トラックバックについてのお知らせ2008/04/04 12:35

Blue Note LP 1500`s -

 年度末・年始で多忙状態のため、ご無沙汰しております。<(_ _)>


 ・・・・最近何故か海外からのスパム・トラックバックが増え、処理し切れない状況が続いておりますので、トラックバックはしばらく『受付停止』とします。

 ただし、ジャズ関連のまっとうなトラックバックに関しましては、コメント等で連絡いただければ、一時的に『受付停止』を解除致しますのでよろしくお願い致します。


 RVGシリーズは終了してしまいましたが、珍しいアルバムの本国ブルー・ノートの再発や、アルフレッド・ライオン生誕70周年記念イベントなど目白押しですので、徐々に再開して行きたいと思います。


 これからは新規ブログ記事、ほぼリアルタイムの時刻でアップすることになると思います(予定ですが)。


 ♪2007年4月4日 お昼頃  加持顕

新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-キャンディ+1 - リー・モーガン2008/04/05 14:06

CANDY - LEE MORGAN  BLUE NOTE 1590

 「キャンディ」は天才トランペット少年リー・モーガン、最初の絶頂期に録音されたワン・ホーン・アルバムです。
 これからもずーっと聴き続けるであろう、加持の愛聴盤の一枚。

 バックはこれまた絶好調の、ソニー・クラーク・トリオ(Sonny Clark Trio)です。


 この時期の彼らがどれだけ凄いかは、当時録音(参加)したアルバムをご覧いただいた方が理解しやすいので、参考までにリストアップしときます。

  • 1957.09.13 Sonny Clark Trio [BLP1579]
  • 1957.09.15 Blue Train / John Coltrane with Lee Morgan[BLP1577]
  • 1957.09.29 The Cooker / Lee Morgan [BLP1578]
  • 1957.11.18 ♪Candy -first session-
  • 1958.01.05 Cool Struttin' / Sonny Clark Quintet[BLP1588]
  • 1958.02.02 ♪Candy -second session-


 リストアップしたどのアルバムも名盤と呼ばれ、現在でもアルバム・セールス更新中ですね。凄い。

 鯔背(いなせ)という形容詞がピッタリなオープニングの「CANDY」、 女性を口説くような(笑)甘いトーンで攻める「SINCE I FELL FOR YOU」、 モーガンらしいキュートなフレーズが随所に炸裂する「C.T.A.」では4バースを途中に挟んでクラークのピアノが気持ち良く疾走します。

 ソニー・クラークの可憐なピアノイントロから始まるバラッドの「ALL THE WAY」、ポール・チェンバースのフレーズをグーンと引っ張るベースが心地よいですねー。
 ちょっとファンキーな「WHO DO YOU LOVE I HOPE」、テーマ部のフィリー・ジョー・ジョーンズが叩くリズム(リム・ショット)に注目。こんな風に叩かれたら、どんな演奏者も燃えてしまうでしょうね。
 アルバムラストの「PERSONALITY」、リー・モーガンさんいきなりハーフバルブでキュートなフレーズを決めてきます。このくらいのテンポだと、余裕しゃくしゃくですな。

 CD追加曲の「ALL AT ONCE YOU LOVE HER」は、かなりアップテンポのナンバーです。
 結構良い出来のように思えるのですが、LP収録時間の関係でカットされたのかな?


CANDY / LEE MORGAN Blue Note 1590

01. CANDY (David-Whitney-Kramer) * 7:02
02. SINCE I FELL FOR YOU (Johnson) 5:35
03. C.T.A. (J.Heath) * 5:05

04. ALL THE WAY (Kahn-Van Heusen) * 7:21
05. WHO DO YOU LOVE I HOPE (Berlin) * 4:59
06. PERSONALITY (Burke-Van Heusen) 6:11

07. ALL AT ONCE YOU LOVE HER 5:22

Lee Morgan (tp) Sonny Clark (p) Doug Watkins (b) Art Taylor (ds)
Recorded on November 18, 1957 & February 2, 1958(*)
at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7091 キャンディ+1 / リー・モーガン




