新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-トゥルー・ブルー+2 - ティナ・ブルックス2008/04/12 12:10

TRUE BLUE - TINA BROOKS  Blue Note BST-84041

 ブルーノートが売り出しを図る新人さん(当時)、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)とフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)の共演盤です。
 ティナ・ブルックスにとっては当時発売された唯一のリーダー・アルバムとなります。
 発売当初は無名の新人さんのアルバムであったためまったく売れず、日本のジャズ喫茶界隈では「幻の名盤」と持て囃されたとか。

 このアルバムを気に入った方はもう一枚の共演盤、番号続きの『オープン・セサミ/フレディ・ハバード(4040)』も聴いて下さい。

 あ、バップ・ピアニストのデューク・ジョーダン(Duke Jordan)が参加しているのが嬉しいですね。


 丁度、『ジャズマンがコッソリ愛するJAZZ隠れ名盤100/小川隆夫 著(河出書房新書)』の中に「トゥルー・ブルー」の紹介ページがありますので確認。
 スタンリー・タレンタイン(ts)のコメントを要約すると、『結構ブルージーで、ハンク・モブレー的スタイルの持主』なんだそうです。
 成るほど。そう言われて聴き直すとそうかも(笑)。ちなみにスタンレーご本人は『ソニー・ロリンズ』タイプの奏法だとのこと。


 前半(LP時代はA面)は、サム・ジョーンズのどっしりとしたウォーキング・ベースが心地良いミディアムテンポの「Good Old Soul」、 スインギーなハードバップナンバー「Up Tight's Creek」、 哀愁漂うラテン調のテーマが耳に残る「Theme For Doris」と続きます。

 後半(LP時代はB面)はリズム・パターンが面白いタイトルトラックの「True Blue」、 ティナ作曲「オープン・セサミ(Open Sesame)」と良く似た曲調の「Miss Hazel」、 最後はフレディ・ハバードがテーマをリードする軽快な「Nothing Ever Changes My Love For You」で締めくくります。


 なお追加曲の「True Blue」「Good Old Soul」は本テイクと同じ位の出来栄えです。


TRUE BLUE / TINA BROOKS Blue Note BST-84041

01. Good Old Soul (Tina Brooks) 8:05
02. Up Tight's Creek (Tina Brooks) 5:14
03. Theme For Doris (Tina Brooks) 5:50

04. True Blue (Tina Brooks) 4:55
05. Miss Hazel (Tina Brooks) 5:29
06. Nothing Ever Changes My Love For You (M.Fisher-J.Segal) 7:50

07. True Blue -alternate take- 5:05
08. Good Old Soul -alternate take- 7:35

Freddie Hubbard (tp) Tina Brooks (ts) Duke Jordan (p) Sam Jones (b) Art Taylor (ds)
Recorded on June 25, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7095 トゥルー・ブルー+2 / ティナ・ブルックス




オープン・セサミ+2 / フレディ・ハバード


バック・トゥ・ザ・トラックス / ティナ・ブルックス



ジャッキーズ・バッグ +3 / ジャッキー・マクリーン



フライト・トゥ・ジョーダン+2 / デューク・ジョーダン



♪Tina Brooks On Blue Note [Selected]


●1958.02.25 House Party / Jimmy Smith Blue Note BST-84002
●1958.02.25 The Sermon ! / Jimmy Smith Blue Note BST-84011

◎1958.03.16 Minor Move / Tina Brooks Blue Note GXF-3072 [Japan]

●1958.04.07 Cool Blues / Jimmy Smith Blue Note LT-1054

●1958.05.14 Blue Lights, Vol. 1 / Kenny Burrell Blue Note BST-81596
●1958.05.14 Blue Lights, Vol. 2 / Kenny Burrell Blue Note BST-81597


●1959.08.25 On View At The Five Spot Cafe / Kenny Burrell Blue Note BST-4021


●1960.06.19 Open Sesame / Freddie Hubbard Blue Note BST-84040
◎1960.06.25 True Blue / Tina Brooks Blue Note BST-84041

