ボーン&バリ/カーティス・フラー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第6回発売2008/12/09 22:17

ボーン&バリ カーティス・フラー

 トロンボーンとバリトン・サックスという珍しい2管編成による、カーティス・フラー(Curtis Fuller)のブルーノート第2弾。
 バックのピアノ・トリオは日本で異常に人気が高いソニー・クラーク(Sonny Clark)に、ポール・チェンバースとアート・テイラー。
 日本では度々再発されているのにも関わらず、欧米では再発の気配すらありませんね(笑)。

 ちなみにわたくし、ペッパー・アダムス(Pepper Adams)を筆頭にして、バリトン・サックスの演奏は結構好きであったりします。
 そういえば、ジェリー・マリガン(Gery Mulligan)もバリトン奏者だったか(笑)。


 オープニング、重厚な「Algonquin」は、カーティス・フラー作曲のマイナー・ブルース。
 地響きのようなテイト・ヒューストン(Tate Houston)のバリトン・サックスが心地よい1曲。


 「Nita's Waltz」は、小粋な感じがする3拍子の曲です。

 フラーが子供の頃に聴いたドイツ民謡を、地下鉄に乗っている時に、思い出してまとめた曲らしいです。
 ちなみに一緒に乗っていたのは、あのアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)!
 バド・パウエル(Bud Powell)との録音(BN1571だ!)のあと、バドの自宅へ訪問した帰りだったとか。


 タイトルにもなった「Bone & Bari」は、特にソニー・クラークのシングル・トーンによるソロが聴きもの。
 途中、『Candy / Lee Morgan(BN1590)』でのピアノ・ソロを思い出させるフレーズが登場します。
 各人の小粋なソロが続き、最後にベース・ソロとドラム・ソロで締めくくります。



 ソニー・クラークの小洒落たイントロから始まる「Heart And Soul」は、カーティス・フラーのワンホーンによる演奏。
 ホーギー・カーマイケルの手によるスタンダードを、フラーは伸び伸びと吹ききっております。


 続く「Again」は、テイト・ヒューストン(Tate Houston)のバリトン・ワンホーンという珍しい1曲。
 カーティス・フラーが、ヒューストンに演奏してもらいたかった曲だそうです。
 バリトン・サックスが重低音で美しいスロー・バラッドを奏でる、なんとも素敵な演奏であります。


 アルバム・ラストは超アップテンポの「Pickup」。ファンキーなリフ(テーマ)のブルースです。

 ソロ最初に登場するテイト・ヒューストン、猛牛が突進するが如く、フレーズを重ねて行きます。
 続くカーティス・フラー、トロンボーンとは思えない程(笑)、軽やかにソロを展開します・・・凄いなあ。
 ソニー・クラークもいつになく熱いソロで応戦、そのままセカンド・リフに突入しあっさりと演奏は終了します。


 ある意味、玄人好みの作品なんで、ジャズ喫茶あたりでかかるとおっ!となること間違いない1枚であります。


Bone & Bari / Curtis Fuller Blue Note BN1572

01. Algonquin (Curtis Fuller) 5:01
02. Nita's Waltz(Curtis Fuller) 6:54
03. Bone & Bari(Curtis Fuller) 6:15

04. Heart And Soul (Loesser-Carmichael) * 4:48
05. Again (Corcoran-Newman) ** 7:17
06. Pickup(Curtis Fuller) 5:46

Curtis Fuller (tb -omit *) Tate Houston (bs -omit **) Sonny Clark (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)
Recorded on August 4, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7173 ボーン&バリ/カーティス・フラー
TOCJ-7173 Bone & Bari / Curtis Fuller [BN1572]





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