●リー・モーガンの活動休止前のブルーノート・リーダーアルバム

  1. BLP 1538 Lee Morgan Indeed ! [1956.11.04]
  2. BLP 1541 Lee Morgan Volume 2 [1956.12.02]
  3. BLP 1557 Lee Morgan Volume 3 [1957.03.24]
  4. BLP 1575 City Lights [1957.08.25]
  5. BLP 1578 The Cooker [1957.09.29]
  6. BLP 1590 Candy [1957.11.18 & 1958.02.02]
  7. BLP 4034 Lee-Way [1960.04.28]



インディード+1



リー・モーガン Vol.2



リー・モーガン Vol.3+1



シティ・ライツ



ザ・クッカー+1


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-ザ・シーン・チェンジズ+1 - バド・パウエル2008/04/05 16:41

THE SCENE CHANGES - BUD POWELL  Blue Note BST-84009

 『ザ・シーン・チェンジズ』は、渡欧直前のバド・パウエルがブルーノートに残した最後のリーダー・アルバムです。

 日本人が好みそうなマイナー・キーの曲中心で、全曲バド・パウエルのオリジナル。

 ドラムのアート・テイラー(Art Taylor)はリーダーからステック禁止(笑)を言い渡され、ブラシだけでリズムを刻んでおります。
 ・・・理由は、前作『タイム・ウェイツ(1598)』においてドラムスのフィリー・ジョー・ジョーンズが叩き過ぎ(笑)て五月蝿かったため、と噂されております。

 録音の背景はともかく(笑)、ほぼ同じモチーフを用いたと思われる曲が集められたこのアルバム、疲れた心を癒すには最適なアルバムの一枚ではないか?と思います。



 1曲目は泣く子も黙る(?)超有名曲、『CLEOPATRA'S DREAM』
 軽快なテンポにのせて疾走するこの曲、ブルーノートのコンピレーション盤には必ず収録されている日本人好みの名曲です。

 ブラシが刻むザクザクとしたリズムが心地よい『DUID DEED』、 途中、ポール・チェンバースの弓引きソロが登場するアップテンポ・マイナー・ナンバーの『DOWN WITH IT』、 Aパート部分のテーマがスタッカート気味で演奏される『DANCELAND』、 当時3歳の息子(Earl Douglas John Powell)に捧げられた『BORDERICK』と続きます。
 多分、ジャケットに写っている男の子が息子のダグラス君なんでしょうね。


 アップテンポ・バップ風ブルースの『CROSSIN' THE CHANNEL』、 リズム・パターンが印象的なミディアムテンポの『COMIN' UP』、 哀愁漂う『GETTIN' THERE』は、デューク・ジョーダン(Duke Jordan)やフレディ・レッド(Freddie Redd)あたりが書きそうな曲ですね。
 アップテンポのラスト・ナンバー『THE SCENE CHANGES』は、『CLEOPATRA'S DREAM』をやや明るめに変化させたような曲。


 なお今回のCDには『COMIN' UP(別テイク)』が、追加収録されております。



The Amazing Bud Powell, Vol. 5 - THE SCENE CHANGES / BUD POWELL Blue Note BST-84009

01. CLEOPATRA'S DREAM (Bud Powell) 4:22
02. DUID DEED (Bud Powell) 5:07
03. DOWN WITH IT (Bud Powell) 4:00
04. DANCELAND (Bud Powell) 3:42
05. BORDERICK (Bud Powell) 1:59

06. CROSSIN' THE CHANNEL (Bud Powell) 3:30
07. COMIN' UP (Bud Powell) 7:57
08. GETTIN' THERE (Bud Powell) 5:04
09. THE SCENE CHANGES (Bud Powell) 4:02

10. COMIN' UP -alternate take- 5:26


Bud Powell (p) Paul Chambers (b) Art Taylor (ds)

Recorded on December 29, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7094 ザ・シーン・チェンジズ+1 / バド・パウエル





コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.1



コンプリート・ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.2



バド! ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.3+1



タイム・ウェイツ ジ・アメイジング・バド・パウエル Vol.4+1



新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-サムシン・エルス+1 - キャノンボール・アダレイ2008/04/06 05:09

SOMETHIN'ELSE - CANNONBALL ADDERLEY  Blue Note BST-81595

 『枯葉(AUTUMN LEAVES)』の決定的名演を収録したアルバム、「サムシン・エルス」
 マイルス・デイヴィスがサイドマンとして参加したこのアルバムにより、ブルーノートは「ロングセラーアルバム」をまた1枚獲得しました。