●1960.08.13 Shades Of Redd / Freddie Redd Blue Note BLP 4045
●1960.09.01 Jackie's Bag / Jackie McLean Blue Note BLP 4051

◎1960.10.20 Back To The Tracks / Tina Brooks Blue Note BRP-8033 [Japan]


◎1961.03.02 The Waiting Game / Tina Brooks Blue Note


ハウス・パーティ+1 / ジミー・スミス


Waiting Game / Tina Brooks



Blue Lights, Vols. 1-2 / Kenny Burrell



Cool Blues / Jimmy Smith


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-ドゥーイン・オールライト+2 - デクスター・ゴードン2008/04/12 15:43

DOIN' ALLRIGHT - DEXTER GORDON  Blue Note BST-84077

 ビバップ時代の大スター、デクスター・ゴードン(Dexter Gordon)のブルーノート第一弾。
 彼の復帰を聞きつけたアルフレッド・ライオンが、アイク・ケベック(Ike Quebec)を通して実現させた録音なんだそうです。


 相方のトランペットはフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)、バックはスタンレー・タレンタイン(Stanley Turrentine)のアルバムなどで御馴染み、ホレス・パーラン(Horace Parlan)の”Us Three”トリオ。

 わたくし最初、ホレス・パーランはともかく、フレディ・ハバードとは合うのか?と不安に思っておりましたが、意外とフィットするんですね。
 このフロント2人は1962年、「Takin' Off / Herbie Hancock(4109)」で再度、競演することになります。


 デクスター・ゴードンの悠然とした雰囲気そのままの「I WAS DOING ALL RIGHT」、デクスターは倍のテンポでソロ・フレーズを紡いでいきます。
 2曲目のバラッド「YOU'VE CHANGED」、粘り気のある(笑)”Us Three”トリオをバックに淡々とフレーズを重ねるデクスター、続くフレディは短いながらも溌剌としたソロを聴かせてくれます。
 ちょっとユーモラスな曲調の「FOR REGULARS ONLY」では、時折ホンカー(笑)みたいなフレーズを織り交ぜながら小気味良いブローを展開してます。
 この曲で一番張り切っているのはフレディかも。最後に登場するホレス・バーランも、お得意のブロック・コードを混ぜたソロを披露します。

 ブルージーな「SOCIETY RED」は、セカンドリフも入る長尺な演奏。
 ラストの「IT'S YOU OR NO ONE」、デクスター・ゴードンはアップ・テンポに刻まれるリズムに乗ってノリノリなソロを聴かせてくれます。


DOIN' ALLRIGHT / DEXTER GORDON Blue Note BST-84077

01. I WAS DOING ALL RIGHT (Gershwin) 9:23
02. YOU'VE CHANGED (Carey-Fisher) 7:30
03. FOR REGULARS ONLY (Dextor Gordon) 5:48

04. SOCIETY RED (Dextor Gordon) 12:26
05. IT'S YOU OR NO ONE (Styne-Cahn) 6:18

06. I WANT MORE 6:21
07. FOR REGULARS ONLY -alternate take- 12:21

Freddie Hubbard (tp) Dexter Gordon (ts) Horace Parlan (p) George Tucker (b) Al Harewood (ds)
Recorded on May 6, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7096 ドゥーイン・オールライト+2 / デクスター・ゴードン



アワ・マン・イン・パリ+2 / デクスター・ゴードン



ゴー! / デクスター・ゴードン



テイキン・オフ+3 / ハービー・ハンコック



ゲッティン・アラウンド+2 / デクスター・ゴードン


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-TOCJ-7097 ザ・ラテン・ビット+3 - グラント・グリーン2008/04/12 16:08


 グラント・グリーンのラテンもの。
 ラテンは好きですがギターに疎いわたくしなので、詳細はスルーさせていただきます。m(__)m
 オルガンが絡んだりすると、書きやすいんだけどね(笑)。


THE LATIN BIT / GRANT GREEN Blue Note BST-84111

01. MAMBO INN 5:52
02. BESAME MUCHO 7:12
03. MAMA INEZ 6:42
04. BRAZIL 5:01
05. TICO TICO 7:46
06. MY LITTLE SUEDE SHOES 6:23

