「10インチ・レコード」を紹介します。


 同じ演奏が、「Miles Davis volume 2 [Blue Note 1502]」にも収録されています。

CDをお持ちの方は一度、CDプレーヤーのプログラム機能で、「10インチ・レコード」の曲順に変更して聴いてみて下さい。

耳タコ盤でも、結構新・鮮に聞こえますよ。


●Miles Davis, Vol.3 [Blue Note BLP 5040]

01. Take Off (M.Davis)
02. It Never Entered My Mind (Rodgers-Hart)
03. Well You Needn't (T.Monk)

04. Lazy Susan (M.Davis)
05. Weirdo (M.Davis)
06. The Leap (M.Davis)

Miles Davis(tp) Horace Silver(p) Percy Heath(b) Art Blakey(ds)
Recorded on March 6,1954 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack,NJ


 1953年、マイルスは「麻薬中毒」という檻の中に居て、どん底の日々を送っていたようです。


 しかしマイルスはその年の後半に、その鎖を自らの意思で断ち切り、見事脱出に成功!

 半年の後、クリーンな体になったことを世間にアピールする為、あえてワン・ホーンで録音に挑んだ結果が、今回紹介するレコードです。


 サイド・メンには1954年2月、トランペットのクリフォード・ブラウン(Clifford Brown)らと共に「ある夜のバードランド」のステージに立った、ピアノのホレス・シルバー(Horace Silver)と、ドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)が参加。

張り切るマイルスを盛り立てています。


 2曲目、ミュートをつけてバラードを切々と歌い上げるマイルスのプレイに涙して下さい。




<おまけコメント>
再発されまくっている有名盤の解説は、ジャズジャーナリストの「小川隆夫」さんや、元スイング・ジャーナル編集長の「中山康樹」さんなど、マイルス本人と親交があった方々がよく書いておられます。



真夜中過ぎにて -'Round About Midnight at the Cafe Bohemia / Kenny Dorham [Blue Note BLP 1524]2006/11/19 04:52

 ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)は、かすれ気味だが艶のある、ハスキー気味な音を「らっぱ」から紡ぎだすトランペットの名手です。

トランペットの場合、ハッタリの効いたド派手な演奏が好まれる傾向があるので、「アート・ファーマー」とか「ケニー・ドーハム」辺りは、どうも、ジャズ喫茶で玄人受けする存在、という印象が強すぎかなあ。


 アップ・テンポの火を吹くかのようなソロでも、しみじみとしたバラードでも、同じ「音」で飄々と吹き綴る・・・そんなところが、彼の魅力です。

 そんな訳で、ケニー・ドーハムの「Quiet Kenny / Kenny Dorham [New Jazz NJLP 8225]」は、抒情的なバラードが印象深い事から、人気が出ているのでしょう。


 今回紹介するライブアルバムでも、6曲目に味わい深いバラード演奏が収録されております。

 『Thank You ・・・(中略)・・・ Autumn In New York! 』

 かわいい!感じのケニー自身のアナウンスから、ボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)のピアノ・イントロに導かれ、演奏がスタート。


 しみじみと、一音一音噛みしめるように吹き綴るケニーのトランペット、ライブ・ハウスの一番隅でいいから、聴いて見たかったですね。



●'Round About Midnight at the Cafe Bohemia / Kenny Dorham [Blue Note BLP 1524]

01. Monaco (Kenny Dorham)
02. 'Round About Midnight (T.Monk)
03. Mexico City (Kenny Dorham)
04. A Night in Tunisia (Gillespie-Robin)
05. Autumn in New York (V.Duke)
06. Hills Edge (Kenny Dorham)

Kenny Dorham (tp) J.R. Monterose (ts) Bobby Timmons (p)
Kenny Burrell (g) Sam Jones (b) Arthur Edgehill (ds)

Recorded on May 31, 1956 at "Cafe Bohemia", NYC

<おまけコメント>
 ケニーは、チャーリー・パーカー(Charlie Parker)のバンドに退団するマイルス・デイビス(Miles Davis)本人の推薦により参加。
 またその後、ドラムスのアート・ブレイキー(Art Blakey)、ピアノのホレス・シルバー(Horace Silver)らと「JAZZ MESSENGERS」を結成。

 今回のアルバムはケニー自身のバンド、「ジャズ・プロフェッツ(Jazz Prophets)」に、ケニー・バレル(Kenny Burrell)がゲスト参加したもの。


枯葉-She Was Too Good to Me / Chet Baker [CTI 6050 S1]2006/11/20 08:10

 私、最初に愛聴したチェット・ベイカー(Chet Baker) のアルバムがこれ。

 ジャズのレコードやCD買い始めた当時、チェットが大人気だった「パシフィック・ジャズ」時代のレコードは再発されておらず、丁度、「CTIレコード」のこのアルバムだけ、CD発売されたたんで・・・。




 録音データを確認すると、録音エンジニアは、ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder) だったのですねー。

 アコーステック・ピアノが入っていないからか、今まで気がつきませんでした。


 ポール・デスモンド(as)とのコンビで、「枯葉」を快調にブローしたり、ストリング入りの甘くささやくボーカルあり、ハードなハンク・モブレー(Hank Mobley)の作品ありといった風に、バラエティにとんだアルバムです。

 特に、沢山の名曲を残したハンク・モブレー(ts)の「Funk In Deep Freeze」 のけだるい感じの演奏!は一時期嵌まりましたねー。

 自分でテーマ部分をコピーして演奏してみたり・・・まあ、どうでもいいことですが。


●She Was Too Good to Me / Chet Baker [CTI 6050 S1]

01. Autumn Leaves (J.Kosma/J.Mercer)
02. She Was Too Good To Me (Rodgers/Hart) *
03. Funk In Deep Freeze (Hank Mobley)
04. Tangerine (J.Mercer/V.Schertzinger)
05. With A Song In My Heart (Rodgers/Hart)
06. What'll I Do (I.Berlin) *
07. It's You Or No One (S.Cahn/J.Styne)

Chet Baker (tp, vo-2,5,6) Paul Desmond (as -1,4)
George Marge (alto-fl, ob, d'amore) Hubert Laws (fl, alto-fl)
Romeo Penque (cl, fl) David Friedman (vib) Bob James (el-p)
Ron Carter (b) Steve Gadd (ds -1/4) Jack DeJohnette (ds -5/7)

with Strings (*)
Lewis Eley (vln) Max Ellen (vln) Barry Finclair (vln) Paul Gershman (vln)
Harry Glickman (vln) Emanuel Green (vln) Harold Kohon (vln) David Nadien (vln)
Herbert Sorkin (vln) Warren Lash (vlc) Jesse Levy (vlc)

Don Sebesky (arr, cond)

Recorded on July 17, October 31, November 1, 1974
at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ


<おまけコメント>
 「終わりなき闇-チェット・ベイカーのすべて[河出書房]」、読了しました。軽い気持ちで読み進めていたのですが、切ない「舞台裏」の話が多すぎて、途中でやるせなくなります。

 「天使の顔を持った悪魔」 の私生活がどんなだったか知りたい方は「気合を入れた」上、お読み下さい。