 なおこの録音で「音楽監督が仕切るアルバム(制作)」というアイデアを得たライオンは、 「Moanin' / Art Blakey & Jazz Messengers(4003)」という次なる大ヒットアルバムを生み出す事となります。


 アルバム制作は、オーナーのアルフレッド・ライオン宛に、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)から電話がかかって来た事から始まったそうです。
 「キャノンボール・アダレイをリーダーにして、サイドメンとしてマイルス自身が参加するレコーディングをしないか?」という内容だったとのこと。

 「サムシン・エルス」でのマイルスは「音楽監督」という立場で、メンバーの手配から選曲・アレンジのサポートまで担当していたようです。


 マイルスからすれば麻薬に溺れていた不遇時代でも、積極的に録音の機会を与えてくれたアルフレッド・ライオンに対し、恩返しの意味を込めて録音企画を申し出たらしいです。
 怒ると怖いが(笑)、恩は決して忘れない人だったんですね、マイルス・デューイ・デイヴィス三世。


 ハンク・ジョーンズの楚々としたイントロ、マイルスのミュート・トランペットが強烈な印象を与える『枯葉(AUTUMN LEAVES)』、  同じくミュートで軽快にスイングする『LOVE FOR SALE』

 マイルスとキャノンボールの掛け合いで進行するラフなテーマの『SOMETHIN' ELSE』、これぞハードバップだ!と叫びたくなる熱い演奏です。

 シカゴのDJ「Daddy-O Daylie」に捧げたファンキーなブルース(?)『ONE FOR DADDY-O』、ラストで聴こえるマイルスのしゃがれた声がまた雰囲気を盛り上げますね。

 ラストのバラッドの『DANCING IN THE DARK』は、マイルスが抜けたカルテットによる演奏。
 サラ・ヴォーンによる演奏を聴いた音楽監督のマイルスが、キャノンボールに演奏させたんだとか。


 CD追加曲の『BANGOON』は未発表曲として公開された当初、「Allison's Uncle」というタイトルがつけられていたもの。
 その後、ハンク・ジョーンズ(Hank Jones)の作品と確認され『BANGOON』と改題されました。
 内容は、軽快なハードバップ!といった感じ。まあ未発表のままでも良かったな(笑)。


SOMETHIN'ELSE / CANNONBALL ADDERLEY Blue Note BST-81595

01. AUTUMN LEAVES (Prevert-Kosma) 10:55
02. LOVE FOR SALE (Cole Porter) 7:03

03. SOMETHIN' ELSE (Miles Davis) 8:12
04. ONE FOR DADDY-O (Nat Adderley) 8:23
05. DANCING IN THE DARK (Schwartz-Dietz) 4:05

06. BANGOON (Hank Jones) 5:09

Miles Davis (tp -omit 5) Cannonball Adderley (as) Hank Jones (p) Sam Jones (b) Art Blakey (ds)

Recorded on March 9, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7092 サムシン・エルス+1 / キャノンボール・アダレイ




コンプリート・マイルス・デイヴィス Vol.1



コンプリート・マイルス・デイヴィス Vol.2



モーニン+2 / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-モーニン+2 - アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ2008/04/06 18:00

MOANIN' - ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS  Blue Note BST-84003

 「モーニン」は、「サムシン・エルス(1595)」で音楽監督を起用するというアイデアを得たアルフレッド・ライオンが、録音に参加したアート・ブレイキー(Art Blakey)に持ち掛けた企画アルバム(?)です。
 本アルバムの成功により、ブレイキーは音楽監督が演奏を仕切る「アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ」という恒久バンドを手に入れ、亡くなるまで世界中を飛び回ることとなります。

 ブレイキー自身も、『自分が満足するドラム・プレイが出来れば、スタイルは気にしない。』と言っていたそうなので、ピッタリのフォーマットだった訳ですね。


 そんな訳で初代音楽監督として迎えられたのは、ベニー・ゴルソン(Benny Golson)。
 バンドにゴスペル調のサウンドを取り入れたのはなんと、ホレス・シルヴァーのクインテットをお手本にした為だとか(笑)。

 音楽監督を引き受けたベニー・ゴルソンは、開店休業状態だったバンドを立て直す為にメンバーを一新。
 トランペットにはディジー・ガレスピー楽団で一緒だったリー・モーガン(Lee Morgan)、ピアノにボビー・ティモンズ(Bobby Timmons)を迎え入れます。