07. BLUES FOR JUANITA 7:06
08. GRENADA 6:27
09. HEY THERE 7:24

Grant Green (g) John Acea (p) Wendell Marshall (b) Willie Bobo (ds)
Carlos "Patato" Valdes (conga) Garvin Masseaux (chekere)
Recorded on April 26, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7097 ザ・ラテン・ビット+3 / グラント・グリーン




サンディ・モーニン+1 / グラント・グリーン



アイドル・モーメンツ+2 / グラント・グリーン



グリーン・ストリート+2 / グラント・グリーン



フェイス・トゥ・フェイス+2 / ベイビー・フェイス・ウィレット



ワークアウト+1 / ハンク・モブレー



新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-ボサノバ・ソウル・サンバ+3 - アイク・ケベック2008/04/12 17:20

BOSSA NOVA SOUL SAMBA - IKE QUEBEC  Blue Note BST-84114

 ビバップ全盛期からタレントスカウトから運転手(!)まで、ブルーノートを影で支えてきたアイク・ケベック、復帰後4枚目となったラストアルバムです(1962年10月録音)。
 ケニー・バレル(Kenny Burrell)を迎え、バレルの名曲「LOIE」などをボサノヴァのリズムに乗せて演奏しております。

 ジャケットのモデルは、後にアルフレッド・ライオンの奥方となる元DJのルースさん。
 ついでに「BOSSA NOVA SOUL SAMBA」は、加持の隠れ愛聴盤でもあります。


 ケベックは翌年1963年1月、肺ガンのため亡くなってしまった為、表舞台に復帰してから公式に発売されたのはアルバムは計4枚。

 その他のアルバムを紹介すると1枚目は1961年末録音、オルガントリオをバックした「Heavy Soul / Ike Quebec(4093)」
 2枚目はグラント・グリーン(g)が参加した1961年11月録音「Blue and Sentimental(4098)」、3枚目は1961年12月の「春の如く - It Might as Be Spring(4105)」
 いずれのアルバムもアルフレッド・ライオン好みの、ブルース・フィーリングが横溢した作品です。


 では録音時の背景を頭に入れて演奏を聴いてみましょう。

 ケベックの演奏ですが、サブトーン多目で抑え気味に感じるます。これは「肺ガンによる痛み」に耐えながら演奏している為でしょうか?
 肺の病は、管楽器奏者には致命的とも思えますので・・・豪快にブローしたくても吹けなかったのかも。

 1曲目の「LOIE」からラストの「LINDA FLOR」まで一気に聴き通すと、心地よさからもう一度聴きたくなります。

 3曲追加された別テイクも秀逸な出来・・・ジャズファン以外にもお勧め出来る1枚です。


BOSSA NOVA SOUL SAMBA / IKE QUEBEC Blue Note BST-84114

01. LOIE (Kenny Burrell) 3:10
02. LLORO TU DESPEDIDA (Lacerda-Camacho-Cabrall) 3:04
03. GOIN' HOME (Anton Dvorak arr. Ike Quebec) 5:42
04. ME 'N YOU (Ike Quebec) 5:59

05. LIEBESTRAUM (arr. Ike Quebec) 3:42
06. SHU SHU (A.Almeida-C.De Souza) 3:31
07. BLUE SAMBA (Ike Quebec) 5:22
08. FAVELA (H.Tavares-J.Camargo) 4:00
09. LINDA FLOR (Henrique Vogeler) 3:27

10. LOIE (Kenny Burrell) -alternate take- 3:34
11. SHU SHU (A.Almeida-C.De Souza) -alternate take- 3:19
12. FAVELA (H.Tavares-J.Camargo) -alternate take- 3:21


Ike Quebec (ts) Kenny Burrell (g) Wendell Marshall (b) Willie Bobo (ds)
Garvin Masseaux (chekere)
Recorded on October 5, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

TOCJ-7098 ボサノバ・ソウル・サンバ+3 / アイク・ケベック




春の如く / アイク・ケベック