カーティス・フラー Vol.3/カーティス・フラー-新・ブルーノートRVGコレクション第2期第5回発売 ― 2008/11/07 21:12
ハード・バップ・トロンボーンの人気者、カーティス・フラーの2管編成による好アルバム。
叙情的な演奏を得意とするアート・ファーマーを相方に従え、ピアノにはソニー・クラークが参加する1枚。
メンバーをよーく見ると、1957年11月10日に録音された『Cliff Craft / Cliff Jordan [BN1582]』からリーダーが入れ替わっただけ(笑)だったりします。
演奏全体に漂う雰囲気が、当時のホレス・シルヴァー・クインテット風だったりするのが面白い所。
『Little Messenger』は、タイトル通り「ジャズ・メッセンジャーズ風」な1曲。
多分、ホレス・シルヴァーが在籍した頃の『初期メッセンジャーズ』をイメージしたのでしょうね。
ソロ最初に登場するは、ソニー・クラーク。唸り声をあげながらシングルトーンによる長めのソロを披露します。
A・ファーマーのソロに続くのはC・フラー。 途中、『ジェリコの戦い』や『朝日の如くさわやかに』のフレーズを引用して余裕たっぷりにソロを締めくくります。
『Quantrale』は、アフロ-キューバン調の哀愁漂う1曲。
何と言うか・・・・映画の幕間にBGMで流れていそうな曲ですね。
『Jeanie』は、シャッフル・ビートのゆったりした曲。
テーマ部でテーマを吹くC・フラーにさり気なく絡むA・ファーマーが小粋。
『Carvon』は、C・フラーがビクター・ヤングが音楽を担当した西部劇映画から着想を得て作った曲。
イントロは、トロンボーンとベースの弓弾きによるデュオ。
その叙情的に繰り広げられる長ねのイントロから、リズム隊が入るとやや早めのビートを刻み出します。
そしてリラックス雰囲気の中、アート・ファーマーの美しいソロが際立って聴こえます。
S・クラークのソロは、なんとなく『Cool Struttin' / Sonny Clark [BN1588]』を思わせる展開がGOOD。
『Two Quarters Of A Mile』は、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)に捧げた1曲。
C・フラーのソロあと、A・ファーマー~S・クラークと叙情的な演奏を得意とするメンバーの華麗なソロが続きます。
ラストの『It's Too Late Now』は名コンビ、ラーナー(作詞)&レーン(作曲)による1曲。
最初のフロント2管によるアンサンブルが素敵な曲です。
この位のテンポだと、トロンボーンののほほんとした音色がいっそう冴えて聴こえます。
Curtis Fuller Volume 3 / Curtis Fuller Blue Note BN1583
01. Little Messenger (Curtis Fuller) 6:19
02. Quantrale (Curtis Fuller) 6:11
03. Jeanie (Curtis Fuller) 6:47
04. Carvon (Curtis Fuller) 6:55
05. Two Quarters Of A Mile (Curtis Fuller) 6:29
06. It's Too Late Now (Lane-Lerner) 6:54
Art Farmer (tp) Curtis Fuller (tb) Sonny Clark (p) George Tucker (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on December 1, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
TOCJ-7153 カーティス・フラー Vol.3/カーティス・フラー
TOCJ-7153 Curtis Fuller Volume 3 / Curtis Fuller [BN1583]
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://kajiakira.asablo.jp/blog/2008/11/07/4008762/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。