 次に自ら何曲か書き下ろし、ピアノのティモンズにも曲を書くように依頼。そうして誕生したのがバンドの代表曲となる『MOANIN'』です。
 なおテーマ部でピアノとフロント楽器がコール&レスポンス形式で演奏するのは、ゴルソンが提案したアイデアだそうです。


 今回のリマスターCD発売に伴い2トラックが追加されましたが、意外なことにミミダコだったこのアルバムを聴き易くする効果を発揮してます。
 特に、『Warm Up And Dialogue Between Lee And Rudy』内でリー・モーガンが吹くハイトーン一発!の凄いこと。
 この緊張感を保ったまま1曲目の『MOANIN'』に突入するとあら不思議。最後まで聴き通せてしまいます。

 以前は『MOANIN'』聴いただけでおなかいっぱいになったのに・・・さすがルディ・ヴァン・ゲルダー!あと、米国で再発を指揮しているマイケル・カスクーナのお陰か(笑)。



 初演となる『MOANIN'』、このテイクを超える『MOANIN'』は無い!と賞賛される名演。
 トップバッターのリー・モーガン、『MOANIN'』でこれ以上痛快なソロを披露するトランペッターを聴いたことがありません、わたし。それ位凄いソロ。

 軽快に疾走する『ARE YOU REAL』、静寂感漂う穏やかな『ALONG CAME BETTY』。テンポは違えどいずれもゴスペル調のファンキーな曲です。


 『THE DRUM THUNDER SUITE』は、3つのパートに分かれた組曲です。

最初のパート『First Theme: Drum Thunder』は、ブレイキー自身が『Drum Thunder』と名付けたソロ中心。ホーン2人とピアノのソロもなかなか。
次のパート『Second Theme: Cry A Blue Tear』は、ロングトーン多めの綺麗なテーマが印象的。
最後のパート『Third Theme: Harlem's Disciples』は、一転してファンキー!モーガン大活躍!です。

 マーチ風シャッフル・ビートが心地よい『BLUES MARCH』、 ラストは唯一のスタンダード『COME RAIN OR COME SHINE』ですがこれまたゴスペル調にアレンジされております。
 ソロの最初に登場するボビー・ティモンズのブロック・コードによるピアノソロ、これまたド・ファンキー(笑)。


 『MOANIN'(別テイク)』は、元々リハーサル・テイクだったらしいので出来は期待しないように(笑)。



MOANIN' / ART BLAKEY & THE JAZZ MESSENGERS Blue Note BST-84003

01. Warm Up And Dialogue Between Lee And Rudy 0:35

02. MOANIN' (Bobby Timmons) 9:30
03. ARE YOU REAL (Benny Golson) 4:47
04. ALONG CAME BETTY (Benny Golson) 6:08

05. THE DRUM THUNDER SUITE (Benny Golson) 7:30
First Theme: Drum Thunder
Second Theme: Cry A Blue Tear
Third Theme: Harlem's Disciples

06. BLUES MARCH (Benny Golson) 6:13
07. COME RAIN OR COME SHINE (H.Arlen-J.Mercer) 5:45

08. MOANIN' -alternate take- 9:19

Lee Morgan (tp) Benny Golson (ts) Bobby Timmons (p) Jymie Merritt (b) Art Blakey (ds)
Recorded on October 30, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.


TOCJ-7093 モーニン+2 / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ




チュニジアの夜+2 / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ



スイングジャーナル 2008年 04月号と・・・無意識にリンク?2008/04/08 20:18

ブルーノート紙ジャケ 20080408

 えりっく$Φさーん、少しはブログ更新出来るようになりましたよー。
 RVGリマスター第10回分は、色々資料を確認する必要があるので時間かかってますが。
 まずはこれで、業務連絡終わり(笑)。


 で本題。
 今日一寸時間があったので、新潟駅南の某大型書店に立ち寄りましたところ、吃驚仰天。


 スイングジャーナル 2008年 04月号は『アート・ブレイキー』の特集に『アルフレッド・ライオン生誕100周年』とブルーノートてんこ盛り(笑)。
 もちろん、我らが(?)小川隆夫さんも記事投稿されてますね。

