新・ブルーノートRVGコレクション第7回より-ザ・スタイリングス・オブ・シルヴァー - ホレス・シルヴァー2008/01/01 05:37

THE STYLINGS OF SILVER - HORACE SILVER  Blue Note BST-81562

 皆様、明けましておめでとうございます。
 今回は、新年に相応しい(?)ホレスにしては珍しい洗練されたアルバムを・・・・これ、LP時代は良く聴いてました。


 普通私の思い描くホレスのアルバムのイメージは、ファンキー&ブルージーでリズム・パターンが複雑・・・といった感じです。
 そんな典型的なイメージを良い意味で裏切ってくれるのが、この『THE STYLINGS OF SILVER』です。

 前作『6 Pieces Of Silver(BLP-1539)』は、エキゾチック&ブルージーな大ヒット・ナンバー「Senor Blues」のイメージが強いですが、今回は方向転換した知的&マイルドな感じがジャケットからも漂ってきます。

 ・・・なんでかなあ、とアルバムを聴きながら思いを巡らせてみると・・・・フロント2人のマイルドな演奏が、ホレスのアク(笑)の強さを和らげていることに気が付きました。
 おいしいんだけど、にがーいコーヒーにミルク(乳製品でもよし)を混ぜた様なものですか(笑)。

 そうすると、知的&マイルドな感じになっているのは、新加入のアート・ファーマー(Art Farmer)のお陰(?)でしょうね。
 そんな訳で、アート・ファーマーが参加したホレスのクインテットは、どんどん「知的探求」を突き進める事になります・・・良くも悪くも。


 面倒なの(笑)で詳細は省きますが、今回収録されたホレスのオリジナル曲は、小節数とかが変ってます。
 スタンダートでありがちな8・16小節(AABA形式?)やブルースの12小節などに、1小節減らしたりブリッジなどの「おまけ」を加えているみたいです。
 まあそんな小細工を気にする事無く、聴き通せてしまうのが本アルバムの凄い所でしょう。


 個々の曲では、マイルドなファンキー・ナンバー「HOME COOKIN'」、前述の通り凝った曲構成の「METAMORPHOSIS」あたりが聴き所。

 最後にミディアム・テンポで演奏されるスタンダード「MY ONE AND ONLY LOVE」は、優雅というか慈愛に満ち溢れた感じがする演奏です。
 クインテット編成のジャズで、こんなに優しい思いにさせてくれる演奏は珍しいのではないでしょうか。


TOCJ-7064 ザ・スタイリングス・オブ・シルヴァー / ホレス・シルヴァー

●THE STYLINGS OF SILVER / HORACE SILVER Blue Note BST-81562

01. NO SMOKIN' (Horace Silver) 5:30
02. THE BACK BEAT (Horace Silver) 6:20
03. SOULVILLE (Horace Silver) 6:15

04. HOME COOKIN' (Horace Silver) 6:26
05. METAMORPHOSIS (Horace Silver) 7:15
06. MY ONE AND ONLY LOVE (Mellin-Wood) 7:00

Art Farmer (tp) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Teddy Kotick (b) Louis Hayes (ds)
Recorded on May 8, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.





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