 事前にスイングジャーナルの記事見ないで書き始めたので、こういうシンクロ現象があるとなんか不思議な気分。

 ・・・・という訳で、2008年 04月号はブルーノート満載なので是非ともお買い求め下さいませ。


●ハービー・ハンコック-グラミー賞《最優秀アルバム賞》受賞!!
●ジャズblog最新事情 ●保存版・ジャイアンツが愛したジャズ名曲名演決定盤-アート・ブレイキー
●ハードトップに永遠の生命を吹き込んだ男-アルフレッド・ライオン生誕100周年
●表紙-ハービー・ハンコック

○Swing Journal (スイングジャーナル) 2008年 04月号 [雑誌]


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-トゥルー・ブルー+2 - ティナ・ブルックス2008/04/12 12:10

TRUE BLUE - TINA BROOKS  Blue Note BST-84041

 ブルーノートが売り出しを図る新人さん(当時)、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)とフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)の共演盤です。
 ティナ・ブルックスにとっては当時発売された唯一のリーダー・アルバムとなります。
 発売当初は無名の新人さんのアルバムであったためまったく売れず、日本のジャズ喫茶界隈では「幻の名盤」と持て囃されたとか。

 このアルバムを気に入った方はもう一枚の共演盤、番号続きの『オープン・セサミ/フレディ・ハバード(4040)』も聴いて下さい。

 あ、バップ・ピアニストのデューク・ジョーダン(Duke Jordan)が参加しているのが嬉しいですね。


 丁度、『ジャズマンがコッソリ愛するJAZZ隠れ名盤100/小川隆夫 著(河出書房新書)』の中に「トゥルー・ブルー」の紹介ページがありますので確認。
 スタンリー・タレンタイン(ts)のコメントを要約すると、『結構ブルージーで、ハンク・モブレー的スタイルの持主』なんだそうです。
 成るほど。そう言われて聴き直すとそうかも(笑)。ちなみにスタンレーご本人は『ソニー・ロリンズ』タイプの奏法だとのこと。


 前半(LP時代はA面)は、サム・ジョーンズのどっしりとしたウォーキング・ベースが心地良いミディアムテンポの「Good Old Soul」、 スインギーなハードバップナンバー「Up Tight's Creek」、 哀愁漂うラテン調のテーマが耳に残る「Theme For Doris」と続きます。

 後半(LP時代はB面)はリズム・パターンが面白いタイトルトラックの「True Blue」、 ティナ作曲「オープン・セサミ(Open Sesame)」と良く似た曲調の「Miss Hazel」、 最後はフレディ・ハバードがテーマをリードする軽快な「Nothing Ever Changes My Love For You」で締めくくります。


 なお追加曲の「True Blue」「Good Old Soul」は本テイクと同じ位の出来栄えです。


TRUE BLUE / TINA BROOKS Blue Note BST-84041

01. Good Old Soul (Tina Brooks) 8:05
02. Up Tight's Creek (Tina Brooks) 5:14
03. Theme For Doris (Tina Brooks) 5:50

04. True Blue (Tina Brooks) 4:55
05. Miss Hazel (Tina Brooks) 5:29
06. Nothing Ever Changes My Love For You (M.Fisher-J.Segal) 7:50

07. True Blue -alternate take- 5:05
08. Good Old Soul -alternate take- 7:35

Freddie Hubbard (tp) Tina Brooks (ts) Duke Jordan (p) Sam Jones (b) Art Taylor (ds)
Recorded on June 25, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7095 トゥルー・ブルー+2 / ティナ・ブルックス




オープン・セサミ+2 / フレディ・ハバード


バック・トゥ・ザ・トラックス / ティナ・ブルックス



ジャッキーズ・バッグ +3 / ジャッキー・マクリーン



フライト・トゥ・ジョーダン+2 / デューク・ジョーダン



♪Tina Brooks On Blue Note [Selected]


●1958.02.25 House Party / Jimmy Smith Blue Note BST-84002
●1958.02.25 The Sermon ! / Jimmy Smith Blue Note BST-84011

◎1958.03.16 Minor Move / Tina Brooks Blue Note GXF-3072 [Japan]

●1958.04.07 Cool Blues / Jimmy Smith Blue Note LT-1054

●1958.05.14 Blue Lights, Vol. 1 / Kenny Burrell Blue Note BST-81596
●1958.05.14 Blue Lights, Vol. 2 / Kenny Burrell Blue Note BST-81597


●1959.08.25 On View At The Five Spot Cafe / Kenny Burrell Blue Note BST-4021


●1960.06.19 Open Sesame / Freddie Hubbard Blue Note BST-84040
◎1960.06.25 True Blue / Tina Brooks Blue Note BST-84041

●1960.08.13 Shades Of Redd / Freddie Redd Blue Note BLP 4045
●1960.09.01 Jackie's Bag / Jackie McLean Blue Note BLP 4051

◎1960.10.20 Back To The Tracks / Tina Brooks Blue Note BRP-8033 [Japan]


◎1961.03.02 The Waiting Game / Tina Brooks Blue Note


ハウス・パーティ+1 / ジミー・スミス


Waiting Game / Tina Brooks



Blue Lights, Vols. 1-2 / Kenny Burrell



Cool Blues / Jimmy Smith


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-ドゥーイン・オールライト+2 - デクスター・ゴードン2008/04/12 15:43

DOIN' ALLRIGHT - DEXTER GORDON  Blue Note BST-84077

 ビバップ時代の大スター、デクスター・ゴードン(Dexter Gordon)のブルーノート第一弾。
 彼の復帰を聞きつけたアルフレッド・ライオンが、アイク・ケベック(Ike Quebec)を通して実現させた録音なんだそうです。


 相方のトランペットはフレディ・ハバード(Freddie Hubbard)、バックはスタンレー・タレンタイン(Stanley Turrentine)のアルバムなどで御馴染み、ホレス・パーラン(Horace Parlan)の”Us Three”トリオ。

 わたくし最初、ホレス・パーランはともかく、フレディ・ハバードとは合うのか?と不安に思っておりましたが、意外とフィットするんですね。
 このフロント2人は1962年、「Takin' Off / Herbie Hancock(4109)」で再度、競演することになります。


 デクスター・ゴードンの悠然とした雰囲気そのままの「I WAS DOING ALL RIGHT」、デクスターは倍のテンポでソロ・フレーズを紡いでいきます。
 2曲目のバラッド「YOU'VE CHANGED」、粘り気のある(笑)”Us Three”トリオをバックに淡々とフレーズを重ねるデクスター、続くフレディは短いながらも溌剌としたソロを聴かせてくれます。
 ちょっとユーモラスな曲調の「FOR REGULARS ONLY」では、時折ホンカー(笑)みたいなフレーズを織り交ぜながら小気味良いブローを展開してます。
 この曲で一番張り切っているのはフレディかも。最後に登場するホレス・バーランも、お得意のブロック・コードを混ぜたソロを披露します。

 ブルージーな「SOCIETY RED」は、セカンドリフも入る長尺な演奏。
 ラストの「IT'S YOU OR NO ONE」、デクスター・ゴードンはアップ・テンポに刻まれるリズムに乗ってノリノリなソロを聴かせてくれます。


DOIN' ALLRIGHT / DEXTER GORDON Blue Note BST-84077

01. I WAS DOING ALL RIGHT (Gershwin) 9:23
02. YOU'VE CHANGED (Carey-Fisher) 7:30
03. FOR REGULARS ONLY (Dextor Gordon) 5:48

04. SOCIETY RED (Dextor Gordon) 12:26
05. IT'S YOU OR NO ONE (Styne-Cahn) 6:18

06. I WANT MORE 6:21
07. FOR REGULARS ONLY -alternate take- 12:21

Freddie Hubbard (tp) Dexter Gordon (ts) Horace Parlan (p) George Tucker (b) Al Harewood (ds)
Recorded on May 6, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7096 ドゥーイン・オールライト+2 / デクスター・ゴードン



アワ・マン・イン・パリ+2 / デクスター・ゴードン



ゴー! / デクスター・ゴードン



テイキン・オフ+3 / ハービー・ハンコック



ゲッティン・アラウンド+2 / デクスター・ゴードン


新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-TOCJ-7097 ザ・ラテン・ビット+3 - グラント・グリーン2008/04/12 16:08


 グラント・グリーンのラテンもの。
 ラテンは好きですがギターに疎いわたくしなので、詳細はスルーさせていただきます。m(__)m
 オルガンが絡んだりすると、書きやすいんだけどね(笑)。


THE LATIN BIT / GRANT GREEN Blue Note BST-84111

01. MAMBO INN 5:52
02. BESAME MUCHO 7:12
03. MAMA INEZ 6:42
04. BRAZIL 5:01
05. TICO TICO 7:46
06. MY LITTLE SUEDE SHOES 6:23

07. BLUES FOR JUANITA 7:06
08. GRENADA 6:27
09. HEY THERE 7:24

Grant Green (g) John Acea (p) Wendell Marshall (b) Willie Bobo (ds)
Carlos "Patato" Valdes (conga) Garvin Masseaux (chekere)
Recorded on April 26, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.


TOCJ-7097 ザ・ラテン・ビット+3 / グラント・グリーン




サンディ・モーニン+1 / グラント・グリーン



アイドル・モーメンツ+2 / グラント・グリーン



グリーン・ストリート+2 / グラント・グリーン



フェイス・トゥ・フェイス+2 / ベイビー・フェイス・ウィレット



ワークアウト+1 / ハンク・モブレー



新・ブルーノートRVGコレクション第10回より-ボサノバ・ソウル・サンバ+3 - アイク・ケベック2008/04/12 17:20

BOSSA NOVA SOUL SAMBA - IKE QUEBEC  Blue Note BST-84114

 ビバップ全盛期からタレントスカウトから運転手(!)まで、ブルーノートを影で支えてきたアイク・ケベック、復帰後4枚目となったラストアルバムです(1962年10月録音)。
 ケニー・バレル(Kenny Burrell)を迎え、バレルの名曲「LOIE」などをボサノヴァのリズムに乗せて演奏しております。

 ジャケットのモデルは、後にアルフレッド・ライオンの奥方となる元DJのルースさん。
 ついでに「BOSSA NOVA SOUL SAMBA」は、加持の隠れ愛聴盤でもあります。


 ケベックは翌年1963年1月、肺ガンのため亡くなってしまった為、表舞台に復帰してから公式に発売されたのはアルバムは計4枚。

 その他のアルバムを紹介すると1枚目は1961年末録音、オルガントリオをバックした「Heavy Soul / Ike Quebec(4093)」
 2枚目はグラント・グリーン(g)が参加した1961年11月録音「Blue and Sentimental(4098)」、3枚目は1961年12月の「春の如く - It Might as Be Spring(4105)」
 いずれのアルバムもアルフレッド・ライオン好みの、ブルース・フィーリングが横溢した作品です。


 では録音時の背景を頭に入れて演奏を聴いてみましょう。

 ケベックの演奏ですが、サブトーン多目で抑え気味に感じるます。これは「肺ガンによる痛み」に耐えながら演奏している為でしょうか?
 肺の病は、管楽器奏者には致命的とも思えますので・・・豪快にブローしたくても吹けなかったのかも。

 1曲目の「LOIE」からラストの「LINDA FLOR」まで一気に聴き通すと、心地よさからもう一度聴きたくなります。

 3曲追加された別テイクも秀逸な出来・・・ジャズファン以外にもお勧め出来る1枚です。


BOSSA NOVA SOUL SAMBA / IKE QUEBEC Blue Note BST-84114

01. LOIE (Kenny Burrell) 3:10
02. LLORO TU DESPEDIDA (Lacerda-Camacho-Cabrall) 3:04
03. GOIN' HOME (Anton Dvorak arr. Ike Quebec) 5:42
04. ME 'N YOU (Ike Quebec) 5:59

05. LIEBESTRAUM (arr. Ike Quebec) 3:42
06. SHU SHU (A.Almeida-C.De Souza) 3:31
07. BLUE SAMBA (Ike Quebec) 5:22
08. FAVELA (H.Tavares-J.Camargo) 4:00
09. LINDA FLOR (Henrique Vogeler) 3:27

10. LOIE (Kenny Burrell) -alternate take- 3:34
11. SHU SHU (A.Almeida-C.De Souza) -alternate take- 3:19
12. FAVELA (H.Tavares-J.Camargo) -alternate take- 3:21


Ike Quebec (ts) Kenny Burrell (g) Wendell Marshall (b) Willie Bobo (ds)
Garvin Masseaux (chekere)
Recorded on October 5, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.

TOCJ-7098 ボサノバ・ソウル・サンバ+3 / アイク・ケベック




春の如く / アイク・ケベック